JP3048221B2 - ブラックマトリクスの形成方法 - Google Patents

ブラックマトリクスの形成方法

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JP3048221B2 JP12155996A JP12155996A JP3048221B2 JP 3048221 B2 JP3048221 B2 JP 3048221B2 JP 12155996 A JP12155996 A JP 12155996A JP 12155996 A JP12155996 A JP 12155996A JP 3048221 B2 JP3048221 B2 JP 3048221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置、薄膜
EL表示装置、フィールドエミッタ表示装置等のカラー
フラットディスプレイのカラーフィルタに使用されカラ
ー表示を鮮明にするためのブラックマトリクスの形成方
法に係り、特に、高開口率を実現することができるブラ
ックマトリクスの形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、一般のカラー液晶表示装置を図6
により説明する。
【0003】図6において、間隔を隔てて1対のガラス
基板1A,1Bが配設されている。このうち一方のガラ
ス基板1Aの外側には、偏光板2Aが接着されており、
また、このガラス基板1Aの内側には、多数のカラーフ
ィルタ3G,3R,3Bが配設されている。さらに、隣
位の1対のカラーフィルタ3,3間には、カラー表示を
鮮明にするため遮光用のブラックマトリクスまたはブラ
ックストライプ4が配置されている。このうちブラック
ストライプは電着方式のカラーフィルタにのみ用いられ
ているので、ここでは符号4を以下ブラックマトリクス
と称する。また、前記各カラーフィルタ3およびブラッ
クマトリクス4の内側には、保護膜5を介して透明電極
6Aが配設されている。
【0004】一方、前記他方のガラス基板1Bの外側に
は、偏光板2Bを介してバックライトとして機能する導
光板7が配設されており、この導光板7の端面の近傍に
は、この導光板7を面発光させる蛍光灯8が配設されて
いる。また、前記ガラス基板1Bの内側には、絶縁層9
に被覆されるようにして複数のゲート10が配設されて
いる。さらに、前記絶縁層9の内側には、前記各ゲート
10に対向するようにスイッチング素子である水素化非
晶質薄膜トランジスタ11がそれぞれ保護部材12に囲
繞されるようにして配設されている。そして、前記各水
素化非晶質薄膜トランジスタ11に通電するための透明
電極6Bが前記絶縁層9の内側に配設されている。ま
た、前記両透明電極6A,6B間には液晶LCが封入さ
れている。
【0005】前述したカラー液晶表示装置における前記
ブラックマトリクス4の機能を説明すると、ブラックマ
トリクス4は、緑のカラーフィルタ3GがONで、隣位
の赤のカラーフィルタ3Rおよび青のカラーフィルタ3
BがOFFの場合、面発光する導光板7からのバックラ
イトが、ON状態にある緑のカラーフィルタ3Gのみを
透過し、OFF状態にある赤と青のカラーフィルタ3
R,3Bへは到達しないように機能する。
【0006】そして、ブラックマトリクス4の材料とし
ては、バックライトを遮蔽しうるだけでなくバックライ
トに対して低反射率の材料が要求される。これは、カラ
ーフィルタ3GがONで、隣位のカラーフィルタ3Rと
カラーフィルタ3BがそれぞれOFFの場合に、ブラッ
クマトリクス4のバックライトに対する反射率が高い
と、ブラックマトリクス4において反射されたバックラ
イトが赤と青のカラーフィルタ3R,3Bに対応するO
FF状態にある水素化非晶質シリコン薄膜トランジスタ
11に入射し、このシリコン薄膜トランジスタ11をO
N状態にする可能性があるからである。
【0007】ところで、低反射率の要求からすれば樹脂
ブラックをブラックマトリクス4に用いたものの反射率
は0.5%であり、金属クロムの50%、低反射クロム
の3%以下という反射率より格段に優れているが、樹脂
ブラックを用いたブラックマトリクス4はバックライト
の遮光性能を表す指標である光学濃度(OD)が2.3
であり、金属クロムや低反射クロムの4以上と較べると
光学濃度の低い点が問題であった。このため、現在は金
属クロムの上に酸化クロムを載置した低反射クロムがブ
ラックマトリクス4の主流になりつつある。
【0008】つぎに、ブラックマトリクス4の形成方法
について説明すると、電着法以外の方法においては、最
