JP3042966B2 - 耐摩耗性を有する制振合金鋼部材およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性を有する制振合金鋼部材およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振合金鋼部材、例えば
合金型制振鋼の表面に耐磨耗性を有する合金を溶射成膜
し、耐摩耗性を付与した耐磨耗性に優れた制振合金鋼部
材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の産業経済の発展は、その一方で各
種の公害、例えば、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒
音、振動、地盤沈下、悪臭などの発生をもたらし、生活
環境を著しく悪化させる原因となっている。特に騒音
は、一般公衆からの苦情が多く、航空機をはじめ一般交
通騒音、各種機械類や構造物などから発生する騒音がし
ばしば深刻な社会問題や職場の作業環境問題となってい
る。
【0003】この対策として、騒音現象に対する基礎的
研究とともに、直接効果のある騒音発生源の縮小、軽減
対策が精力的に行なわれる一方、各種の防音、防振材料
の開発と実用化が進められてきた。その代表的なもの
が、鋼板と鋼板の間に、合成樹脂を積層させた樹脂複合
型制振鋼板であり、特開平1-125220号公報、特開平1-12
7332号公報、特開平2-251433号公報、特開平4-77245 号
公報、特開平5-69509 号公報、および実開昭62-68434号
公報などにおいて、その技術が提案されている。
【0004】また、振動減衰能の大きい金属材料、特に
構造物の主役とする鉄鋼部材についても、特開平3-1837
41号公報、特開平4-99148 号公報、特開平4-99149 号公
報、および特開平4-232229号公報などによって、化学成
分量や熱処理条件の改善を含む各種の制振性能に優れた
合金型制振鋼に属する鋼部材が開発されている。
【0005】さらに、鋼材に各種の電気めっき皮膜や化
学処理皮膜などの表面処理を施工することによって、外
観美および耐食性の向上とともに制振効果を狙った技術
が、特開平2-29326 号公報、特開平3-184839号公報、特
開平3-193443号公報などによって提案されている。
【0006】しかし、 従来の制振合金鋼は、(1)高
価である、(2)成形が困難である、(3)溶接が困難
である、(4)高温や低温下での制振性能が低い、
(5)減衰能の大きな材料ほど軟質でるため耐摩耗生に
乏しい、(6)合金型制振鋼では、塑性変形を伴う加工
を受けると性能が低下するなどの欠点がある。そのた
め、その利用分野は限定され、汎用材料としての地位は
未だに十分とはいえない状況にある。
【0007】このような状況に対し、本発明者の一人
は、溶射皮膜の多孔性を利用し、この中に各種の金属を
めっきしたり、また固有振動数の異なる金属とセラミッ
クスを相互に多数積層させた溶射皮膜を形成することに
よって、防音、防振効果を向上させることを、特開平2-
236264号公報において提案した。この溶射部材は共振性
が少なく、軽い衝撃力が負荷されるような環境では、そ
れなりの性能を発揮しているが、大きな重量物が接触し
たり、衝突したりする条件下では、溶射皮膜が剥離する
おそれがあるため、さらに改善する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように優
れた制振性能を有する鉄鋼部材は、一般に剛性が小さ
く、軟質であるため耐摩耗性に乏しい欠点がある。ま
た、合成樹脂複合型制振鋼板は高温下ではその機能が消
失することが知られている。一方、制振合金鋼、例えば
合金型制振鋼では、僅かな塑性加工、例えばグリットブ
ラスト、曲げ切断などの処理によって制振性能が低下す
る欠点がある。
【0009】さらに、軟質、耐摩耗性に乏しい制振鋼
に、硬質のCrめっき皮膜を施工しても350 ℃以上の環
境下では、Crめっき皮膜の硬度が低下するため耐摩耗
性の向上は期待できない。また、合金型制振鋼に溶射皮
膜を形成しただけでは、前処理として実施するブラスト
処理によって、却って制振性能が低下することがあり、
何らかの対策を必要としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の部材は、現状の
制振合金鋼材が保有する欠点を補うため、鋼材の表面に
Ni基もしくはCo基合金を溶射成膜した後、これを95
0 〜1250℃でフュージング(溶着)処理、または、950
〜1250℃で所定の時間加熱し、溶射皮膜の緻密化、高硬
度化とともに基材への拡散浸透を行なわせるものであ
