JP3042204B2 - 同期電動機の制御装置 - Google Patents

同期電動機の制御装置

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JP3042204B2 JP4246823A JP24682392A JP3042204B2 JP 3042204 B2 JP3042204 B2 JP 3042204B2 JP 4246823 A JP4246823 A JP 4246823A JP 24682392 A JP24682392 A JP 24682392A JP 3042204 B2 JP3042204 B2 JP 3042204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同期電動機の制御装
置、特に歪んだ誘起電圧波形を持つ永久磁石式同期電動
機をトルク脈動なく、かつ高力率で制御することが可能
な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力変換器により同期電動機を
可変速制御する場合には、トルク脈動を低減するため同
期電動機の誘起電圧波形および電機子電流波形は正弦波
であることが望ましいとされている。また、多相出力電
力変換器の一部の相や、電機子巻線の一部の相に異常が
生じた場合に、異常な相を健全な相から切り離して同期
電動機を欠相運転することがあるが、このような場合に
おいてもトルク脈動が発生しないことが望まれる。な
お、かかる欠相運転の例としては、例えば文献1(「サ
イクロコンバータによる誘導電動機の非常制動」黒沢
他,昭和61年電気学会全国大会発表の論文619)で
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】誘起電圧波形を厳密に
正弦波とするためには、電動機の設計に制約が加わって
製作が困難となりコスト増の要因となったり、電動機の
出力が低減するなどの問題が発生する。また、欠相運転
時において文献1の方法では、電動機のトルク発生に寄
与しない零相電流を多く流す必要があるため電動機の力
率が低下し、その結果、出力の限界と効率が低下すると
いう問題もある。したがって、この発明の課題は誘起電
圧が歪んでいたり、または欠相状態にある同期電動機、
特に永久磁石式同期電動機をトルク脈動なく高力率、か
つ高効率に制御し得るようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、この発明では、電力変換器を介して給電される同期
電動機の制御装置において、各相の電機子電流の目標値
を全ての相の誘起電圧の瞬時値の2乗和に反比例する量
と、各相の誘起電圧の瞬時値に比例する量との関数とし
て演算する演算手段と、この演算結果にもとづき各相の
電機子電流を制御する電流制御手段とを設けたことを特
徴としている。この発明では、前記同期電動機の巻線の
うちの少なくとも1相以上が給電されない欠相運転を行
なうときは、欠相した相の誘起電圧の瞬時値は零とみな
して各相の電機子電流の目標値を演算すること、または
前記同期電動機の複数の相の巻線を直列に接続すること
により相数を減じて減相運転を行なうときは、直列接続
された複数の巻線の各誘起電圧の和で与えられる誘起電
圧和を求め、これにもとづき各相の電機子電流の目標値
を演算することができる。
【0005】また、上記発明では、前記誘起電圧を磁極
の位置のみの関数で回転角速度には無関係な基準化され
た量の関数として演算するとともに、各相の電機子電流
の目標値をトルク目標値に比例する量の関数として演算
すること、または前記誘起電圧を磁極の位置と有限の次
数からなるフーリエ係数とから演算により求めることが
できる。さらに、前記同期電動機を欠相運転または減相
運転するときは、それに合わせて前記トルク目標値の制
限値を変化させることができ、前記演算手段に代えて、
各相の電機子電流の目標値を全ての相の誘起電圧の瞬時
値の2乗和に反比例しかつ各相の誘起電圧の瞬時値に比
例する量として記憶する記憶手段を設けることができ
る。
【0006】
【作用】同期電動機の誘起電圧の波形および欠相の状態
に応じて各相の巻線の起磁力で発生するトルクの総和が
一定値となり、かつ誘起電圧に対する力率が最大となる
条件で各相の電機子電流の瞬時値を制御する。具体的に
は多相同期電動機において、給電している電機子巻線の
誘起電圧の瞬時値をe1 ,e2 ,…,en とするとき、
任意のm番目の電機子電流の瞬時値im はKを比例定数
として、 となるように制御するものである。
【0007】以下、(1)式の導出過程を順次示しなが
ら、この発明の原理について説明する。いま、n相の電
機子巻線を持つ多相同期電動機において、各相の誘起電
圧の瞬時値e1 ,e2 ,…,en からなるベクトルを次
