JP3046705U - ハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置 - Google Patents

ハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置

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JP3046705U
JP3046705U JP1997008236U JP823697U JP3046705U JP 3046705 U JP3046705 U JP 3046705U JP 1997008236 U JP1997008236 U JP 1997008236U JP 823697 U JP823697 U JP 823697U JP 3046705 U JP3046705 U JP 3046705U
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勝哉 吉川
英浩 丸居
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株式会社吉川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スノーボード靴をボードにハンドフリーで着
装することができ、長期の使用においてもガタつきが発
生しないビンディング装置を実現すること。 【解決手段】 靴側フィッティング5とボード側フィッ
ティング3とを有して、スノーボード靴4の底面に固定
される取付ベース6の左右には、略前後方向に延びる第
一バー7Aと第二バー7Bとが備えられる。ボード側フ
ィッティング3には、ボード1の上面で取付方向変更可
能に設置することができるベース部8の一方側に第一バ
ー7Aを係合させるフック部9が、他方側には第二バー
7Bを係止させるクランプ部10が備えられる。クラン
プ部は、第二バー7Bを略垂直方向から挿入して着座さ
せると水平方向の動きを拘束する第二フック10Aと、
その第二フックに嵌着された第二バー7Bの垂直方向へ
の動きを阻止および許容するクランプ爪14と操作レバ
ー15とを有したクランピング部材10Bが設けられ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置に係り、詳しく は、ボード上に取付方向変更可能に設置したボード側フィッティングに対してス ノーボード靴に取り付けた靴側フィッティングを横入れおよび押し込み操作する と、スノーボード靴をボードにハンドフリーで着装することができるようにした ビンディング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スノーボードなるスポーツはスキーのボードより短く幅の広い一枚のボードに 両足を載せて雪上を滑走するものであり、スキーと異なった動きが可能であって スノーボード特有の楽しみ方がある。競技種目としてスキーと同じスラロームの ほかに、ハーフパイプやモーグルといったものが挙げられる。
【0003】 スノーボードとスキーの大きな違いは、ボードに両足を載せることのほかに、 各足の向きをボードの長手方向に対して多くの場合平行に置くことなく、例えば 直角もしくはそれに近い状態で配置することである。さらに踵(かかと)をボー ドから浮かし、一枚のボードを両足で変化を持たせて操ることができるようにし ている場合もある。
【0004】 したがって、パイプの下半分に相当する二分の一円弧を雪面に形成したハーフ パイプ競技のように、一方の四分の一円弧を滑った反動で対面する残りの四分の 一円弧の斜面を滑り上がり、そのまま空中に飛び出して身体を曲げたり延ばした り回転させたり捻ったりすることができる。また、雪上斜面に多数のこぶをほぼ 一列に並べて形成したモーグル競技のように、障害を次々と乗り越えるような滑 走滑空も可能となる。
【0005】 上記したハーフパイプやモーグルはスノーボーダーに上級技術を要求するが、 中級以下のボーダーでも少々起伏のある雪面を自由自在に滑ることができる。な お、スノーボードに使用される靴には短靴(シューズ)とそれより長い靴(ブー ツ)とがあるが、ボーダーの欲する滑り方や自己の技量に応じて靴の種類も適宜 選択される。例えばハーフパイプ競技においてはスノーボードシューズが使用さ れ、モーグル競技では硬質の靴を使用するといった関係上スノーボードブーツが 使用される傾向にある。
【0006】 いずれにしても、スノーボード靴をボードに固定するために、スキーで使用さ れるのとは著しく異なるビィンディング(取付金具)が採用される。このビィン ディングはスノーボードシューズであれスノーボードブーツであれ、その底面に 固定された金具(靴側フィッティング)と、ボードの上面に取り付けた各足用の 金具(ボード側フィッティング)とからなり、靴側フィッティングをボード側フ ィッティングに締結することによって、スノーボーダーとボードとの一体感が得 られるように固定される。
【0007】 このビィンディングによる固定は、スノーボーダーの意に反して簡単に外れる ことのないように強固に締結できるものでなければならないことは言うまでもな い。さらに、スノーボード特有の取付形態として、右利きボーダーにも左利きボ ーダーにも好適な操作を実現できるように、さらにはボーダーの個人的な好みに 応じてボード側フィッティングの取付姿勢、すなわちボードの長手方向に対する 固定角度を任意に選定したり、ボードの上面に対して両足を内傾斜させるなどと いったことのできるようにした構造が望まれる。
【0008】 例えば登録実用新案第3,030,427号公報には、後者の傾斜(キャント またはリフト)を任意に与えることができるようにした金具の提案がなされてい る。これはボード側フィッティングとボードとの間に設けられるものであり、ビ ィンディングの構造とは直接関係がないのでここでは説明を省く。一方、ビィン ディングには、ボード側フィッティングに靴側フィッティングを締結するにあた り、スノーボード靴を前後方向へ操作する縦入れ操作式のものと左右(足幅)方 向へ操作する横入れ操作式のものとがある。
