JP3042713B2 - 微生物のコロニー化を阻害するためへの宿主細胞リン脂質の使用 - Google Patents

微生物のコロニー化を阻害するためへの宿主細胞リン脂質の使用

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、一般的に、微生物と結合するリン脂質のリ
セプターの使用に関する。
発明の背景 微生物が宿主細胞に結合するプロセスは付着または接
着と呼ばれ、そしてこのメカニズムが微生物の定着およ
び感染の阻止における重要な段階であることはよく受け
入れられている。一般に、宿主細胞は感染性微生物の結
合を仲介する構造体(「リセプター」)を有する。した
がって、宿主の組織上のリセプターは、結合を仲介する
微生物上の構造体とちょうど同程度の微生物の感染の決
定基である。
ヒトに関する病原性微生物の1例は、トラコーマ・ク
ラミジア(Chlamydia trachomatis)である。この微生
物は真核生物細胞の無条件的なバクテリアの寄生生物で
あり、そして工業化された社会における最も普通の性的
に伝播される病原体であることは知られていない(Molu
der,Microbiology of Chlamydia,A.L.Barron編、p.3−1
9,CRC Press、フロリダ州ボカレイトン、1988;Schachte
r,Microbiology of Chlamydia,p.153−166,1988)。米
国において、4百万以上の人々は毎年クラミジアに関係
する病気にかかることが推定された(EisnerおよびMona
chan,Diagnostics and Clin.Testing28:26−28,199
0)。卵管炎、子宮外妊娠、不妊症、慢性の骨盤の痛
み、早産、新生児の結膜炎、乳児の肺炎、地方病性トラ
コーマ、尿道炎および副睾丸炎のすべてはこの生物によ
る感染に直接にまたは間接的に関係づけられてきている
(Schachter 1988;EisnerおよびMonahan,1990)。
ヒトに関する病原性微生物の例は、ヘリコバクター・
ピロリ(Helicobacter pylori)である。この微生物は
ヒトの胃の感染性因子である。感染は一次的、慢性の活
性胃炎および消化性潰瘍の両者の病気に関連する(Blas
er,J.Infec.Dis.153:650−657,1986;Marchallら、Lan
cetii:1437−1442,1988)。毎年、北アメリカにおい
て十二指腸の病気からの300,000以上の新しいケース、
3,200,000の再発、および3,200の死亡が存在する(Scha
chter,Statistics for Health Professinals,1984)。
北アメリカにおけるすべての常習欠勤の1.5%は消化性
潰瘍の結果である(Jansen,Am.J.Med.81:42−48、198
6)。洞胃炎は引き続いて胃腸癌に関連する(Johansenn
およびSikjay,Acta Path.Microbiol.Scan.85:240,197
7)そして最近の研究はヘリコバクター・ピロリ(H.pyl
ori)を胃腸癌と関連付けた(Parsonnetら、30th Inter
science Conference on Antimicrobial Agents and Che
motherapy、ジョウジア州アトランタ、10月21〜24日、
要約書No.5)。
微生物の病気の予防および処置に対するアプローチに
おける困難のために、微生物の病気の予防および処置の
ための改良された方法および組成物がこの分野において
要求されている。本発明はこの要求を満足し、そしてさ
らに他の関係する利点を提供する。
発明の要約 簡単に述べると、本発明は微生物の定着の阻止にin v
ivoで使用するための種々のin vitroの方法および化合
物および組成物を提供する。本発明の1つの面におい
て、生物学的調製物における微生物の定着を阻止する方
法が提供される。1つの実施態様において、この方法
は、微生物的調製物を、有効量の式: 式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして R′はアルキル基でありそしてRは脂肪酸のアルキ
ル、ヒドロキシアルキルまたはアルケニル基である、 を有するリン脂質と接触させることからなる。
他の実施態様において、この方法は生物学的調製物を
前述のリン脂質とGalNAcβ1→4Galβ1→4Glc−セラミ
ド(Ceramide)と組み合わせて接触させることからな
る。
他の実施態様において、この方法は生物学的調製物を
前述のリン脂質とGalβ1→3GalNAβ1→4Galβ1→4Gl
c−セラミドと組み合わせて接触させることからなる。
本発明の他の面は、微生物を生物学的調製物から除去
する方法を提供する。1つの実施態様において、この方
法は、生物学的調製物を、微生物を含有することが疑わ
れる生物学的調製物と、前記生物学的調製物と前記微生
物との間の結合を可能とするために十分な条件下にかつ
時間の間、接触させることからなり、前記リン脂質は
式: 式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして R′はアルキル基でありそしてRは脂肪酸のアルキ
ル、ヒドロキシアルキルまたはアルケニル基である、 を有し、そして 前記リン脂質を前記生物学的調製物から分離し、これ
