JP3041945B2 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

熱硬化性組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な熱硬化性組成物、さらに詳しくは、化
学性能、物理性能及び耐候性などに優れる硬化物を与え
る上に、貯蔵安定性にも優れ、例えば塗料、インク、接
着剤、プラスチック成形品などに好適に用いられる熱硬
化性組成物に関するものである。
[従来の技術] 従来、水酸基含有化合物とビニルエーテル基又はビニ
ルチオエーテル基含有化合物とから成る熱硬化性組成物
は知られており、例えばこの組成物から成る被覆組成物
が開示されている(ヨーロッパ特許第296,507A2号明細
書)。このような水酸基のビニルエーテル基やビニルチ
オエーテル基への付加反応を利用した熱硬化性組成物
は、イソシアネート類やアルデヒド類などの人体に対し
て有害な物質を含まず、また排出することもないため安
全である上、比較的低温で化学性能や物理性能に優れる
硬化物を与えるなどの特徴を有している。
前記水酸基のビニルエーテル基やビニルチオエーテル
基に対する付加反応は、酸触媒の存在下において進行す
るものであり、この反応を利用した熱硬化性組成物にお
いて酸触媒は必須の成分である。
しかしながら、酸触媒の存在下における水酸基とビニ
ルエーテル基やビニルチオエーテル基の反応性は極めて
高く、これら3成分が共存する組成物においては、貯蔵
中にゲル化が生じたり、可使時間が短くなるなどの問題
を生じる。
したがって、このような問題を解決する手段として、
例えば酸触媒を揮発性のアミン類で中和する方法が前出
特許において提案されている。しかしながら、この方法
は室温付近の温度における貯蔵安定性の改善には効果は
あるものの、夏季の屋外での貯蔵を想定した50℃以上の
温度における貯蔵安定性の改善については必ずしも十分
ではなく、1液型塗料として使用に耐えうる組成物を与
えることができないという問題を有している。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、有害物質を含有若しくは排出することなく
安全性に優れる上、化学性能や物理性能に優れる硬化物
を与え、かつ良好な貯蔵安定性を有し、1液型として利
用可能な熱硬化性組成物を提供することを目的としてな
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する熱硬化性
組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、1分子中に
少なくとも2個の水酸基を含有する化合物と、特定のビ
ニルエーテル基やビニルチオエーテル基少なくとも2個
を有する化合物と、加熱時にのみ熱的に解離して、活性
な酸性基を発現する特殊な熱潜在性酸触媒とを必須成分
として含有する組成物により、その目的を達成しうるこ
とを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明は、 (A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を含有する化
合物、 (B)1分子中に、一般式 (式中のR1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子又
は炭素数1〜18の有機基と、R1とR4、R1とR5、R2とR4
しくはR2とR5はたがいに結合してYをヘテロ原子とする
複素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ
原子である) で表される官能基少なくとも2個を含有する化合物、及
び (C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒として、
下記一般式で表されるスルホン酸エステル類及びオニウ
ム化合物類の中から選ばれた少なくとも1種を必須成分
として含有して成る熱硬化性組成物。
(式中のR10はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基又はアルキル基、R11は一級炭素又
は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している
炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルカリール基、アルカノール基、飽和若しくは不
飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシクロアルキル基
である) を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において(A)成分として用いられる化合物
は、1分子当たり少なくとも2個の水酸基を含有してい
ればよく特に制限はない。このようなものとしては、例
えばポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ
オキシアルキレングリコール樹脂などのポリマーポリオ
ール類、及びエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレン
グリコール、ペンタンジオール、ジメチルブタンジオー
ル、水添ビスフェノールA、グリセリン、ソルビトー
ル、ネオペンチルグリコール、1,2−及び1,3−プロピレ
ングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレ
ングリコール、1,8−オクタンジオール、シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シク
ロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,
2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどの低分子官能性オリオール類が挙
げられる。これらの水酸基含有化合物は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明組成物においては、(B)成分として、1分子
中に、一般式 (式中のR1、R2、R3、R4、R5及びYは前記と同じ意味を
もつ) で表されるビニルエーテル基又はビニルチオエーテル基