【0009】 前者の例としては、特開平8−196684号公報に記載されたものがあり、 後者の例としては登録実用新案第3,027,085号公報に記載されたものが ある。ここでとり上げるビィンディングは前者に属するものではないので、その 説明を省く。後者に属するビィンディングにおける靴側フィッティングは、スノ ーボード靴の土踏まずに固定されることが多い。
【0010】 上記した登録実用新案第3,027,085号公報に記載のビィンディングに おいて、その靴側フィッティングは靴の左右における縁部でそれぞれ前後方向へ 延びるバー部分を備える太い金属線枠体となっている。一方、ボード側フィッテ ィングは上記バー部分の上面にラップしてスノーボード靴の浮き上がりを阻止す る左右一対の係合プレートと、一方の係合プレートをボード上に固定しておくベ ース部材と、他方の係合プレートをベース部材上で一方の係合プレートに向けて 離接動させることができる機構とからなっている。
【0011】 詳細な構造の説明は割愛するが、その操作手順は、まず、スノーボード靴をベ ース部材に載せて左または右の方向へ浅い角度で操作することにより、一方のバ ー部材を一方の係合プレートの下へ挿入してかみ合わせるかのようにラップさせ る。次に、離接動機構に設けたハンドルを上げるなどすると、ベース部材の下に 位置するスライドベースがリンク機構を介して動き、スノーボード靴をベース部 材に対して水平となるようにした後に、スライドベースに取り付けられた他方の 係合プレートを一方の係合プレートに引き寄せる。これによって、他方のバー部 材の上に進出し、他方の係合プレートをそのバー部材にラップさせることができ る。
【0012】 ハンドルを最大に操作する途中で連接リンクの中立位置を越えるようにしてい るので、ハンドルに逆向きの力が作用しない限りリンク機構は他方の係合プレー トを他方のバー部材から離脱させることはなく、スノーボード靴をボードに着装 した状態を維持する。スノーボード靴をボードから外すときは、ハンドルを逆方 向に操作すれば連接リンクが中立位置を越えてスライドベースを逆方向へ変位さ せ、他方の係合プレートが他方のバー部材から外れる。
【0013】 これから分かるように、スノーボード靴の取り付け取り外しにおいていちいち ハンドルを操作しなければならならい。雪上スポーツであるだけに各フィッティ ングに雪や氷の付着することがあって操作しにくくなったり、また手袋を嵌めた 不自由な手での操作が余儀なくされる。
【0014】 このような欠点を解消したスノーボード用ビィンディングがある。このビィン ディングを構成する靴側フィッティングは、スノーボード靴の土踏まずに固定さ れる取付ベースと、この取付ベースの左右で前後に延びる第一バーと第二バーと からなっている。ボード側フィッティングは、ボード上面に取り付けられるベー ス部に一体となったフック部と、このフック部の反対側に設けられたクランプ部 とを備える。フック部は靴側フィッティングの第一バーをひっ掛けるものであり 、クランプ部は第二バーを固定するためのものである。
【0015】 クランプ部は、第二バーを嵌め込む受け部と、この受け部上で揺動するように して進退する爪を有した自己復帰型の操作レバーとからなる。このような構成に よれば、第一バーをフック部に掛けた後に第二バーを爪の上面に載せると操作レ バーが回動し、第二バーが受け部に入ると操作レバーが第二バーに被さり、その 抜けが阻止される。解除するときは操作レバーを動かし爪を受け部から退避させ れば、第二バーを受け部から外すことができる。さらに、第一バーをフック部か ら外せば、スノーボード靴はボードから解脱する。
【0016】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、一つの例としては、第二バーが押しつける爪の上面が第二バー を受けるにふさわしい明瞭なる凹状の円弧面を備えているために、爪の下面のフ ッキング部もやむなく下に凸となった円弧面となっている。したがって、受け部 内の第二バーの離脱を阻止している間はスノーボード靴の長手方向から見て第二 バーと爪の下面とが点接触となる。他の例としては凹状の円弧面に代えて直線の 傾斜を上面に有して水平に進退する爪とすることが考えられるが、第二バーを押 さえる爪の下部は進退動作を邪魔しない平坦面であって、この場合も通常円形断 面をなす第二バーとは点接触となる。
【0017】 スノーボーダーの動きは極めて機敏であり、かつ大きな力が瞬時にビィンディ ングに作用するといったことの繰り返しがあるので、第二バーを点接触で押さえ ている爪の下面に大きな応力が発生し、繰り返の間にフッキング部が徐々に変形 するといったことが起こる。操作レバーは自己復帰しているとは言え、爪の下面 に予め与えられた形状は略円弧面や水平面であるがゆえに、爪の接触面が少しで も凹んだり磨耗するとフッキング部が第二バーから離れることになり、受け部内 で第二バーがガタつき、ますますフッキング部の損傷を加速する。
【0018】 もちろん、スノーボーダーとボードとの一体感が損なわれてボードの操作性も 低下し、スノーボーダーの所望する敏捷な動きが実現できなくなる。しかも、何 らかの事情によって操作レバーに直接爪の解除方向の力が掛かったり、解除方向 の力が分力として存在する力が作用すると、凸なる円弧面等との点接触ゆえに第 二バーがフッキング部からすり抜けやすくなり、意図しないスノーボード靴の離 脱が起こる。
【0019】 この種ビンディングにおけるクランプ部における可動品は操作レバーのみであ って構造の単純化に寄与する。しかし、スノーボーダーが操作レバーを操作する ために手を掛ける部分が、スノーボード靴をボードに着装した状態でビンディン グの側方へ略水平に張り出すか略垂直な姿勢のいずれかとなる。したがって、ビ ンディングから異物が突出した状態で滑走することになり好ましくないだけでな く、操作レバーは何らかの事情で力を及ぼされやすい状態に置かれる。