初にブラックマトリクス4をガラス基板1上に形成し、
その後、各色のカラーフィルタ3R,3G,3Bを形成
する。現在、カラーフィルタ3の形成方法としては、4
つの製造方法が用いられているが、ここでは説明の都合
上、顔料分散法と電着法について簡単に説明を行う。
【0009】まず、顔料分散法について説明する。
【0010】図7(a)に示すブラックマトリクス4を
形成したガラス基板1に、図7(b)に示すように、赤
のカラーフィルタ3R用の着色レジスト13をスピンコ
ートまたはロールコート法によりガラス基板1の全面に
塗布する。ついで、図7(c)に示すように、前記着色
レジスト13の上にフォトレジスト14をスピンコート
またはロールコートにより塗布し、さらに、図7
(d),(e)に示すように、フォトマスク15を介し
て露光ならびに現像を行い、赤のカラーフィルタ3Rを
形成する。
【0011】以下、緑のカラーフィルタ3Gと青のカラ
ーフィルタ3Bについて前述したと同様の工程を繰り返
し、図7(f)に示すように、3色のカラーフィルタ3
R,3G,3Bを形成する。
【0012】つぎに、電着法について説明する。
【0013】図8(a)に示すように、ガラス基板1に
電着用のITO薄膜16をスパッタまたは蒸着法により
形成したうえで、このITO薄膜16上にフォトレジス
ト14を塗布する。つぎに、図8(b),(c),
(d)に示すように、フォトマスク15を介して露光、
現像およびエッチングを行い、ITO薄膜16のストラ
イプを形成する。その後、図8(e)に示すように、前
記ITO薄膜16のストライプが形成されたガラス基板
1を赤のカラーフィルタ3Rの顔料を分散させた電着液
中に浸漬し、ITO薄膜16に対向電極に対してプラス
電圧を印加する。すると、電着液中の赤の顔料はサブミ
クロンのサイズでマイナス帯電をしており、電気泳動に
よりプラス帯電をしているITO薄膜16の表面に電着
する。続いて緑のカラーフィルタ3Gの電着液と、青の
カラーフィルタ3Bの電着液とによりそれぞれ緑と青の
カラーフィルタ3G,3Bをそれぞれ電着する。
【0014】このようにして、図8(f)に示すよう
に、ガラス基板1上に赤、緑、青のカラーフィルタ3
R,3G,3Bからなるカラーマトリクス17が形成さ
れた後に、図8(g)に示すように、感光性を有する樹
脂ブラック18をカラーマトリクス17上にスピンコー
トまたはロールコートにより塗布したのち、図8(h)
に示すように、ガラス基板1側から紫外線(UV)によ
る背面露光を行う。すると、カラーマトリクス17上の
感光性樹脂ブラック18はカラーフィルタ3R,3G,
3Bを介しているため未露光となり、現像工程において
除去されることになる、この結果、図8(i)に示すよ
うに、隣位のカラーフィルタ3R,3G,3Bの間だけ
に樹脂ブラック18が残存し、ブラックマトリクス4を
形成することになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カラーフィ
ルタ3は半導体ICと異なり、外形寸法が非常に大き
く、また要求される寸法精度がVGA仕様で画素ピッチ
75μm、間隙25μm、SVGA仕様で画素ピッチ7
0μm、間隙20μmであり、1パネルにおける位置精
度は±2μmを要求されるため、印刷法を除くとほとん
どのカラーフィルタ製造方法がフォト工程を多用する製
造プロセスを採用している。
【0016】そして、今後要求されるマザーガラスの大
型化と画素の高精細化を考慮に入れると印刷法では対応
できないとみなされている。
【0017】また、従来法によるカラーフィルタの形成
において、カラーフィルタ3とブラックマトリクス4の
間には膜厚の相違による段差があり、表示用のITO薄
膜16の成膜において、段差の箇所にステップカバレー
ジの問題を生じるおそれがあった。そのため、従来は、
透明樹脂を全面に塗布して段差を埋め、必要な場合には
さらに研磨をする必要があり、工程が複雑であった。
【0018】本発明は、このような点に鑑み、フォト工
程をまったく使用しないか、あるいは少ししか使用せ
ず、簡単にして安価にブラックマトリクスを製造でき、
しかも、高光学濃度ならびに低反射率のブラックマトリ
クスの得られるブラックマトリクスの形成方法を提供す
ることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、請求項1に記載の本発明の特徴は、透明基板上に
この透明基板の可視光領域の透過率が85%以上を維持
するように酸化亜鉛膜を形成し、この酸化亜鉛膜上に塩
化パラジウムによる触媒作用を利用して無電解銅メッキ
