JP3041222U - チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速
ハンドル装置の提供。 【解決手段】 上蓋、クランプ片、下蓋、嵌め棒、スペ
ーサ（ＳＰＡＣＥＲ）及びスピンドルで構成される。そ
れはある傾斜角度を呈するようクランプ片が上蓋中に置
き入れられて、上蓋に係止され、上蓋が下蓋上に固定さ
れ、下端に連接部を具えた嵌め棒が上蓋、クランプ片、
下蓋及びスペーサを貫通してスピンドルに接合されて、
重力作用により無段式に快速自由落下するものとされ、
それにより圧糸を達成し、スピンドル内の染液が外に漏
れる現象を防止し、スペーサが下向きに移動する時に、
クランプ片の挟持係止作用により、スペーサがポンプ水
流の水圧により上昇するのを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置に関 し、特に、チーズ染色機の各種スピンドルとその上端の連接部に適用される、ク ランプ式の無限界自由落下型の快速ハンドル装置に関し、それは、上蓋、クラン プ片と下蓋を具え、スペーサが重力により無限界式に落下して圧糸するようにし て、スピンドル内の染液がボビンとボビン底、或いはボビンとスペーサの間隙よ り漏出するのを防止し、また嵌め棒の下に連接部が設けられて、直接周知の各タ イプのスピンドル上端に連接可能で、スピンドルの一部を切除して嵌め棒をその 上に溶接する必要をなくし、実用的な構成を有し、便利で経済利益をもたらすこ とのできる構造を有するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に見られるチーズ染色機は、スペーサを下に移動させて圧糸を行わせるハ ンドル装置を具えている。それは図１に示されるように、ハンドル７の周囲の面 に、環状に複数の節部Ｋが設けられ、ハンドル下端に一つのスペーサ７１が結合 されている。使用時には、チーズをスピンドル７２に装着し、スピンドル７２の 余分の部分を切除し、さらにハンドル７をその上に溶接し、スペーサ７１が丁度 チーズ上部に当たるようにし、それにより染液が余分の部分のスピンドル中より 漏出して染めムラを形成するのを防いでいた。チーズを染色する時は、その重量 が増加するため、重力の作用を受けてゆっくりと下に重なり、またポンプ水流が 外から内向きに変わる時、最も上層のスペーサが吸着現象を発生してチーズを下 向きに陥落させる。チーズが下にＫの距離移動した後、外力でハンドル７を回し て、スペーサをＫの距離だけ下に移動させ、染色が完成してチーズを取り外す時 、さらにハンドル７を回して原状に戻している。 ただし、この種のハンドル７は以下のような問題を有していた。 １．チーズが節部Ｋの距離下に落ちた後に、外力によりスペーサ７１を下に移 動して圧糸しており、Ｋの値を非常に小さくしたとしても有段式に下に移動させ るため、スピンドル７２の一部が露出するため、その内の染液がチーズのない部 分でしみだし、染液が有効に繊維中に浸透せず、染めムラをもたらした。 ２．染色の染鍋を開けてハンドル７を操作し、スペーサ７１を下に移動させる 時、鍋内の温度が高いために、操作者が火傷する恐れがあった。

【０００３】 また、別の種類のハンドル装置８は、図２、３に示されるように、ハンドル８ １、円筒８２及び中心棒８３より構成され、その中、中心棒８３が多翼形の星状 とされ、星状のスピンドルの上端連接部分に溶接されており、使用時には、中心 棒８３が上から下に順に円筒８２、ハンドル８１及びスペーサ８４に通された後 、スピンドル上端に溶着去れており、上述のハンドル８１が円筒８２内に係止さ れて、重力作用により無段式落下して圧糸を行っており、ハンドル８１の操作に より染色が完成したスピンドルが原位置に戻されていた。 しかし、この種のハンドル装置８は、以下のような欠点を有していた。 １．チーズ染色機上には各種の異なる形状、寸法のスピンドルが設けられてい るため、上述のハンドル装置８が異なる形状のスピンドル上に溶接される時、異 なる形状の中心棒を使用することが必要となり、また即ち、先にスピンドルの余 分の部分を切除することが必要となり、またハンドル８１に星状に溝が設けられ て星状の中心棒８３に組み合わされるが、その加工は容易でなく、円筒８２とも 組合せにくく、ゆえに経済的なメリットを有していなかった。 ２．上述の中心棒８３がハンドル８１に嵌められる時、ハンドル８１がある傾 斜角度を有するものとされるため、貫通部分に大きな間隙が存在し、ゆえに染液 水流が内から外に向かう時、該間隙からの染液の漏出が極めて多かった。 ３．ハンドル装置８が重力により下降して圧糸する時、ハンドル８１の係止点 が少ないために、スペーサがポンプ水流の圧力により上昇しやすく、不安定とな りやすかった。