により前記微生物を前記生物学的調製物から除去する、 ことからなる。
他の実施態様において、リン脂質をGalNAcβ1→4Gal
β1−4Glc−セラミドと組み合わせ、そして分離の工程
はリン脂質およびGalNAcβ1→4Galβ1−4Glc−セラミ
ドを生物学的調製物から分離することからなる。
他の実施態様において、リン脂質をGalβ1→3GalNAc
β1→4Galβ1→4Glc−セラミドと組み合わせ、そして
分離の工程はリン脂質およびGalβ1→3GalNAcβ1−4G
alβ1−4Glc−セラミドを生物学的調製物から分離する
ことからなる。
前記実施態様のいずれかについて、リン脂質、GalNAc
β1→4Galβ1−4Glc−セラミドまたはGalβ1→3GalN
Acβ1→4Galβ1−4Glc−セラミドの1または2以上を
固体支持体上に固定化することができる。
関係する面の範囲内で、本発明は、温血動物における
微生物の定着を阻止するか、あるいは温血動物における
微生物の定着を阻止する薬物の製造ために使用する化合
物、組成物および方法を提供する。1つの実施態様にお
いて、温血動物における微生物の定着を阻止するために
使用する組成物は、製剤学的に許容されうる担体または
希釈剤と、式: 式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして R′はアルキル基でありそしてRは脂肪酸のアルキ
ル、ヒドロキシアルキルまたはアルケニル基である、 を有するリン脂質との組み合わせからなる。
他の実施態様において、組成物はGalNAcβ1→4Galβ
1−4Glc−セラミドをさらに含有する。
1つの実施態様において、組成物はGalβ1→3GalNAc
β1→4Galβ1−4Glc−セラミドをさらに含有する。
前述のリン脂質は、また、微生物の定着を阻止する薬
物の調製において有用である。
本発明のこれらの面および他の面は、次の詳細な説明
を参照すると明らかとなるであろう。
発明の詳細な説明 前述したように、微生物の定着および感染の開始にお
いて重要な段階は微生物の宿主細胞への付着である。微
生物は宿主細胞のリセプターに特異的に結合する。本発
明の範囲内で、リン脂質は微生物のためのリセプターで
あることが示され、そして微生物の定着を阻止するため
に使用することができる。
本発明の範囲内で開示するように、種々の微生物はヒ
トの細胞から分離したリン脂質に特異的に結合する。こ
のような微生物は、次のものを包含する:ストレプトコ
ッキ(Streptococci)、ボレリア(Borrelia)、ヘンフ
ィルス(Haemophillus)、シュードモナス(Pscudomona
s)、ネイセリア(Neisseria)、ヘリコバクター(Heli
cobacter)、パステウレラ(Pasteurella)、カンピロ
バクター(Campylobacter)、エリシペロトリックス(E
rysipelothrix)、ガルドネレラ(Gardnerella)、プロ
ピオニバクテリウム(Propionibacterium)、トレポネ
マ(Treponema)、クロストリジウム(Clostridium)、
シゲラ(Shigella)、バクテリオデス(Bacteriode
s)、フバクテリウム(Fusobacterium)、クラミジア
(Chlamydia)、マイコバクテリウム(Mycobacteriu
m)、エルシナ(Yersina)、コキシエラ(Coxiella)、
ビブリオ(Vibrio)、ペプトストレプトコッカス(Pept
ostreptococcus)、サルモネラ(Salmonella)、および
モビルンクス(Mobiluncus)。典型的には、これらの微
生物の宿主のリセプターは気道、胃腸管または生殖管の
上皮細胞上に存在するか、あるいは血球または表皮細胞
上に存在することが発見できる。代表的な培養した細胞
系は、次のものを包含する:ヒト中咽頭の上皮細胞、ヒ
ト気管上皮細胞、ヒト子宮内細胞、胚羊膜細胞、ヒト歯
肉繊維芽、HeLa細胞、およびMcCoy細胞。
結合の原因となるリン脂質(例えば、リセプター」)
の精製は、抽出およびクロマトグラフィーの手順の組み
合わせにより達成することができる。例えば、簡単に述
べると、細胞(例えば、HeLa)をリン酸塩緩衝液で洗浄
し、そしてクロロホルム/メタノール/水を使用して抽
出する。抽出液を遠心し、ペレットを再抽出し、そして
上澄み液を組み合わせる(「脂質抽出物」)。この脂質
抽出物をアニオン交換樹脂に適用しそして、メタノール
洗浄後、リセプター分画を10〜20mMのNH4HCO3を含有す
るメタノールで溶離する。溶媒を蒸発させそして1:1メ
タノール−クロロホルムの中に再溶解した後、リセプタ
ーの分画を調製用薄層クロマトグラフィーによりさらに
精製する。リセプターを含有するバンドをガラスのカラ
ムに移し、クロロホルムで洗浄し、そしてメタノールで
溶離する。精製は分析用薄層クロマトグラフィーにより
評価することができる。
本発明の開示は、精製したリセプターがエタノールア
ミンおよびいくつかの異なる脂肪酸を含有する次のリン
脂質構造体からなることを示す:式: 式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして Rは脂肪酸のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはア
