JP3043136U - 釣り用カーボンロッド - Google Patents
釣り用カーボンロッドInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭素繊維強化プラスチックス製の釣り竿であ
って、基端から先端まで、各所における曲げ抵抗が、そ
の軸心周りでバランスのとれたものに形成されてなる新
規な構造の釣り用カーボンロッドを提供する。 【解決手段】 断面を正三角形とした棒状体であって、
断面形で底辺に相当する面が、基端側から先端側に向
け、適宜間隔毎にその軸心側に傾斜させる角度を次第に
僅かずつ大きくなる如く形成された単位骨体6本を、断
面形で夫々の正三角形の頂角を軸心に寄せ集め、それら
隣接する単位骨体相互の対峙する、断面形で斜辺に相当
する面同士を接着、一体化して形成した断面正六角形の
釣り用カーボンロッドである。
って、基端から先端まで、各所における曲げ抵抗が、そ
の軸心周りでバランスのとれたものに形成されてなる新
規な構造の釣り用カーボンロッドを提供する。 【解決手段】 断面を正三角形とした棒状体であって、
断面形で底辺に相当する面が、基端側から先端側に向
け、適宜間隔毎にその軸心側に傾斜させる角度を次第に
僅かずつ大きくなる如く形成された単位骨体6本を、断
面形で夫々の正三角形の頂角を軸心に寄せ集め、それら
隣接する単位骨体相互の対峙する、断面形で斜辺に相当
する面同士を接着、一体化して形成した断面正六角形の
釣り用カーボンロッドである。
Description
【0001】
この考案は、炭素繊維強化プラスチックス製の釣り竿に関するものであり、 基端から先端まで、各所における曲げ抵抗が、その全断面方向でバランスのとれ たものに形成されてなるようにした新規な構造の釣り用カーボンロッドを提供し ようとするものである。
【0002】
余暇が増えるにつれ、人々は、これまでにも増して様々なレジャーを楽しむ ことが可能となってきている。特に、屋外レジャーの一つとして魚釣りも非常に 人気があって、このところの釣り人口の増加には著しいものがあり、それら増加 し続ける釣り愛好家のために、釣り道具にも色々な改良、工夫が加えられると共 に、便利な道具類も数多く用意され、店頭を賑わわせている。 その中、釣り竿一つを取り上げてみても、釣り人は、釣る魚や釣り方、ある いは本人の好み等に応じて何種類かの釣り竿を使い分けることとなるため、釣具 店には、それらの期待に応えるべく、沢山の種類の釣り竿が用意されている。
【0003】 この釣り竿の種類は、和竿として世界的にも知られる我が国の伝統的な竹竿 が品薄で、かなり高価につくものになってしまったことと、使いこなす上でそれ なりの熟練を要すること等の理由から、最近では、全般的に調子が安定していて 使い易く、丈夫で竹竿のようにヘタリがこず、比較的安価に入手できるグラスロ ッド(ガラス繊維強化プラスチックス製の釣り竿)がその主流を成していて、磯 釣り用を始めとして、投げ釣り用、船釣り用、渓流釣り用、へら鮒釣り用、はぜ 釣り用等々、殆ど有りとあらゆる釣り用の竿が入手可能である。
【0004】 一般に、このグラスロッドは、先細りとした芯金に所定巾のグラスファイバ ーを重ね巻き状にしていき、それらの上からエポキシ樹脂(その他フェノール樹 脂や不飽和ポリエステル樹脂等)を含浸、塗布し、固化してから芯金を引き抜き 、外表面に発生している段差を丁寧に研磨して凹凸を無くし、きれいに仕上げ塗 装を施してなる円形中空断面構造の竿(=チューブラー型グラスロッド。これに 対し、円形密実断面構造としたソリッド型グラスロッドもあり、このタイプの竿 は、チヌ釣り用等、主に小さな当たりを捕らえる釣りに用いられている。)とし てなるものである。