を施す点にある。そして、このような構成を採用したこ
とにより、高光学濃度ならびに低反射率のブラックマト
リクスを得ることができる。
【0020】また、請求項2に記載の本発明の特徴は、
無電解銅メッキの表面に酸化銅の薄膜を形成する点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、カ
ラーフィルタ側から見ても安定的な低反射率のブラック
マトリクスとすることができる。
【0021】さらに、請求項3に記載の本発明の特徴
は、STN液晶表示器用のブラックマトリクスの形成方
法において、駆動ICをそのはんだバンプにより前記酸
化亜鉛上の銅に接続する点にある。そして、このような
構成を採用したことにより、金製のバンプのような高価
なバンプを設けることなく、しかも異方性導電フィルム
を用いることなく駆動ICのガラス基板への直接のボン
ディングが可能となる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るブラックマト
リクスの形成方法の実施の形態を図面を参照して説明す
る。
【0027】図1は、カラーフィルタを染色法、顔料分
散法、印刷法等を用いてそれぞれ形成する場合の本発明
のブラックマトリクスの形成方法の第1の実施の形態を
示すものである。
【0028】まず、図1(a)に示すように、ガラス基
板1にスパッタ等により酸化亜鉛(ZnO)膜20を成
膜する。この酸化亜鉛膜20は透明な酸化膜であり、2
000〜3000オングストロームの酸化亜鉛膜20で
あれば基板ガラスの可視光領域の透過率は85%以上で
ある。この酸化亜鉛膜20に、図1(b)に示すよう
に、フォトレジスト14を用いてフォト工程により画素
部21とドライバのような駆動回路部22のパターンを
形成する(図1(c))。
【0029】ついで、図1(d)に示すように、フォト
工程により形成された前記画素部21に染色法、顔料分
散法、印刷法等により赤、緑、青のカラーフィルタから
なるカラーマトリクス17を前記酸化亜鉛膜20上に形
成する。このカラーマトリクス17の膜厚は1〜2μm
程度とされている。
【0030】その後、このカラーマトリクス17の形成
されたガラス基板1を触媒作用のある塩化パラジウム
(PdCl2 )溶液に1〜2分程度浸漬し、露出してい
る外周面にPdイオンを吸着させたうえで、無電解銅メ
ッキ液に浸漬し、図1(e)に示すように、カラーマト
リクス17の膜厚に相当するだけ銅メッキ23を析出さ
せる。なお、前記塩化パラジウム溶液は、一例としてP
dCl2 :0.2g,HCl:0.5ml,H2O :5
00mlという配合とされている。
【0031】そして、前記無電解銅メッキの際、銅メッ
キ23は酸化亜鉛膜20が露出している部位にのみ選択
的に析出し、カラーマトリクス17の形成されている部
位には析出することがない。これは、カラーマトリクス
17がマスクの役割を果たすためである。したがって、
フォト工程を全く必要とすることなくブラックマトリク
ス4を自動的に形成することができる。
【0032】前記画素部21に析出した銅メッキ23
は、背部のガラス基板1側から見ると、後述する表面プ
ラズモンポラリトン:SPP(surface plasmon polarit
on) の発現のため黒色に見えるが、カラーマトリクス1
7の形成された側から見ると、金属光沢を有する銅その
ものの色に見えてしまう。すなわち、この状態において
は、バックライトに対する反射率が高く、実用性に欠け
ることになる。そこで、図1(f)に示すように、駆動
回路部22をフォトレジスト14によりマスクし、ガラ
ス基板1の全体を銅を酸化させる溶液、例えば過酸化水
素水や硝酸等に浸漬し、銅メッキ23の表面を反射率の
低い酸化銅(CuO)の薄膜24に変換する(図1
(g))。この湿式の酸化に代わり酸素プラズマ中で加
熱することにより銅メッキ23の表面を酸化銅薄膜24
に変換してもよい。
【0033】ついで、図1(h)に示すように、駆動回
路部22をマスクしていたフォトレジスト14を除去
し、画素部21に表示用のITO薄膜16を形成し、酸
化亜鉛膜20上に銅メッキ23を施してなる駆動回路部
22と電気的に接続する。最後に銅メッキ23の露出さ
れている駆動回路部22にドライバIC25を実装す
る。
【0034】前述した本発明の第1の実施の形態によれ
ば、ブラックマトリクス4の形成をフォト工程なしで簡
単かつ安価に行うことができる。
【0035】また、金属や自由電子濃度の高い半導体中
には自由電子の疎密波であるプラズモンが存在し、この
プラズモンは電子の集団振動であるので、必然的に電磁
