JP3041949B2 - レーザ画像表示装置 - Google Patents

レーザ画像表示装置

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JP3041949B2
JP3041949B2 JP2327848A JP32784890A JP3041949B2 JP 3041949 B2 JP3041949 B2 JP 3041949B2 JP 2327848 A JP2327848 A JP 2327848A JP 32784890 A JP32784890 A JP 32784890A JP 3041949 B2 JP3041949 B2 JP 3041949B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザビームを用いて例えばテレビジョン
画像等を表示するレーザ画像表示装置に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、強度変調された複数のレーザビームをそれ
ぞれナイフエッジプリズムの互に近接する複数の反射面
に供給して、互にわずかに非平行となるようにほぼ空間
的に1軸に合波し、該合波された複数のレーザビームを
同時に水平方向に偏向する1つの音響光学偏向器を有
し、該音響光学偏向器の前段に第1のシリンドリカルレ
ンズを配すると共に、後段に第1の軸対称レンズ、第2
のシリンドリカルレンズ及び第2の軸対称レンズを配
し、上記音響光学偏向器による光偏向角の角倍率変換を
上記第1及び第2の軸対称レンズで行うように成すこと
により、複数のレーザビームをレンズ系の近軸領域に透
過せしめ、軸外光線に対しても結像性能を向上させ、画
角全域に対しても高解像度化を図るようにしたものであ
る。
さらに、本発明は、上記レーザ画像表示装置におい
て、一部のレーザビームの光路中にウエッジプリズムを
挿入して、複数のレーザビームをわずかに非平行となる
ように成すことにより、複数のレーザビームを空間的に
分離するようにしたものである。
〔従来の技術〕
近時、光強度変調されたレーザビームを、水平及び垂
直偏向に2次元的にラスタ走査して、例えばテレビジョ
ン画像を表示するレーザ画像表示装置の研究、開発が進
められている。
そして、本出願人は、先に特願平2−144882号におい
て、高速且つ高分解能の水平ラスター走査を必要とする
例えば水平走査線1125本のハイビジョン方式においても
適用可能となした複数ビーム方式のレーザ画像表示装置
を提案した。
このレーザ画像表示装置(A)は、第7図に示すよう
に垂直方向に並置された2つのレーザダイオードD1,D2
と、2つのレーザダイオードD1,D2から出射された強度
変調されたレーザビームl2n-1,l2nを水平方向に偏向す
る1つの音響光学偏向器(3)と、この音響光学偏向器
(3)からのレーザビームl2n-1,l2nを垂直方向に偏向
するガルバノミラー(4)と、スクリーン(7)を有し
て成る。即ち、パラレル変換回路(1)から出力される
2列の映像信号V2n-1及びV2nを対応する2つのレーザダ
イオードD1及びD2に夫々供給し、各レーザダイオードD1
及びD2から上記各映像信号V2n-1及びV2nの信号成分に変
調され2本の同一波長のレーザビームl2n-1及びl2nを出
射する。この2本の垂直方向に偏光されたレーザビーム
l2n-1及びl2nを夫々、シリンドリカルレンズCL1,CL2
びシリンドリカルレンズCL3を経て1/2波長板(2)に供
給し、さらにシリンドリカルレンズCL4及びCL5に順次供
給して各レーザビームの断面形状が水平方向に拡がる扁
平形状となしてシリンドリカルレンズCL6を介して音響
光学偏向器(3)に供給し、水平方向に偏向する。
シリンドリカルレンズCL6は音響光学偏向器(3)の
