JP3043737B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP3043737B2
JP3043737B2 JP11009852A JP985299A JP3043737B2 JP 3043737 B2 JP3043737 B2 JP 3043737B2 JP 11009852 A JP11009852 A JP 11009852A JP 985299 A JP985299 A JP 985299A JP 3043737 B2 JP3043737 B2 JP 3043737B2
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fins
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器に係り、特
に持続性が優秀な親水性物質をその表面にコーティング
することによって凝縮水の宿りによる空気の圧力損失を
減少させることができる熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱交換器は冷蔵庫、空気調和機
などに設置されて、その外部を通過する外部空気とその
内部を流れる作動流体との間に熱交換が行われるように
する機能を果たす。
【0003】図1は一般的な熱交換器を示した斜視図で
あり、図3は従来の熱交換器に凝縮水が宿ることを示し
た正面図である。同図に示した通り、熱交換器10は平
行に配置された多数の薄板状のフィン11と、少なくと
も二つ以上の列をなしながらフィン11に挿設される冷
媒管12とから構成される。
【0004】前記冷媒管12には冷媒などの作動流体が
流れるが、このような作動流体は冷媒管12及びフィン
11を媒体として、これらの外部を通過する空気と熱交
換をするようになる。この際、冷媒管12の表面に接す
るように設置された薄板状のフィン11は伝熱面積を広
めて外部空気との熱交換量を増大させる役割をする。
【0005】このような熱交換器10が備えられる空気
調和機では、一般に高温多湿な空気が熱交換器10を通
過した後、低温乾燥な空気に変わるようになる。この
時、フィン11と冷媒管12の表面には、高温多湿な空
気と冷媒との熱交換により凝縮水13が宿るが、このよ
うな凝縮水13がたくさん宿ると、熱交換器10を通過
する空気の圧力損失が増大されて熱交換器10の効率が
低下する。
【0006】一方、図3に示した通り、凝縮水13がフ
ィン11と接する部分での接線lがフィン11となす角
度を接触角θと称するが、凝縮水13がフィン11の表
面に完全に広まる時、即ち接触角θが0゜に近いほど熱
交換器10を通過する空気の圧力損失が減少して熱交換
器10の効率は向上される。このように、凝縮水13の
接触角θが小さいほど一般に親水性が優れると称する。
【0007】したがって、フィン11と冷媒管12の表
面には、凝縮水13の接触角θを減少させるために親水
性が優れる親水塗料をコーティングするようになるが、
このような親水塗料はポリエステル(polyeste
r)とアクリルエステル(acrylicester)
樹脂の混合物でなされた親水性物質と、表面の粗度を調
節するための界面活性剤が主成分をなすものであり、熱
交換器10の表面に塗布されて接着状態を維持するよう
になる。
【0008】しかし、このような従来の熱交換器におい
て、前記親水塗料はフィン及び冷媒管の表面と接着状態
を維持するために時間が経過するほど凝縮水により洗わ
れて親水性が低下するだけでなく、熱交換器の製作時必
須に随伴される乾燥工程と溶接工程時加えられる高温の
熱によりも親水性が低下される問題点があった。これに
より、凝縮水の接触角が増加し、凝縮水がフィンと冷媒
管の表面にずっと宿るようになるので、熱交換器を通過
する空気の圧力損失が増大されて熱交換器の性能が低下
した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した問題
点を解決するために案出されたもので、その目的は持続
性が優秀な親水性物質をフィンと冷媒管の表面にコーテ
ィングすることによって凝縮水の宿りによる空気の圧力
損失を減少させることができる熱交換器を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した本発明の目的を
達成するための本発明は、空気が通過するように一定間
隔で平行に配置された多数のフィンと、前記フィンに少
なくとも二つ以上の列をなしながら一定間隔で配列さ
れ、その内部に冷媒などの作動流体が流れる冷媒管を備
える熱交換器において、凝縮水が宿ることを防止するた
めに前記フィンと冷媒管をトリエタノールアミン(Tr
iethanolamine−C615NO3)、または
炭酸ナトリウム(SodiumCarbonate−N
2CO3)、またはアンモニア水(Ammoniumh
ydroxide−NH4OH)溶液に浸すことによっ
て表面処理されたことを特徴とする。
【0011】前記溶液の濃度は0.1〜10%とし、前
記表面処理の時間は1〜60分とする。また、前記表面
処理時前記溶液にグリコール添加剤を10〜50%の濃
度になるように添加するが、前記グリコール添加剤はエ
チレングリコール、またはプロピレングリコールである