ルケニル鎖であり、そしてR′はアルキル鎖である。
脂肪酸は典型的には多数の表示により略される。例え
ば、CH3(CH2)12CH2COOHは16:0であり、ここでコロンの
左は炭素原子の数であり、そして右の数は二重結合の数
を示す。HeLa細胞から精製したリセプターのリン脂質に
おいて同定された脂肪酸は16:0,18:1,20:4、および18:9
OH+18:100Hであり、そして、それぞれ、約16%、17
%、47%、1%、および19%の相対比で存在する。リン
脂質のこの集まりは微生物に特異的にかつ高い結合活性
で結合する。この型のリン脂質は、これらの特定の脂肪
酸の1または2以上を失うが、また、微生物に結合す
る。
前述のリン脂質に加えて、微生物はまた特定のグリコ
リピドに強く結合する。とくに、グリコリピドのアシア
ロ−GM1およびアシアロ−GM2の中に見いだされるGalNAc
β1→4Galβ1−4Glc配列は、微生物のための第2リセ
プターを構成するように思われる。アシアロ−GM1はGal
β1→3GalNAcβ1→4Galβ1−4Glc−セラミドの略号
であり、そしてアシアロ−GM2は末端のGalを欠く同一構
造体である。セラミドはアミン上で脂肪酸によりアシル
化されたスフィンゴ脂質の塩基である。
本発明のリン脂質は、製剤学的に許容されうる担体ま
たは希釈剤を含む組成物として、微生物の定着の阻止の
ために、温血動物(例えば、ヒト)に投与することがで
きる。あるいは、このような組成物は前述のグリコリピ
ドの1または2以上を含むことができる。正確な最適な
投与量は、使用する特定のリン脂質またはグリコリピド
に依存して、変化することができる。しかしながら、一
般に、有効量は約0.1〜約10mg/kg体重であろう。これら
のリン脂質およびグリコリピドは、宿主細胞上へ自然の
リセプターに対するよりむしろ、例えば、リン脂質およ
びグリコリピド(すなわち、人工的リセプターとして)
に結合するように微生物を「フーング(fooling)」す
ることによって、定着を防止する手段を提供する。
製剤学的に許容されうる担体および希釈剤は、水、生
理食塩水、リポソーム、アルコール、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)およびそれらの混合物を包含する。組成物
は種々のルート、例えば、経口的、非経口的および経皮
的投与により投与することができる。経口的投与のため
に、組成物は丸剤、カプセル剤または液体の形態である
ことができる。注射による投与のために、生理食塩水は
好ましい希釈剤である。経皮的投与のために、DMSOは好
ましい担体である。
本発明のリセプターのリン脂質は、また、微生物の定
着のin vitroの阻止のために、例えば、生物学的調製物
において、個々にまたは集合的に使用することができ
る。用語「生物学的調製物」は、in vivoおよびin vitr
oで採った生物学的試料(引き続く操作を含むか、ある
いは含まない)ならびに合成的に調製されたものを包含
する。生物学的調製物の代表的な例は、細胞、組織、溶
液および体液、例えば(次のものからの)、血液、尿、
唾液、汗、滑液、脳脊髄液および涙を包含する。簡単に
述べると、リセプターのリン脂質の1または2以上を生
物学的調製物に添加する。あるいは、このようなリン脂
質は前述のグリコリピドの1または2以上を含むことが
できる。正確な最適な濃度は、特定の使用するリン脂質
またはグリコリピドに依存して、変化することができ
る。しかしながら、一般に、約1〜100mg/mlの濃度は有
効であろう。前述したように、これらのリン脂質および
グリコリピドは宿主細胞上の自然のリセプターへの微生
物の結合を防止する。したがって、本発明のこの面の使
用の1つは、生物学的調製物の微生物の定着をその貯蔵
の間に防止することである。
固体支持体に固定化されたリン脂質(および/または
グリコリピド)を生物学的調製物に添加することは望ま
しいことがある。この変法は、生物学的調製物の使用前
に、微生物を結合することができるリン脂質(および/
またはグリコピド)の除去を可能とする。リン脂質(お
よび/またはグリコリピド)は、固体支持体に、吸着ま
たは共有結合により固定化することができる。当業者に
とって明らかなように、リセプターは種々の方法で、例
えば、光活性化またはリンカー基、例えば、ピアース・
ケミカル・カンパニー(Pierce Chemical Co.)(イリ
ノイ州ロックフォード)から入手可能なホモ−およびヘ
テロ−機能的試薬により共有結合させることができる。
次の実施例によって、本発明をさらに説明する。これ
らの実施例は本発明を限定しない。
実施例 実施例1 脂質へのクラミジア属性物の結合 A.クラミジア属性物の増殖および放射線標識つけ トラコーマクラミジア(C.trachomatis)serovar Eの
頸部の分離物をHeLa229細胞中で増殖させ、そしてクラ
ミジアの要素の物体(EB)をレノグラフィン勾配手順の
変更した手順により精製した(Caldwellら、Infect.Imm
un.31:1161−1176,1981;Bavoilら、Infect.Immun.4
4:478−485,1984)。精製したEBをリン酸塩緩衝液(PB
S)で2回洗浄し、そしてEBの密度をPBSでマクファーラ