シリンドリカルレンズ効果を打消す(補正する)もので
ある。尚、シリンドリカルレンズ効果とは次のことを指
す。
高分解能の画像を投影するには、音響光学偏向器
(8)に入射させるレーザビームの径を太くする必要が
あるが、しかしビーム径が太い場合、音響光学媒体(3
a)中の超音波振動の進行波の伝達速度が有限であるた
め、入射したレーザビームの超音波発生器(3b)に近い
部分と遠い部分では、遭遇する超音波の周波数が異な
り、偏向角度がビーム径の位置によって異なる。つま
り、超音波発生器(3b)に近い部分では、高い周波数の
超音波に遭遇して大きな偏向を受け、遠い部分では低い
周波数の超音波に遭遇して小さな偏向を受けるので、あ
たかもシリンドリカルレンズを透過させた如くに、レー
ザビームは平行ビームとはならずに集光して偏向され
る。これをシリンドリカルレンズ効果と呼んでいる。
そして音響光学偏向器(3)によって水平偏向された
2本のレーザビームl2n-1及びl2nはシリンドリカルレン
ズCL7とCL9及びシリンドリカルレンズCL8とCL10によっ
て、水平方向及び垂直方向の各ビームスポット径を角倍
率が変換されて、各レーザビームl2n-1及びl2nの断面形
状がほぼ円形とされてガルバノミラー(4)に入射さ
れ、垂直方向に偏向される。このとき、2本のレーザビ
ームl2n-1及びl2nが空間的に分離されるようになし、さ
らに2本のレーザビームl2n-1及びl2nを互いに非平行と
なるように一方のレーザビームl2n-1の光路中にウェッ
ジプリズムWpを挿入するか、初めから両ビームをわずか
に非平行となるようにD2,CL2を設置する。そしてガルバ
ノミラー(4)で垂直方向に偏向された2本のレーザビ
ームl2n-1及びl2nをミラー(5)及び投影用レンズ
(6)を介してスクリーン(7)に入射させる。この装
置では、例えば一方のレーザダイオードD1に奇数リアン
に関する映像信号V2n-1を供給し、他方のレーザダイオ
ードD2に偶数ラインに関する映像信号V2nを供給し、1
つの表示期間で2ライン分の映像信号V2n-1及びV2nによ
り変調された2本の走査線を同時に表示するようにし
て、画像を表示するようになす。このレーザ画像表示装
置によれは高速、高分解能の水平ラスター走査を必要と
するハイビジョン方式にも適用できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の第7図のレーザ画像表示装置(A)では、音響
光学偏向器(3)により出射後のレーザビームl2n-1
びl2nは、水平方向に偏向されているので、音響光学偏
向器(3)の後段のシリンドリカルレンズ系CL7,CL8,CL
10,CL9に対し光軸を外れたところを通る所謂軸外光線と
なる。ところで、このレーザ画像表示装置(A)におい
ては、音響光学偏向器(3)による光偏向角の角倍率変
換をシリンドリカルレンズ系CL7,CL9で行っているが、
しかし、シリンドリカルレンズは収差を小さくするため
の非球面化、アクロマート化が困難なために、軸外光線
に対する結像性能が著しく劣化し、画角全域における高
解像度を確保するのが困難となる懼れがあった。
本発明は、上述の点に鑑み、軸外光線に対しても結像
性能を向上し、高解像度を確保することができるレーザ
画像表示装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、複数レーザビームを同時に走査させるレー
ザ画像表示装置において、強度変調された複数のレーザ
ビームをそれぞれナイフエッジプリズム(23)の互に近
接する複数の反射面に供給して、互にわずかに非平行と
なるようにほぼ空間的に1軸に合波し、合波された複数
のレーザビームを同時に水平方向に偏向する1つの音響
光学偏向器(25)を有し、音響光学偏向器(25)の前段
