JP3044891U - 浴槽用通電治療器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電治療器の操作性及び電池使用量の経済性
を高め、さらには動作時の状況判断を容易ならしめるこ
とができるように構成した浴槽用通電治療器の提供。 【解決手段】 温湯内に浸漬される一方の電極を２分割
し、その分割電極１６Ａ，１６Ｂの双方電極を低周波発
振器の出力回路に対して直列に隔設すると共に低周波発
振器の制御回路に人体への通電時のタイマー表示を行な
う可聴表示器及び可視表示器を具備せしめた構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、浴槽の温湯内へ溶解せしめた薬剤成分を、低周波電流を用いて体内 へ有効に吸収せしめるための浴槽用通電治療器であって、特に通電治療器の操作 性及び電池使用量の経済性を高め、さらには動作時の状況判断を容易ならしめる ことができるように構成した浴槽用通電治療器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

浴槽の温湯に、例えば腋臭症、足汗症、手汗症等の治療に供する薬剤を溶解さ せ、その溶薬温湯中に人体を入れ、さらに薬剤の人体への吸収を高めるために、 その人体と温湯との間に低周波電極を介して人体へ通電して治療を行なう通電治 療器が知られている。

【０００３】 これら周知の通電治療器は、例えば図３で示すように、治療器本体１をフロー ト２を介して浴槽内の温湯面３に浮遊させ、その治療器本体１に設けられている 一方の電極４を温湯と接触させると共に、その治療器本体１から引き出されてい る他方の電極５を人体に接触せしめて人体への低周波通電を行なうことにより、 温湯３によって人体皮膚の毛穴が開口されると同時に、皮膚抵抗が減少して温湯 ３に溶解されている薬剤成分の人体皮膚内への吸収性が促進されると同時に温湯 ３に浸漬されている皮膚部分（略全身）が電極となり、その結果温湯に浸ってい る皮膚全体にイオン化された薬剤成分が皮膚内へ有効に導入され、皮膚病等の治 療が入浴時に遂行できるものである。

【０００４】 そして、このような浴槽用通電治療器にあっては、低周波を出力させるための 発振回路駆動用の電源を内装する必要があり、このために、治療器本体１の内部 には積層乾電池を内装しているが、かかる積層乾電池は容量が少ないために、電 池の有望利用が望まれている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の通電治療器における電源のオン、オフ操作は、その治療器本 体に設けられている電源スイッチを手動で操作する構成であるので、その電源ス イッチの操作忘れを生じることがある。例えば通電治療器の使用時に電源スイッ チをオンさせなければならないにもかかわらず、その電源スイッチの入れ忘れに より通電治療の不能状態が継続されてしまうことがある。また通電治療器の終了 後又は不使用時に誤って電源スイッチをオンさせてしまって放置すると、治療器 は不用意のまま電池の消費が継続されて、電池の無駄使用が生じてしまうという 不具合があった。

【０００６】 また上記通電治療器よる一回当りの通電治療時間の制御は、内装のタイマーで 行なう構成のものもあるが、この場合、タイマーを人為的に操作しなければなら ず、面倒な操作が嵩むと同時に、タイマー設定のバラツキが生じやすいという不 具合もあった。

【０００７】 本考案は、かかる従来の不具合に着目してなされたもので、通電治療器を浴槽 内に浸漬させることにより、その温湯を介して電源をオンさせることができる構 造となして、通電治療器を浴槽内に浸漬させれば、電源がオンとなり、またその 通電治療器を浴槽内から引き上げれば電源がオフとなるようにして、従来の電源 スイッチの開閉操作の誤りによる上記不具合を未然に防止することを第１の目的 としている。

【０００８】 また本考案では、通電治療器使用時の動作状況（人体への通電状況）を容易に 把握することができるようにして、通電治療器動作時における信頼性とユーザー への使用安心感を高めることを第２の目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記第１の目的を達成するために請求項１では、浴槽内の温湯内に低周波発振 器の一方の電極を浸漬し、その他方の電極を浴槽に入っている人体の非温湯接触 皮膚部に接触させる浴槽用通電治療器において、上記温湯内に浸漬される一方の 電極を２分割し、その分割電極の双方電極を低周波発振器の出力回路に対して直 列に隔設した浴槽用通電治療器であることを特徴としている。

【００１０】 また上記第１の目的を達成するために請求項２では、請求項１に加えて、低周 波発振器制御回路にタイマー表示を行なう可聴表示器及び可視表示器を具備せし めた浴槽用通電治療器であることを特徴としている。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に本考案を図面に示す実施形態に基いて詳細に説明する。

