JP3041714U - 水棲生物飼育容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掃除が簡単にでき、手軽に多様な装飾が楽し
め、立体的な装飾効果を得ることができる水棲生物飼育
容器を提供する。 【構成】 有底で周囲を壁に囲まれた水棲生物飼育容器
であって、底面より容器内に向けて立体物を、底面が開
口する空間が該立体物内にできるように隆起させて透明
合成樹脂で一体成形し、前記空間内に立体物の内壁に沿
って装飾用のシートを取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、亀や蟹等の水棲生物を飼育する飼育容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、亀や蟹などの水棲生物を飼育する際、石や岩を飼育容器内に入れて、甲 羅干しをするスペースを設けていた。また、該石や岩は、装飾物としての機能を 持っており、飼育容器の背面に取り付けられる写真や絵画で構成されるバックス クリーンと共に用いられ、優れた装飾効果を奏していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来のものは、掃除する際に重い石や岩を取り出さなけれ ばならず、手間がかかり、また、石や岩が接触して飼育容器を傷つけてしまうこ とがあった。装飾機能の点においても、装飾を変えようとした際、重い石や岩を 交換するのは大変であり、手軽に装飾を楽しむのは困難である。前記バックスク リーンを用いる方法も写真や絵画を飼育容器背面に取り付けるだけであり、平面 的な背景としてしか楽しめない。

【０００４】 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、掃除が簡単にでき、手軽に多様な 装飾が楽しめ、立体的な装飾効果を得ることができる水棲生物飼育容器を提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するために、本考案は次のように構成される。

【０００６】 有底で周囲を壁に囲まれる水棲生物飼育容器であり、底面より容器内に向けて 立体物を隆起させて一体成形して構成される。

【０００７】 このように構成することで、全体を軽量化することができ、掃除の際に重い石 や岩を持ち上げることが不要となり、石や岩で容器を傷つけるおそれもない。結 果として、掃除が非常に楽になる。

【０００８】 また、請求項２の考案は、前記飼育容器及び前記立体物全体を透明合成樹脂で 一体成形し、該立体物の内側に飼育容器底面に向かって開口する空間を形成し、 該空間内の立体物の内壁に沿って装飾用のシートを取り付けたものである。

【０００９】 このように構成することで、装飾用のシートを交換するだけで様々な装飾を手 軽に楽しむことができ、また、透明合成樹脂で形成した立体物の内側に装飾用の シートを取り付けるので、シート上の模様が立体物に投影され、従来は平面的に しか楽しめなかったバックスクリーンを取り付けるという手法を立体的に楽しむ ことができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態について説明する。

【００１１】 本実施形態は、図１に示すように、有底で周囲を壁２に囲まれた水棲生物飼育 容器１であって、底面３より水棲生物飼育容器１内に向けて、立体物４を隆起さ せて一体成形したものである。

【００１２】 水棲生物飼育容器１は、水棲生物が飼育容器１の外周を移動する際、角に引っ かかることがないように、平面視略楕円形の底面３と、底面３の外周を囲って略 垂直に設けられる壁２で構成される。該壁２の上端は折り返されてフランジ５が 形成され、底面３の接地面には足６が形成される。フランジ５が形成されるので 、飼育容器１を移動するときに手をかけやすく、持ち運びやすい。また、足６が 形成され、多少段差のある面にも飼育容器１を安定した状態で載置でき、載置面 に飼育容器１が直接当たって傷がついたり破損したりするのを防止できる。

【００１３】 立体物４は、飼育容器１の中央よりも長手方向に壁２寄りに一体成形される。 立体物４の壁２寄りの側面８は壁２のカーブに沿った曲面となるように設けられ 、残りの側面はそれぞれ段部７を有する二つの傾斜の異なる斜面９で構成され、 上面は水平面１０となるように形成される。このような構造を取ることで、壁２ と立体物４の壁２寄りの側面９との間に通路が確保され、水棲生物が飼育容器１ の外周を移動する際に立体物３が障害となることがない。斜面９は、一面だけ形 成すると斜面の両側が切り立った断崖となってしまい、水棲生物が立体物４に上 りにくい。よって、二つの斜面９を設け、一面を緩い斜面とし、他面を前記緩い 斜面よりも傾斜がきつい斜面とし、飼育する水棲生物が好みの斜面９を上れるよ うに形成する。また、この際、該二つの斜面９に段部７を設け、水棲生物が立体 物４により上りやすいようにする。上面は、甲羅干しがしやすいように水平面１ ０となるように形成される。該水平面１０は、甲羅干しができるように、水棲生 物が生活するのに必要な水位（約５０ｍｍ〜１００ｍｍ）よりも高い位置で設け られる。

【００１４】 前記壁２、底面３、立体物４、フランジ５及び足６は、合成樹脂で一体成形さ れる。素材として合成樹脂を用いるのは、軽く、丈夫で、また、大量生産に適し ているため、安い価格で提供できるからである。しかも、一体成形することで、 さらに安価で提供することができる。合成樹脂としては、ポリプロピレン、スチ ロール樹脂、ＡＢＳ樹脂、アクリル、ポリエチレン等が最適であり、有色のもの でも無色のものでもよい。有色の樹脂を用いれば、顔料を用いて、様々な色や、 大理石調や、みかげ石調等の模様を楽しむことができるし、透明であれば、飼育 容器１内の水棲生物の様子がよく観察できる。