【0005】 こうして形成される上記一般的なグラスロッドの場合、その製造過程に起因 して次のような難点を抱えている。 先ず、断面肉厚が同一となるような加工が、進歩した技術手段を以てしても かなり難しいという問題がある。これは、テープ状のグラスファイバーを重ね巻 きするため、グラスファイバーの重なり部分とそうではない部分との肉厚の違い や、エポキシ樹脂等の含浸、塗布具合を一様のものにし難い等の理由で、研磨仕 上げ前の段階の凹凸は、かなり不規則なものとなってしまっている上、研磨加工 段階において全長的に僅かに撓んでしまうことを防止できず、それら不規則な凹 凸面があって、しかもやや撓み加減のままで機械的に同軸となるようにして表面 研磨してしまう結果、研磨が同芯状に(機械的な軸心と被研磨物の軸心とが全長 方向に渡って合致して)実施されるとは限らず、ある同一箇所の断面においても 肉厚が方向によって異なったものとなり易く、また軸芯方向に連続する部分で肉 厚が略代わらない部分でもグラスファイバー重ね厚の違う箇所もあって、その辺 りでは剛性に微妙な差を生じてしまう等の結果から派生する問題であって、この グラスロッドに関しては殆ど宿命的な現象と言わざるを得ないことであった。
【0006】 更に一層困難な問題が、芯金へのテープ状グラスファイバーの重ね巻きにお いて、芯金の寸法精度、およびかなり細くなっていくその形状構造(全長を直線 状に確保することは不可能で、必ず撓んだ状態となってしまう。)、更にはグラ スファイバーの組成構造(全般的に不均質な構造)等に関連して、テープ状のグ ラスファイバーが計算どおり同一重ね代で重ね巻きすることが殆ど不可能であり 、そのため、仮にエポキシ樹脂等を極めて正確に含浸、塗布できたとしても、素 材を異にするグラスファイバー部分の断面厚の違いが各所に発生して、全周方向 の断面係数に当然のことながら違いを生じさせてしまうという不都合がどうして も避け得えなかった。
【0007】 こうした性状、構造に伴う欠陥は、外見上で全く確認できず、大抵の人には 何等不都合のないもののように見えてしまうものの、先端を接地状とし、やや撓 ませながら竿を回転させてみて、その回り方が一様かどうかを確認することによ って簡単に見分けられることであり、従前までの多くのグラスロッドでは珍しい 現象ではなく、グラスロッドの製造方法からしてどうしても避け得ない現象であ って、この構造上の欠陥は、釣竿の方向による曲げ抵抗の違い(断面全周方向に おける曲げ応力のバラツキ)に繋がり、グラスロッドの多くは、その軸心周りの 方向によって撓りが均質とならず、釣り竿として使用すると、特に重りを付けな いフライフィッシング等の使用では、ハリが真っ直ぐ飛んでくれないという致命 的な状態に陥ってしまったり、「当たり」の後、獲物を引き揚げようとしたとき に、引きの緩急に連れて竿がその撓りを大きくする度毎に、軸心周りに釣り竿が 回動させられてしまうか、あるいは捩れるような外力を受けてしまい、魚の引き に上手く竿を合わせられずにバラシてしまったり、テグスを切断してしまうとい った不測の事態を招くことにもなって、釣りの醍醐味を殺がれ兼ねないことにな ってしまう。
【0008】 更に、この従前からの製造方法によるグラスロッド、特に最も一般的な円形 中空断面構造のチューブラー型グラスロッドの場合、大量生産には多数の芯金を 用意、管理しておかなければず、精度を要するものだけにその費用がかさんでし まうと共に、何よりも同一精度のものを多数準備すること(そうでないと上記し たとおりの製品ムラが一層発生し易くなる)が極めて難しいという課題も抱えて いて、高級な釣り竿を大量生産する上でかなりの不都合があり、また、その素材 上に起因して、弾発性が全般に有り過ぎ、確かに初速は出るものの、その後の撓 り方が弱くて釣り糸を遠くに飛ばすという操作性に欠けるきらいも手伝って、ど ちらかと言えば、マニア向けというよりも一般普及品用の釣り竿として取り扱わ れているのが実情となっている。
【0009】 そこで、より操作性に秀れた釣り竿として、その素材上の特性から、カーボ ンロッドが注目され始めてきた。しかし、これまでのところ、このカーボンロッ ドも、単に先のグラスロッドの場合のグラスファイバーを炭素繊維に替えるか、 それらを交織したものに置き換えただけのものであったり、あるいは内層をグラ スファイバー、外層を炭素繊維に積層、使用しただけのものであって、エポキシ 樹脂等を含浸、塗布して研磨仕上げする加工手段はそのまま採用されていて、偶 々炭素繊維強化プラスチックスの性状が生かされ、弾発性が有り過ぎるグラスロ ッドの欠点を補っているに過ぎない程度のもので、その構造上から来るところの 撓り方の不均質性等については何等の改良も施されていなかった。