【0020】 したがって、水平姿勢となっている操作レバーのハンドル部が雪面や雪壁と接 触するなどすると解脱方向に回動することになり、垂直姿勢となっている操作レ バーの場合にはジャンプ中などに手が触れないとも限らず、それによって解脱し てしまうという事態が想定される。
【0021】 本考案は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、スノーボード靴をボ ードにハンドフリーで着装することができること、第二バーと爪との接触によっ て爪のフッキング部が磨滅するなどしても、爪による第二バーの押圧状態を保っ てガタつきの発生をなくし、スノーボーダーとボードとの一体感を維持できるよ うにすること、手動操作によって所定の方向からの力が操作レバーに及ぼされな い限りスノーボード靴がボードから離脱しないようにして、スノーボード靴から ボードの意図しない脱落を防止すること、このような機能を発揮させるにおいて もビィンディングを構成するボード側フィッティングの構造を可及的に簡素なも のとしておくこと、さらには、ボード側フィッティングをボードの長手方向に対 して予め任意な角度に調整することができるようにすることを実現したハンドフ リー着装型スノーボード用ビンディング装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本考案は、ボード上面に設置された金具に対して、スノーボード靴を主として 左右方向へ操作することによりハンドフリーでボードに着装することができるよ うになっているスノーボード用ビンディング装置に適用される。その特徴とする ところは、図1を参照して、靴側フィッティング5とボード側フィッティング3 とを有し、前者はスノーボード靴4の底面に固定される取付ベース6と、その取 付ベースの左右側方でそれぞれ略前後方向に延びる第一バー7Aと第二バー7B とを備える。後者には、ボード1の上面で取付方向変更可能に設置することがで きるベース部8と、そのベース部の一方側で連なり第一バー7Aを係合させるフ ック部9と、そのフック部とは略反対側に位置する他方側で連なり第二バー7B を係止させるクランプ部10とが備えられる。フック部9は、第一バー7Aを略 水平方向から挿入して着座させると、その第一バー7Aの垂直方向への動きを拘 束する第一フック9Aを有する。クランプ部10は、第二バー7Bを略垂直方向 から挿入して着座させると、靴側フィッティング5を略水平な姿勢にしてその第 二バー7Bの水平方向の動きを拘束する第二フック10Aと、その第二フックに 嵌着された第二バー7Bの垂直方向への動きを阻止および許容することができる クランピング部材10Bとを有する。クランピング部材はクランプ爪14と操作 レバー15とを有する。前者は、第二バー7Bを下方へ押し込むと爪ヘッド14 Bの上面と摺接する際に第二フック10Aと平行な揺動軸14aを中心にしてそ の第二フックから遠ざかるように回動し、第二バー7Bが爪ヘッド14B上を摺 接してその端部を越え第二フック10Aに嵌着すると復元部材14Dによって自 己復帰し、爪ヘッド14Bがその第二バー7Bに被さるように進出するものであ る。そして、後者は、先端部位が揺動軸14aに平行してクランプ爪14に設け られた連結軸16により回動可能に連結されると共に、略中央部位がその連結軸 に平行して所定方向へのみ変位可能な支持軸17によって枢支されていることで ある。
【0023】 第一フック9Aは、第一バー7Aをクランプ部側から水平方向に反クランプ部 側へ挿入して着座させることができるように、クランプ部側で開口している(図 1を参照)。しかし、第一バー7Aをクランプ部10の反対側から水平方向にク ランプ部側へ挿入して着座させることができるように、反クランプ部側で開口し た構造となっていてもよい(図16を参照)。
【0024】 図1を参照して、ボード側フィッティング3のベース部8は、リング面11と その外周に立設したフランジ12とを有し、取付方向を決定してボード側フィッ ティング3をボード1に固定する際にリング面11を押さえる角度調整兼用押さ えディスク13(図3を参照)がフランジ12内に配設され、角度調整兼用押さ えディスク13をボード1に固定するためのボルト孔13bがボード側フィッテ ィング3のリング面11の内周縁より内方に設けられていることである。
【0025】 クランプ爪14の揺動軸14aは第二フック10Aよりも下方に位置すると共 に、爪ヘッド14Bは第二フック10Aより上方に位置する。また、操作レバー 15の連結軸16は爪ヘッド14Bに枢支され、支持軸17は連結軸16より上 方に位置してクランプ部10を形成する側壁12B,12Bに枢支されているこ とである。
【0026】 操作レバー15のハンドル部15aは、靴側フィッティング5をボード側フィ ッティング3に締結した状態(図13を参照)で、連結軸16と支持軸17とを 結ぶ線より下方に位置するように曲げられており、クランプ部10の側壁12B は、締結した状態にある操作レバー15の大部分をスノーボード靴4の前後方向 から見て覆うように形成されていることである。なお、クランプ爪14の復元部 材は、揺動軸14aを外囲して取り付けられたコイルスプリング14Dとしてお けばよい。
【0027】
【考案の効果】
本考案によれば、スノーボード靴を横入れ操作することにより第一バーを第一 フックに係合させて垂直方向への動きを拘束した後、爪ヘッドを第二バーの押し 込み動作によって押し退けつつ第二フックに嵌め込み、クランプ爪を復元部材を 介して第二バーに被せることができるので、ハンドフリーでスノーボード靴をボ ードに着装することが可能となる。その際に、第二バーが爪ヘッドの上面と摺接 するので、第二バーを下方へ押し込む操作においてクランプ爪の退避動作が極め て円滑となり、着装操作が極めて容易となる。
【0028】 第二バーに被さるように進出した爪ヘッドはクランプ爪の復元部材により第二 バーに向けて付勢された状態にあり、たとえクランプ爪と第二バーとの間に大き い力が作用して爪ヘッド接触面が部分的に凹んだり磨耗することがあっても依然 として第二バーが押さえ続けられるので、クランプ部でのガタつきが生じること はなく、装置の耐久性が著しく向上する。