に第1のシリンドリカルレンズCL26を配すると共に、後
段に第1の軸対称レンズL1、第2のシリンドリカルレン
ズCL28及び第2の軸対称レンズL2を配し、音響光学偏向
器(25)による光偏向角の角倍率変換を上記第1及び第
2の軸対称レンズL1及びL2で行うように構成する。
また、本発明は、上記レーザ画像表示装置において、
一部のレーザビームの光路中にウエッジプリズムwpを挿
入して、上記複数のレーザビームをわずかに非平行とな
るように構成する。
〔作用〕
上述の本発明においては、強度変調された複数のレー
ザビームをそれぞれナイフエッジプリズム(23)の互に
近接する複数の反射面に供給して、互にわずかに非平行
となるようにほぼ空間的に1軸に合波して音響光学偏向
器(25)に入射するようにしたので、複数のレーザビー
ムは共に全レンズ系の近軸領域を通ることになり、その
結果、複数レーザビームを同時に走査させるレーザ画像
表示装置において、各レーザビームの結像性能が向上
し、高解像度の画像が表示できる。また、ナイフエッジ
プリズム(23)のナイフエッジにより光のエッジによる
散乱を防ぐことができる。
また、水平方向に偏向させる音響光学偏向器(25)の
前段に第1のシリンドリカルレンズCL26を、後段に第1
の軸対称レンズL1、第2のシリンドリカルレンズCL28
び第2の軸対称レンズL2を配し、音響光学偏向器(25)
による光偏向角の各倍率変換を第1及び第2の軸対称レ
ンズL1及びL2で行うようにしたので、軸外光線に対して
も結像性能が向上し、画角全域にわたって高解像度の画
像を表示することができる。即ち、製造上、軸対称レン
ズL1及びL2の非球面化、アルロマート化が容易に行える
ので、角倍率変換用のレンズ系として収差の少ない即ち
結像性能の高い軸対称リレーレンズ系L1,L2を構成する
ことができ、之によって、複数ビームを同時に走査させ
るレーザ画像表示装置において、水平走査に関する高分
解能が確保され、高解像度の画像を表示することができ
る。なお、L1,L2の軸対称レンズ系のみでは、垂直方向
のビーム径が水平方向の角倍率に逆比例し、小さくなり
垂直方向の分解能を低下させてしまう。そこで、シリン
ドリカルレンズCL26,CL28をほぼ水平方向の角倍率と同
じだけビーム径を太くするよう配置する。
また、さらに一部のレーザビームの光路中にウエッジ
プリズムwpを挿入して、複数のレーザビームをわずかに
非平行となるようにしたときには、複数のレーザビーム
を空間的に分離することができる。
〔実施例〕
以下、第1図〜第6図を参照して本発明の実施例を説
明する。
第1図は、本実施例に係るレーザ画像表示装置(21)
を示す構成図で、同図Aはレーザビームを水平面内で見
た構成図、同図Bはレーザビームを垂直面内で見た構成
図である。この図において、(22)はある一定の周期で
連続的に送られてくるパターン情報信号、例えば映像信
号Vaを2例の互に連続する映像信号V2n-1及びV2nに変換
するパラレル変換回路である。この回路(22)の構成及
び動作については後述する。
そして、上記パラレル変換回路(22)から出力される
2列の映像信号V2n-1及びV2nを、垂直方向に並置した各
対応する2つのレーザ光源LD1及びLD2に夫々供給し、各
レーザ光源LD1及びLD2から上記各映像信号V2n-1及びV2n
の信号成分により変調された2本の同一波長のレーザビ
ームl2n-1及びl2nを出射する。レーザ光源LD1及びLD2
例えば半導体レーザに適切なコリメータレンズを装着し
た平行ビームを出射するレーザ光源であり、映像信号の
直接変調が可能なものである。この例でのレーザ光源LD
1及びLD2の偏光方向は水平方向とする。
各レーザ光源LD1及びLD2から出射される2本のレーザ
ビームl2n-1及びl2nは、シリンドリカルレンズCL21及び