【0010】 そこで、炭素繊維強化プラスチックスを押し出し成形した丸棒材を丹念に先 細りとなるよう研磨して密実一本もののカーボンロッドに仕上げる試みも、特殊 技術を備えた釣り竿作りの名人によってなされていて、極めて高価な、しかしそ の操作性については格段に秀れた釣り竿も提供されているにはいるが、相当の技 量と時間とを要することから、作り手側においても決して採算性があるものとい う訳にはいかず、極限られた愛好家向けに受注生産的に少量生産されていたに過 ぎず、したがって、この炭素繊維強化プラスチックスを使った経済的な釣り竿の 登場は、釣り愛好家からだけではなく、生産者側からも長年に渡って待ち望まれ 続けてきていた。 この考案は、上述のような状況に鑑み、自らも手作りの釣り竿作りを生業と する者の一人として、それらの需要に応えるべく、鋭意、開発、研究を続け、様 々に試作、実験を積み重ねてきた結果、遂に、以下において示すことができるよ うな、これまで誰にも試みられたことのない極めて新規な構造からなるグラスロ ッドの完成、実用化に成功したものである。
【0011】
図面に示すこの考案を代表する各実施例からも明確に理解されるように、こ の考案は、その基本的な構成の要旨を以下のとおりとするものである。 即ち、断面を正三角形とした棒状体であって、断面形で底辺に相当する面が 、基端側から先端側に向け、適宜間隔毎にその軸心側に傾斜させる角度を次第に 僅かずつ大きくなる如く形成された単位骨体6本を、断面形で夫々の正三角形の 頂角を軸心に寄せ集め、それら隣接する単位骨体相互の、夫々断面形で斜辺に相 当する面であって対峙するもの同士を接着、一体化して形成してなることを特徴 とする断面正六角形の釣り用カーボンロッドである。
【0012】 この基本的な構成からなるこ釣り用カーボンロッドに関連して、この考案に は、断面が正三角形の頂角を殺ぎ落として形成される台形とされた棒状体であっ て、断面形で底辺に相当する面が、基端側から先端側に向け、適宜間隔毎にその 軸心側に傾斜させる角度を次第に僅かずつ大きくなる如く形成された単位骨体6 本を、断面形で夫々の台形の頂辺側を軸心側にして寄せ集め、それら隣接する単 位骨体相互の、夫々断面形で斜辺に相当する面であって対峙するもの同士を接着 、一体化して形成してなる断面正六角形で中空状とした構成を要旨とする釣り用 カーボンロッドが包含されている。
【0013】 棒状体は、作ろうとするグラスロッドの基本部材とする単位骨体を形成する ための素材となるものであって、炭素繊維強化プラスチックスを押し出し成形し た丸棒材を削って正三角形断面とした棒状体にするか、あるいは予め正三角形断 面のものに押し出し成形し、それらの各面を研磨仕上げをして一層正確な正三角 形断面の棒状体にする外、正三角形断面の頂角側から底辺に平行な状態に研磨仕 上げして断面台形の棒状体にしたものを採用する。
【0014】 この棒状体は、更に、頂角を挟む両斜辺を、受け型等で正確に支持した状態 で、その底辺だけを、基端から先端方向に向けて次第に断面形を小さくするよう 、軸心方向全長を適宜範囲、例えば所定間隔としたり、基端から先端方向へ次第 に間隔を広げたり、あるいは狭めたりした間隔毎に研磨角度を強くしていくよう な研磨(加工上から範囲を研磨する角度で全長を研磨し、特に基端から所定範囲 を正確に研磨したした後、次の一区画以降全長ををそれよりやや強い角度で研磨 するといった研磨)を繰り返す先細加工が施されて単位骨体とされるものであっ て、棒状体を、最初から最終仕上とする先細構造となるように、基端から先端全 長に渡って同一角度のままで研磨仕上げして研磨ムラを生じさせてしまい易くす る工程を未然に避けられるようにする。
【0015】 棒状体からのこの段階的な先細加工の採用により、軸心方向どの箇所の断面 形も、全て基本形である元の正三角形断面あるいは台形断面と相似形のままでそ の断面積を小さくしていく断面構造のものとすることができる結果、どの断面に おいても、その全断面方向についてバランスの良い曲げ強度を有するものとなっ て、正三角形断面あるいは台形断面の基端から先端までの全長に渡って性状の均 質な単位骨体が比較的簡単に得られることになる。