場の振動を伴ったポラリトン(粒子の振動と電磁場の振
動の結合したもの)の仲間に入る。そして、金属や半導
体の表面においてはプラズモンポラリトンと称する振動
モードが存在するために、位相速度が同じとなる光を吸
収できることが知られている。一般に平滑な表面を有す
る金属においては両者の位相速度が異なるため光の吸収
は起こらないが、表面にランダムな凹凸が存在する場合
には、入射光の位相速度に変化が起こり、光を吸収する
ことが可能となる。前記ブラックマトリクス4における
銅メッキ23と酸化亜鉛膜20の界面を電子顕微鏡で観
察したところ、サブミクロンオーダーの微細な凹凸が形
成されていることが確認できた。したがって、本実施の
形態により形成されるブラックマトリクス4は、表面の
凹凸が可視光領域の光で表面プラズモンポラリトンを励
起することを可能とし、結果として銅メッキ23と酸化
亜鉛膜20の界面が光学濃度(OD)で5というような
素晴らしい可視光吸収能力を発揮することになり、高開
口率を実現することができる。
【0036】さらに、従来の方法において問題となって
いたカラーマトリクス17とブラックマトリクス4との
段差の問題も、本実施の形態においては、カラーマトリ
クス17の膜厚に相当する分だけ無電解銅メッキを行え
ばよいため、カラーマトリクス17とブラックマトリク
ス4との間に段差の生じない平滑なブラックマトリクス
4を形成することができる。
【0037】ところで、一般に、アクティブマトリクス
液晶表示器には、ガラス基板1として無アルカリガラス
基板やシリカガラス基板が用いられ、STN(Super Twi
stedNematic)液晶表示器には、ガラス基板をSiO2
より被覆したものが用いられているが、本発明の本実施
の形態によるブラックマトリクスの形成を行えば、酸化
亜鉛膜20がアルカリの溶出を抑制するためにソーダガ
ラス基板をSiO2により被覆する工程を省くことがで
き、さらなるコストダウンをはかることが可能となる。
【0038】また、STN液晶表示器においては、一般
に、駆動ICがカラーフィルタ側ガラス基板1と、もう
一方のガラス基板との双方に搭載される。従来は、IT
O薄膜16へのはんだづけができなかったためACF(A
nisotropic Conductive Film) 異方性導電材料を用いて
金からなるバンプを有する駆動ICを接続していたが、
本実施の形態によれば、ブラックマトリクス4が銅メッ
キ23により形成されているので、はんだバンプを有す
る駆動ICを簡単に搭載することができる。
【0039】図2ないし図4は、電着法によるカラーフ
ィルタ製造方法に本発明を適用した場合の実施の形態を
示すものである。
【0040】図2は電着法によるカラーフィルタの平面
図である。この図において、格子状に配設されたブラッ
クマトリクス4に囲繞されるように各色のカラーフィル
タ3R,3G,3Bが各色ごとに整列配置されている。
そして、本実施の形態は、従来のブラックマトリクス4
より画質の鮮明なブラックマトリクス4を形成するもの
である。
【0041】図3は図2のIII-III 線に沿う断面図、図
4は図2のIV-IV 線に沿う断面図である。
【0042】まず、図3について説明する。最初に、図
3(a)に示すように、ガラス基板1に電着用の複数の
ITO薄膜16をストライプ状に形成する。つぎに、図
3(b)に示すように、これらのガラス基板1および各
ITO薄膜16上にスパッタ等により酸化亜鉛膜20を
2000〜3000オングストロームの膜厚となるよう
に成膜する。さらに、図3(c)に示すように、カラー
フィルタ3の画素部21以外の部位をフォトレジスト1
4によりマスクし、エッチングにより画素部21におけ
る酸化亜鉛膜20を除去する。すると、図3(d)に示
すように、画素部21におけるITO薄膜16と、それ
以外の部位における酸化亜鉛膜20の膜厚とはほぼ等し
くなる。
【0043】つぎに、図3(e)に示すように、各IT
O薄膜16上に電着法により赤、緑、青のカラーフィル
タ3R,3G,3Bからなるカラーマトリクス17を形
成する。そして、カラーマトリクス17の形成後、ガラ
ス基板1を塩化パラジウム(PdCl2 )溶液に浸漬
し、Pdイオンを酸化亜鉛膜20に吸着させ、続いて無
電解銅メッキを行って銅メッキからなるブラックマトリ
クス4を形成する(図3(f))。このとき、前述した
図1の実施の形態と同様、カラーマトリクス17はマス
クの役割を果たすので、このカラーマトリクス17上に
は銅メッキは析出しない。なお、前記酸化亜鉛膜20上
の銅メッキ23は、前記カラーマトリクス17の膜厚と