【０００４】 以上のように、周知のチーズ染色機のスピンドルに使用されて圧糸を行うハン ドル装置は欠点を有しているため、その改善が求められていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置を提供す ることを課題とし、それは、嵌め棒を、一つの上蓋、上蓋内に係止したクランプ 片、一つの下蓋、及びスペーサを貫通させた後、スピンドル上に接合してなり、 重力作用を受けてチーズと共に落下し、無限界に自由落下して圧糸を行うものと され、嵌め棒がクランプ片を貫通した後に、さらに上蓋下方に固定された下蓋を 貫通するため、染液の漏出を防止することができるものとしている。

【０００６】 本考案ではさらに、上記チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル 装置を、クランプ片の中心孔に相互に対応する適当な溝形切り口を設けてあり、 該中心孔が円形孔とされたことで、加工が容易であり、嵌め棒と容易に組み合わ せられ、また中心孔の切り口の開設により、クランプ作用の係止点が周知の２点 から４点とされて、スペーサが落下する時、安定して嵌め棒の上昇を制限し、ス ペーサのポンプ水流の圧力作用による上昇を防ぐ、一つの安定した構造を有する ものとすることを次の課題としている。

【０００７】 本考案ではさらに、上記チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル 装置を、その嵌め棒が円柱形とされて、下蓋孔と嵌め棒の間の寸法の組合せの間 隙が０．０８〜０．１８ｍｍと最小にでき、それにより液体の間隙中からの漏洩 が防止でき、且つその下端に別に連接部が設けられて、周知の各種のスピンドル の上端の連接部分に連接でき、余分のスピンドルを切除する必要がなく、時間を 節約し、経済的なメリットをもたらせるものとすることをもう一つの課題として いる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、上蓋、クランプ片、下蓋、嵌め棒、及びスペーサを具え、 その中、前述の上蓋の中央に一つの上蓋孔が開設され、上蓋周囲の面の適当な位 置に相対応する一つの係止口と一つのハンドルゲートが設けられ、クランプ片が 上蓋内に置かれ、クランプ片の中央に一つの中心孔が開設され、クランプ片の一 端が支点端とされて上記係止口に差し込まれ、支点端と反対の一端が懸空端とさ れて上記ハンドルゲートに差し込まれて使用者によるクランプ片の引上げに利用 されるものとされ、前述の下蓋の中央に下蓋孔が設けられ、 クランプ片が上蓋内に置き入れられ、支点端が係止口に差し込まれ、懸空端がハ ンドルゲートに差し込まれて突出させられ、上蓋が下蓋の上方に固定され、嵌め 棒が上から下に、順に上蓋孔、中心孔、下蓋孔、及びスペーサに通され、スピン ドルの上端に接合させられてなる、チーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速 ハンドル装置としている。

【０００９】 請求項２の考案は、クランプ片の中心孔の内周に相対する適当な溝形切り口が 設けられ、嵌め棒を係止してその上昇を阻止するのに利用されることを特徴とす る、請求項１に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置 としている。

【００１０】 請求項３の考案は、前述の溝形切り口が、切弧状とされてその中心半径が中心 孔の半径より大きく設けられたことを特徴とする、請求項２に記載のチーズ染色 スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置としている。

【００１１】 請求項４の考案は、前述の溝形切り口が、三角形又は矩形又は任意の多角形の 切り口とされたことを特徴とする、請求項２に記載のチーズ染色スピンドルのク ランプ無段式快速ハンドル装置としている。

【００１２】 請求項５の考案は、嵌め棒の下端に中空の連接部が設けられ、該連接部の内径 がスピンドルの外径より大きく設けられてスピンドルの上端に嵌合できるものと されたことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載のチーズ染色スピンドル のクランプ無段式快速ハンドル装置としている。

【００１３】 請求項６の考案は、スピンドルの上端周囲の面に玉溝が設けられて複数の玉が 置かれて、嵌め棒の連接部が安定して嵌め置かれてその上に係止されていること を特徴とする、請求項５に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハ ンドル装置としている。

【００１４】 請求項７の考案は、嵌め棒の連接部内に雌ねじが設けられ、スピンドルの上端 周囲に雄ねじが設けられて該連接部がスピンドル上端に直接螺合されたことを特 徴とする、請求項５に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンド ル装置としている。

【００１５】

【考案の実施の形態】

本考案は一種のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置に関 し、それは、上蓋、クランプ片、下蓋、嵌め棒、スペーサ（ＳＰＡＣＥＲ）及び スピンドルで構成される。それはある傾斜角度を呈するようクランプ片が上蓋中 に置き入れられて、上蓋に係止され、上蓋が下蓋上に固定され、下端に連接部を 具えた嵌め棒が上蓋、クランプ片、下蓋及びスペーサを貫通してスピンドルに接 合されて、重力作用により無段式に快速自由落下するものとされ、それにより圧 糸を達成し、スピンドル内の染液が外に漏れる現象を防止し、スペーサが下向き に移動する時に、クランプ片の挟持係止作用により、スペーサがポンプ水流の水 圧により上昇するのを防止するものとされる。