ンド(McFarland)No.3のそれに調節した。
クラミジアの生物をバクテリアについて記載されてい
るように小さい変更を加えて放射線ヨウ素化した(Kriv
anら、Arch.Biochem.Biophys.260:493−496,1988)。
簡単に述べると、0.5mlのクラミジアの懸濁液を、0.1mg
のヨウドゲン(Iodogen)(Pierce Chemical Co.、イリ
ノイ州)でコーティングした管(10×75mm)の中で氷浴
上で0.5mCiのNa125Iと反応させた。4〜5分後、懸濁液
を5mlのトリス−BSA緩衝液(0.15MのNaclおよび1%の
ウシ血清アルブミンを含有する0.05Mのトリス塩酸塩〔p
H7.8〕)を含有する遠心管に移した。この管を4℃にお
いて30分間30,000×gで遠心した。ペレットを6mlのト
リス−BSA緩衝液の中に再懸濁させ、そして遠心を反復
した。上澄み液を除去し、そしてペレットを5mlのトリ
ス−BSA緩衝液の中に再懸濁させた。この懸濁液の放射
能をクロマトグラムのオーバーレイのアッセイのために
2×106cpm/mlに調節し、そしてRPMI−BSA〔1%のBSA
を含有するRPMI 1640培地GIBCO Laboratories、ニュー
ヨーク州グランドアイランド〕)を使用する固相結合ア
ッセイのために4×106に調節した。
B.クラミジア属生物の音響的抽出および分画の標識つけ 精製したEBをマイクロチップを使用して氷浴中で7分
間超音波処理し、次いで4℃において30,000×gで30分
間遠心した。上澄み液を音響的抽出物と表示し、そして
そのタンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイ(Pierce
Chemical Co.、イリノイ州)により標準としてウシ血清
アルブミンを使用して決定した。
音響的抽出物をタンパク質について記載されているよ
うに(Magnaniら、Methods Enzymol.83:235−241,198
2)小さい変更を加えて放射線標識つけした。簡単に述
べると、音響的抽出物の30μlのPBS中の10μgのタン
パク質を、前述したように、ヨウドゲンをコーティング
した管の中の100μlの0.3Mのリン酸ナトリウム緩衝液
と混合した。1mCiのNa125Iを管に添加し、そして音響的
抽出物を氷浴上で2分間頻繁に震盪しながらヨウ素化し
た。反応混合物を、トリス−BSAと前以て平衡化したPD
−10セファデックス(Sephadex)G−25Mカラム(Pharm
acia LKB、スウェーデン国ウプサラ)に移した。この混
合物をカラムに通過させた後、1mlのトリス−BSAを細胞
の上部に添加し、次いでさらにトリス−BSAを添加し
た。最初の1mlを廃棄し、そして次の5mlを集めた。音響
的抽出物の放射能をクロマトグラムのオーバーレイのア
ッセイのために2×106cpm/mlに調節し、そしてRPMI−B
SAを使用する固相結合アッセイのために4×106cpm/ml
に調節した。
C.クラミジア属生物の脂質への結合についてのクロマト
グラムのオーバーレイのアッセイ オーバーレイアッセイはバクテリアについて記載され
ているように実施した(Krivanら、Arch.Biochem.Bioph
ys.260:493−496,1988)。簡単に述べると、脂質をア
ルミニウムの裏張りのシリカゲルの高性能薄層プレート
(HPTLC;E.Merck AG、ドイツ国ダーマシュタット)上で
クロマトグラフィーにかけ、そしてクロロホルム−メタ
ノール−0.25%の水性KCl(5:4:1)で展開した。プレー
トをポリイソブチルメタクリレート(ヘキサン中の0.1
%)でコーティングし、空気乾燥し、トリス−BSA緩衝
液中で1時間ソーキングし、そして前述したように室温
において125I標識したクラミジア属生物またはクラミジ
アの細胞下分画をオーバーレイした。プレートをおだや
かに洗浄して結合しなかった生物を除去し、乾燥し、そ
してXAR−5X線フィルム(Eastman Kodak Co.、ニューヨ
ーク州ロチェスター)に40時間露光した。
D.クラミジア属生物の脂質への結合についての固相アッ
セイ 固相結合アッセイは、Krivanら、Arch.Biochem.Bioph
ys.260:493−496,1988に記載されているようにして実
施した。簡単に述べると、コレステロールおよびホスフ
ァチジルコリン(各々0.1μl)を含有するメタノール
(25μl)中の精製した脂質の系統的希釈物をポリ塩化
ビニルのミクロ希釈ウェル(Falcon 3919;BectonDickin
son and Co.、ニュージャージイ州パラムス)に添加
し、そして蒸発により乾燥した。ウェルをトリス−BSA
で1時間ブロックし、RPMI−BSAで2回洗浄し、そして
125I標識したクラミジア属生物またはその細胞下分画と
室温において2時間インキュベーションした。ウェルを
PBSで5回洗浄した後、ポリ塩化ビニルのウェルをハサ
ミで切断し、そして計数管の中に入れた。結合をガンマ
カウンターで定量した。
実施例2 クラミジアのリセプターの精製および特性決定 A.精製 HeLa229をTC−175cm2のフラスコの中で増殖させ、そ
して温和なトリプシン化または削り取りにより収穫し
た。細胞を3回0.0067Mのリン酸塩緩衝液(PBS、pH7.
