JP3046634U - 軽量運動靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 靴底が軽く、靴全体としても軽量に構成され
るとともに、ウォーキングやジョギングなどの運動靴と
して安定した走りや歩行のできる軽量運動靴を提供す
る。 【解決手段】 踵部４が中空５に形成され、踵部５から
つま先８に至る部分９が格子状の中空10に形成されると
ともに、踵部４の中空５を形成する周囲側面６に貫通孔
７を有するゴム製本底１と、踵部４の中空部５の形状に
沿う形状に形成されるとともに、踵部４の周囲側面６の
貫通孔７に嵌入する膨出部13を側面に有し、且つ上下面
14, 15の対向位置にすり鉢状の有底の穴16を複数個有す
る樹脂製中空踵部材２と、中底３とを備えてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、本底がゴム製の軽量運動靴に関し、詳細にはウォーキング、ジョギ ングなどの広い用途で用いられる軽量化された運動靴に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、運動靴の本底は、ゴム材で構成するとともに、外底が略べた底に形成 され、内底がつま先から踵にかけて高く（厚く）なるように勾配を設けて形成さ れている。

【０００３】 一方、近年、運動靴がむれやすいことに着目して、靴の踵部を中空に形成し、 その中空部に空気ポンプを装着するとともに、踵部からつま先に通気溝を設けこ の通気溝を通じて吸引した空気を外部に排気する構造の運動靴が提案、実用化さ れている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した運動靴の内、前者の運動靴は本底が中実のゴム材から構成されている ため、靴底が重く、靴全体も重くなっており、近年、ウォーキングやジョギング などを行う人達からその改良が望まれていた。また、後者の運動靴の場合には、 中空部や通気溝を形成した分、ある程度の軽量化が図られていると考えられるも のの、これら中空部や溝は通気機能のためのもので、中空部の大きさ、及び溝の 数や形状は限定的なものとなり充分な軽量化が図りにくい。また中空部を大きく 、通気溝数を多く形成した場合には、ウォーキングやジョギングなどの運動靴と して使用した場合に不安定になり歩行がしにくくなることが懸念される。

【０００５】 本考案は、上記の事情をもとになしたものであって、その目的は、靴底が軽く 、靴全体としても軽量に構成されるとともに、ウォーキングやジョギングなどの 運動靴として安定した走りや歩行のできる軽量運動靴を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案に係る軽量運動靴は、踵部が中空に形成 され、踵部からつま先に至る部分が格子状の中空に形成されるとともに、踵部の 中空を形成する周囲側面に貫通孔を有するゴム製本底と、踵部の中空部の形状に 沿う形状に形成されるとともに、踵部の周囲側面の貫通孔に嵌入する膨出部を側 面に有し、且つ上下面の対向位置にすり鉢状の有底の穴を複数個有する樹脂製中 空踵部材と、中底とを備えてなるものである。

【０００７】 本考案では、ゴム製本底の踵部を中空に形成し、踵部からつま先に至る部分を 格子状の中空に形成しているので、ゴム製本底の重量が大幅に軽減でき大きな軽 量化が図れるとともに、前記踵部の中空部に装着する樹脂製中空踵部材も中空で 且つ樹脂で構成しているので軽量であり、しかもその樹脂製中空踵部材は、その 形状が踵部の中空部の形状に沿う形状に形成されるとともに、上下面の対向位置 にすり鉢状の有底の穴を複数個有するので、この複数個のすり鉢状の有底の穴が 上下方向の補強部材として機能し踵が沈むこと無く安定した走りや歩行ができる 。また、側面に有する膨出部を踵部の周囲側面の貫通孔に嵌入して装着するので 、踵部の中空部への装着が容易にできると同時に、踵部の周囲側面に前記膨出部 が表れることから靴の装飾性を高めることができる。また、踵部からつま先に至 る部分も格子状の中空に形成したので、中空を仕切る格子部が補強部材となり踵 から先においての軽量化と同時に補強が図られ安定した走りや歩行ができる。

【０００８】 そして、上記のような作用効果を享受するためには、樹脂製中空踵部材に形成 するすり鉢状の有底の穴は、踵部の高さと大きさにもよるが、靴の大きさが20cm 以上の通常のものであれば、上下面での直径が10〜20mm程度でその数は 6〜12程 度が望ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本考案に係る軽 量運動靴の縦断面図、図２は、中底より上を除いた本底の上面図、図３は、樹脂 製中空踵部材の説明図であって、ａは上面図、ｂはＸ−Ｘ断面図である。図にお いて、１は本底、２は樹脂製中空踵部材、３は中底である。