【0016】 こうして実現された均質な構造の単位骨体6本が用意され、それらの頂点が 略一点に集まるようにするか、頂辺が軸心周りに集まって相似形の六角形を構成 するようにして寄せ集められ、隣接する単位骨体相互で対峙することとなる斜辺 相互間をエポキシ樹脂系接着剤その他の有効な接着剤で強力に一体化し、全断面 形が正六角形断面で密実または中空の素グラスロッドを実現し、最終的に適宜表 面塗装仕上げをする等してこの考案の釣り竿を完成する。 以下、図面に示す代表的な実施例によって、この考案の上記までの構成が、 より理解し易くなるようにしていくこととする。
【0017】
【実施例1】 図1の一部を省略した分解斜視図、および図2の単位骨体の断面を示す断面 図とに示す事例は、この考案の最も基本をなす実施例の一つであって、密実正六 角形断面のグラスロッドに関する実施例である。 図からも理解されるように、単位骨体1は、その基端形状に表れているよう に、正三角形断面であって、その底辺に相当する面(寄せ集められてロッドを完 成したしたときに外表面となる面)が、図5の一部を省略して示す側面図のよう に、基端から所定長、例えば125mm間隔毎に区分けされ、最も基端側の区画 範囲を、水平面F1から所定角度(図中の角度α′は、斜視状に表れているため 、所定角度は、その角度よりやや大きい値の角度。以下同様)だけ軸心側に傾斜 した角度で研磨して傾斜面31とすることにより、図2の断面図に示しているよ うに、ある断面箇所における三角形断面は、元の底辺3から底辺3′に縮小され てしまう。 この図からも理解されるとおり、底辺が3′となった断面の正三角形は、元 の底辺3の正三角形と完全に相似した正三角形となって、夫々の断面係数に変化 はない。
【0018】 続いて、第2区画範囲では、その始端における水平面F2から、先のα′よ りもやや大きい所定角度(=α′′)だけ軸心側に傾斜した角度で研磨されるよ うにし、以下第3区画範囲、第4区画範囲……と移行するに従ってα′′′,… …と傾斜角度を大きくしていって傾斜面31′,……を形成し、最も先端寄りの 区画範囲で、釣り竿穂先の形成に必要な太さとなるようにした後、単位骨体1, 1,……6本の対峙する斜辺相当面6,6間にエポキシ樹脂系接着剤を塗布した 上、図1の基端木口部分に一点鎖線表示して示すように、単位骨体1,1,…… 6本の各頂点2,2,……が軸心に集まるように寄せ、全体の位置関係がズレ動 いてしまわないよう配慮した圧着を行って一本に一体化し、断面正六角形の釣り 用カーボンロッドCを実現するものである。 なお、図1中、32,32′は、隣接する傾斜面31,31′間に表れる境 界稜線を示しており、また図2の一点鎖線表示部分には、寄せ集められて一体化 された状態になる断面表示以外の単位骨体1,1,……を示している。
【0019】
【実施例2】 図3の、上記図1と同様に一部を省略して示す分解斜視図、および、単位骨 体の断面図に取り上げた実施例は、単位骨体の断面を変え、中空のカーボンロッ ドとした事例であり、上記実施例1の正三角形断面の棒状体段階か、あるいは同 底辺3に相当する面の研磨を終え、各区画範囲毎の傾斜面31,31′,……を 形成してからかの何れかの段階に、頂角を削り落として底辺に平行する面となし 、単位骨体1の全体断面形を、図4のような台形断面に形成したものである。
【0020】 これら台形断面の単位骨体1,1,……を、実施例1の場合と同様に、予め 対峙する斜辺6,6相互間に接着剤を塗布してから、夫々の頂辺4,4,……が 互いに寄り集まって正六角形の中空部5を構成するようにまとめ、図3中一点鎖 線表示のような状態で一本に一体化し、上記実施例1同様、外形形状で正六角形 断面となるカーボンロッドCとしてなるものである。 但し、実現されたこの実施例の六角形断面のカーボンロッドCでは、外形状 で実施例1のように正六角形断面に見えるものの、図示のように、その軸心周り には、外形断面に略完全に相似形となる正六角形断面の中空部5が確保されたチ ューブラータイプのカーボンロッドCを実現する。
【0021】