ほぼ等しくされている。
【0044】ところで、前記ブラックマトリクス4の表
面は金属光沢を有する銅であるため、バックライトの反
射率を低減する目的で、例えば過酸化水素水や硝酸に浸
漬し、銅メッキ23の表面を酸化銅薄膜24に変換する
(図3(g))。
【0045】つぎに、図4は、前述したように図2のIV
-IV 線に沿う断面図であるが、この部位は、電着用IT
O薄膜16がストライプ状に配設されている部位と、I
TO薄膜16が除去された間隙とが交互に配設されるも
のである。そこで、この箇所には図中横方向にブラック
マトリクス4を形成するために、前記図3(b)と同時
に形成されたガラス基板1および各ITO薄膜16上の
酸化亜鉛膜20(図4(a))を、図4(b)に示すよ
うに、フォトレジスト14によりマスクし、前記図3
(c)における画素部21の酸化亜鉛膜20を除去する
際にエッチングされないようにする。ついで、画素部2
1の酸化亜鉛膜20のエッチング後にフォトレジスト1
4を除去し,前記図3(f)の工程の際に、図4(c)
に示すように、酸化亜鉛膜20上に無電解銅メッキ23
を施し、ついで、図4(d)に示すように、ブラックマ
トリクス4の表面の銅メッキ23を酸化して、バックラ
イトに対して低反射率を有する酸化銅薄膜24を形成す
る。
【0046】前述した本発明の第2の実施の形態によれ
ば、ブラックマトリクス4の形成をフォト工程なしで簡
単かつ安価に行うことができる。
【0047】また、この電着法において、アルミニウム
をドープした導電性酸化亜鉛膜20を使用すれば、電着
用ITO薄膜16の役割と、ブラックマトリクス4の形
成におけるベースの役割という2つの役割を果たすこと
ができる。
【0048】図5は、本発明の第3の実施の形態を示す
ものであり、前述した第2の実施の形態においては、電
着用ITO薄膜のストライプをカラーフィルタの電着用
に用いたが、この図5の実施の形態においては、ITO
薄膜をフォトエッチングせず、ITO薄膜を全面べたで
用いるパターンレス法を用い、さらに、ITO薄膜の代
わりにAl23を2重量%含有する酸化亜鉛ターゲット
を用いて作成したアルミニウムをドープした酸化亜鉛膜
を用いた例を説明する。アルミニウムをドープしていな
いノンドープの酸化亜鉛膜に較べてアルミニウムをドー
プした酸化亜鉛膜は、電気抵抗率が絶縁物から3×10
-4Ω・cm以下の透明導電材料となる。
【0049】まず、図5(a)に示すように、ガラス基
板1に、スパッタによりアルミニウムをドープした酸化
亜鉛膜(アルミニウムドープ酸化亜鉛膜)26を200
0〜3000オングストロームの膜厚となるように成膜
する。このアルミニウムドープ酸化亜鉛膜26の全面上
に赤のカラーフィルタ3Rを電着法により積層し、さら
に、このカラーフィルタ3R上にフォトレジスト14を
塗布する。
【0050】つぎに、図5(b)に示すように、フォト
マスク14を介してカラーフィルタ3Rのパターンを露
光し、カラーフィルタ3R以外の部位のアルミニウムド
ープ酸化亜鉛膜26上に電着しているカラーフィルタ3
Rの材料を現像により除去する(図5(c))。なお、
カラーフィルタ3R上のフォトレジスト14はそのまま
残置しておく。これらの図5(a)〜(c)の工程を繰
り返して同様にして緑のカラーフィルタ3Gと青のカラ
ーフィルタ3Bをそれぞれアルミニウムドープ酸化亜鉛
膜26上に形成する。この状態が図5(d)に示されて
いる。
【0051】このようにして3色のカラーフィルタ3
R,3G,3Bがアルミニウムドープ酸化亜鉛膜26上
に形成された後に、カラーフィルタ3の形成されたガラ
ス基板1を塩化パラジウム(PdCl2 )溶液に浸漬
し、Pdイオンをアルミニウムドープ酸化亜鉛膜26に
吸着させる。その後、このガラス基板1を無電解銅メッ
キ液に浸漬し、カラーフィルタ3が電着しておらずアル
ミニウムドープ酸化亜鉛膜26が露出している部位に銅
メッキ23を施し、図5(e)に示すように、ブラック
マトリクス4を形成する。このブラックマトリクス4の
膜厚は前記各カラーフィルタ3R,3G,3Bの膜厚に
ほぼ等しくされている。
【0052】ついで、このガラス基板1を過酸化水素水
または硝酸溶液等に浸漬し、図5(f)に示すように、
銅メッキ23の表面を軽く酸化し、黒色の酸化銅薄膜2
4を形成する。最後に、図5(g)に示すように、各カ
ラーフィルタ3上のフォトレジスト14を除去し、ブラ
ックマトリクス4により区画されたカラーマトリクス1
7が完成する。
【0053】本実施の形態の方法によれば、前述した第
2の実施の形態に較べると、フォト工程が増えるマイナ