CL22に互に平行に供給されると共に、ミラーM1及びM2
介して合波手段例えばナイフエッジプリズム(23)の互
に近接する反射面に供給され、このナイフエッジプリズ
ム(23)の反射面で反射されて合波され、シリンドリカ
ルレンズCL23に供給される。この場合、シリンドリカル
レンズCL21,CL22とシリンドリカルレンズCL23でニュー
トン型の望遠鏡系を構成し、その焦平面付近に夫々レー
ザビームl2n-1及びl2nの反射面(ナイフエッジプリズム
の反射面)が位置するようにミラーM1及びM2を調整し、
ナイフエッジプリズム(23)の反射面を設置するように
なす。このナイフエッジプリズム(23)により、偏光方
向が同一の2つのレーザビームl2n-1及びl2nはほぼ空間
的に1軸に合波される。即ち、2つのレーザビームl
2n-1及びl2nは同一方向に非常に接近して伝播される。
そして、第2図Aの合波部詳細図で示すように2つのレ
ーザビームl2n-1及びl2nを近接させる(即ち距離dを小
さくする)ためには、レーザビームを重ねる方向にシリ
ンドリカルレンズCL21及びCL22を介して集光させる。反
射膜でかこまれるプリズム(23)のエッジをナイフエッ
ジとすることにより、光のエッジでの散乱を防止でき
る。
一方、2つのレーザビームl2n-1及びl2nは第2図Bに
示すようにナイフエッジプリズム(23)で反射した後、
平行からのずれ角Δθだけわずかに非平行となるように
なす。これはスクリーン等の所謂画像表示部において垂
直方向にΔLずれてレーザビームを集光させるためであ
り、これにより2ビームの同時水平走査が可能となる。
2つのレーザビームl2n-1及びl2nをわずかに非平行とす
るにはミラーM1あるいはM2をマイクロメータ等で微調す
ることにより可能である。同様に合波する方法としては
第2図Cに示すようにビームスプリッタ(BS)を用いる
方法もある。構成は簡単であるが利用できる光量は半分
(50%)となる。
合波された2つのレーザビームl2n-1及びl2nは、シリ
ンドリカルレンズCL23を通過した後、ビームエキスパン
ダを構成するシリンドリカルレンズ(凹面レンズ)CL24
及びシリンドリカルレンズ(凸面レンズ)CL25に供給さ
れ、ここにおいてビーム系が水平方向にのみ拡大され
る。その後シリンドリカルレンズCL26により、レーザビ
ームl2n-1及びl2nが垂直方向に絞られて扁平化されて音
響光学偏向器(25)内に入射され、音響光学偏向器(2
5)の音響光学媒体(25a)内において発生する超音波振
動の進行波によって、水平方向に偏向される。(25b)
は超音波発生器である。ここで、2つのレーザビームl
2n-1及びl2nはシリンドリカルレンズCL26により距離が
約d程度離れて音響光学偏向器(25)内で集光される。
この時、レーザビームの集束角は音響光学偏向器(25)
の垂直方向の入射角予裕度以内にしておくことが音響光
学偏向器(25)の回折効率を高めるために必要である。
このようにして音響光学偏向器(25)には垂直方向に扁
平した2つのレーザビームl2n-1及びl2nが2段になって
入射される。これは音響光学偏向器(25)による偏向角
分解能、RFパワーの軽減の上で好ましい。水平偏向用の
音響光学偏向器(25)は偏向面依存性を有する異方性ブ
ラッグ回折型の高分解能を有するものが使用できる。こ
の異方性ブラッグ回折型の音響光学偏向器は、一般に音
速が遅い為、アパーチャタイムが長いが複数ビームの同
時走査により帰線期間に関して余裕をもたせることがで
き問題ない。
そして、音響光学偏向器(25)から出射した2つのレ
ーザビームl2n-1及びl2nは、音響光学偏向器(25)のシ
リンドリカルレンズ効果を打消すため(補正用)のシリ
ンドリカルレンズCL27を通して軸対称レンズL1及びシリ
ンドリカルレンズCL28に供給される。ただし、シリンド