る。このようにして生成した皮膜は、硬質で耐摩耗性に
優れるとともに、基材と冶金結合しているため、良好な
密着性を示し、大きな衝撃を受けても剥離することはな
い。また、塑性加工を受けて制振性能が低下した合金型
制振鋼に対しては、この処理を施すことにより、基質の
制振性能を、回復させる効果がある。
【0011】(1)発明の第1の態様は、制振合金鋼部
材の表面に、下記の成分組成(成分組成はwt%であ
る)を有するNi基自溶合金が溶射成膜され、更にフュ
ージング処理されて制振性能が回復もしくは維持されて
いることを特徴とする耐摩耗性を有する制振合金鋼部材
である。 主成分として、 Cr:0〜20%、 B:1.0 〜4.5 %、 Si:1.5 〜5.0 %、 C:1.1 %以下、 Fe:5%以下、 Co:1%以下、 Mo:4%以下、 Cu:4%以下、 Ni:残部である。
【0012】(2)発明の第2の態様は、制振合金鋼部
材の表面に、下記の成分組成(成分組成はwt%であ
る)を有するCo基自溶合金が溶射成膜され、更にフュー
ジング処理されて制振性能が回復もしくは維持されてい
ることを特徴とする耐摩耗性を有する制振合金鋼部材で
ある。 主成分として、 Ni:0〜30%、 Cr:16〜24%、 B:1.5 〜2.4 %、 Si:1.5 〜4.5 %、 C:1.5 %以下、 Fe:5%以下、 Mo:7%以下、 W:4〜15%以下、 Co:残部である。
【0013】(3)発明の第3の態様は、前記Ni基自
溶合金またはCo基自溶合金が、それぞれWC,Cr3
C2 ,NbC,TiC,TaCのいずれか1種以上の
炭化物粒子を20〜80容積%含有したことを特徴とする耐
摩耗性を有する制振合金鋼部材である。
【0014】(4)発明の第4の態様は、制振合金鋼部
材の表面に、Ni基もしくはCo基自溶合金を溶射成膜
した後、これをフュージング処理して皮膜の緻密化と鋼
基材との冶金的結合を行なうとともに、フュージング処
理の熱を利用して制振性能の回復もしくはその維持をは
かることを特徴とする耐摩耗性を有する制振合金鋼部材
の製造方法である。
【0015】(5)発明の第5の態様は、前記フュージ
ング処理に代えて、溶射成膜した制振合金鋼部材を950
〜1250℃で15分間以上加熱し、皮膜の硬質化と密着性を
向上させるとともに制振鋼が保有す制振性能の回復もし
くはその維持をはかることを特徴とする耐摩耗性を有す
る制振合金鋼部材の製造方法である。
【0016】上記発明により本発明の課題、即ち剛性が
小さく、軟質であるため耐磨耗性に乏しい制振合金鋼部
材の欠点を補って各種の用途に使用できる制振合金鋼部
材を提供できる。
【0017】
【作用】本発明の溶射皮膜を有する制振合金鋼部材で
は、基材となる制振合金鋼の選択と溶射材料とその
施工技術が重要である。溶射される基材は、通常の炭素
鋼より制振性能に優れた制振合金鋼部材が好適である。
特に2.5 %Al−0.5 %Si−残部が実質的にFeで表
される合金型制振鋼または制振合金に溶射処理した場合
には、高温下の制振性能が良好な上に、鋼中にAlが含
まれていることから、耐高温酸化性にも優れており、広
い温度範囲で使用することができる。制振合金鋼として
はこの他に、黒鉛鋳鉄、Fe−C−Si系合金(圧延鋳
鉄を含む)、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al系合
金、Fe−Cr−Mo系合金等があり、本発明の範囲で
ある。
【0018】また、制振合金鋼に属し、強磁性を有する
部材は、僅かな塑性加工によっても制振性が低下する特
徴があるが、本発明のように、溶射後フュージング処理
を行なう過程を経ることによって、制振合金鋼に残留し
ている全ての残留応力が解放されるため完全に制振性能
を回復するので、性能回復処理を兼ね備えた耐摩耗性皮
膜形成法としての利点がある。
【0019】さらに溶射の前処理としてブラスト処理を
必須としているが、制振合金鋼部材にこの処理を施す
と、特に板厚が薄い場合にはブラスト加工の影響を受け
制振性能が低下する。しかし、溶射成膜をフュージング
処理する本発明では、ブラスト加工の影響を完全に解消
することができる。制振合金鋼特有の課題として知られ
る“鋭い切欠のある形状で大きな衝撃荷重がかかると低
下する制振性能”も、本発明の硬質、耐摩耗性、高密着
を有するフュージング溶射皮膜によって防止することが
できる。
【0020】溶射材料についていえば、例えば、JIS
H 8303(1989)に規定するNi基およびCo基自溶
合金を使用するのが好ましい。その化学成分は次の通り
である。Ni基合金としては、下記の成分組成(wt