【0029】 操作レバーの先端部位が揺動軸に平行してクランプ爪に設けられた連結軸によ り回動可能に連結され、その略中央部位が連結軸に平行する変位可能に設けた支 持軸によって枢支されるので、操作レバーとクランプ爪との連動が円滑となる。 それのみならず、支持軸は所定方向へのみ変位可能となっているので、操作レバ ーに意図しない方向から力が作用した場合でも支持軸が変位しようとしなく、し たがって、第二バーのクランプ部からの不意の解脱は可及的に少なくなる。
【0030】 第一フックがクランプ部側で開口している場合には、第一バーを第一フックに 着座させた後に第二バーを第二フックに向けて押し込むときの回動支点とするこ とができ、着装操作を極めて容易なものとなる。一方、第一フックが反クランプ 部側で開口している場合には、第一バーをクランプ部側に向けて水平方向に挿入 することになり、その嵌め込み操作が著しく簡単となる。
【0031】 ボード側フィッティングのベース部をリング面とその外周に立設したフランジ とで構成しておけば、フランジ内に嵌まるように角度調整兼用押さえディスクを 配置するだけでリング面を押さえることができる。そして、ボード側フィッティ ングをボード面上で角度調整兼用押さえディスクに対して変えれば、所望する向 きの姿勢で固定しておくことができる。角度調整兼用押さえディスクをボードに 固定するボルト孔はリング面の内周縁より内方に位置しており、角度調整兼用押 さえディスクとボードとによってボード側フィッティングのリング面を挟み込む ようにして固定しておくことができる。
【0032】 クランプ爪の揺動軸を第二フックよりも下方に配置し、爪ヘッドを第二フック より上方に位置させておけば、クランプ爪を第二バーに向けて付勢させやすく、 爪ヘッドによって第二バーを押さえ込みやすい構造となる。操作レバーの連結軸 を爪ヘッドに枢支し、支持軸をクランプ部を形成する側壁に枢支されば、クラン プ爪と操作レバーとの連動機構を簡単に得ることができる。
【0033】 操作レバーのハンドル部は、靴側フィッティングがボード側フィッティングに 締結された状態で連結軸と支持軸とを結ぶ線より下方に位置するように曲げられ ており、靴側フィッティングをボード側フィッティングに締結した後の操作レバ ーの大部分を側方から見て覆うようにクランプ部の側壁が形成されていれば、ス ノーボーディング中に操作レバーが解脱する方向から意図しない力が作用するこ とはほとんどなく、スノーボード靴のボードからの不意の離脱は阻止され、スノ ーボーダーの安全を確保しやすくなる。
【0034】 なお、クランプ爪を自己復帰させる復元部材を、揺動軸に外囲するように取り 付けたコイルスプリングとしておけば、クランプ部に嵩張ることなく装備してお くことができる。
【0035】
【考案の実施の形態】
以下に本考案に係るハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置を、 その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。図3は、ボード1にス ノーボード用ビンディング装置2のボード側フィッティング3を取り付けた状態 の斜視図である。これは、ボード1の上面で取付方向変更可能に設置することが できるボード側フィッティング3に対して、スノーボードシューズやスノーボー ドブーツ(以下、スノーボード靴という)を主として左右方向すなわち足幅方向 への横入れおよび押し込み操作によりハンドフリーでスノーボードに着装するこ とができるようになっている。
【0036】 ビンディング装置2は、図1に示すように、スノーボード靴4に取り付けられ る靴側フィッティング5と、ボード1の上面に設置されるボード側フィッティン グ3とからなっている。靴側フィッティング5は、図2に示すように、スノーボ ード靴4の土踏まずに固定される取付ベース6と、この取付ベースの左右に設け られる第一バー7Aと第二バー7Bとを備えるものであり、ボード側フィッティ ング3は、図3に示したボード上面に設置して固定することができるベース部8 と、前記各バーを固定するフック部9とクランプ部10とを備えている。
【0037】 詳しく述べると、図2を参照して、靴側フィッティング5は、主として取付ベ ース6をなす金属製のフレームと、バー7A,7Bをなす二本の金属パイプとか らなる。取付ベース6は土踏まずに取り付けるに好適な大きさと形状であり、例 えば5本のネジ6aで靴底に固定される。フレームの前部および後部からは、前 後一対のラテラルバー6f,6rが土踏まずの左右側方へ張り出されている。こ のラテラルバーの先端部に、それぞれ略前後に橋渡しするような第一バー7Aと 第二バー7Bがビス7a,7bによって固定され、図示の例では両バーがほとん ど同じ長さとなっている。
【0038】 ボード側フィッティング3のベース部8は、後で詳しく述べるが、ボード1に 対して取付方向変更可能に設置されるものであり、図1に示すように、フック部 9はベース部8の一方側で連なって第一バー7Aを係合させるべき構造をなし、 クランプ部10はフック部9とは略反対側、図4の例においては約160度に位 置する他方側で連なり、第二バー7B(図1を参照)を係止する構造となってい る。
【0039】 図4において、ベース部8の中央部位には平面視リング状となる面が形成され ており、このリング面11の外周には低いフランジ12が立設されている。この ように中央部位がフランジ付きのリング面となっているのは、図6に示す角度調 整兼用押さえディスク13を図3のように配置しやすくするため、およびその角 度調整兼用押さえディスクを介してベース部8をボード1に強固にボルト止めで きるようにするためである。なお、図4に示すように、リング面11には例えば 45度おきの半径方向へ延びる筋状突起11mが形成され、図7に示した角度調 整兼用押さえディスク13の裏面のセレーション13aとかみ合って、相互間に 回転ズレが生じないように配慮されている。