以上のとおりの構成からなるこの考案の釣り用カーボンロッドでは、その基 本構成素材である正三角形断面あるいは台形断面の単位骨体が、正三角形断面あ るいは台形断面とした棒状体の底辺だけに、適宜区間毎段階的にその研磨角度を 僅かずつ強めていく研磨加工を施し、他の2辺、即ち頂角を挟む斜辺相互、ある いは台形断面とした棒状体では、それに加えて頂辺についても、基端から先端に 掛けて次第に先細り形状に形成するための微妙な加工処理を一切施さずして、単 位骨体自体、軸線方向全長に掛けてのどの箇所の正断面三角形または台形断面と も、全て相似形のものの連続となるような構造のものに実現可能とすることから 、軸心は、基端から先端穂先に向けて正確な直線状のものとなって、軸心位置に 殆どズレを生じさせず、したがって、どの断面箇所でも軸心周りの応力のバラン スに殆ど差がないものとなって、外力を受けたときの変形の際に軸心方向の何処 かで異常な曲り方を惹起させてしまうことのないものとすることができる上、こ の性状と殆ど同一となるようにした多数の単位骨体の製造をも容易にするものと なっている。
【0022】 そして、この考案の釣り用カーボンロッドは、上記のように秀れた性状のも のに加工された単位骨体を、しかも、個々の単位骨体の性状に殆どバラツキの無 いものとして6本用意可能とした上、それらを軸心周りにバランス良く寄せ集め て接着、一体化し、断面密実正六角形または断面中空正六角形としてなる構造の ものに形成されていることから、当然その正六角断面とされた部材の軸心も、そ の全長に渡って位置のズレを殆ど生じさせることがなく、したがって、その全断 面方向における曲げ応力のバランスも、ロッド全長何処においても殆ど差がない ものとなり、魚の当たりを得てロッドに外力が加わったとしても、軸心方向の何 処かで異常な曲り方をしてしまうことがなくなって魚の複雑な動きに円滑に順応 可能とするものになる結果、釣人のロッド操作性について、従前までのもののよ うな無理な負担が掛かることを大幅に軽減できるという秀れた特徴を発揮できる ものとなっている。
【0023】 特に、実施例1および2に示したように、この考案の釣り用カーボンロッド Cでは、その基本構成素材である単位骨体1の基端から先端に渡って所定区画毎 に僅かずつ研磨角度を大きくしていく先細加工のし易い加工の採用によって、よ り正確に所定の太さの根元部分から所定の先細先端になるようにした単位骨体1 ,1,……を、6本寄せ集めて形成してなるものであり、上記した作用効果に加 え、殆ど性状を同一とする多数の単位骨体1,1,……の製造が更に一層容易に なって大量生産を可能にできるものとなることから、グラスロッドに比較し、釣 竿として秀れた性状を有するものの高価につくと言われ続けてきていたカーボン ロッドCを、極力廉価なものとして提供することが可能となり、その実用価値に おいて大いに秀れたものとすることができる。
【0024】 叙上の如く、この考案の釣り用カーボンロッドは、炭素繊維強化プラスチッ クスという釣竿として略理想的な性状を有する素材を使った釣竿の実用化を、そ の特異な構造によって確実に実現可能とするものであって、軸心周りの曲げ応力 にバラツキを生じることのない均質な構造からなり、しかも、全長に渡って粘り 強い弾発性を発揮し得ると共に、耐久性があって長期間の使用に耐え、長年の使 用によっても曲り癖が付いたり、ヘタリを生じせさ難いといった諸々の秀れた特 徴を兼ね備え、極めて操作性の良い釣竿となるものであって、しかも、製造も容 易で比較的に安価に提供できるものとなることから、従前までのグラスロッドに 代わって、より多くの釣り愛好家の間に広く採用、浸透していき、釣りの楽しみ を更に高めていく上で大いにその威力を発揮するものと予想される。
図面は、この考案の釣り用カーボンロッドを代表する二
つの実施例に基づくものである。
つの実施例に基づくものである。
【図 1】ソリッドタイプのものの一部を省略した分解
斜視図である。
斜視図である。
【図 2】同ロッドを構成する単位骨体の縦断面図であ
る。
る。
【図 3】チューブラータイプの実施例によるもので、
上記図1と同様にした分解斜視図である。
上記図1と同様にした分解斜視図である。
【図 4】同ロッドを構成する単位骨体の縦断面図であ
る。
る。
【図 5】段階的な先細り構造を説明するため、一部の
基端部の平面図と共に示す要部側面図である。
基端部の平面図と共に示す要部側面図である。
1 単位骨体 2 同 断面形における頂角 3,3′ 同 断面形における底辺 31,31′,31′′ 同底辺に相当する面 32 同上面31と31′との境
界線 4 同 断面台形における頂辺 5 ロッド断面における中空部 6 上記単位体1の断面形にお
ける両斜辺、または斜辺に相当する面 C カーボンロッド