リカルCL27は必ずしも必要なものではなく、シリンドリ
カルCL26,CL28、軸対称レンズL1,L2の配置により、音響
光学偏向器(25)のシリンドリカルレンズ効果は補正す
ることができる。シリンドリカルレンズCL26とシリンド
リカルレンズCL28は、その垂直方向の屈折力によりニュ
ートン型のビームエキスパンダを構成し、これによって
水平方向のビーム径と同一の大きさに垂直方向のビーム
径が拡大される。シリンドリカルレンズCL28と軸対称レ
ンズL1の設置順序が逆であると、音響光学偏向器(25)
の偏向角が数度であるためさほどではないが、わずかに
水平走査が屈曲するので、第1図の例が好ましい。軸対
称レンズL1を通過したところで2つのレーザビームl
2n-1及びl2nはビーム断面がほぼ円形となる。そして、
水平偏向された2つのレーザビームl2n-1及びl2nは、軸
対称レンズL1の水平方向の屈折力と軸対称レンズL2とに
より角倍率が変換、即ち水平方向の偏向角が拡大され
る。軸対称レンズL1及びL2は結像性能の高い非球面レン
ズ、組みレンズ或はアクロマートレンズを用いることが
できる。その後、2つのレーザビームl2n-1及びl2nを偏
向角の大きいガルバノミラー(26)に入射させて、この
ガルバノミラー(26)の振れにより、各レーザビームl
2n-1及びl2nを垂直方向に偏向させる。ガルバノミラー
(26)は、軸対称レンズL2の焦点距離f2だけ離れた点に
ガルバノミラー(26)の反射点が位置するように設置
し、軸対称レンズL2を通過した後のレーザビームl2n-1
及びl2nが細い平行ビームでレンズL2の焦点距離だけ離
れた点で反射するようになす。ガルバノミラー(26)で
垂直方向に偏向された後、2つのレーザビームl2n-1
びl2nは投影レンズL3を介してスクリーン(27)に入射
される。このとき、スクリーン(27)には2本のレーザ
ビームl2n-1及びl2nが同時にかつ並列に入射される。ス
クリーン(27)に入射したレーザビームl2n-1及びl
2nは、音響光学偏向器(25)とガルバノミラー(26)に
よる水平偏向と垂直偏向により、ラスター走査が行わ
れ、スクリーン(27)上に画像を表示する。
尚、このとき、さらに一部のレーザビーム即ち2本の
レーザビームの一方の光路中に第7図に示したウエッジ
プリズムwpを挿入して、2本のレーザビームl2n-1及びl
2nをわずかに非平行となるようにしてもよい。
本例では、パラレル変換回路(21)において、連続す
る映像信号Vaを2列の互いに連続する映像信号V2n-1
びV2nに変換してレーザ光源LD1及びLD2に供給し、各レ
ーザ光源LD1及びLD2において、上記2列の映像信号V
2n-1及びV2nに基いて夫々レーザビームl2n-1及びl2n
出射するようにしているため、第4図A(ノンインタレ
ースの場合)又は第4図B(インタレースの場合)に示
すように1つの表示期間で2ライン分の映像信号V2n-1
及びV2nにより変調された2本の走査線m2n-1及びm2n
同時に描画することができる。
次に、本例に係るパラレル変換回路(21)の構成とそ
の動作を第5図及び第6図に基いて説明する。
このパラレル変換回路(21)は、第5図に示すよう
に、一定の周期T(例えば、1125本HDTV方式であれば水
平走査期間29.63μsec、水平ブランキング期間3.77μse
c)で連続的に送られてくるアナログの映像信号Vaをデ
ジタルの映像信号Vdに変換するA/D変換器(11)と、上
記アナログ映像信号Vaから水平同期信号Shを分離させる
同期分離回路(12)と、上記A/D変換器(11)からの映
像信号Vdを2列の互いに連続する映像信号Vd2n-1及びV
d2nとして分離し格納する第1及び第2のラインメモリ
(13a)及び(13b)と、各ラインメモリ(13a)及び(1