の(2)式のように、 e(→)=(e1 ,e2 ,…,en ) …(2) とする。なお、(→)なる記号を付してベクトル量を表
わすものとし、以下同様とする。また、各相の電機子電
流の瞬時値i1 ,i2 ,…,in からなるベクトルを、 i(→)=(i1 ,i2 ,…,in ) …(3) とする。このとき、電動機の出力は、 P=e1 1 +e2 2 +…+en n …(4) となる。
【0008】このように、出力Pはベクトルe(→)と
i(→)の内積で与えられ、次式のようになる。 P=e(→)・i(→)=|e(→)||i(→)|cosφ …(5) ここに、 |e(→)|=(e1 2 +e2 2 +…+en 2 1/2 …(5−1) |i(→)|=(i1 2 +i2 2 +…+in 2 1/2 …(5−2) であり、φはe(→)とi(→)の交角を示す。
【0009】|i(→)|2 は(5−2)式より抵抗損
に比例するので、所定の出力Pに対し同損失を最小にし
て効率を最大にするには、cosφを1にする必要があ
る。このための条件はe(→)とi(→)の交角φが
零、すなわち、 i(→)=k・e(→)(kはスカラー量) …(6) が成立することである。なお、cosφは瞬時ベクトル
e(→)とi(→)の力率に対応しているので、以下、
これを瞬時力率と呼ぶことにする。この瞬時力率を1に
するには、(6)式を(5)式に代入して、 P=k・e(→)・e(→)=k|e(→)|2 …(7) となる。
【0010】上式より、出力Pを一定とするための条件
は、kが|e(→)|2 に反比例することであることが
分かる。そこで、上記(7)式を(6)式に代入してk
を消去し、出力Pをその目標値P* に置き換えると、 を得る。(8)式はP* を一定値とすると、瞬時力率が
1で出力が一定、すなわち、トルク脈動が発生しない電
流ベクトルを表わしている。(8)式を各相の電機子電
流成分を用いて書き改めたのが(1)式である。以上、
(1)式の導出過程について説明したが、ここでは各相
の誘起電圧の波形や電動機の相数は一切関係していな
い。すなわち、(1)式は誘起電圧の波形,相数または
欠相運転か否かに関わらず、トルク脈動が零でしかも高
力率,高効率な運転を可能ならしめるための条件と考え
ることができる。
【0011】 次に、制御の便宜上(1)式を変形する。
すなわち、誘起電圧ベクトルe(→)は回転角速度ωに
比例するので、 e(→)=ω・e0 (→) …(9) で与えられる誘起電圧の基準となるベクトルe0 (→)
(以下、基準誘起電圧ベクトルともいう)を考える。ま
た、出力はωとトルクTとの積で与えられることから、
(8)式は、 となる。したがって、電流ベクトルの任意のm番目の成
分の目標値は、 となる。
【0012】
【実施例】図1はこの発明の1実施例を示す構成図、図
2はこの発明が適用される電力変換器主回路構成図であ
る。図2に示すように、電力変換器1はここでは11〜
1nのn組の単相インバータからなり、同期電動機2は
n組の独立した巻線21〜2nを持つ永久磁石式n相同
期電動機とする。2’は磁極の位置を検出する磁極位置
センサである。いま、同期電動機の電機子反作用が小さ
くて無視できる(電機子電流によって誘起電圧が変化し
ない)ものとすると、誘起電圧は磁極の位置と回転角速
度の関数となる。なお、電機子反作用が無視できる例と
しては文献2(遠藤他「高性能永久磁石を用いた大容量
同期電動機の開発」平成3年電気学会全国大会発表の論
文735)が知られている。
【0013】図1について説明する。先に説明した基準
誘起電圧の波形を磁極の位置だけに関係する関数とし、
これを図1のメモリ31〜3nに記憶しておき、磁極の
位置θに応じてこのメモリの内容を読み出すことによ
り、各相対応の基準誘起電圧の瞬時値e01〜eonを得る
ことができる。4は電流指令値(目標値)を演算する演
算器であり、メモリ31〜3nから読み出された基準誘
起電圧の瞬時値e01〜eonと、トルク目標値T*とから
先の(11)式にもとづき各相の電流目標値i1 * 〜i
n * を求める。例えば、第2番目の電流目標値i
2 * は、 i2 * =T* 02/(e01 2 +e02 2 +…+eon 2 ) …(12) で与えられ、各相の基準誘起電圧の瞬時値の2乗和に反
比例し、トルク目標値と第2番目の基準誘起電圧の瞬時
値に比例した量となる。
【0014】51〜5nは電流調節器(ACR)であ
り、電流目標値i1 * 〜in * と電流検出値i1 〜in
との偏差を増幅する。61〜6nは例えばACR51〜
5nの出力をパルス幅変調(PWM)し、各単相インバ
ータ11〜1nに対してゲートパルスを発生するパルス
発生器(PG)である。なお、誘起電圧の波形が各相対
称であれば、基準誘起電圧を記憶するメモリの読み出し
アドレスを工夫することにより、メモリ容量を減らすこ
とが可能である。
【0015】ところで、永久磁石式同期電動機の巻線を