少なくとも2個を有する化合物が用いられる。
前記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R4及びR5は、
それぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アリ
ール基、アルカリール基などの有機基であって、これら
の有機基は適当な置換基を有していてもよく、また、R1
とR4、R1とR5、R2とR4若しくはR2とR5はたがいに結合し
てYをヘテロ原子とする置換基を有しない又は有する複
素環を形成していてもよい。
このような(B)成分の化合物としては、(1)例え
ばエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレング
リコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビ
ニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエー
テル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブ
タンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールジイソ
プロペニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテ
ル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ネオペンチル
グリコールジイソプロペニルエーテル、トリメチロール
プロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテ
トラビニルエーテル、アクロレイン二量体のチシチエン
コエステルなどの低分子量多価ビニルエーテル、(2)
低分子量多価ビニルエーテルとポリオールとの付加体、
例えば前記(1)の低分子量多価ビニルエーテルと、エ
タンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、オクタンジオール又はこれらの同族体
や相当するオリゴマーエーテル、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、ポリビニルアルコール、ビスフェノ
ールA、レゾルシン、ヒドロキノン又はこれらの誘導
体、トリスヒドトキシエチルイソシアヌレート、ヒドロ
キシル基含有エポキシド、ヒドロキシル基含有ポリエー
テル、ヒドロキシル基含有ポリエステル、ヒドロキシル
基含有ポリアクリルなどのポリオールとの付加体、
(3)低分子量多価ビニルエーテルと多価カルボン酸と
の付加体、例えば前記(1)の低分子量多価ビニルエー
テルと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレン
ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチ
ル化ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸などの多価カルボン酸、1分子中にカルボキシル
基2個以上を有するポリエステル樹脂やアクリル樹脂な
どとの付加体、(4)モノビニルエーテル又はアセター
ルとポリオールとの反応生成物、例えばメチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物及
びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物、
さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、
2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4
−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状
ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニル
チオエーテル化合物などのモノビニルエーテル又はモノ
ビニルチオエーテル類と、前記(2)で例示したポリオ
ール類との反応により得られるアセタール化合物を新た
なビニルエーテルへ開裂させた化合物、(5)ヒドロキ
シル基含有モノビニルエーテルと多価イソシアネート化
合物との付加体、例えばエチレングリコールモノビニル
エーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、
1,4−ブチレングリコールモノビニルエーテル、メタノ
ールジヒドロピランなどと、テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデ
カンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−又は1,4
−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、パ
ーヒドロ−2,4′−又は−4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネ
ート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2,4′−又は−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,2−又は3,4−ジイソシアネート−4′−メチルジ
フェニルメタン、ナフタレン−1,5−ジイソシアネー
ト、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネ
ート又はこれらの低分子量多価イソシアネートのイソシ
アヌレート型、ビューレット型、ポリオール付加型ポリ
イソシアネートとの付加体、(6)α,β−不飽和カル
ボン酸エステル単独重合体又は共重合体とビニルエーテ
ル基含有アルコール又はチオールとのエステル交換反応
生成物、例えばα,β−不飽和カルボン酸エステル単独
重合体や共重合体から成るアクリル樹脂と、一般式 (式中のR6、R7及びR8は水素原子又は炭素数1〜18のア
ルキル基、アリール基、アルカリール基、R9は炭素数2
〜18のアルキレン基、アリーレン基、アルカリーレン基
などの二価の有機基であって、R6とR9はたがいに結合し
てXをヘテロ原子とする置換基を有しない又は有する複