3b)からの映像信号Vd2n-1及びVd2nをアナログ映像信号
V2n-1及びV2nに夫々変換するD/A変換器(14a)及び(14
b)と、上記同期分離回路(12)からの水平同期信号Sh
に基いて、各回路に必要なクロックパルスを供給する制
御クロック発生器(15)とを有する。尚、(16)は、音
響光学偏向器(3)に掃引信号fを供給する掃引信号発
生器、(17)は、掃引信号発生器(16)から出力される
掃引信号fの出力タイミングを所定時間遅延させる遅延
回路である。
そして、第6図に示すように、一定周期Tで連続的に
送られてくる映像信号Vaのうち、例えば第1走査線に関
する映像信号Va1(第6図A参照)を第1の表示期間t1
において、制御クロック発生器(15)からのA/Dクロッ
クパルスpdaに基いてA/D変換器(11)にてデジタル映像
信号Vd1に変換すると共に、制御クロック発生器(15)
からの書込みクロックパルスpw1に基いて、上記デジタ
ル映像信号Vd1を例えば第1のラインメモリ(13a)に書
込む(第6図D参照)。次に、第2走査線に関する映像
信号Va2(第6図A参照)を第2の表示期間t2におい
て、A/D変換器(11)にてデジタル映像信号Vd2に変換す
ると共に、制御クロック発生器(15)からの書込みクロ
ックパルスpw2に基いて上記映像信号Vd2を第2のライン
メモリ(13b)に書込む(第6図E参照)。次に、第3
の表示期間t3において,制御クロック発生器(15)から
の読出しクロックパルスpr1及びpr2に基いて各ラインメ
モリ(13a)及び(13b)から第1走査線及び第2走査線
に関する映像信号Vd1及びVd2を読出し(第6図D及びE
参照)、制御クロック発生器(15)からのD/Aクロック
パルスpdaに基いて、夫々D/A変換器(14a)及び(14b)
を介してアナログ映像信号V2n-1及びV2n(V1及びV2)に
変換したのち(第6図I及びJ参照)、該アナログ映像
信号V2n-1及びV2nを後段のレーザ光源LD1及びLD2に供給
し、各レーザ光源LD1及びLD2からレーザビームl2n-1
びl2n(l1及びl2)を夫々映像信号成分により変調して
出射させる。この出射期間は1表示期間t3に想到する。
また、この第3の表示期間t3において、上記の如く第1
のラインメモリ(13a)から第1走査線に関する映像信
号Vd1を読出すと同時に、この第1のラインメモリ(13
a)にデジタル変換された第3走査線に関する映像信号V
d3を書込む(第6図F参照)。
一方、遅延回路(17)は、同期分離回路(12)からの
信号S2h(水平同期信号Shの2倍の周期を有する信号;
第6図C参照)の入力に基いて、ある一定時間tdの経過
後に出力がオンとされる遅延信号Sdを出力する(第6図
K参照)。この遅延信号Sdは、内部タイマー等により次
の水平ブランキング期間時にオフされる。そして、この
遅延信号Sdに基いて、掃引信号発生器(16)から音響光
学偏向器(25)に対し、掃引信号fを出力する(第6図
L参照)。この掃引信号fは、周波数を低周波から高周
波に掃引してなる鋸歯状の波形を有し、その出力期間Tf
は上記遅延信号Sdの出力期間Tdと同じに設定される。特
に本例では、レーザ光源LD1及びLD2のレーザビームl
2n-1及びl2nの出射に合わせて、音響光学偏向器(25)
における音響光学媒体(25a)内での超音波波長の空間
分布が常に1次式、所謂リニア・アクセス・モード(LA
M)となるように、掃引信号fの周波数変化量Δfを設
定する。即ち、上記の例では、第1走査線と第2走査線
に関するレーザビームl2n-1及びl2nがレーザ光源LD1
びLD2から出射された段階でリニア・アクセス・モード
(LAM)となるようにして、各レーザビームl2n-1及びl
2nを互いに均一に水平偏向できるようにし、次の第4の