【0040】 上記したようにベース部8にはフック部9とクランプ部10とが一体となって いるが、図4に示すようにリング面11において対面する二つの部分円弧をなし たフランジ12,12の両端から側方に離れるにつれて、図3に示すように平行 して対面する高い切り起こし12A,12Bが形成される。フック部9はその一 方の切り起こし12A,12Aを使って形成した第一フック9Aを有し、図1の ような状態の後に第一バー7Aを略水平方向から挿入して着座させると、第一バ ーの垂直方向への動きが拘束されるようになっている。
【0041】 すなわち、第一フック9Aは切り起こし12Aの中段部分をクランプ部側から 切り欠いて形成され、第一バー7Aを第一フック9Aの内方側から、すなわちク ランプ部側から水平方向外方に向けて挿入して着座させることができるように、 クランプ部側となる内方側で開口している。ちなみに、本例においては第一フッ ク9Aはそれぞれの切り起こし12A,12Aに形成されているので、その剛性 を高めておくため、一対の切り起こしの上部を繋ぐようにパイプ状のスティフナ ー9aが配置され、軸材9b(図3を参照)の両端をカシメルようにして切り起 こしに固定される。
【0042】 クランプ部10は、第二バー7Bを係止する第二フック10Aと、その第二バ ー7Bの動きを拘束することができるクランピング部材10Bとを有している。 第二フック10Aは、他方の切り起こし12B,12Bを使って形成されたもの で、後述する図9の状態の後に第二バー7Bを略垂直方向から挿入して着座させ ると、靴側フィッティング5を略水平な姿勢にして第二バー7Bの水平方向の動 きを図13のように拘束するものである。
【0043】 すなわち、第二フック10Aは、図1を参照して、切り起こし12Bのスノー ボード靴寄りの部分を上側から切り欠いて形成され、上方側で開口している。ち なみに、本例においては第一フック9Aの場合と同様に剛性を高めておくため、 図3に示すように、一対の切り起こし12B,12Bにおける第二フック10A の各スノーボード靴側部位の上部を繋ぐようにパイプ状のスティフナー10aが 配置されている。
【0044】 なお、第一バー7Aおよび第二バー7Bをその軸方向にも拘束しておく必要の あることから、二つの第一フック9A,9Aの間隔および二つの第二フック10 A,10Aの間隔は、図2のラテラルバー6f,6rの前後間隔よりやや短くな る程度に選定される。図8のように、第一フック9Aに第一バー7Aを嵌着させ た時点、および第二フック10Aに第二バー7Bを嵌着させた時点で、ラテラル バー6fの後面と前側の切り起こし12A,12Bの前面との間、およびラテラ ルバー6rの前面と後側の切り起こし12A,12Bの後面との間には僅かな隙 間しか残らないように、それぞれの間隔が選定されている。
【0045】 本例ではボード側フィッティング3をプレス加工品としているので、第一フッ ク9A,第二フック10Aを形成するにあたり両切り起こしを利用している。し かし、鋳造品とする場合等では図示しないが前後に連なる肉付け部を設けて、各 フックを一本の長い凹陥溝で形成しておくことができる場合もあり、この場合に は各スティフナーは必要でなくなる。
【0046】 図1を参照して、クランピング部材10Bは、第二フック10Aに嵌着された 第二バー7Bの垂直方向への動きを阻止および意図的に許容することができるも ので、クランプ爪14と操作レバー15とを有する。
【0047】 クランプ爪14は、クランプ部10を形成する側壁12Bに枢支された回動基部 14Aと、この回動基部を中心にして揺動する爪ヘッド14Bと、この爪ヘッド と回動基部14Aとの間に形成され第二フック10Aに嵌着した第二バー7Bを 拘束するフッキング部14Cと、爪ヘッド14Bが第二バー7Bに被さるように 付勢する復元部材14Dとを備える。操作レバー15は先端部位がクランプ爪1 4に枢支されると共に、略中央部位においてクランプ部10の側壁12Bに支持 されている。なお、側壁は前記した切り起こしによって形成される。
【0048】 クランプ爪14について詳しく述べると、回動基部14Aは第二フック10A よりも下方に位置してそれに平行な揺動軸14aに支持されており、この揺動軸 14aを外囲するようにしてコイルスプリング14Dが取り付けられる。これに よって、クランプ爪14が第二フック10Aに向けて自己復帰するようになって いる。
【0049】 第二フック10Aより上方に位置する爪ヘッド14Bの上面には上に凸の略円 弧状の摺接面14bが形成される。これは、第二バー7Bを下方へ押し込んで爪 ヘッド14Bと摺接させる際に、揺動軸14aを中心にしてクランプ爪14を回 動させ、爪ヘッド14Bを第二フック10Aから遠ざけるように機能するもので ある。
【0050】 フッキング部14Cは、第二バー7Bが爪ヘッド14B上を摺接しその端部を 越え(図12を参照)、第二フック10Aに嵌着すると爪ヘッド14Bが第二バ ー7Bに被さった際に第二バー7Bの垂直方向の変位を阻止するものである。な お、復元部材としては板バネその他公知の手段を使用することもできるが、本例 のように揺動軸14aを取り巻くコイルスプリングを採用し、図5のようにクラ ンプ爪14の背面に中央の直線部14dを押し当てておけば、クランプ部10に 嵩張ることなく装備しておくことができる。
【0051】 ところで、クランプ爪の揺動軸が第二フックよりも下方に位置する一方、爪ヘ ッドが第二フックより上方に位置する配置としているので、クランプ爪を第二バ ーに向けて付勢させやすい構造となる。爪ヘッド上の摺接面14bは上記したよ うに上に凸の略円弧状に限らず、後述する図9から図13までの動作説明からも 分かるように、スノーボード靴4の方向に向かって下った直線状の傾斜面や僅か に下に凸の略円弧状でもよい。また、揺動軸の位置は第二フックよりも下方に位 置すれば、図1のごとく第二フック10Aより外側方に設ける場合に限らず、図 示しないがスノーボード靴側に設けても差し支えない。
【0052】 前記した操作レバー15は、先端部位が揺動軸14aに平行してクランプ爪1 4に設けられた連結軸16により回動可能に連結されている。そして、その略中 央部位が連結軸16に平行して所定の方向へのみ変位可能に設けられた支持軸1 7によって枢支される。なお、連結軸16は爪ヘッド14Bに枢支されており、 支持軸17は連結軸16より上方に位置してクランプ部10を形成する側壁とし ての切り起こし12Bに支承される。このような各支持構造によれば、クランプ 爪14の退避動作やそれに連動する操作レバー15の回動が極めて円滑となり、 着装操作が極めて容易となる。