例えば図3に示すように、互いに30度の位相差を持つ
2組の3相巻線から構成されているものとすると、かか
る場合の各相の誘起電圧波形は例えば図4のように示さ
れる。このような誘起電圧を発生するものに対しこの発
明を適用した場合も、その各相の電流波形は図5のよう
に歪んだ台形波状となるが、その出力(トルク)は図5
(ト)に示すように一定であり、トルク脈動は零とな
る。また、誘起電圧と電流から一周期における総合効率
を求めると0.999以上であり、高力率である。
【0016】つまり、図4と図5を比較すると誘起電圧
波形と電流波形はほぼ相似形であるが、厳密には相似形
ではない。図6は誘起電圧波形と電流波形を相似形とし
た場合の例を示しており、図6(イ)は或る相の誘起電
圧波形,同(ロ),(ハ)は同相の電流波形および出力
波形を示している。同(ハ)からも明らかなように、出
力は脈動しており、トルク脈動が生じることが分かる。
図7は電流を正弦波とした従来の制御例を示す。図6の
場合よりも出力の脈動は小さくなっているが、総合力率
は0.93と低く、その分だけ所定の出力を得るための
電流実効値が増加し、電動機効率が低下する。
【0017】図8は欠相運転時のこの発明の実施例を示
すブロック図で、ここでは図2に示す第1の巻線21ま
たはこの巻線21に給電する単相インバータ11に異常
が生じた場合の例を示す。なお、この場合異常相の巻線
21には給電せず、かつ巻線21の基準誘起電圧e01
その値の有無に関わらず零とみなす。演算器4は図1の
場合と同じく、先の(11)式にもとづき各相の電流目
標値i1 * 〜in * を求めるが、ここではe01=0なの
で、例えば、第2番目の電流目標値i2 * は、 i2 * =T* 02/(e02 2 +e03 2 +…+eon 2 ) …(13) となる。
【0018】他相の巻線または単相インバータに異常が
生じた場合の制御も上記と同様に行なわれ、異常相には
給電せず、かつ異常相の基準誘起電圧を零とおき、(1
1)式に従って健全相の電流目標値を求める。また、複
数の相の巻線または複数の相の単相インバータに異常が
生じた場合の制御も同様であり、異常が生じた複数の相
には給電せず、かつ異常が生じた複数の相の基準誘起電
圧を零とおき、(11)式に従って健全相の電流目標値
を求めるようにする。なお、この発明では(11)式の
分母が零にならないことが必要であり、このためには少
なくとも2組の巻線に給電する必要がある。換言すれ
ば、少なくとも2組の巻線に給電できればこの発明によ
る欠相運転が可能であると云うことになる。
【0019】図9に図8の如き1相欠相時の各相の電流
波形例と出力波形例とを示す。すなわち、ここでは同図
(イ)のようにU1相の電流は零であるが、同(ト)の
ように脈動のない一定な出力波形になることを示してい
る。なお、この場合の総合力率は0.997と高力率で
ある。図10に2相欠相時の各相の電流波形例と出力波
形例とを示す。同図(イ),(ホ)のようにU1相とV
2相の電流が零であるが、同(ト)のように脈動のない
安定な出力波形になることを示している。なお、この場
合の総合力率は0.998と高力率である。
【0020】図3で示したような巻線構成を持つ6相電
動機の、30度位相差を持つ各巻線を例えば図11のよ
うに直列接続すれば3相電動機として使用することがで
き、このようにして運転する方法をここでは減相運転と
呼ぶことにする。こうすれば、電動機の端子電圧は6相
電動機の場合よりも増加するので、かかる減相運転は誘
起電圧が低い中,低速時に限って採用することとする。
なお、各相巻線をこのように接続すると、3組の単相イ
ンバータを用いて給電でき、他の3組の単相インバータ
は休止できるので、インバータの損失を低減することが
できる。
【0021】複数の巻線を直列接続した場合の電流目標
値の求め方としては、直列接続した巻線の基準誘起電圧
の加算値を新たな基準誘起電圧として、(11)式に従
って演算する。具体的には、図11の巻線構造におい
て、U1,V1,W1,U2,V2,W2巻線の基準誘
起電圧をそれぞれeu1,ev1,ew1,eu2,ev2,eW2
とすると、3相の電流目標値iu * ,iv * ,i
w * は、 iu * =T* (eu1+eu2) /{(eu1+eu22 +(ev1+ev22 +(ew1+eW22 } iv * =T* (ev1+ev2) /{(eu1+eu22 +(ev1+ev22 +(ew1+eW22 } iw * =T* (ew1+eW2) /{(eu1+eu22 +(ev1+ev22 +(ew1+eW22 } …(14)
【0022】図12は図11の巻線構造において、例え
ばU1巻線に異常が生じた場合の巻線構造図を示す。こ
の場合の電流目標値は、異常相の基準誘起電圧eu1を零
とおいて、上記(14)式から求める。さらに、U2巻
