JP3047737U - 試供品連動パッケージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフ市場化傾向の中で、販売促進上欠かせ
ない試供品の頒布を、関連商品と連動させて自動的に実
施する。 【解決手段】 透明樹脂シートの真空成形等により作っ
たケースに入れた試供品を商品パッケージの頂部又は側
部に装着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、特に化粧品市場において、商品のパッケージに試供品を装着し、商 品とそれに関連した試供品とを組み合わせて消費者に提供することのできる試供 品連動パッケージに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在の化粧品市場は流通チャネルが、チェーン店、百貨店、ストアー等で取り 扱う制度品、問屋卸しの一般品、カタログ販売、コンビニエンス（ＣＶＳ）、訪 問販売等、多岐に別れている。

【０００３】 それらの内、制度品流通における化粧品の販売は、特に基礎化粧品において、 顧客管理に基づき各化粧品メーカーの美容部員やチェーン店従業員等の推奨販売 によって主として行われている。即ち、顧客の美容台帳を作成し、管理し、個人 々々に合わせた商品を推奨する。その販売促進策の一翼を担うものが試供品であ る。これは顧客に対し、次回来店の際に、試した試供品が良かったかどうかを評 価して貰うのであるが、それによって商品の購買にかなり大きく影響する。この ような試供品を配布するに当たり、従来はメーカーの美容部員、チェーン店従業 員等、販売員の人手により個々に手渡されていた。

【０００４】 ところで、現在の化粧品市場の時代背景として、「価格破壊」が各流通経路内 で行われ、消費者は低価格商品を追求する傾向が顕著である。「できるだけ安価 なものを自分で選択し購入したい」との消費者志向に応えて、メーカーとしての 重要課題は販売上人手を省いた高品質の商品開発の検討である。その商品の販売 手法は、消費者の購買意欲をかき立てるようなパッケージデザインの向上、及び 消費者個人で選択し購入できる（所謂、セルフ商品の）売り場スペースの設置等 に集約され、このようなセルフ市場対策は販売戦略上最重要なものとして位置づ けられる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

かかるセルフ市場化傾向の中で、販売促進上欠かせない試供品の頒布には次の ような問題点がある。 （１）消費者自身の判断による選択に委ねるため試供品を選ぶのに時間が掛かり 、又は店員が試供品を消費者に配るには手間と時間を要するため、省力化に繋が らない。 （２）忙しい時は、使用してほしい消費者に渡せなくなり機会損失が大きい。 （３）販売陳列台に置くと、商品を並べるスペースを奪うことになり、尚且つ１ 消費者に対し１個を配布することができなくなる（商品ではないため、消費者が 自由に多数を持ち去ってしまう）。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

従って、主として消費者が個人で選択する売り場スペースにおいて上記の諸問 題を解決する手段として、本考案者は、商品のパッケージに試供品を装着し、商 品のみならずその商品に関連した試供品を同時に提供することのできる試供品連 動パッケージを考案した。

【０００７】 即ち、本考案は、図１及び図２に示すように、透明樹脂シート１を試供品２の 形状に沿って真空又は圧空成形したケース３内部に入れた試供品２を、商品を収 納する箱型パッケージ４の頂部または側面に添設してなる試供品連動パッケージ である。試供品はパッケージ内部の商品と関連のある商品であり、例えば、商品 がファウンデーションの場合は試供品はクレンジングクリーム等とし、商品が美 白効果のある化粧水の場合は試供品として美白乳液、美白エッセンス或いは美白 クリーム等、美白効果を相乗的に増大するものを組み合わせる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案の第１番目の態様は、図３に示すように、前記ケース３の下端をフラン ジ状５となし、箱型パッケージの頂部の蓋６に、前記ケースの試供品収納部が嵌 入するような大きさの抜き部分７を形成し、試供品２を内部に入れ込んだケース を上記抜き部分の下から差し込んで蓋をなし、上記フランジ５が蓋６とパッケー ジ内部のフラップ８との間に挟持固定されてなる試供品連動パッケージである。