2)中で洗浄した。HeLa229の全体の脂質を3体積(細胞
の湿潤した重量に対して)の脱イオン水、10体積のメタ
ノールおよび5体積のクロロホルムの添加により抽出し
た。この混合物を2分間超音波処理し、そして室温にお
いて揺動ベッド上で一夜インキュベーションした。抽出
液を4℃において2,000rpmで5分間遠心した。上澄み液
を取って置き、そしてペレットを同一体積の脱イオン
水、メタノールおよびクロロホルムの中に再懸濁させ
た。この懸濁液を30分間超音波処理し、そして上澄み液
を遠心により集めた。第1および第2の上澄み液を丸底
フラスコの中に一緒にし、そして回転蒸発器上で乾燥し
た。
HeLa229細胞の乾燥した全体の脂質抽出物を1:1メタノ
ール−クロロホルムの中に可溶化した。(0.5ml/1gの細
胞の湿潤重量)。全体の脂質の一部分を後の分析のため
に−20℃で貯蔵した。残部を窒素雰囲気下に乾燥し、そ
してもとの体積のクロロホルム−メタノール−水(30:6
0:8)の中に溶解した。HeLa229細胞の全体の脂質をDEAE
−セファロース(Sepharose)CL−6Bカラム(Pharmacia
AB、スウェーデン国ウプサラ)に適用し、そして20分
間結合させた。中性の脂質をまず5ゲル体積のメタノー
ルで溶離し、次いでクラミジアのリセプター(「リセプ
ター」)を含有する分画を5ゲル体積の10〜20mMのNH4H
CO3を含有するメタノールで溶離した。リセプターを含
有する分画はHPTLCにより分析してCMHとCDHとの間で移
動し、そして弱くオルシノール陽性であった。リン脂質
の分画は、実施例1に記載するクロマトグラムのオーバ
ーレイのアッセイにより分析して、放射線標識した要素
の物体に結合する能力により、クラミジアのリセプター
を含有すると評価された。他の酸性脂質は5ゲル体積の
0.5MのNH4HCO3を含有するメタノールで溶離された。各
脂質の溶離物を回転蒸発器で乾燥し、そして1:1メタノ
ール−クロロホルムの中に再溶解した。
リセプターを含有する分画をさらにシリカゲルG−20
00ミクロンの薄層調製用プレート(Anal.Tech.,ニュー
ジャージイ州ネワーク)のクロマトグラフィーにより精
製し、5:4:1クロロホルム−メタノール−水性0.25%のK
Clで展開した。プレートをプリムリンで噴霧し、そして
長波の紫外線により検査した。リセプターを含有するバ
ンドはプリムリンで陽性に染色され、そして実施例1に
記載するクロマトグラムのオーバーレイのアッセイにお
いてクラミジアに結合する。リセプターのバンドを削り
出し、細かく切り、そしてガラスのカラムに詰めた。こ
のカラムを5ゲル体積のカラムで洗浄し、次いでリセプ
ターを10ゲル体積のメタノールで溶離した。溶離液を回
転蒸発させ、そしてもとの体積の1/2の1:1メタノール−
クロロホルムに再溶解した。リセプターの純度を薄層ク
ロマトグラフィーにより検査し、そしてクラミジアのリ
セプターとして機能するその能力を、実施例1に記載す
るクロマトグラムのオーバーレイのアッセイ、両者の手
順により評価した。
B.分析 1.化学的 リセプターのアミノ酸分析(Spackmanら、Anal.Che
m.30:1190−1206,1958)は、アミノ酸の不存在および
エタノールアミンの存在(10〜15重量%)を明らかにし
た。「bPE」(ウシの脳からのL−α−ホスファチジル
エタノールアミン、P8673ロットNo.69F−8365−1,Sigma
Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)の脂肪酸分
析(GaverおよびSweeley,J.Am.Oil Chem.42:294−29
8,1965の手順に従う)の結果、およびリセプターを表1
に要約する。
2.質量スペクトル測定 マイナスのイオンのモードで急速原子衝突質量スペク
トル(FAB−MS)を、VG ZAB−SE磁気セクター計装で測
定した。試料をトリエタノールアミン中に溶解し、そし
てステンレス鋼のターゲット上に負荷し、これを8KeVの
運動エネルギーのキセノン原子を衝突させ、そして10kv
の加速電圧を使用した。電子イオン化モードにおいて気
−液クロマトグラフィー−質量スペクトル測定(GLC−M
S)を、DB−1毛管カラム(0.25mm×30m)を装備したVG
12−250四重極計装で実施した。200℃のイオン源を使用
して70eVでスペクトルを記録した。火炎イオン化検出器
を装備した、気−液クロマトグラフィー(GLC)、ヘウ
レット−パッカード(Hewlett−Packerd)5890計装を使
用した。分離はDB−1毛管カラム(0.25mm×30m)で実
施した。
bPEおよびリセプターのマイナスのイオンモードのFAB
−MSは、600〜900質量単位の範囲における〔M−1〕イ
オンの容量なパターンを示した。両者の化合物は脂質部
分におけるかなり不均質性を示した。分子量範囲はホス
ファチジルエタノールアミンについて期待できるもので
ある。リセプターのスペクトルからbPEのスペクトルを