線にも異常が生じた場合、またはU相に給電する単相イ
ンバータに異常が乗じた場合は、eu1およびeu2をそれ
ぞれ零とおいて、(14)式からV相とW相の電流目標
値iv * ,iw * を求める。
【0023】図13は欠相運転または減相運転に応じて
演算方法を切り換える切換回路例を示す構成図である。
すなわち、スイッチSW−U1〜SW−W2は各6相巻
線に給電される場合に閉路し、欠相の場合に開路(図示
の状態)となる。開路の場合は信号が伝達されず、した
がって開路された相の基準誘起電圧の信号は零となる。
SW1は2巻線が直列接続(減相)の場合に閉路し、逆
にSW2は2巻線が直列接続の場合に開路する。例えば
直列接続の場合には、e01はeu1とeu2の加算値とな
り、e04は零となることを示している。演算器4はこう
して得られるe01〜e06から、(11)式にもとづく演
算をして、各相の電流目標値を求めるわけである。
【0024】ところで、図5の場合の電流実効値および
出力を100%とすると、図9の1相欠相時には、電流
実効値が100%のとき出力は81%であり、図10の
2相欠相時には、電流実効値が100%のとき出力は6
7%である。電動機および電力変換器の保護の観点から
電流値に制限が生じるので、欠相状態などによって出力
トルクに制限が必要である。図13の4’がそのために
設けられたトルク制限器であり、制限の掛からないトル
クの目標値T**を、欠相運転や減相運転に応じてその値
を変え、制限の掛かったトルクの目標値T* を得るもの
である。
【0025】以上では、各相の電流目標値を演算器4を
介して得るようにしているが、図14のようにすること
もできる。なお、図14はこの発明の他の実施例を示す
構成図である。(11)式の右辺をトルクの目標値T*
で割ると、m番目の相の基準化した電流(以下、基準電
流ともいう)は、 となり、各相電流目標値は、 im * =T* 0m …(16) となる。e0mは磁極の位置(θ)だけに関係する関数で
あるので、(15),(16)式も磁極の位置のみの関
数となる。
【0026】図14では、メモリ31〜3nに各相の基
準電流の波形を格納しておき、これを磁極の位置θに応
じて読み出し、乗算器71〜73においてその出力にト
ルク目標値T* を乗じることにより、各相の電流目標値
1 * 〜in * を得るようにしている。なお、欠相運転
などの場合には、種々の欠相状態に応じた基準電流を
(15)式などから予め求めて、メモリ31〜3nに格
納しておくことにより、如何なる場合にも対処すること
が可能となる。以上のように、基準誘起電圧や基準電流
は磁極の位置θだけに関係した繰り返し波形となる。そ
こで、同波形をフーリエ級数に展開すれば、基準誘起電
圧や基準電流はそのフーリエ係数とθとから演算で求め
ることができ、メモリ容量を減らすことが可能となる。
【0027】例えば、図4に示すような誘起電圧波形を
フーリエ級数に展開すると、基本波および第3,5,
9,11次の高調波成分だけが含まれている。このと
き、例えば基準誘起電圧eu1,ev1は、 eu1=E1 sinθ+E3 sin3θ+E5 sin5θ +E9 sin9θ+E11sin11θ ev1=E1 sin(θ−φ)+E3 sin3(θ−φ)+E5 sin5(θ− φ)+E9 sin9(θ−φ)+E11sin11(θ−φ) (φ=2π/3) …(17) となり、各次数のフーリエ係数E1 ,E3 ,E5
9 ,E11だけを記憶しておけば、演算により基準誘起
電圧を求めることができる。
【0028】ところで、同期電動機の誘起電圧em は、
m を端子電圧、Lを電機子もれインダクタンス、Rを
電機子抵抗、pを微分演算子として、 em =vm −pLim −Rim …(18) のように表現できることが知られている。この誘起電圧
は直接検出することもできるが、電動機端子電圧と電流
とから求めることができ、誘起電圧が求まれば(1)式
や(11)式を用いて電流目標値を求めることが可能で
ある。この場合、電機子反作用があっても誘起電圧が求
まることは明らかである。また、(18)式は永久磁石
式同期電動機だけでなく電気界磁式同期電動機の場合で
も成立し、いずれもこの発明による電流制御が可能であ
る。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、同期電動機の誘起電
圧波形または欠相運転や減相運転の状態に応じて、各相
の巻線の起磁力で発生するトルクの総和が一定値とな
り、かつ誘起電圧に対する力率が最大となるように各相
電流を制御するようにしたので、誘起電圧を正弦波にす
る必要がなく、その結果、同期電動機の設計や製作の自
由度が増え、出力の向上や低価格化を実現し得る利点が
得られる。また、歪んだ誘起電圧波形や欠相などの特殊