%)が望ましい。主成分として、 Cr:0〜20%、 B:1.0 〜4.5 %、 Si:1.5 〜5.0 %、 C:1.1 %以下、 Fe:5%以下、 Co:1%以下、 Mo:4%以下、 Cu:4%以下、 Ni:残部である合金。
【0021】Co基合金としては、下記の成分組成(w
t%)が望ましい。主成分として、 Ni:0〜30%、 Cr:16〜24%、 B:1.5 〜2.4 %、 Si:1.5 〜4.5 %、 C:1.5 %以下、 Fe:5%以下、 Mo:7%以下、 W:4〜15%以下、 Co:残部である合金。 さらに高度な耐摩耗性を必要とする場合には、これらの
合金中にWC,Cr32 ,NbC,TiC,Tacな
どの炭化物粉末を1種以上を容量で20〜80%混合するこ
とが望ましい。上記Ni基合金及びCo基合金について
は主成分のみを記載したが、その外不可避的不純物、例
えばP,S等を含んでもその性能に実質的な差はない。
【0022】溶射法は、通常大気プラズマ溶射法または
可燃性ガスと酸素との燃焼炎を熱源とする溶射法によっ
て成膜した後、これを大気中あるいは真空中、もしくは
不活性ガス雰囲気中で、950 〜1250℃の状態で15分〜数
時間維持する。この処理によって溶射皮膜が溶融して緻
密化するとともに、基材へも侵入して冶金結合が生ず
る。
【0023】皮膜硬さはビッカーズ硬さでHv:500 〜
800 、炭化物を分散させた皮膜ではHv:1000〜1800に
達するなど、制振鋼に比較すると非常に硬く耐摩耗性に
優れた膜質となる。その上、フュージング処理時の熱に
よって、塑性加工を受けて制振性能が低下している合金
型制振鋼では、その性能を回復する効果がある。
【0024】
【実施例】実施例1 本実施例では制振合金鋼部材上に本発明の溶射フュージ
ング皮膜を形成させた部材の耐摩耗性を以下の様な条件
で調査した。 1.耐磨耗性の試験装置および試験条件 摩耗試験装置:大越式摩耗試験装置 相手材:SK−D11焼入れ焼戻し材 摩耗距離:200 mm 摩耗速度:0.37 m/s 荷重:3.3 kg
【0025】2.供試皮膜および材料 2−1 本発明の皮膜 2.5 %Al−0.5 %Si−残部Fe材の表面にJI
S H 8303,MSFNi2をフレーム溶射法で成膜
(膜厚1mm)した後、大気中で加熱溶融したもの。 同上の皮膜中にWC微粉末を30wt%となるように
添加したものを溶射材料としてプラズマ溶射によって成
膜後(膜厚1mm)、Ar中で加熱溶融したもの 溶射材料としてJIS H 8303,MSFCo1を
用いてと同じ要領で成膜(膜厚1mm)した。
【0026】2−2 比較例として用いた材料 炭素鋼:SS400 2.5 %Al−0.5 Si−残部Fe 合成樹脂複合制振板 表1は摩耗試験結果をまとめたものである。ここでは摩
耗減量を本発明皮膜とMSFNi2の重量減少率を10
0 として、各供試材の耐摩耗性を比較した。この結果か
ら明らかなように、一般構造用鋼材として使用されてい
るSS400 、市販の合金型制振鋼、市販の複合型
制振鋼はともに軟質であるため、の皮膜に比べ3倍〜
3.8 倍の摩耗量を示した。
【0027】これに対し、本発明のフュージングされた
溶射皮膜は、比較的高い硬さを示すため摩耗減量
が少なく、特に溶射材料中にWCを分散させた皮膜は
は基準皮膜の50%の減量を示すに過ぎず、極めて耐摩耗
性に優れていることが認められた。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 実施例1で作製した本発明の皮膜を700 ℃(Ar中)×
15分加熱後20℃の水中に投入する熱衝撃試験を行なった
が、10回繰り返しても皮膜は剥離せず健全であった。こ
れに対し、同じ基材に従来知られているAl2 3 ,A
2 3 ・40wt%TiO2 などのセラミックス溶射を
した皮膜は、5 〜6 回の繰り返しで皮膜の50%以上が剥
離した。
【0030】実施例3 本実施例では、本発明の溶射フュージング皮膜を形成し
た合金型制振鋼管の制振性能を調査するため、損失係数
を実験的に測定した。 1.供試鋼管 (1) 下記の鋼管(素管寸法: 直径114 mm×長さ300 m
m×厚さ4.5 mm)に本発明皮膜を形成したもの 2.5 %Al−0.5 %Si−残Feの合金型制振鋼管
上にJIS H8303,MSFNi4をフレーム溶射で成
膜後(溶射膜厚1mm)、1050℃×20分加熱その後放冷
したもの 同上の処理を行い溶射皮膜を2mmとしたもの。 (2) 比較例として用いた鋼管(素管寸法は1,1と同
じ) の素管をそのままフュージング処理(1050℃×20
分加熱後放冷)したもの の素管を950 ℃×1時間加熱、その後放冷したも
の の素管のまま 炭素鋼管にの溶射皮膜(膜厚1mm)を形成した
もの 炭素鋼管にの溶射皮膜(膜厚2mm)を形成した
もの