減ずると、リセプターはbPEと異なる脂質部分を有する
ことが示された。
3.NMRスペクトル分析 1Hおよび13Cのスペクトルをブルーカー(Bruker)AM
−500計装で記録した。スペクトルは27℃においてCD3OD
中で得られ、そして化学シフトは0ppmに設定した(1Hス
ペクトルについて)内部のテトラメチルシランに関係し
て表すか、あるいはCD3OD中のメチルの共鳴の中央の信
号を48.9ppm(13Cスペクトルについて)に設定した。今
日までのプロトン−プロトンの相関関係のスペクトル測
定(COSY)および偏光トランスファーの歪みの増大(DE
PT)スペクトルは、ブルーカー(Bruker)の標準ソフト
ウェアのプログラムに従い得た。
リセプターの1Hスペクトルは、CH3基をもつ脂質につ
いての特徴ある信号(0.85ppm)および脂質族鎖からのC
H2信号(1.3ppm)を示した。脂肪酸の鎖の中の実質的な
量の不飽和は5.4ppm付近の多数の信号から明らかであっ
た。脂肪酸から誘導されないある数の信号は6〜3ppmの
領域における見られた。等しい強度および同様な特徴を
もつ、両者とも5つの信号を含有する2つのスピン系が
検出された。
5.23ppmにおいて多重信号をもつ第1の系は、2つのAB
系に接続したCOSYスペクトルにおける交差−ピークを通
り(それらのT1緩和から判定してCH2基)、一方は4.43p
pmに存在し、そして他方は3.95ppmに存在した(2つの
プロトンから由来した)。これらの特徴は、位置1およ
び2に脂肪酸により置換されそして位置3においてリン
のジエステルにより置換されたグリセロールと密接な類
似性を有する。(Birdsalら、J.Chem.Soc.Perkin II:14
41−45,1975 HuangおよびAndersson,J.Biol.Chem.,264:
18667−72,1989)。他方のスピン系は、同様なパター
ン、5.17ppmにおけるCH2および3.98ppmにおける2つの
プロトンの共鳴を示した。第2AB系は3.0および3.95ppm
への他方のAB系の顕著なシフトを示した。これはアシル
化されたCH2基からアルキル化されたCH2基への変化を示
すことがある。
2つの残りの信号である、4.35ppmにおける四重線に
接続した5.97ppmにおける二重線は、 −O−CH=CH−CH2 の構造的要素の中の二重結合を示す。最後に、2つのグ
リセロール単位と比較して4:1の比における4.03ppmおよ
び3.15ppmにおける2つの多重線は、リン酸化されたエ
タノールアミンの中のCH2基により説明することができ
る: 上のデータは1:1の比の次の2つの構造を示唆する: RおよびR′は、それぞれ、脂肪酸およびプラスマロー
ゲンの炭化水素(またはヒドロキシル化された炭化水
素)鎖を表す。この解釈は、ウシ脳から得られそして54
%のプラスマローゲン(すなわち、α,β−不飽和アル
キル鎖)を含有すると延べられている、L−α−ホスフ
ァチジルエタノールアミン(bPE)の参照スペクトルを
記録することによって確証された。2つのスペクトル
(リセプターおよびbPE)の間の合致はほとんど完全で
あり、提案した構造を確証した。(参照は延べた54%よ
りむしろ約67%のプラスマローゲンを含有した)。
実施例3 脂質のヘリコバクター生物の結合 A.ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の増殖 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の分離物LC3お
よびLC11を、洞の胃炎をもつ子供からの胃粘膜バイオプ
シーの試料から培養した。生物を10%のグリセロールお
よび10%の胎児子ウシ血清を含有するプルセラのブロス
中で−70℃において貯蔵した。培養物は典型的には最大
6カ月間貯蔵した。培養物をスキロウ(Skirrow)媒質
上にプレートし、そして37℃において酸素が少ない雰囲
気中で24時間インキュベーションした。プレートからの
接種物を、使い捨てエルレンマイヤーフラスコの中の10
%の胎児子ウシ血清を補充した10mlのブルセラのブロス
の中に入れた。フラスコにゆるいねじの栓つけて排気ジ
ャーの中に入れ、そして酸素が少ない雰囲気中で70rpm
で絶えず震盪しながら37℃において16時間インキュベー
ションした。この方法は首尾一貫して104生物/mlの増殖
を生じた。バクテリアは、位相差顕微鏡で見たとき、古
典的な螺旋状の、鞭毛の形態を有した。それらはウレア
ーゼ、オキシダーゼ、およびカタラーゼについて陽性で
あった。
B.ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)に対する抗体の
生産 形式化したヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)菌株
LC3を1500gのニュージイランド白ウサギに静脈内注射す
ることによって、全細胞のヘリコバクター・ピロリ(H.