【００１５】 以上のような構造なので、合成樹脂製で従来の石や岩を用いる場合に比べて、 飼育容器１が非常に軽くなり、移動が楽になる。掃除の際には、重い石や岩を持 ち上げることが不要となり、石や岩で飼育容器１を傷つけるおそれもない。結果 として、掃除が非常に楽になる。また、飼育容器１全体が一体成形され、安い価 格で提供できる。該飼育容器１において、立体物４は、飼育する水棲生物の移動 の邪魔にならず、かつ、水棲生物が上って甲羅干しするのに適する形状であれば どのような形状でもよい。また、斜面９に設けられる段部７の他に、立体物４の 表面にシボ加工を加えてすべり止めとし、水棲生物がより上りやすいようにする こともできる。

【００１６】 また、第２の考案に係る実施形態は、図１及び図３に示す通り、上記の水棲生 物飼育容器１の構成に加えて、立体物４の内部に底面３に向かって開口する空間 １１を設けて全体を透明合成樹脂で一体成形し、該空間１１内に立体物４の内壁 １２に沿うように装飾用のシート１３を取りつけたものである。

【００１７】 本実施形態において、立体物４内の空間１１は、十分な装飾効果を発揮するた め、できるだけ大きく形成される。具体的には、立体物４の内壁１２と外壁との 距離、即ち立体物４の壁の厚さが２ｍｍ〜５ｍｍとなるようにする。このように することで、飼育容器１の容器としての十分な強度と、装飾効果を発揮するため の立体物４の透明度が確保される。

【００１８】 水棲生物飼育容器１及び立体物４全体を一体成形する透明合成樹脂は、透明で あれば前記した通り、ポリプロピレン、スチロール樹脂、ＡＢＳ樹脂、アクリル 、ポリエチレン等が最適である。

【００１９】 前記空間１１内に挿入され、立体物４の内壁１２に沿うように取りつけられる 装飾用のシート１３は、本実施形態において、模様や絵画、写真をプリントした 紙で構成され、図２及び図３に示す通り、立体物４の内壁１２に沿う形に、模様 や絵画、写真がプリントされた面が立体物４の内壁１２に当接するように組み立 てられる。取りつけは、該装飾用のシート１３を水棲生物飼育容器１の立体物４ 内の空間１１に、模様や絵画、写真がプリントされた面が内壁１２に当接するよ うに差し込むだけでよく、非常に簡単である。紙で構成されるので安価であり、 立体物４の内壁１２に沿う形に組み立てたものを適宜複数用意しておくことで、 該装飾用のシート１３を差し替えるだけで手軽にさまざまな装飾を楽しむことが できる。

【００２０】 以上のように構成するので、装飾用のシート１３にプリントされた模様や絵画 、写真が立体物４に投影されて、立体的に表示される。従来平面的にしか楽しめ なかったバックスクリーンを飼育容器背面に取りつけるという手法が、本考案を 用いることにより、立体的に楽しめるようになる。また、本実施形態では、装飾 用シート１３として模様や絵画、写真をプリントした紙を用いているが、ゴムや ブラスチック等の樹脂製のもので、模様や絵画、写真をプリントしたもの、ある いは表面に凹凸による模様を設けたものを用いてもよい。樹脂製のシートを組み 立ててもよいが、この場合、立体物４の内壁１２に沿う形に一体成形してもよい 。また、シート状のものを、組み立てるのではなく、直接立体物４の内壁１２に 張りつけてもよい。さらに、立体物４の形状や、立体物４の表面に設けられる段 部７やシボ加工と、装飾用のシート１３の組合せをいろいろ変えることで、多種 多様の装飾効果が楽しめる。

【００２１】 本考案の水棲生物飼育容器１は、適宜水量を調節したり、蓋体やエアポンプを 用いることにより、亀や蟹などの水棲生物に限らず、観賞魚や昆虫、その他小型 の動物を飼育することも可能であり、また、テラリウムとしても使用できるもの である。

【００２２】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように本考案によれば、次の効果を奏することができる。

【００２３】 本考案の水棲生物飼育容器１は、合成樹脂製であり、従来の甲羅干しスペース 確保と装飾効果のために石や岩を用いる場合に比べて、飼育容器１が非常に軽く なり、移動が楽になる。掃除の際には、重い石や岩を持ち上げることが不要とな り、石や岩で飼育容器１を傷つけるおそれもない。結果として、掃除が非常に楽 になる。また、飼育容器１全体が一体成形され、安い価格で提供できる。

【００２４】 第２の考案によれば、装飾用のシート１３を水棲生物飼育容器１の立体物４内 の空間１１に、装飾面が内壁１２に当接するように差し込むだけでよく、取りつ けが非常に簡単であり、該装飾用のシート１３を適宜複数用意しておき、装飾用 のシート１３を差し替えるだけで手軽にさまざまな装飾を楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】水棲生物飼育容器の平面図。

【図２】装飾用シートの平面図。

【図３】装飾用シートの取りつけ方法を示す図１のＡ−
Ａ断面図。

【符号の説明】

１、水棲生物飼育容器 ２、壁 ３、底面 ４、立体物 ５、フランジ ６、足 ７、段部 ８、壁２寄りの曲面 ９、斜面 １０、水平面 １１、空間 １２、内壁 １３、装飾用のシート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】有底で周囲を壁に囲まれた水棲生物飼育容
   器であって、底面より容器内に向けて、立体物を隆起さ
   せて一体成形したことを特徴とする水棲生物飼育容器。
2. 【請求項２】有底で周囲を壁に囲まれた水棲生物飼育容
   器であって、底面より容器内に向けて立体物を、底面が
   開口する空間が該立体物内にできるように隆起させて透
   明合成樹脂で一体成形し、前記空間内に立体物の内壁に
   沿って装飾用のシートを取り付けたことを特徴とする水
   棲生物飼育容器。