【0053】 なお、支持軸17は側壁に設けられた長孔12aに案内されて動くようになっ ているが、その長孔の形成は、予めクランプ爪14と操作レバー15との連動に よる姿勢変化を考慮して定められるものである。図示の例では一定方向に延びる ものとなっているが、その支持軸17の動きを長孔12aの延びる方向へのみ許 容するようにしているので、操作レバー15にスノーボード靴の解脱に適した方 向、すなわち図1中の矢印18のように回転させる力を及ぼさない限り、支持軸 17の動きは長孔12aの内面によって阻止されるようになっている。この長孔 12aは、後述する理由によって下方にやや長くしておくことが好ましい。
【0054】 このビンディング装置2においては、靴側フィッティング5をボード側フィッ ティング3に締結した状態で、すなわち後述する図13の状態において、操作レ バー15のハンドル部15aが、連結軸16と支持軸17とを結ぶ仮想の線15 bより下方に位置するように曲げられている。それのみならず、クランプ部10 の側壁12Bは、靴側フィッティング5をボード側フィッティング3に締結した 後の操作レバー15の大部分を、スノーボード靴の前後方向から見て覆うように 形成される。これによって、操作レバー15のハンドル部15aに意図しない力 の作用するのが可及的に少なくなるように配慮されている。
【0055】 ところで、ボードには図示しないが各スノーボード靴ごとに例えば4つの孔が あけられ、その孔が介してボード側フィッティングが固定される。その孔の配置 は図6に示した角度調整兼用押さえディスク13中に二点鎖線で示したような位 置に対応して設けられる。この孔はボードを取得した時点などにおいて、角度調 整兼用押さえディスク13に設けた各ボルト孔13b内のいずれかの箇所を選定 して、それに合わせて穿孔され、かつ雌ネジを形成したネジカラーが埋め込まれ る。
【0056】 角度調整兼用押さえディスク13は周囲に角度目盛り13cが刻印され、その 内方側の部分より表面がやや高くなっている。この角度目盛り13cの存在する 部分は、図4に示したボード側フィッティング3のベース部8を形成するリング 面11を押さえるものであり、リング面の外周に立設したフランジ12内に嵌ま るように簡単に配置することができる。なお、裏面の周囲には図7に示したセレ ーション13aが刻設され、前記した筋状突起11m(図4を参照)にかみ合わ せることができるようになっている。
【0057】 上記のディスク13は一枚の鉄板もしくはアルミ板をプレスしたものなどであ り、角度目盛り13cの内方側はボード側フィッティングをボードに強固に固定 する関係上、図6においてはやや低く図7の裏面ではやや飛び出している。この 内方側は角度調整兼用押さえディスク13の軽量化を図るための抜き孔が設けら れるが、その傍らに例えば4つのボルト孔13bが形成される。
【0058】 なお、このボルト孔は、ボード側フィッティング3のリング面11の内周縁よ り内方に位置していることは言うまでもない。ちなみに、ボルト孔13bはボー ドに設けたネジカラーの位置との僅かなズレを吸収して固定することができるよ うに長孔もしくはネジカラーの雌ネジの径よりもやや大きく形成される。これか ら分かるように、角度調整兼用押さえディスク13はボード1との間にボード側 フィッティング3を挟み込むようにして固定する。
【0059】 次に、ビンディング装置の取付手順について述べる。まず、図3のようにボー ド1の上面にボルト貫通孔(図示せず)を設けた薄いゴムパッキン19を置き、 その上にボード側フィッティング3を載せる。角度調整兼用押さえディスク13 を、その基準となる「0」表示部分(図6を参照)がボード1の例えば前後左右 となるように配置して、ボード側フィッティング3のリング面11に載せる。
【0060】 ボード側フィッティング3をスノーボーダーの好みに応じた方向に選定して設 置し、角度調整兼用押さえディスク13の裏面のセレーション13a(図7を参 照)をリング面11に形成した筋状突起11m(図4を参照)にかみ合わせる。 この状態でボルト20(図3を参照)をボード1にねじ込み、ボード側フィッテ ィング3をボードに固定する。なお、ボード側フィッティング3の向きを変更し たい場合には、ボルト20を外してやり直せばよい。一方、スノーボード靴の底 部にはシャンクが埋め込まれており、図2に示したように、靴側フィッティング 5がネジ6aによって固定されている。
【0061】 次に、スノーボード靴をボードに着装する手順を述べる。なお、以下の説明に おいて両足をボードに固定するのであるが、一方の足についてのみ記載する。ま ず、スノーボード靴4を履いた足を図1のようにボード1の上に配置する。第一 バー7Aをフック部9に掛けるべくスノーボード靴4をクランプ部10の側から 反クランプ部側へ略水平に横入れすると、第一バー7Aが第一フック9Aに係合 する。そして、着座した第一バー7Aを支点にして僅かであるが円弧運動をさせ るようにしてスノーボード靴4を降ろし、図9のように第二バー7Bをクランプ 爪14の爪ヘッド14Bに載せる。そのまま第二バー7Bを下方へ押し込むと、 第二バー7Bは爪ヘッド14Bの上面と摺接する。
【0062】 クランプ爪14の揺動中心は下方に位置しているので、第二バー7Bは爪ヘッ ド14Bを押し退けるようにして下降する。これに従って爪ヘッド14Bは第二 バー7Bと摺接しつつ、図10のように第二フック10Aを開口させるように退 避する。第二バー7Bが摺接面14bと摺接している間に連結軸16が、揺動軸 14aと支持軸17とを結ぶ線に接近し、その線上に達したとき支持軸17は長 孔12aの上端に変位する。