pylori)多価抗体を生産した。0.5mlのリン酸塩緩衝液
のバクテリア(104)を注射し、次いで2および6週
後、1mlのリン酸塩緩衝液の中に懸濁させた108生物を注
射した。最後の注射後2週に静脈カテーテルにより抗血
清を採った(ウサギを全身麻酔した)。ヘリコバクター
・ピロリ(H.pylori)抗体の存在は、6つの別々のヘリ
コバクター・ピロリ(H.pylori)分離物の全細胞の超音
波処理物の免疫ブロットにより示された。抗体は各分離
物からの同一のタンパク質と反応した。
C.リン脂質へのヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の
結合についてのクロマトグラムのオーバーレイのアッセ
イ クロロホルメート/メタノール/水、65:25:4(容
量)中のプラスチックの裏張りシートの薄層クロマトグ
ラフィーにより脂質抽出物(50μg)を分離した(Poly
gram SIL−G,Brinkman Instruments、カナダ国オンタリ
オ)。プレートを3%のゼラチン中で37℃において2時
間ブロックした。洗浄後、プレートを室温において二酸
化炭素/水素の雰囲気中で、成長培地中の新しく培養し
たヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)(106/ml)とイ
ンキュベーションした。2時間インキュベーションした
後、プレートを100ミリモル/1の「トリス」生理食塩水p
H7.6中で洗浄し、ウサギヘリコバクター・ピロリ(H.py
lori)抗血清の1/600希釈物の中でインキュベーション
し、そして室温においてさらに2時間インキュベーショ
ンした。プレートを再び洗浄し、そしてセイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに接合したウサギ免疫グロブリンに対
するヤギ抗体(Bio−Rad、カリフォルニア州リッチモン
ド)と室温において1時間インキュベーションした。洗
浄後、結合した生物をペルオキシダーゼの基質である4
−クロロ−1−ナフトール(Sigma Chemical Co.、ミゾ
リー州セントルイス)に添加することによって可視化し
た。ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の不存在下の
インキュベーションを同時に実施した。
実施例4 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)のリセプターの精
製および特性決定 A.精製 ブタの胃および検死で得られたヒトの粘膜の陳腐な赤
血球、スクレイピング、および培養したHEp2細胞から脂
質を抽出した。組織を秤量し、最小の体積の水の中で均
質化し、そして20体積のクロロホルム/メタノール2:1
(容量)中で抽出した;次いで抽出物を水に対して分配
した。下相の脂質を乾燥し、クロロホルム/メタノール
98:2中に溶解し、そしてクロロホルム中で前以て平衡化
したケイ酸のカラムに適用した。カラムを順次にクロロ
ホルム、アセトン/メタノール9:1(赤血球の抽出物に
ついて3:1)およびメタノールでよく洗浄した。分画を
乾燥し、そして秤量した。それ以上の精製のために、ヘ
リコバクター結合性脂質を含有するメタノールの分画を
濃縮し、ケイ酸カラムに再び適用し、そしてクロロホル
ム/メタノールの10:1〜2:1の直線の勾配で溶離した。
分画を濃縮し、そして実施例3に記載するように薄層ク
ロマトグラムのオーバーレイのアッセイにより結合につ
いて試験した。リセプターを含有する分画をプールし
た。
B.分析 ヒト赤血球およびヘリコバクター・ピロリ(H.pylor
i)のリセプターのリン脂質をHPLCにより分離した(Hie
nzら、Chromatographia25:497−503,1988)。リセプ
ターのリン脂質の脂肪酸を、ホスホリパーゼC消化メタ
ノーリシス、HPLC、およびGLCの分離およびピークの積
分によりMyherら(Lipds24:396−407,1989)に記載さ
れているように分析した。赤血球からのホスファチジル
エタノールアミンの脂肪酸分析(「RBC PE」)の結果を
表2に要約する。
ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)のリセプターの
構造の特性決定の結果に基づいて、それはホスファチジ
ルエタノールアミンに似た分子である。天然のホスファ
チジルエタノールアミンをクロマトグラムのオーバーレ
イのアッセイで試験する(上の実施例4、Cに記載され
ている)とき、異なる源からのホスファチジルエタノー
ルアミン(PE)へのヘリコバクター・ピロリ(H.pylor
i)の結合におけるかなりの変動が観察された。天然のP
Eのうちで、大腸菌(E.coli)からのPEは最も有効なリ
セプターであった。ウシ脳、卵黄および大豆からのPEは
ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)により低い程度に
認識されたが、ウシ肝臓およびイヌ脳からのPEはリセプ
ターの活性をもたなかった。
フロントページの続き (72)発明者 クライバン,ハワード シー. アメリカ合衆国,メリーランド 20855, ダーウッド,アイロンフォージ コート 7703 (72)発明者 ニルソン,ボー スウェーデン国,エス−222 57 ルン ド,ユリバーゲン 62 (72)発明者 リングウッド,クリフォード エー. カナダ国,オンタリオ エム8エックス 2アール9,トロント,キングスウェ イ クレセント 16 (56)参考文献 特開 昭59−46221(JP,A) 米国特許4666893(US,A) Lancet,Vol.2,No. 8657(1989)p.238−241 Chemical Abstract s,Vol.110,No.23(1989)A bs.No.209266A Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.85,No.16 (1988)p.1657−6161 Arch.Biochem.Biop hys.,Vol.260,No.1 (1988)p493−496 J.Biol.Chem.,Vol. 265,No.22(1990)p.12774− 12777 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/685 A61K 37/20 A61K 37/22