【００１０】 本底１は、合成ゴムからなり、踵部４には中空部５が形成され、その中空部５ を形成する周囲側面６には、後部及び左右の３ヵ所に模様状の細長な貫通孔７が 形成され、また踵部４からつま先８に至る間の内底部分９には格子状の中空部10 （菱形や長方形等で辺長約10〜20mm）が多数形成されている。このように、本底 １は踵部４が比較的大きな中空部５に形成されるとともに、内底部分９が多数の 格子状の中空部10に形成されているので、運動靴に製造した時に大きな軽量化が 図れる。この場合、内底部分９の格子状の中空部10を仕切る格子部11は補強部材 としての機能を有する間隔で形成されるので、中底３を安定に支持し安定した走 りや歩行ができる。

【００１１】 樹脂製中空踵部材２は、本体部12が厚みのある中空の盤状で、上記踵部４の中 空部５の形状に沿う形状に形成され、その本体部12の側面には、上記踵部４の周 囲側面６の貫通孔７に嵌入する中空の膨出部13が形成されている。また、上下面 14、15の対向位置にはすり鉢状の有底の穴16（上下面14、15での直径約15mm）が 本例では９個形成され、穴16の底17同士は接合されている。従って、この樹脂製 中空踵部材２は、膨出部13を踵部４の周囲側面６の貫通孔７に嵌入することで踵 部４の中空部５に容易に装着することができる。このようにして中空部５に装着 された樹脂製中空踵部材２は、中実の樹脂製に比較して軽量で、しかも上下面14 、15の間にはすり鉢状の有底の穴16を形成しているので、ウォーキングやジョギ ングなどの負荷に充分耐え、安定した走りや歩行ができる。

【００１２】 中底３は、従来より普通に用いられている材質及び形状のものが使用できる。

【００１３】 本考案の軽量運動靴は、上述した本底１、樹脂製中空踵部材２及び中底３を用 い、本底１の踵部４の貫通孔７に樹脂製中空踵部材２の膨出部13を嵌入して樹脂 製中空踵部材２を本底１の踵部４に装着した後、樹脂製中空踵部材２及び内底部 分９の上に中底３及び運動靴本体18を取付けて製造されるもので、靴底が軽く、 靴全体としても軽量に構成されるとともに、ウォーキングやジョギングなどの運 動靴として安定した走りや歩行ができ、また膨出部14が踵部４の貫通孔７から表 れることから装飾性を高めることができる。

【００１４】 なお、上記例では、踵部４の貫通孔７と樹脂製中空踵部材２の膨出部13とを、 踵部４の後部及び左右の３ヵ所に形成した例を説明したが、後部又は左右のいず れかでも良いし、その数も形状を小さくして２乃至３個形成しても良い。また、 樹脂製中空踵部材２を形成する樹脂は、特に限定するものではないが、透明性の ある樹脂とし、すり鉢状の有底の穴16を形成する樹脂を有色樹脂とすることで、 膨出部13の装飾性を更に高めることができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る軽量運動靴によれば、靴底が軽くでき、靴 全体としても軽量に構成されるとともに、ウォーキングやジョギングなどの運動 靴として安定した走りや歩行ができ、また膨出部が踵部の貫通孔から表れること から装飾性の良い運動靴とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る軽量運動靴の縦断面図である。

【図２】本考案に係る軽量運動靴の中底より上を除いた
本底の上面図である。

【図３】本考案に係る樹脂製中空踵部材の説明図であっ
て、ａは上面図、ｂはＸ−Ｘ断面図である。

【符号の説明】

１：本底 ２：樹脂製中空踵部材 ３：
中底 ４：踵部 ５：中空部 ６：
周囲側面 ７：貫通孔 ８：つま先 ９：
内底部分 10：格子状の中空部 11：格子部 12：
本体部 13：中空の膨出部 14：上面 15：
下面 16：すり鉢状の有底の穴 17：すり鉢状の穴底 18：
運動靴本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 踵部が中空に形成され、踵部からつま先
   に至る部分が格子状の中空に形成されるとともに、踵部
   の中空を形成する周囲側面に貫通孔を有するゴム製本底
   と、踵部の中空部の形状に沿う形状に形成されるととも
   に、踵部の周囲側面の貫通孔に嵌入する膨出部を側面に
   有し、且つ上下面の対向位置にすり鉢状の有底の穴を複
   数個有する樹脂製中空踵部材と、中底とを備えてなるこ
   とを特徴とする軽量運動靴。