な運転時にもトルク脈動がなく、しかも高力率の運転が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】この発明が適用される電力変換器と同期電動機
との関係を説明するための概要図である。
【図3】同期電動機の巻線例を示す構造図である。
【図4】図3の如き巻線構造を持つ同期電動機の各相の
誘起電圧波形を示す波形図である。
【図5】この発明による制御を行なった場合の各相電流
波形と出力波形を示す波形図である。
【図6】電圧と電流とを同一の波形とした場合の出力波
形例を示す波形図である。
【図7】図6において電流を正弦波とした場合の出力波
形例を示す波形図である。
【図8】欠相運転時のこの発明の実施例を示すブロック
図である。
【図9】この発明における1相欠相時の動作を説明する
ための波形図である。
【図10】この発明における2相欠相時の動作を説明す
るための波形図である。
【図11】減相運転を行なう場合の電動機巻線例を示す
概要図である。
【図12】図11でU1相が欠相した例を示す概要図で
ある。
【図13】欠相運転または減相運転に応じて電流指令値
の演算方法を切り換える切換回路例を示す構成図であ
る。
【図14】出力に脈動成分を含まない電流指令値を得る
ためのこの発明の別の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…電力変換器、11〜1n…単相インバータ、2…同
期電動機、21〜2n…同期電動機巻線、2’…磁極位
置センサ、31〜3n…メモリ、4…電流指令演算器、
4’…トルク制限器、51〜5n…電流調節器(AC
R)、61〜6n…パルス発生器(PG)、71〜73
…乗算器。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力変換器を介して給電される同期電動
    機の制御装置において、 各相の電機子電流の目標値を全ての相の誘起電圧の瞬時
    値の2乗和に反比例する量と、各相の誘起電圧の瞬時値
    に比例する量との関数として演算する演算手段と、この
    演算結果にもとづき各相の電機子電流を制御する電流制
    御手段とを設けたことを特徴とする同期電動機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記同期電動機の巻線のうちの少なくと
    も1相以上が給電されない欠相運転を行なうときは、欠
    相した相の誘起電圧の瞬時値は零とみなして各相の電機
    子電流の目標値を演算することを特徴とする請求項1に
    記載の同期電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記同期電動機の複数の相の巻線を直列
    に接続することにより相数を減じて減相運転を行なうと
    きは、直列接続された複数の巻線の各誘起電圧の和で与
    えられる誘起電圧和を求め、これにもとづき各相の電機
    子電流の目標値を演算することを特徴とする請求項1に
    記載の同期電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記誘起電圧を磁極の位置のみの関数で
    回転角速度には無関係な基準化された量の関数として演
    算するとともに、各相の電機子電流の目標値をトルク目
    標値に比例する量の関数として演算することを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の同期電動機の制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記誘起電圧を磁極の位置と有限の次数
    からなるフーリエ係数とから演算により求めることを特
    徴とする請求項4に記載の同期電動機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記同期電動機を欠相運転または減相運
    転するときは、それに合わせて前記トルク目標値の制限
    値を変化させることを特徴とする請求項4または5のい
    ずれかに記載の同期電動機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記演算手段に代えて、各相の電機子電
    流の目標値を全ての相の誘起電圧の瞬時値の2乗和に反
    比例しかつ各相の誘起電圧の瞬時値に比例する量として
    記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかに記載の同期電動機の制御装置。
JP4246823A 1992-09-16 1992-09-16 同期電動機の制御装置 Expired - Fee Related JP3042204B2 (ja)

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