【0063】 第二バー7Bをさらに押し込むと、図11に示すように爪ヘッド14Bがさら に回動され、連結軸16が揺動軸14aと支持軸17とを結ぶ線を越えると、支 持軸17は長孔12aに沿って下降する。図12のように、第二バー7Bが爪ヘ ッド14Bを完全に押し退けると第二フック10Aが開き、図13のように第二 バー7Bが第二フック10Aに着座する。揺動軸14aに外囲するように設けた コイルスプリング14Dの弾発力によってクランプ爪14が自己復帰し、爪ヘッ ド14Bが第二バー7Bに被さるように進出する。
【0064】 クランプ爪14のフッキング部14Cが第二バー7Bを押さえ込み、それが係 止される。このとき、支持軸17は長孔12aの下端に戻り、操作レバー15の 下方に曲がったハンドル部15aが、連結軸16と支持軸17とを結ぶ仮想の線 15bより下方となる。しかも、そのハンドル部15aの大部分はスノーボード 靴の前後方向から見て切り起こしで形成した側壁12Bに覆われる。
【0065】 このような状態でスノーボーダーが滑走できる準備が整う。以上の操作はスノ ーボード靴の横入れ操作によってハンドフリーで実現されるが、スノーボーディ ングの途中でスノーボード靴をボードから外した後の着装操作においても同じで ある。ビンディング装置に雪や氷が付着することは避けられないが、可動部品は クランプ爪14と操作レバー15のみであり、僅かな隙間しか確保されないとい う可動部分にほとんどなく、付着した雪などによってその動作が阻害されること は可及的に少なくなる。
【0066】 スノーボード靴4をボード側フィッティング3から外す場合は、図14のよう に操作レバー15を矢印21の方向にはね上げれば、操作レバー15がクランプ 爪14を退避させて第二フック10Aを開くことができる。第二バー7Bを外し かつ第一バー7Aを第一フック9Aから外せば、簡単にスノーボード靴4をボー ド1から解脱することができる。
【0067】 ところで、スノーボーディング中は、上記したように操作レバー15が側壁1 2Bで覆われ、操作レバー15のハンドル部15aは下方に向いている。したが って、ハンドル部にスノーボーダーの意図しない力が操作レバー15に及ぶこと はほとんどなくなる。
【0068】 すなわち、操作レバー15の先端に図13に示す斜め下へ作用する力22A, 水平に作用する力22Bや斜め上に作用する力22Cが働き、その力に操作レバ ー15を回動させるような分力が少々存在しても、支持軸17を上へ変位させる 力が及ばないので、操作レバー15がスノーボード靴4を解脱させる方向に回動 することはない。
【0069】 これは、側壁12Bに設けられた長孔12aに方向性があることや、その方向 に見合わない向きの力に対しては長孔12aの内面が支持軸17の動きを阻止す るからである。加えて、側壁12Bがハンドル部15aの大部分を覆っているこ とが、操作レバー15の大きな動きを阻止することに寄与している。それゆえ、 意図することなく靴側フィッティング5がボード側フィッティング3から外れる ことはなく、スノーボーダーの安全を可及的に確保しておくことができる。
【0070】 ところで、スノーボーダーの動きは激しくまた機敏である。したがって、爪ヘ ッド14Bと第二バー7Bとの間に大きな接触力が発生する。これが繰り返して 作用すると、いずれかの面が大なり小なり磨耗したり凹んだりすることがあり得 る。このような場合でも、図15のように、側壁12Bに設けた長孔12aを下 方へ少し延ばしておけば、復元部材14Dによってクランプ爪14が二点鎖線の 状態からさらに破線と実線とで示す姿勢まで迫り込むことができる。それゆえ、 爪ヘッド14Bが第二バー7Bを押さえ続け、クランプ部10でのガタつきが生 じることはなく、ビンディング装置の耐久性が著しく向上する。
【0071】 上記した例は、第一フックがクランプ部側で開口している場合を述べたが、図 16に示すように、フック部9の第一フック9Aが反クランプ部側で開口してい てもよい。この場合には、第一バー7Aをクランプ部側に向けて水平方向に挿入 することになる。ただ、図示しない第二バーを第二フックに嵌着させる際に第一 バー7Aを支点にしての操作がややしずらくなるきらいはあるが、第一バー7A の第一フック9Aへの嵌め込み操作自体は簡単なものとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係るハンドフリー着装型スノーボー
ド用ビンディング装置であって、図5のI−I線相当箇
所から見た断面図。
【図2】 靴側フィッティングを装着したスノーボード
靴の底面図。
【図3】 ボードにボード側フィッティングを固定した
状態の斜視図。
【図4】 ボード側フィッティング単体の平面図。
【図5】 図1のV−V線矢視におけるクランプ部の背
面図。
【図6】 角度調整兼用押さえディスクの表面図。
【図7】 角度調整兼用押さえディスクの裏面図。
【図8】 ボード側フィッティングと靴側フィッティン
グとを締結した状態の平面図。
【図9】 靴側フィッティングをボード側フィッティン
グに締結する操作の最初の手順を表した断面図。
【図10】 図9の次の段階の操作手順を表した断面
図。
【図11】 図10の次の段階の操作手順を表した断面
図。
【図12】 図11の次の段階の操作手順を表した断面
図。
【図13】 締結操作完了時の断面図。
【図14】 スノーボード靴をボードから解脱するため
に操作レバーをはね上げた状態の断面図。
【図15】 クランプ爪が第二バーとの接触により磨耗
するなどした後においても爪ヘッドが第二バーを押さえ
続けている様子を示した断面図。
【図16】 第一フックがクランプ部とは反対の側で開
口している例の部分断面図。
【符号の説明】
1…ボード、2…スノーボード用ビンディング装置、3
…ボード側フィッティング、4…スノーボード靴、5…
靴側フィッティング、6…取付ベース、7A…第一バ
ー、7B…第二バー、8…ベース部、9…フック部、9
A…第一フック、10…クランプ部、10A…第二フッ
ク、10B…クランピング部材、11…リング面、12
…フランジ、12A,12B…切り起こし(側壁)、1
3…角度調整兼用押さえディスク、13b…ボルト孔、
14…クランプ爪、14B…爪ヘッド、14D…復元部
材(コイルスプリング)、14a…揺動軸、14b…摺
