JP3045955U - 使い捨て俎板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手軽に取り扱えるとともに携帯性に優れ、且
つ、抗菌性に優れた使い捨て俎板１を、安価に得る。 【解決手段】 使い捨て俎板１を、抗菌処理を施した材
料紙によって造る。この使い捨て俎板１を食材を調理す
るために使用した後は、焼却し廃棄する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、食材を調理する際に使用する俎板に関し、特に、使い捨てとすべ く紙材により製造するとともに、この紙材に抗菌処理を施すことによって、衛生 効果を高めた使い捨て俎板を提供すべく創案したものである。

【０００２】

【従来の技術とその課題】

各種食材を調理する場合、俎板が使用されている。従来知られている俎板は、 木材或いは合成樹脂により造られている。このような従来知られた俎板を使用し て各種肉類、野菜等を切断した場合、次の使用に備えて俎板を洗浄しておく必要 がある。更には、この俎板に細菌が付着したままになるのを防止すべく、熱湯消 毒や各種薬品による滅菌処理を行うこともある。

【０００３】 ところで、上述したような俎板の洗浄や滅菌処理は、面倒であり、主婦等、調 理を行う者の負担を増大させるものであった。又、上述したような洗浄は、或る 程度の量の水を必要とするが、災害時、或いは登山やキャンプ時等、供給される 水の量に限りがある場合、俎板の洗浄を行うのは困難である。俎板の洗浄や滅菌 処理を行わないことは、次の調理に差し支えるばかりか、細菌の繁殖に伴う食中 毒の恐れもあるため、好ましくない。このため、このような事情に対処できる俎 板の出現が待たれていた。

【０００４】 この考案に係る使い捨て俎板は、上述のような事情に鑑みて創案されたもので 、その目的とするところは、洗浄や滅菌処理を不要として、災害時等においても きわめて実用的な使い捨て俎板を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案に係る使い捨て俎板は、請求項１に記載し たように、食材を調理するために使用する使い捨て俎板であって、抗菌処理を施 した紙材によって構成したことを特徴とするものである。

【０００６】 この考案に係る使い捨て俎板は、上述のように構成されるため、一度使用した ならば、当該使い捨て俎板を廃棄或いは、焼却後に廃棄する。このため、俎板の 洗浄や滅菌処理を要することがない。尚、この考案に係る使い捨て俎板にあって は、紙材により製造しているため、従来の俎板に比較して著しく安価に製造でき る。従って、使い捨てとしても、俎板を購入する費用が嵩むことはない。更にい えば、日常生活においてこの考案に係る使い捨て俎板を使用する場合、単身者等 の自炊の頻度が高くない者にとっては、従来知られた木製或いは合成樹脂製の俎 板を購入するのに比較して費用を低減できる。

【０００７】 しかも、この考案に係る使い捨て俎板においては、材料紙に抗菌処理を施して いるため、調理途中において抗菌効果を発揮し、食中毒等の発生を防止できる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面に示す形態例に基づき、この考案を詳細に説明する。 図１は、この考案の一形態例を示している。本形態例における使い捨て俎板１ は、略長矩形の紙材製で、長さ方向一端部（図１の右端部）に、取っ手として利 用される透孔２を形成している。尚、このような透孔は、図１に仮想線で描いて いるように、俎板１の長さ方向他端部（図１の左端部）に、上記透孔２とともに 設けることもできる。これは、単に設計的事項である。

【０００９】 上記俎板１を構成する紙材としては、或る程度の剛性と或る程度の耐熱性と或 る程度の耐水性とを有するものを採用する。使用状態によっては、或る程度の耐 油性を有することが好ましい。本形態例においては、上記紙材として、リンテッ ク株式会社製の紙材（商品名：サイセイ２１）を採用している。上記紙材（サイ セイ２１）は、再生紙を３５％含むパルプ材により造られており、その目付が１ ５１（g／m²）である。このような紙材に、含浸法による抗菌処理を施している 。このため、抗菌性に優れたものとなっている。この紙材の抗菌性を確認するた めの試験結果を図２に示す。尚、この試験は、平成７年１２月２２日に、東京農 業大学応用微生物学研究室において実施されたもので、試験方法としては、試験 片（５０mm×５０mm）の表面に大腸菌、黄色ぶどう球菌の各菌液を滴下し、３７ ℃で３時間保存した後、試験片中の生菌数を測定することで行った。

【００１０】 上述のように構成される本形態例の使い捨て俎板１は、従来知られている俎板 と同様にして使用する。特に、本形態例における使い捨て俎板１は一度使用した ならば、当該使い捨て俎板１を廃棄或いは、焼却後に廃棄する。このため、俎板 の洗浄や滅菌処理を要することがない。又、本形態例の使い捨て俎板にあっては 、上記紙材により製造しているため、従来の俎板に比較して著しく安価に製造で きる。従って、使い捨てとしても、俎板１を購入する費用が嵩むことはない。更 にいえば、単身者等の自炊の頻度が高くない者にとっては、従来知られた木製或 いは合成樹脂製の俎板を購入するのに比較して費用を低減できる。

【００１１】 しかも、本形態例の使い捨て俎板においては、紙材に抗菌処理を施しているた め、調理途中において抗菌効果を発揮し、食中毒等の発生を防止できる。すなわ ち、上記抗菌処理を施していることに起因して菌の付着が少なく、しかも、一度 使用した後は廃棄するため、より衛生的である。尚、廃棄する際に、使用済みの 俎板１を焼却して廃棄するようにすれば、その効果はより向上する。

【００１２】 本形態例の使い捨て俎板１は、上述したように構成され作用するため、以下の ような優れた効果を奏することができる。先ず第一に、使用後の洗浄等が不要で あるため、きわめて手軽に取り扱うことができる。第二に、軽量で折りたたみ自 在であるため、携帯性に優れている。この結果、登山やキャンプに利用できる。 更には、震災等の非常時にも十分に効果を発揮でき、非常用備品として備えてお くことができる。尚、使用後は廃棄（焼却）するため、登山時や災害時等の給水 量に限りがある場合でも使用可能である。

【００１３】 第三に、含浸抗菌処理を施しているため、俎板１の表面のみならず、包丁等に よって付けられた傷口（切断面）においても抗菌効果がある。従って、抗菌処理 に優れ、きわめて衛生的に調理を行える。第四に、紙材によって製造するため、 安価に製造でき、経済的である。尚、上記含浸法における抗菌処理は、数回の水 洗いによっては抗菌性能が劣化することはない。従って、本形態例の使い捨て俎 板１を使用後に洗浄して再使用することは問題ない。

【００１４】 尚、この考案に係る使い捨て俎板は、図示の形状に限定されるものではない。 紙材の剛性等に応じて種々の形状を採用することができる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案に係る使い捨て俎板は、以上説明したように構成されているので、き わめて手軽に取り扱うことができるとともに携帯性に優れている。従って、登山 やキャンプ、或いは、震災等の非常時にも十分に効果を発揮できる。更に、抗菌 性に優れ、きわめて衛生的に調理を行える。しかも、安価に製造でき、経済的で ある。これらの結果、この発明に係る使い捨て俎板は、実用上の効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の形態例を示す平面図である。

【図２】抗菌試験の結果を示す図である。

【符号の説明】

１ 使い捨て俎板 ２ 透孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食材を調理するために使用する使い捨て
   俎板であって、抗菌処理を施した紙材によって構成した
   ことを特徴とする、使い捨て俎板。