ことを特徴とする。そして、前記フィンと冷媒管を10
〜40分間沸騰純水に浸すことによって再度表面処理を
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明による熱交換器の望ましい実施形態を詳述する。本発
明による熱交換器の全体的な構成は前記従来の熱交換器
の構成と同一なので、同じ部品は同じ番号を付与してそ
の詳細な説明は省略する。
【0013】図2は本発明による熱交換器に凝縮水が宿
ることを示した正面図である。本発明による熱交換器1
0(図1参照)は空気が通過するように一定間隔で平行
に配置された多数のフィン11と、前記フィン11に少
なくとも二つ以上の列をなしながら一定間隔で配列さ
れ、その内部に冷媒などの作動流体が流れる冷媒管12
を備える。
【0014】このような熱交換器10が備えられる空気
調和機では、一般に送風ファン(図示せず)により強制
に空気が熱交換器50側に流動されることによって熱交
換が活発に行われる。
【0015】このように、熱交換が行なわれる時には、
高温多湿な空気がフィン11及び冷媒管12と接触しな
がら熱交換器10を通過した後、低温乾燥な空気に変わ
るようになるが、この時、フィン11と冷媒管12の表
面には、高温多湿な空気と冷媒との熱交換により凝縮水
13が宿るようになる。この時、凝縮水13がたくさん
宿ると熱交換器10を通過する空気の圧力損失が増大さ
れて熱交換器10の効率は低下する。
【0016】一方、上述した通り、凝縮水13がフィン
11と接する部分での接線lがフィン11となす接触角
θが0゜に近いほど熱交換器10を通過する空気の圧力
損失が減少して熱交換器10の効率は向上されるが、凝
縮水13の接触角θが小さいほど一般に親水性が優秀だ
と称する。一般に、前記接触角θが10゜以下の範囲で
あると、熱交換器10の熱交換性能に影響を与えない。
このように、凝縮水13の接触角θを下げるために熱交
換器10の表面を親水性が優秀な物質で表面処理する
が、このような親水性物質は長時間使用されたり、高温
の熱に露出されたりしても親水性が容易に低下されない
べきである。
【0017】上記のような条件を満足するための親水性
物質として、トリエタノールアミン(Triethan
olamine−C615NO3)を沸騰純水に溶解させ
た溶液が備えられ、この溶液にフィン11と冷媒管12
を浸す1次表面処理工程を遂行することによって親水性
を付与する。
【0018】また、熱交換器10を表面処理するための
親水性溶液として、前記トリエタノールアミン(Tri
ethanolamine−C615NO3)以外に炭酸
ナトリウム(SodiumCarbonate−Na2
CO3)またはアンモニア水(Ammoniumhyd
roxide−NH4OH)が適用されることができ
る。
【0019】一方、トリエタノールアミン(Triet
hanolamine−C615NO3)、炭酸ナトリウ
ム(SodiumCarbonate−Na2CO3)、
そしてアンモニア水(Ammoniumhydroxi
de−NH4OH)溶液は揮発性を持っているので、所
定の濃度を常に一定に維持できなくなる。これにより、
フィン11と冷媒管12の表面に均一な被膜を形成でき
ない場合が発生するが、これを防止するためにエチレン
グリコールとプロピレングリコールのようなグリコール
添加剤を1次表面処理工程時10〜50%の濃度になる
ように前記親水性溶液に添加することが望ましい。
【0020】そして、1次表面処理工程を終えたフィン
11と冷媒管12を沸騰純水に浸すことによって2次表
面処理工程を遂行するが、これは熱交換器10に耐食性
を付加するためである。
【0021】下記の表1は本発明による親水性溶液で表
面処理された熱交換器での凝縮水13の接触角θを従来
の熱交換器の場合と対比して表したものである。
【表1】
【0022】但し、表1には1次接触角θ1と熱処理後
接触角θhという項目が存在するが、1次接触角θ1は、
熱交換器10の製作時フィン11と冷媒管12を表面処
理した直後測定した凝縮水13の接触角を意味すること
であり、熱処理後接触角θは、表面処理が完了された
フィン11と冷媒管12を72時間160℃の温度条件
下で熱処理を行なった後測定した凝縮水13の接触角を
意味することである。
【0023】これを詳細に説明すれば、フィン11と冷
媒管12にはこれらを製造する過程でオイルが残存する
が、このオイルを蒸発させるために、フィン11と冷媒
管12を結合した後、約150℃の乾燥炉で約20〜6
0分間乾燥工程を行うようになる。また、フィン11に
挿設される冷媒管12はUベンディングされて溶接手段
により隣る冷媒管12と連結されるが、このような乾燥
工程及び溶接工程によりフィン11と冷媒管12には必
須に約150〜200℃の熱が伝えられることである。
したがって、前記熱処理後接触角θは、本発明による
親水性溶液で表面処理されたフィン11と冷媒管12の
親水性が高温の熱によりどのように変化されるかを調べ
るためのことである。
【0024】また、表1には2次接触角θ2という項目
があるが、この2次接触角θ2は、親水性溶液で表面処
理を終えた後150℃の温度条件下で4分間乾燥させた
フィン11と冷媒管12を、温度40℃、相対湿度90