【０００９】 即ち、真空又は圧空成形にて、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン 、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の透明シ ート１を、試供品２が目立つような形状に、即ち試供品の形状に沿って成形し、 ケース３を作る。ケース３の下端裾部はフランジ５状とする。次いで、商品を収 納する箱型パッケージ４の頂部の蓋６に、ケース３の試供品収納部が嵌入するよ うな大きさの抜き部分７を形成する。ケース３の中に試供品２を入れ込み、それ を上記箱型パッケージの抜き部分７の下から差し込んで蓋をすれば、ケース３の フランジ５は蓋６とパッケージ内部のフラップ８の間に挟持固定される。

【００１０】 上記フランジ５の大きさを更に拡大し、その先端を直角に折り曲げて蓋の前又 は後ろの隙間に嵌挿するようにすれば、ケースの固定は一層確実となる。また、 箱型パッケージの側面が蓋となっている場合には、上記の抜き部分を側面の蓋に 設け、以下同様とすることができる。但し、頂部の蓋６に取り付ける方が安定性 その他の面で望ましい。第１番目の態様になる試供品連動パッケージは輸送の振 動にも強く、店頭に納入され、打函開封後そのまま販売陳列台に簡単容易に並べ ることができる。

【００１１】 本考案の第２番目の態様として図４に示すように、前記ケース３の裾部分をケ ースを間にして２方向に延長し、該延長部分の適宜な箇所に施した罫線９、９′ より外側に延びる両端を下方直角に折り曲げて形成した２枚の舌片１０、１０′ の１枚１０を箱型パッケージ４の頂部の蓋６と箱との透き間に挿入して、他方の １枚１０′は箱型パッケージの前部に被着するように形成してなる。

【００１２】 即ち、先ず、真空および圧空成形にて透明樹脂シート１で試供品２を形どった ケース、即ち凹陥部３を備えた長方形シートを成形する。凹陥部３の両側の長尺 部分の適宜な箇所、即ち箱型パッケージの頂部の奥行きに見合う箇所に罫線９、 ９′を入れて、該罫線より外側に延びる両端を試供品を入れた凹陥部３と反対方 向に罫線より下方直角に折り曲げ、２枚の舌片１０、１０′を作る。一方、商品 を収納する箱型パッケージ４の頂部蓋６と箱との透き間に前記の舌片１０を差し 込み、他方の舌片１０′を箱の前部に被着するように形成すれば、商品と関連試 供品とを組み合わせた試供品連動パッケージが得られる。箱型パッケージの前部 に被着する舌片には商品又は／及び試供品の情報を予め印刷しておくこともでき る。

【００１３】 本考案の第３番目の態様は、図５に示すように、前記ケース３の裾部分をケー スを間にして２方向に延長し、該延長部分の適宜な箇所に施した罫線９、９′よ り外側に延びる両端部分１１、１１′を裏側に折り曲げ、箱型パッケージの頂部 蓋６の両サイドから挿入し、施蓋してなる試供品連動パッケージである。

【００１４】 即ち、ケース（凹陥部）３の裾部分をケースを間にして２方向に延長し、該延 長部分の適宜な箇所、即ち型箱パッケージの幅に見合う箇所に罫線９、９′を施 す。該罫線より外側に延びる両端部分１１、１１′をそれぞれ矢示方向に裏側に 折り曲げて、箱型パッケージの頂部蓋６の両側から挿入して施蓋すれば、試供品 ケースを箱型パッケージに安定して取り付けることができる。また、上記２方向 に対し直角方向に延びる舌片１２を更に設け、該舌片１２には商品又は／及び試 供品の情報を予め印刷して箱型パッケージの前部に被着するように形成すること ができる。