接面、15…操作レバー、15a…ハンドル部、15b
…線、16…連結軸、17…支持軸。

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボード上面に設置された金具に対して、
    スノーボード靴を主として左右方向へ操作することによ
    りハンドフリーでボードに着装することができるように
    なっているスノーボード用ビンディング装置において、 該ビンディング装置は、スノーボード靴に取り付けられ
    る靴側フィッティングと、ボード上面に取り付けられる
    ボード側フィッティングとを有し、 前記靴側フィッティングは、スノーボード靴の底面に固
    定される取付ベース、および、該取付ベースの左右側方
    でそれぞれ略前後方向に延びる第一バーと第二バーを備
    え、 前記ボード側フィッティングには、ボード上面で取付方
    向変更可能に設置することができるベース部と、該ベー
    ス部の一方側で連なり前記第一バーを係合させるフック
    部と、該フック部とは略反対側に位置する他方側で連な
    り前記第二バーを係止させるクランプ部とが備えられ、 前記フック部は、前記第一バーを略水平方向から挿入し
    て着座させると、該第一バーの垂直方向への動きを拘束
    する第一フックを有し、 前記クランプ部は、前記第二バーを略垂直方向から挿入
    して着座させると、前記靴側フィッティングを略水平な
    姿勢にして該第二バーの水平方向の動きを拘束する第二
    フックと、該第二フックに嵌着された第二バーの垂直方
    向への動きを阻止および許容することができるクランピ
    ング部材とを有し、 該クランピング部材は、復元部材により付勢されて前記
    第二バーに被さるように進出するクランプ爪と、該クラ
    ンプ爪と連動する操作レバーとを備え、 前記クランプ爪は上面に摺接面を有した爪ヘッドを有
    し、前記第二バーを下方へ押し込むと爪ヘッドの上面を
    摺接する際に前記第二フックと平行な揺動軸を中心にし
    て該第二フックから遠ざかるように回動し、第二バーが
    前記爪ヘッド上を摺接してその端部を越え前記第二フッ
    クに嵌着すると、前記爪ヘッドが該第二バーに被さるよ
    うに自己復帰するようになっており、 前記操作レバーは、先端部位が前記揺動軸に平行して前
    記クランプ爪に設けられた連結軸により回動可能に該ク
    ランプ爪と連結されると共に、略中央部位が前記連結軸
    に平行して所定方向へのみ変位可能な支持軸によって枢
    支されていることを特徴とするハンドフリー着装型スノ
    ーボード用ビンディング装置。
  2. 【請求項2】 前記第一フックは、前記第一バーを前記
    クランプ部側から水平方向に反クランプ部側へ挿入して
    着座させることができるように、クランプ部側で開口し
    ていることを特徴とする請求項1に記載されたハンドフ
    リー着装型スノーボード用ビンディング装置。
  3. 【請求項3】 前記第一フックは、前記第一バーを前記
    クランプ部の反対側から水平方向にクランプ部側へ挿入
    して着座させることができるように、反クランプ部側で
    開口していることを特徴とする請求項1に記載されたハ
    ンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置。
  4. 【請求項4】 前記ボード側フィッティングのベース部
    は、リング面とその外周に立設したフランジとを有し、
    取付方向を決定してボード側フィッティングをボードに
    固定する際に、前記リング面を押さえる角度調整兼用押
    さえディスクが前記フランジ内に配設され、該角度調整
    兼用押さえディスクをボードに固定するためのボルト孔
    が前記リング面の内周縁より内方に設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    されたハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング
    装置。
  5. 【請求項5】 前記クランプ爪の揺動軸は、前記第二フ
    ックよりも下方に位置すると共に、前記爪ヘッドは該第
    二フックより上方に位置していることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載されたハンドフリ
    ー着装型スノーボード用ビンディング装置。
  6. 【請求項6】 前記操作レバーの連結軸は前記爪ヘッド
    に枢支され、前記支持軸は該連結軸より上方に位置して
    前記クランプ部を形成する側壁に枢支されていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載さ
    れたハンドフリー着装型スノーボード用ビンディング装
    置。
  7. 【請求項7】 前記操作レバーのハンドル部は、靴側フ
    ィッティングをボード側フィッティングに締結した状態
    で前記連結軸と支持軸とを結ぶ線より下方に位置するよ
    うに曲げられており、前記クランプ部の側壁は、靴側フ
    ィッティングをボード側フィッティングに締結した後の
    操作レバーの大部分を、スノーボード靴の前後方向から
    見て覆うように形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれかに記載されたハンドフリー
    着装型スノーボード用ビンディング装置。
  8. 【請求項8】 前記復元部材は、前記揺動軸を外囲して
    取り付けられたコイルスプリングであることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項6のいずれかに記載されたハン
    ドフリー着装型スノーボード用ビンディング装置。
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