JP3041922U - 自然石を結合した消波ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然石を結合一体化して外見は自然石の塊体
に見える、設置現場の環境を乱すことのない消波ブロッ
クを提供する。 【解決手段】 自然石Ａに設けた穿孔部１に接着剤２を
充填し、アンカー材３を挿入固着してアンカー材を自然
石より植立し、次位の自然石に設けられ且つ接着剤の填
装された穿孔部１に挿入、固定して各自然石Ａを結合一
体化して、３本の直線部材を構成するとともに、同直線
部材を２本宛直交せしめて、自然石を結合した消波ブロ
ックを構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は消波ブロック等、各種水工ブロックに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の消波ブロックはコンクリートブロックより構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の消波ブロックはこのようにコンクリートで製造されているので、同ブロ ックが設置された海岸、港湾、魚港の景観を損ない、最近地域住民や環境保護団 体からもブロック設置に対する反対要望が高まっている。 本考案はこのような問題点を解決するために提案されたもので、その目的とす るところは、自然石を結合一体化し、外見は自然石の塊体に見える、景観に優れ 、且つ敷設現場の環境を乱すことのない消波ブロックを提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る自然石を結合した消波ブロックは、 自然石に設けた穿孔部に接着剤を充填し、アンカー材を挿入、固着して前記自然 石にアンカー材を植立し、同自然石と相隣る次位の自然石に設けた穿孔部に接着 剤を填装して、同穿孔部に前記自然石より植立されたアンカー材を挿入、固定し て相隣る前記各自然石を結合一体化し、以下同様にして前記各自然石よりなる３ 本の軸部材を構成するとともに、同各部材のうち２軸宛が互いに直交するように 組立て構成されている。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を本考案の好ましい実施の形態を示す図面について説明する。 Ａは直径３００ｍｍ程度の自然石で、同自然石Ａを結合して一体化するため、 波力、重量に適応した位置に穿孔部１を穿孔し、同穿孔部１に耐久性のあるエポ キシ樹脂系の接着剤２を充填して、同穿孔部１に防錆加工を施した異形鉄筋又は ワイヤー等よりなるアンカー材３を挿入し、前記接着剤２の固化を俟ってアンカ ー材３が一体に植立された自然石Ａを製作しておく。

【０００６】 同自然石Ａに相隣る次位の自然石Ａ′に穿設された穿孔部１に接着剤２を充填 し、同次位の自然石Ａ′の穿孔部１に前記自然石Ａのアンカー材３を挿入し、同 穿孔部１内の接着剤の硬化を俟って前記自然石Ａ、Ａ′を結合する。なおブロッ ク隅角部又は頂端の自然石Ａには穿孔部が複数個所設けられる。 なお図示を省略したが、アンカー材３としてワイヤーを使用した場合は、一方 の自然石に植立されたワイヤーを相隣る自然石に植立されたアンカー材の先端部 に設けた環に結合することによって、ワイヤーの可撓性を利用して相隣る自然石 を自由な角度に結合しうるものである。

【０００７】 而して図１乃至図６に示すように、自然石Ａを連結一体化して３本の直線部材 を構成するとともに、同３本の連結部材のうち２本宛が互いに直交するように連 結して、消波ブロックを構成するものである。なお図中Ａ″は相隣る前記各直線 部材における各自然石Ａ間の間隙を填隙するよう、同各自然石Ａに連結される填 隙用自然石である。

【０００８】

【考案の効果】

本考案に係る消波ブロックは前記したように、自然石の穿孔部に接着剤を充填 して、同穿孔部にアンカー材を挿入し、接着剤の硬化を俟ってアンカー材を自然 石より植立し、同アンカー材を相隣る自然石における接着剤が填装された穿孔部 に挿入して、同接着剤の固化を俟ってアンカー材を介して自然石を結合して同自 然石によって３本の軸部材を構成するとともに、同３本の軸部材のうち２軸宛が 互いに直交する消波ブロックを構成するようにしたので、本考案によれば同消波 ブロックが従来のコンクリートブロックとは異なり、自然石のみを結合した構造 となるので、消波ブロック設置地区の自然の景観を損なうことがなく、設置場所 の景観を保持しうるものである。

【０００９】 また本考案の消波ブロックは自然石を結合した部材を使用することによって、 コンクリートブロックにくらべて自然石の凹凸によって表面積が増加し消波機能 が高まるとともに、岩礁、魚礁としての効果も期待できる。 また前記３本の軸部材がからみ合うことにより安定性が高まるが、更に自然石 により一層拘束性が高まる。

【００１０】 更にまた本考案の消波ブロックは自然石で製作した構造物であるので、多数敷 設することにより景観に優れた人工岩礁となり、リーフと同様の波力減衰機能が 発揮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自然石を結合した、消波ブロック
の斜視図である。

【図２】図１の左側面図である。

【図３】図１の右側面図である。

【図４】図１の正面図である。

【図５】図１の背面図である。

【図６】図１平面図である。

【図７】自然石の結合部を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

Ａ、Ａ′、Ａ″ 自然石 １ 穿孔部 ２ 接着剤 ３ アンカー材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自然石に設けた穿孔部に接着剤を充填
   し、アンカー材を挿入、固着して前記自然石にアンカー
   材を植立し、同自然石と相隣る次位の自然石に設けた穿
   孔部に接着剤を填装して、同穿孔部に前記自然石より植
   立されたアンカー材を挿入、固定して相隣る前記各自然
   石を結合一体化し、以下同様にして前記各自然石よりな
   る３本の軸部材を構成するとともに、同各部材のうち２
   軸宛が互いに直交するように組立ててなることを特徴と
   する自然石を結合した消波ブロック。