素環を形成していてもよく、X及びZはそれぞれ酸素原
子又はイオウ原子であり、それらは同一であってもよい
し、異なっていてもよい) で表される化合物とを、塩基性触媒の存在下にエステル
交換反応させることにより得られる生成物などが挙げら
れる。これらの(B)成分の化合物は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における成分(A)と成分(B)の使用割合は
成分(A)の水酸基1当量当たり、成分(B)のビニル
エーテル基あるいはビニルチオエーテル基が0.5〜1.5の
間にあるのが好ましい。
本発明組成物において、(C)成分として用いられる
熱潜在性酸触媒は、該組成物の硬化時には硬化反応を促
進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する
とともに、該組成物の貯蔵時には長期にわたる安定性を
実現するために不可欠な成分であり、60℃以上の温度に
おいて酸触媒活性を示す化合物が望ましい。この熱潜在
性酸触媒が60℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得
られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、
好ましくない事態を招来するおそれがある。
この(C)成分の熱潜在性酸触媒としては、スルホン
酸エステル類やオニウム化合物類を使用する。
該スルホン酸エステル類としては、一般式 (式中のR10はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基又はアルキル基、R11は一級炭素又
は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している
炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルカリール基、アルカノール基、飽和若しくは不
飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシクロアルキル基
である) で表される化合物、具体的にはメタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレン
スルホン酸などのスルホン酸類と、n−プロパノール、
n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール
などの一級アルコール類又はイソプロパノール、2−ブ
タノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シク
ロヘキサノールなどの二級アルコール類とのエステル化
物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合
物との反応により得られるβ−ヒドロキシアルキルスル
ホン酸エステル類などが挙げられる。
またオニウム化合物類としては、例えば一般式 [(R123NR13+X- …(IV) [(R123PR13+X- …(V) [(R122OR13+X- …(VI) 及び [(R122SR13+X- …(VII) (式中のR12は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基又は
シクロアルキル基であって、2個のR12はたがいに結合
してN、P、O又はS、をヘテロ原子とする複素環を形
成していてもよく、R13は水素原子、炭素数1〜12のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール
基、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -又はBF4 -である) で表される化合物などが挙げられる。
本発明組成物においては、該(C)成分の熱潜在性酸
触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよく、またその配合量は(A)成分と(B)成分
との総固形分量100重量部当たり、通常0.01〜10重量部
の範囲で選ばれる。
本発明の熱硬化性組成物の硬化に要する温度及び時間
については、使用する熱潜在性酸触媒の種類により異な
るが、通常60〜200℃の範囲の温度で2分ないし1時間
程度加熱することにより硬化が完了する。
本発明の熱硬化性組成物はそのままで、あるいは必要
に応じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤などを配合して、塗料、インク、接着剤、成形
品などに用いることができる。
[実施例] 次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
製造例1〜3 水酸基含有樹脂A−1〜A−3の製造 温度計、還流冷却器、滴下ロート、撹拌機を備えた4
つ口フラスコに、それぞれ第1表に示した合成用溶剤を
仕込み、溶剤が還流状態になるまで加熱撹拌した。次
に、それぞれ第1表に示したモノマー混合物を還流、撹
拌を維持しながら滴下ロートを用いて2時間かけてフラ
スコ中に滴下した。滴下終了後、還流、撹拌状態を30分
続けたのち、反応温度を100℃に下げ、第1表に示した
追加触媒をそれぞれ加えて、さらに100℃の温度を2時
間保ったところで反応を終了し、それぞれ第1表記載の
特性値を有する水酸基含有樹脂A−1〜A−3を得た。
製造例4〜6 ビニルエーテル基含有化合物B−1〜B−3の製造 温度計、滴下ロート、還流冷却管、撹拌装置を備えた
4つ口フラスコに、それぞれ第2表記載の仕込み成分を
仕込み、撹拌しながら50〜60℃に加熱した。次に第2表
記載の滴下成分を十分に混合したのち、滴下ロートを用
いて加温、撹拌中のフラスコ内に60分かけて滴下した。
滴下終了後、撹拌をつづけながら50〜60℃で2〜3時間
反応を継続した。反応の終点は赤外吸収スペクトルによ
る3500cm-1付近の水酸基に由来する吸収の消失及び2260
cm-1付近のイソシネート基に由来する吸収の消失によっ
て決定し、それぞれ第2表記載の特性値を有するビニル
エーテル基含有化合物B−1〜B−3を得た。
製造例7〜9 熱潜在性酸触媒C−1〜C−3の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を装着した2
4つ口フラスコに、それぞれ第3表に示したアルコール