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストレプトコッカス(Streptococcus)、
    ボレリア(Borrelia)、ヘモフィルス(Haemophillu
    s)、シュードモナス(Pscudomonas)、ネイセリア(Ne
    isseria)、ヘリコバクター(Helicobacter)、パステ
    ウレラ(Pasteurella)、カンピロバクター(Campyloba
    cter)、クロストリジウム(Clostridium)、シゲラ(S
    higella)、バクテリオデス(Bacteriodes)、フソバク
    テリウム(Fusobacterium)、クラミジア(Chlamydi
    a)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、コキシエ
    ラ(Coxiella)及びサルモネラ(Salmonella)から成る
    群から選択された細菌を含有することが疑われる生物学
    的調製物を、有効量の式: (式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして R′はアルキル基でありそしてRは脂肪酸のアルキル、
    ヒドロキシアルキルまたはアルケニル基である) を有するリン脂質と接触させることを含んでなる、生物
    学的調製物における細菌の定着を阻害する方法。
  2. 【請求項2】前記生物学的調製物が、細胞、組織、溶液
    又は体液である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記体液が血液、尿、唾液、汗、滑液、脳
    脊髄液又は涙である、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記リン脂質がGalNAcβ1→4Galβ1→4G
    lc−セラミドとの組み合わせである、請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記リン脂質がGalβ1→3GalNAcβ1→4G
    alβ1−4Glc−セラミドとの組み合わせである、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】ストレプトコッカス(Streptococcus)、
    ボレリア(Borrelia)、ヘモフィルス(Haemophillu
    s)、シュードモナス(Pscudomonas)、ネイセリア(Ne
    isseria)、ヘリコバクター(Helicobacter)、パステ
    ウレラ(Pasteurella)、カンピロバクター(Campyloba
    cter)、クロストリジウム(Clostridium)、シゲラ(S
    higella)、バクテリオデス(Bacteriodes)、フソバク
    テリウム(Fusobacterium)、クラミジア(Chlamydi
    a)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、コキシエ
    ラ(Coxiella)及びサルモネラ(Salmonella)から成る
    群から選択された細菌を含有することが疑われる生物学
    的調製物を、式: (式中Xは または−C=CH−R′であり、 Yは であり、そして R′はアルキル基でありそしてRは脂肪酸のアルキル、
    ヒドロキシアルキルまたはアルケニル基である) を有するリン脂質と、該リン脂質と前記微生物との間の
    結合を可能とするために十分な条件下にかつ時間の間、
    接触させ;そして 前記リン脂質を前記生物学的調製物から分離し、これに
    より前記細菌を前記生物学的調製物から除去する; ことを含んでなる、細菌を生物学的調製物から除去する
    方法。
  7. 【請求項7】前記生物学的調製物が、細胞、組織、溶液
    又は体液である請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記体液が血液、尿、唾液、汗、滑液、脳
    脊髄液又は涙である、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記リン脂質を固体支持体上に固定化す
    る、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記リン脂質がGalNAcβ1→4Galβ1→
    4Glc−セラミドとの組み合わせであり、そして分離の工
    程で前記リン脂質およびGalNAcβ1→4Galβ1→4Glc−
    セラミドを前記生物学的調製物から分離し、これにより
    前記微生物を前記生物学的調製物から除去する、ことを
    含んでなる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】リン脂質もしくはGalNAcβ1→4Galβ1
    →4Glc−セラミドまたは両者を固体指示体上に固定化す
    る、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記リン脂質がGalβ1→3GalNAcβ1→
    4Galβ1−4Glc−セラミドとの組み合わせであり、そし
    て分離の工程で前記リン脂質およびGalβ1→3GalNAcβ
    1→4Galβ1−4Glc−セラミドを前記生物学的調製物か
    ら分離し、これにより前記微生物を前記生物学的調製物
    から除去する、ことを含んでなる、請求項6〜9のいず
    れか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】リン脂質もしくはGalβ1→3GalNAcβ1
    →4Galβ1−4Glc−セラミドまたは両者を固体支持上に
    固定化する、請求項12に記載の方法。
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