ス面はあるが、第2の実施の形態には必要とされた電着
用のITO薄膜16を必要としない完全平滑なカラーマ
トリクスを形成することができる。
【0054】なお、本発明は、前述した実施の形態に限
定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能
である。
【0055】例えば、実施の形態においては基板として
ガラスを使用したが、本発明は、ガラス以外にもポリエ
ステルフィルムのような透明有機フィルムを基板として
使用することが可能である。ポリエステルフィルムに関
しては本発明の適用実験を行い、ガラスと同様の効果が
得られることはすでに確認済みである。ただし、有機フ
ィルムの場合は、ガラスと比較して耐熱性の問題がある
ため、酸化亜鉛の成膜としてスパッタのような基板に熱
影響の生じないものを利用することになる。
【0056】また、本発明は、無電解銅メッキのみに限
定されるものではなく、他の無電解金属メッキも適用可
能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
単にして安価にブラックマトリクスを製造でき、しか
も、高光学濃度ならびに低反射率のブラックマトリクス
を形成することができる。
【0058】
【0059】さらに、無電解銅メッキの表面に酸化銅の
薄膜を形成することにより、カラーフィルタ側から見て
も安定的な低反射率のブラックマトリクスとすることが
できる。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】さらにまた、STN液晶表示器用のブラッ
クマトリクスの形成方法において、駆動ICをそのはん
だバンプにより前記銅に接続することにより、直接駆動
ICのガラス基板へのボンディングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(h)は本発明の第1の実施の形態
を順を追って示す示す説明図
【図2】 本発明の第2の実施の形態におけるブラック
マトリクスの形成状態を示す平面図
【図3】 (a)〜(g)は本発明の第1の実施の形態
を図2のIII-III 線において順を追って示す説明図
【図4】 (a)〜(d)は本発明の第1の実施の形態
を図2のIV-IV 線において順を追って示す説明図
【図5】 (a)〜(g)は本発明の第3の実施の形態
を順を追って示す示す説明図
【図6】 一般のカラー液晶表示装置を示す縦断面図
【図7】 (a)〜(f)は従来の顔料分散法によるブ
ラックマトリクスの形成方法を順を追って示す説明図
【図8】 (a)〜(i)は従来の電着法によるブラッ
クマトリクスの形成方法を順を追って示す説明図
【符号の説明】
1,1A,1B ガラス基板 3,3R,3G,3B カラーフィルタ 4 ブラックマトリクス 14 フォトレジスト 15 フォトマスク 16 ITO薄膜 17 カラーマトリクス 20 酸化亜鉛膜 21 画素部 22 駆動回路部 23 銅メッキ 24 酸化銅薄膜 26 アルミニウムドープ酸化亜鉛膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2ニ ューシティ本郷台D棟213号 (56)参考文献 特開 平4−202672(JP,A) 特開 平5−331660(JP,A) 特開 平6−180443(JP,A) 特開 平5−307184(JP,A) 特開 平4−20932(JP,A) 特開 昭63−282703(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上にこの透明基板の可視光領域
    の透過率が85%以上を維持するように酸化亜鉛膜を形
    成し、この酸化亜鉛膜上に塩化パラジウムによる触媒作
    用を利用して無電解銅メッキを施すことを特徴とするブ
    ラックマトリクスの形成方法。
  2. 【請求項2】 前記無電解銅メッキの表面に酸化銅の薄
    膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のブラッ
    クマトリクスの形成方法。
  3. 【請求項3】 STN液晶表示器用のブラックマトリク
    スの形成方法において、駆動ICをそのはんだバンプに
    より前記銅に接続することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のブラックマトリクスの形成方法。
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