【００１２】 図１、図２において、１１は治療器本体を示し、この治療器本体１１は、浴槽 １２内に入れられている温湯の湯面１３からその略上半部が浮上っている防水性 かつ透明性である外ケース１４を有し、この外ケース１４の内部には、周知構造 である低周波発振回路及びその電源等が収納されている内ケース１５が水密に内 装されている。上記外ケース１４の下半部つまり温湯内に浸漬される部分の外周 面には、いづれか一方の出力回路の途中を分断（２分）する分割電極１６Ａ，１ ６Ｂが取付けられており、また上記外ケース１４の上面、つまり温湯内に浸漬さ れない部分からは他方の出力回路に接続されるリード線１７が引き出されており 、このリード線１７の先端には、例えば使用者（治療をしようとする者）の指、 腕等に接触させることができる主電極１８が接続されている。

【００１３】 １９は、透明なる外ケース１４を透して見ることができる、例えば複数個の発 光ダイオードであって、これらの発光ダイオード１９は、治療時間（人体への通 電時間）の経過に伴なって発光ダイオードの点灯数が漸次増大又は減少するよう に点灯制御される。従ってこれらの発光ダイオードの点灯状況を目視することで 治療時間の経過又は治療の残時間等を容易に確認することができる。また図示は していないが、上記発行ダイオードの点灯又は消灯に関連して、アラーム等によ る発音を発生させることにより、音によっても治療時間の経過又は治療の残時間 等を確認することもできるようになっている。

【００１４】 以上が本実施形態であるが、次にその作用について述べると、図２で示すよう に、使用者２０が、例えば葉緑素（クロロフィリン）等の薬剤を適量（例えば０ ．１％）を溶解させている浴槽１２内の温湯中へ入るとき、上記の治療器本体１ １を上記温湯内に浮遊させると同時に主電極１８を人体へ接続させる。この治療 器本体１１を温湯内に浮遊させることで、一対の分割電極１６Ａと１６Ｂとは温 湯を介して電気的に通電し、その結果、治療器本体１１内の発振回路は、駆動を 開始すると共にタイマーが働き、通電時間の計測が開始され、使用者２０への通 電が継続開始する。これにより、その主電極１８と、分割電極１６Ａ，１６Ｂに より電気的に通電されている温湯に接続する皮膚との間で電位差が生じ、該温湯 内に溶解されている薬剤の有効成分はイオン化されて皮膚内へ積極的に吸収され るものである。湯に溶けている薬剤が＋イオンである場合は前記主電極１８を− 電極とし、また薬剤が＋イオンである場合は主電極１８を＋電極とすることによ り薬剤成分のイオン導入が有効である。

【００１５】 そしてその分割電極１６Ａ，１６Ｂと主電極１８とによる人体への通電時間が 進むと、例えば３０秒間隔で発光ダイオードの点灯数が漸次減少又は増大するの で、これら発光ダイオード１９の点灯状況を目視することで治療に要する通電時 間の経過を即座に目視確認することができる。

【００１６】 そして所定の通電時間が経過すれば、タイマーの働きにより電源回路はオフと なり、発振器からの出力は停止する。また上記タイマーと共に不図示の可聴発振 器を動作させれば、警報器によっても通電時間の経過又はその終了を知ることも できる。

【００１７】 また通電使用後、上記治療器本体１１を浴槽１２内より引き上げれば、双方の 分割電極１６Ａと１６Ｂ間の通電性が断たれ、その結果発振回路への通電が遮断 されて、電源が自動的にオフとなり、この治療器本体１１を再度浴槽１２の温湯 中に浸漬するまではいかなる状況でも発振回路の電源を再度オン状態にすること はできない。従って無駄な電力消費を生じることのない節電効果の高い浴槽用通 電治療器を提供することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように本考案の浴槽用通電治療器によれば、その治療器の使用時におけ る電源スイッチのオン操作及び使用後における電源スイッチのオフ操作を行なう 必要がないので、取扱いが便利であり、しかも無駄な消費電力を生じるようなこ ともなく、電池の使用経済性が大幅に向上する。

【００１９】 また本考案の浴槽用通電治療器によれば、その使用時の人体への通電状況を容 易に把握することができ、通電治療器の動作信頼性とユーザーへ使用安心感を高 めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案よりなる浴槽用通電治療器の実施形態を
示した斜視図。

【図２】本考案よりなる浴槽用通電治療器の使用状態を
示した説明図。

【図３】従来の通電治療器を示した説明図。

【符号の説明】

１１…治療器本体 １２…浴槽 １３…湯面 １４…外ケース １５…内ケース １６Ａ，１６Ｂ…分割電極 １８…主電極 １９…発光ダイオード ２０…使用者

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽内の温湯内に低周波発振器の一方の
   電極を浸漬し、その他方の電極を浴槽に入っている人体
   の非温湯接触皮膚部に接触させる浴槽用通電治療器にお
   いて、上記温湯内に浸漬される一方の電極を２分割し、
   その分割電極（１６Ａ），（１６Ｂ）の双方電極を低周
   波発振器の出力回路に対して直列に隔設したことを特徴
   とする浴槽用通電治療器。
2. 【請求項２】 低周波発振器の制御回路に人体への通電
   時のタイマー表示を行なう可聴表示器及び可視表示器を
   具備せしめたことを特徴とする請求項１に記載の浴槽用
   通電治療器。