類350重量部を入れて氷冷し、そこへカリウム−t−ブ
トキシド44.9重量部を加えて溶解したのち、ジエチルエ
ーテル300重量部に溶かした第3表記載のスルホニルク
ロリド53.4重量部を30分かけて滴下した。滴下後1時間
で氷浴をはずし、さらに1時間反応させた。反応終了
後、反応混合物を水300重量部で3回洗浄したのち、モ
レキュラーシーブ4A1/16[和光純薬(株)製]を加えて
脱水乾燥処理を施し、溶媒をロータリー・エバポレータ
ーにて留去することにより、それぞれ第3表記載の化合
物である熱潜在性酸触媒C−1〜C−3を得た。
製造例10 熱潜在性酸触媒C−4のアセトン溶液の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を装着した2
4つ口フラスコに、アセトン322重量部を入れて、p−
トルエンスルホン酸172重量部を加えて溶解したのち、1
0℃まで冷却した。そこへ、アセトン100重量部に溶かし
たカージュラE−10(エポキシ当量250、シェル化学社
製)250重量部を内温が10℃から15℃の間になるように
1時間30分かけて滴下した。その後、10℃付近に温度を
保ち30分間撹拌し、さらに室温で2時間撹拌を続けるこ
とにより、熱潜在性酸触媒C−4の50wt%アセトン溶液
を得た。
実施例1 製造例1で得た水酸基含有樹脂(A−1)137重量部
に、製造例4で得たビニルエーテル基含有化合物(B−
1)100重量部、製造例8で得た熱潜在性酸触媒(C−
2)をp−トルエンスルホン酸換算で10wt%になるよう
にキシレンで希釈した溶液3.5重量部を加えて均一にな
るまで撹拌し、クリヤー溶液を得た。
次にキシレンを用いて前記クリヤー溶液を塗装粘度
(フォードカップNo.4、20℃で22秒)に希釈し、ブリキ
板に乾燥膜厚30μmとなるようにエアースプレー塗装
し、140℃で30分間硬化させた。
得られた硬化膜はASTM−1474に記載された方法でヌー
プ硬度10.7を示すとともに、キシレンを浸したネルを用
いて該硬化膜をラビングしても膜の溶解、軟化は認めら
れず、前記硬化条件下で十分な硬化性を示した。
一方、キシレンで希釈する以前のクリヤー溶液を50℃
で1週間密封貯蔵後もゲル化は認められず良好な貯蔵安
定性を示した。
実施例2〜11 第4表に記載した配合に基づき、実施例1と同様な操
作でクリヤー溶液をそれぞれ作製した。次いで、実施例
1と同様な操作で塗装したのち、第4表記載の硬化条件
で硬化させた。このようにして得られたそれぞれの硬化
膜について実施例1と同様な手法で硬化性及び貯蔵安定
性を確認した。その結果を第4表に示す。
いずれの実施例においても十分な硬化性と良好なる貯
蔵安定性が確認された。
比較例1 第4表に記載した配合に基づいて、実施例1と同様な
操作でクリヤー溶液及び硬化膜を作成し、実施例1と同
様な性能評価を行ったが、酸触媒を含まない本例では14
0℃、30分の硬化条件では硬化しないことが判明した。
比較例2 第4表に記載した配合に基づいて、実施例1と同様な
操作でクリヤー溶液及び硬化膜を作成し、実施例1と同
様な性能評価を行った。酸触媒を配合中に含む本例では
140℃、30分の硬化条件では十分に硬化するものの、p
−トルエンスルホン酸基の水素がブロックされている熱
潜在性酸触媒でないために50℃の安定性試験1日後にゲ
ル化し、十分な貯蔵安定性を示さない。
注 1)プラクセル303: 商品名、ダイセル化学社製、カプロラクトン変性トリ
オール、水酸基価540 2)ユニオールTG−400: 商品名、日本油脂社製、ポリプロピレングリコールト
リオール、水酸基価420 3)アデカオプトンCP−66: 商品名、旭電化工業社製、2−ブテニルテトラメチレ
ンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、66wt%
溶液 4)ヌープ硬度 ASTM−1474記載の測定方法による。
5)キシレンラビング キシレンを浸したネルで硬化塗膜表面を10往復ラビン
グし、変化ナシを○、塗膜軟化をΔ、塗装溶解を×とし
た。
6)貯蔵安定性 50℃にてクリヤー溶液を密封状態で貯蔵し、1週間目
においても変化なしを○、3日〜1週間でゲル化をΔ、
1〜3日間でゲル化を×、1日以内にゲル化を××とし
た。
[発明の効果] 本発明の熱硬化性組成物は、化学性能、物理性能及び
耐候性などに優れる上に、貯蔵安定性にも優れるので、
多種多様の塗料、インク、接着剤、プラスチック成形品
などに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C09D 1/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基
    を含有する化合物、 (B)1分子中に、一般式 (式中のR1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子又
    は炭素数1〜18の有機基、R1とR4、R1とR5、R2とR4若し
    くはR2とR5はたがいに結合してYをヘテロ原子とする複
    素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ原
    子である) で表される官能基少なくとも2個を含有する化合物、及
    び (C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒として、
    下記一般式で表されるスルホン酸エステル類及びオニウ
    ム化合物類の中から選ばれた少なくとも1種を必須成分
    として含有して成る熱硬化性組成物。 (式中のR10はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル
    基、置換ナフチル基又はアルキル基、R11は一級炭素又
    は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している
    炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、アルカリール基、アルカノール基、飽和若しくは不
    飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシクロアルキル基
    である)
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