界線 4 同 断面台形における頂辺 5 ロッド断面における中空部 6 上記単位体1の断面形にお
ける両斜辺、または斜辺に相当する面 C カーボンロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00
Claims (2)
- 【請求項1】 断面を正三角形とした棒状体であって、
断面形で底辺に相当する面が、基端側から先端側に向
け、適宜間隔毎にその軸心側に傾斜させる角度を次第に
僅かずつ大きくなる如く形成された単位骨体6本を、断
面形で夫々の正三角形の頂角を軸心に寄せ集め、それら
隣接する単位骨体相互の、夫々断面形で斜辺に相当する
面であって対峙するもの同士を接着、一体化して形成し
てなることを特徴とする断面六角形の釣り用カーボンロ
ッド。 - 【請求項2】 断面が正三角形の頂角を殺ぎ落として形
成される台形とされた棒状体であって、断面形で底辺に
相当する面が、基端側から先端側に向け、適宜間隔毎に
その軸心側に傾斜させる角度を次第に僅かずつ大きくな
る如く形成された単位骨体6本を、断面形で夫々の台形
の頂辺側を軸心側にして寄せ集め、それら隣接する単位
骨体相互の、夫々断面形で斜辺に相当する面であって対
峙するもの同士を接着、一体化して形成してなることを
特徴とする断面六角形で中空状の釣り用カーボンロッ
ド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997004204U JP3043136U (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 釣り用カーボンロッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997004204U JP3043136U (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 釣り用カーボンロッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3043136U true JP3043136U (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=43177603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997004204U Expired - Lifetime JP3043136U (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 釣り用カーボンロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3043136U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009201679A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Miki Co Ltd | 棒状体およびその製造方法 |
CN108826955A (zh) * | 2016-08-20 | 2018-11-16 | 海宁恒森家具有限公司 | 用于家具木材的烘干系统中的上料装置 |
-
1997
- 1997-05-06 JP JP1997004204U patent/JP3043136U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009201679A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Miki Co Ltd | 棒状体およびその製造方法 |
CN108826955A (zh) * | 2016-08-20 | 2018-11-16 | 海宁恒森家具有限公司 | 用于家具木材的烘干系统中的上料装置 |
CN108826955B (zh) * | 2016-08-20 | 2020-01-21 | 海宁恒森家具有限公司 | 用于家具木材的烘干系统中的上料装置 |
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