水平ブランキング期間tB4でその掃引を終了させる。
そして、次の第4の表示期間t4で第4走査線に関する
デジタル映像信号Vd4を第2のラインメモリ(13b)に書
込み(第6図G参照)、次の第5の表示期間t5で各ライ
ンメモリ(13a)及び(13b)から第3走査線及び第4走
査線に関する映像信号Vd3及びVd4を読出し(第6図F及
びG参照)、夫々D/A変換器(14a)及び(14b)を介し
てアナログ映像信号V2n-1及びV2n(V3及びV4)に変換し
たのち(第6図I及びJ参照)、該映像信号V2n-1及びV
2nをレーザ光源LD1及びLD2に供給し、このレーザ光源LD
1及びLD2から第3走査線及び第4走査線に関するレーザ
ビームl2n-1及びl2n(l3及びl4)を出射させる。もちろ
ん、この第5の表示期間t5においても、音響光学偏向器
(25)がリニア・アクセス・モードに入るようになされ
る。また、この第5の表示期間t5において、第5走査線
に関する映像信号Vd5が映像信号Vd3の読出しと共に第1
のラインメモリ(3a)に書込まれる(第6図H参照)。
尚、音響光学偏向器(25)が1表示期間(例えば期間
t3内)においてリニア・アクセス・モード(LAM)に入
るようにするためには、その前の表示期間(例えば期間
t2)にかかる遅延時間tdを適宜調整すればよい。
そして、上記動作を順次繰返すことによって、2本の
並列するレーザビームl2n-1及びl2nがスクリーン(7)
上において順次ラスター走査され、このラスター走査に
より、スクリーン(7)に画像が表示される。
尚、上例ではニュートン型の望遠鏡系を構成するレン
ズ系をシリンドリカルレンズCL21,CL22及びCL23で構成
したが、球面レンズで構成することも可能である。
一方、例えば第4図Bのインタレース走査を行う場合
に適用したときには、ガルバノミラー(26)のふれ半角
をθとし、垂直方向の走査線数をN本とすると、例えば
第4図に示すようにインタレース走査を行う場合には、
Δθ=θ/(N/4)=4θ/Nとなる様に前述のずれ角Δ
θを設定するようになす。また、第3図に示すように投
影レンズL3によりスクリーン(27)上に集光されたレー
ザビームのスポット径をaとすると、2つのレーザビー
ムl2n-1及びl2nのスクリーン(27)上の垂直方向のずれ
をΔLとしたとき、ΔL2aとなるようにガルバノミラ
ー(26)及び投影レンズL3間の距離bと投影レンズL3
焦点距離f3を設定するようになす。
上述の構成によれば、強度変調された複数レーザビー
ム例えば2つのレーザビームl2n-1及びl2nをナイフエッ
ジプリズム(23)で互にごくわずか非平行となるように
合波することにより、2つのレーザビームl2n-1及びl2n
を共に全レンズ系の近軸領域を通すことができ、その結
果レーザビームの結像性能を向上することができる。ま
た音響光学偏向器(25)の前段にシリンドリカルレンズ
CL26を、後段に軸対称レンズL1,シリンドリカルレンズC
L28及び軸対称レンズL2を配し、音響光学偏向器(25)
における光偏向角の角倍率変換用のレンズ系を2枚の軸
対称レンズL1及びL2からなる所謂軸対称リレーレンズ系
で構成することにより、軸外光線に対しても結像性能を
向上させることができる。即ち、軸対称レンズL1及びL2
として非球面レンズ、組レンズあるいはアクロマートレ
ンズ等結像性能の高いレンズを用いることができるの
で、軸外光線に対する収差がシリンドリカルレンズ系よ
りも格段に向上する。この結果、水平方向に関する高分
解能を確保することができ、全域に亘って高解像度の画
像を表示することができる。一方、L1,L2の軸対称レン
ズ系のみでは、垂直方向のビーム径が水平方向の角倍率
に逆比例して小さくなり、垂直方向の分解能を低下せて
しまう。しかし、シリンドリカルレンズCL26,CL28を配