【００１５】 本考案の試供品連動パッケージは、透明樹脂フィルムで試供品の形状を際立た せて真空成形等により成形し且つ試供品内容物を容易に観察することができるか ら、商品と試供品との組み合わせであることを即時に認識し得て、本考案品の消 費者に対する訴求力は大きい。また第２番目および第３番目の態様に示したよう に、「試供品付き」あるいは、商品と試供品との関連の説明文等の美容情報を舌 片１０′または１２等に予め印刷することができ、消費者の美粧知識の向上、延 いては商品の売上増加に寄与する。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は次の様な優れた効果を奏する。 （１）店頭に一つの商品を陳列するだけで、更にもう１つの関連した試供品が消 費者に必要最小限渡ることになり、消費者の適正な反応による化粧品の価値評価 が最小の投資で可能となり、セルフ商品市場における化粧品の優れた販売促進策 を提供する。 （２）商品と組み合わせた試供品を即時に認識できるので、商品単独のものより も消費者に対する訴求力が大である。 （３）第２及び第３番目の態様の印刷付き試供品連動パッケージについては、予 め舌片部分等に美容情報の印刷書き込みが可能となり、併せて、責任表示面積が 増大するため、消費者にキメ細かい情報提供ができ、ＰＬ法にも対応し易い。 （４）セルフ商品市場の活性化が図られ、消費者への化粧品の使用品種の幅が広 がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案試供品連動パッケージの一例を示す正面
図。

【図２】本考案試供品連動パッケージの一例を示す側面
図。

【図３】本考案試供品連動パッケージの成形組み立て工
程の一例を示す概要図。

【図４】本考案試供品連動パッケージの成形組み立て工
程の別の例を示す概要図。

【図５】本考案試供品連動パッケージの成形組み立て工
程の更に別の例を示す概要図。

【符号の説明】

１ 透明樹脂フィルム ２ 試供品 ３ ケース ４ 箱型パッケージ ５ フランジ ６ 蓋 ７ 抜き部分 ８ フラップ ９、９′ 罫線 １０、１０′ 舌片 １１、１１′ 両端部分 １２ 舌片

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明樹脂シートを試供品の形状に沿って
   真空又は圧空成形したケースの内部に入れた試供品を、
   商品を収納する箱型パッケージの頂部または側面に添設
   してなる試供品連動パッケージ。
2. 【請求項２】 前記ケースの下端をフランジ状となし、
   箱型パッケージの頂部の蓋に前記ケースの試供品収納部
   が嵌入するような大きさの抜き部分を形成し、試供品を
   内部に入れ込んだケースを上記抜き部分の下から差し込
   んで蓋をなし、上記フランジが蓋とパッケージ内部のフ
   ラップとの間に挟持固定されてなる請求項１記載の試供
   品連動パッケージ。
3. 【請求項３】 前記ケースの裾部分をケースを間にして
   ２方向に延長し、該延長部分の適宜な箇所に施した罫線
   より外側に延びる両端を下方直角に折り曲げて形成した
   ２枚の舌片の１枚を箱型パッケージの頂部の蓋と箱との
   透き間に挿入して他方の１枚は箱型パッケージの前部に
   被着するように形成してなる請求項１記載の試供品連動
   パッケージ。
4. 【請求項４】 前記箱型パッケージの前部に被着する舌
   片には商品又は／及び試供品の情報を予め印刷してなる
   請求項３記載の試供品連動パッケージ。
5. 【請求項５】 前記ケースの裾部分をケースを間にして
   ２方向に延長し、該延長部分の適宜な箇所に施した罫線
   より外側に延びる両端を裏側に折り曲げ、箱型パッケー
   ジの頂部蓋の両サイドから挿入し、施蓋してなる請求項
   １記載の試供品連動パッケージ。
6. 【請求項６】 前記２方向に対し直角方向に延びる舌片
   を設け、該舌片には商品又は／及び試供品の情報を予め
   印刷して箱型パッケージの前部に被着するように形成し
   てなる請求項５記載の試供品連動パッケージ。