%条件下で3分間放置し、温度30℃、相対湿度75%
条件下で6分間放置する過程を500回反復した後測定
した凝縮水13の接触角を意味することであって、これ
は時間が経過するにつれて親水性溶液の親水性がどのよ
うに変化されるかを調べるためのことである。
【0025】表1に表した通り、従来の親水塗料により
表面処理された熱交換器10の場合、1次接触角θ1
3.3゜として親水性が優れるものの、熱処理後接触角
θhと2次接触角θ2は各々43.7゜と30.0゜とな
って親水性が顕著に低下することが分かる。
【0026】一方、本発明による親水性溶液により表面
処理される熱交換器において、トリエタノールアミン
(Triethanolamine−C615NO3)、
炭酸ナトリウム(SodiumCarbonate−N
2CO3)、そしてアンモニア水(Ammoniumh
ydroxide−NH4OH)の場合、全部熱処理後
接触角θhと2次接触角θ2が10゜以下であり、これに
より前記溶液の親水性が高温の熱または時間の経過のよ
うな外部環境の変化にも低下されなく、優秀に持続され
ることが分かる。さらに、熱処理後接触角θhは1次接
触角θ1よりも大部分低く測定されることによって、熱
交換器10の乾燥及び溶接工程時必須に加えられる高温
の熱がむしろ前記親水性溶液の親水性を向上させること
が分かる。
【0027】望ましくは、熱処理後接触角θhと2次接
触角θ2が全部10゜以下になるようにするためにトリ
エタノールアミン(Triethanolamine−
61 5NO3)、炭酸ナトリウム(SodiumCar
bonate−Na2CO3)、そしてアンモニア水(A
mmoniumhydroxide−NH4OH)溶液
の濃度を各々0.1〜10%を維持させ、1次表面処理
時間を1〜60分とする。また、2次表面処理時間は1
0〜40分とすることが望ましい。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による熱交換
器の親水性は高温の熱または時間の経過のような外部環
境の変化にも低下されなく、優秀に持続されることによ
って熱交換器の効率が向上されてエネルギー節減効果を
得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な熱交換器を示した斜視図である。
【図2】 本発明による熱交換器に凝縮水が宿ることを
示した正面図である。
【図3】 従来の熱交換器に凝縮水が宿ることを示した
正面図である。
【符号の説明】
10 熱交換器 11 フィン 12 冷媒管
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−340688(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 13/18

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気が通過するように一定間隔で平行に
    配置された多数のフィンと、前記フィンに少なくとも二
    つ以上の列をなしながら一定間隔で配列され、その内部
    に冷媒などの作動流体が流れる冷媒管を備える熱交換器
    において、 凝縮水が宿ることを防止するために前記フィンと冷媒管
    を炭酸ナトリウム(Sodium Carbonate−Na2CO3)溶
    液に浸すことによって表面処理されたことを特徴とする
    熱交換器。
  2. 【請求項2】 空気が通過するように一定間隔で平行に
    配置された多数のフィンと、前記フィンに少なくとも二
    つ以上の列をなしながら一定間隔で配列され、その内部
    に冷媒などの作動流体が流れる冷媒管を備える熱交換器
    において、 凝縮水が宿ることを防止するために前記フィンと冷媒管
    をアンモニア水(Ammoniumhydroxide−NH4OH)溶液
    に浸すことによって表面処理されたことを特徴とする熱
    交換器。
  3. 【請求項3】 前記溶液の濃度は0.1〜10%とし、
    前記表面処理の時間は1〜60分とすることを特徴とす
    請求項1または請求項2に記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記表面処理時前記溶液にグリコール添
    加剤が10〜50%の濃度になるように添加されたこと
    を特徴とする請求項に記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記グリコール添加剤はエチレングリコ
    ールであることを特徴とする請求項に記載の熱交換
    器。
  6. 【請求項6】 前記グリコール添加剤はプロピレングリ
    コールであることを特徴とする請求項に記載の熱交換
    器。
  7. 【請求項7】 前記フィンと冷媒管を沸騰純水に浸すこ
    とによって再度表面処理されたことを特徴とする請求項
    に記載の熱交換器。
  8. 【請求項8】 前記沸騰純水による表面処理の時間は1
    0〜40分とすることを特徴とする請求項に記載の熱
    交換器。
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