【0031】2.損失係数の測定方法 2本吊り自由減衰法を用いた。この方法は、上記鋼管を
2個の節の部分で水平に吊り上げ、金槌により打撃を与
え、鋼管に接着させてある加速度センサーにより、その
加速度を測定し、振動の減衰から、損失係数を測定する
方法である。
【0032】損失係数測定結果を図1に示した。この結
果から以下のようなことが認められる。比較例の制振鋼
素管(No. 3)は製管工程における加工履歴を受けてい
るため損失係数が小さいが、これを950 ℃で焼準すると
(No. 4)制振鋼本来の大きな損失係数を示すようにな
る。焼準にかえて溶射皮膜のフュージング条件に加熱し
てもかなりの回復が見られる(No. 5)。
【0033】この現象から溶射前処理として行なわれる
ブラスト加工の影響は、フュージング処理時の加熱温度
によって、かなり改善されることを示唆している。一
方、制振性能の低い炭素鋼管に本発明の溶射皮膜を形成
させても(No. 6、7)損失係数は小さく、効果は認め
られない。これに対し、制振鋼管に溶射皮膜を形成し、
フュージングしたもの(No. 1、2)は、比較的高い損
失係数を示し、皮膜形成状態でも十分実用に供されるこ
とが認められる。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、制振
性能を有する合金鋼部材に、Ni基、またはCo基自溶
合金を溶射成膜した後フュージング処理を施したもの
は、制振性能を維持しつつ、その耐摩耗性を向上させる
効果がある。またフュージング皮膜は、制振鋼と冶金的
結合しているため剥離することがなく、さらに制振鋼が
溶射処理前にもっていた各種の残留応力をも解放する効
果も上げるなどの利点があるので、広い温度領域におい
て耐摩耗性が要求される作業環境において、有効に使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自溶合金溶射皮膜形成後フュージング
処理を施した制振鋼管の損失係数測定値を比較例の鋼管
類と比較したものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/08 C22C 19/05 C23C 4/18 F16F 15/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振合金鋼部材の表面に、下記の成分組
    成(成分組成はwt%である)を有するNi基自溶合金
    が溶射成膜され、更にフュージング処理されて制振性能
    が回復もしくは維持されていることを特徴とする耐摩耗
    性を有する制振合金鋼部材。 主成分として、 Cr:0〜20%、 B:1.0 〜4.5 %、 Si:1.5 〜5.0 %、 C:1.1 %以下、 Fe:5%以下、 Co:1%以下、 Mo:4%以下、 Cu:4%以下、 Ni:残部である。
  2. 【請求項2】 制振合金鋼部材の表面に、下記の成分組
    成(成分組成はwt%である)を有するCo基自溶合金が
    溶射成膜され、更にフュージング処理されて制振性能が
    回復もしくは維持されていることを特徴とする耐摩耗性
    を有する制振合金鋼部材。 主成分として、 Ni:0〜30%、 Cr:16〜24%、 B:1.5 〜2.4 %、 Si:1.5 〜4.5 %、 C:1.5 %以下、 Fe:5%以下、 Mo:7%以下、 W:4〜15%以下、 Co:残部である。
  3. 【請求項3】 前記Ni基自溶合金またはCo基自溶合
    金が、それぞれWC,Cr3C2 ,NbC,TiC,
    TaCのいずれか1種以上の炭化物粒子を20〜80容積%
    含有したことを特徴とする請求項または請求項記載
    の耐摩耗性を有する制振合金鋼部材。
  4. 【請求項4】 制振合金鋼部材の表面に、Ni基または
    Co基自溶合金を溶射成膜した後、これをフュージング
    処理して皮膜の緻密化と合金鋼基材との冶金的結合を行
    なうとともに、フュージング処理の熱を利用して制振性
    能の回復もしくはその維持をはかることを特徴とする耐
    摩耗性を有する制振合金鋼部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フュージング処理に代えて、溶射成
    膜した制振合金鋼を950 〜1250℃で15分間以上加熱し、
    皮膜の硬質化と密着性を向上させるとともに、制振合金
    鋼が保有す制振性能の回復もしくはその維持をはかるこ
    とを特徴とする請求項記載の耐摩耗性を有する制振合
    金鋼部材の製造方法。
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