することにより、ほぼ水平方向の角倍率と同じだけビー
ム径を太くすることができ、垂直方向の分解能も確保で
きる。
また音響光学偏向器(25)の前段に配したシリンドリ
カルレンズCL26によりレーザビームl2n-1及びl2nが垂直
方向に絞られて扁平化されて音響光学偏向器(26)に入
射されるので、音響光学偏向器のRFパワーを軽減するこ
とができる。
なお、2つのレーザビームl2n-1及びl2nに対して垂直
方向にΔθだけずらすので、この方向にΔθ/2の偏心に
よる収差が発生するが、Δθが非常に小さい事と、垂直
方向の分解能がハイビジョンやNTSC走査の場合水平方向
の分解能の約1/2であることによって、問題とはならな
いものである。
上例では複数のビームのレーザ画像表示装置に適用し
たが、音響光学偏向器(25)の前段にシリンドリカルレ
ンズCL26を、後段に軸対称レンズL1、シリンドリカルレ
ンズCL27及び軸対称レンズL2を配し、両軸対称レンズL1
及びL2で音響光学偏向器(25)における偏向角の角倍率
変換を行う構成は、上述の偏光を利用した複数のビーム
合波型のレーザ画像表示装置の他、1ビーム走査型の通
常のレーザ画像表示装置に適用することができ、この場
合も水平方向の高分解能化を図ることができる。
〔発明の効果〕
本発明に係るレーザ画像表示装置によれば、レーザビ
ーム結像性能が向上し、高分解能の水平ラスタ走査が可
能となる。そして、例えばハイビジョン方式の高速水平
ラスタ走査を必要とするようなレーザ画像表示装置に適
用して好適ならしめるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のレーザ画像表示装置の実施例を示す構
成図で、同図Aはレーザビームを水平面内でみた構成
図、同図Bはレーザビームを垂直面内でみた構成図、第
2図は合波部の詳細図、第3図はガルバノミラーからス
クリーン間の詳細図、第4図A及びBは本例によるノン
インタレース方式及びインタレース方式の水平走査を示
す説明図、第5図は本例に係るパラレル変換回路を示す
ブロッグ線図、第6図は本例に係るパラレル変換回路動
作を示すタイムチャート、第7図はレーザ画像表示装置
の比較例を示す構成図である。 (21)はレーザ画像表示装置、(22)はパラレル変換回
路、LD1,LD2はレーザ光源、(23)はナイフエッジプリ
ズム、(25)は音響光学偏向器、(26)はガルバノミラ
ー、(27)はスクリーン、CL26,CL27はシリンドリカル
レンズ、L1,L2は軸対称レンズである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/02 H04N 5/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強度変調された複数のレーザビームをそれ
    ぞれナイフエッジプリズムの互に近接する複数の反射面
    に供給して、互にわずかに非平行となるようにほぼ空間
    的に1軸に合波し、 該合波された複数のレーザビームを同時に水平方向に偏
    向する1つの音響光学偏向器を有し、 該音響光学偏向器の前段に第1のシリンドリカルレンズ
    を配すると共に、後段に第1の軸対称レンズ、第2のシ
    リンドリカルレンズ及び第2の軸対称レンズを配し、 上記音響光学偏向器による光偏向角の角倍率変換を上記
    第1及び第2の軸対称レンズで行うようにしたレーザ画
    像表示装置。
  2. 【請求項2】一部のレーザビームの光路中にウエッジプ
    リズムを挿入して、上記複数のレーザビームをわずかに
    非平行となるようにした請求項1に記載のレーザ画像表
    示装置。
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