【００１６】

【実施例】

図４及び図５は本考案の一つの実施例の斜視図とその分解斜視図である。これ らの図に示されるように、本考案は、上蓋１、クランプ片２、下蓋３、嵌め棒４ 、及びスペーサ５よりなる。その中、前述の上蓋１は、その中央に一つの上蓋孔 １１が開設され、周囲の面の適当な位置に相対応する一つの係止口１２と一つの ハンドルゲート１３が設けられている。クランプ片２は中央に一つの中心孔２１ が開設され、該中心孔２１は一つの円形孔とされて加工と嵌め棒４との組合せを 容易としており、中心孔２１の内周面の縦向きの二端に相対応する適当な溝形切 り口２２、２３が設けられ、該溝形切り口２２、２３は中心半径が中心孔２１の 半径より大きい円弧状、或いは三角形、或いは矩形、或いは任意の多角形の切り 口とされて、四つのクランプ作用を有する係止点２２１、２２２、２３１、２３ ２を形成しており、クランプ片２が傾斜する時、嵌め棒４の上昇を阻止する構造 とされる。また、クランプ片２の一端には支点端２４が設けられて前述の係止口 １２に挿入されて支承され、それと反対の一端には懸空端２５とされてハンドル ゲート１３に差し込まれている。下蓋３の中央に上蓋１の上蓋孔１１に対応する 下蓋孔３１が設けられている。組立時には、クランプ片２を上蓋１内に置き入れ 、支点端２４を係止口１２に差し込み、懸空端２５をハンドルゲート１３より突 出させ、上蓋１を下蓋３の上方に固定し、嵌め棒４を上から下に、順に上蓋孔１ １、中心孔２１、下蓋孔３１、及びスペーサ５に通し、スピンドル６の上端に接 合する。この時、クランプ片２は重力作用を受けて、傾斜を呈し、中心孔２１で 嵌め棒４を係止してその上昇を阻み、安定した状態を呈している。染色プロセス が完成した時、クランプ片２の懸空端２５を適当な角度に引上げて、染色が完成 したスピンドル６を引き上げて原位置に回復させる（図７参照）。

【００１７】 図６、７は本考案をスピンドル６に連接した望ましい一つの実施例の局部斜視 図及び全体断面図である。これらの図に示されるように、該実施例では、嵌め棒 ４の下端に中空の連接部４１が設けられ、該連接部４１の内径がスピンドル６の 外形より大きく設けられ、スピンドル６の上端周囲面に少なくとも一つの玉溝６ １が設けられ、嵌め棒４がスピンドル６の上端に連接される時、先に、一つの環 状円盤４２を嵌め棒４の玉溝６１下端に嵌め、連接部４１を複数の玉６２を置い た玉溝６１の外側に嵌めて円盤上に固定し、円盤４２により玉６２を係止するこ とで、連接部４１を安定して、速やかに、簡単にスピンドル６に嵌められるよう にしてある。このほか、連接部４１に雌ネジが設けられて、スピンドル６上端周 囲に雄ネジが設けられて、連接部４１が直接スピンドル６に螺合される形態も可 能である。

【００１８】 図８及び図９はチーズ染色機内でのスピンドルのチーズ染色前後における動作 表示図である。嵌め管６４外のチーズ６３（スピンドル６は嵌め管内に装置され ている）は染色された後、重量が増加し、重力作用によりゆっくりと下降し、こ のときチーズ６３を圧迫しているスペーサ５も重力作用によりチーズに伴い無限 界に自由落下し圧糸を行い、スピンドル６内の染液を漏出させず、またクランプ 片２の係止点２２１、２２２、２３１、２３２の係止作用によりスペーサ５はポ ンプ水流の圧力によっても上昇しない。

【００１９】

【考案の効果】

以上の説明より分かるように、本考案のチーズ染色スピンドルのクランプ無段 式快速ハンドル装置は、確実に圧糸、染液の防漏を達成し、また周知の任意の形 状のスピンドルに組み合わせられ、実用性を有し、操作時間を節約でき、経済的 な利益をもたらすことができる、新規で有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知のハンドル構造の外観図である。

【図２】もう１種の周知のハンドル構造の分解斜視図で
ある。

【図３】図２の周知のハンドル構造の斜視図である。

【図４】本考案の一つの実施例の斜視図である。

【図５】図４の実施例の分解斜視図である。

【図６】本考案がスピンドルに連接された一つの望まし
い実施例の局部分解斜視図である。

【図７】図６の実施例の全体断面図である。

【図８】本考案のチーズ染色機内の動作表示図であり、
チーズ染色前の状態を示す。

【図９】本考案のチーズ染色機内の動作表示図であり、
チーズ染色後の状態を示す。

【符号の説明】

１ 上蓋 ２ クランプ片 ３ 下蓋 ４ 嵌め棒 ５ スペーサ ６ スピンドル １１ 上蓋孔 １２ 係止口 １３ ハンドルゲート ２１ 中心孔 ２２、２３ 溝形切り口 ２２１、２２２、２３１、２３２ 係止点 ２４ 支点端 ２５ 懸空端 ３１ 下蓋孔 ４１ 連接部 ６１ 玉溝 ６２ 玉 ６３ チーズ

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上蓋、クランプ片、下蓋、嵌め棒、及び
   スペーサを具え、その中、前述の上蓋の中央に一つの上
   蓋孔が開設され、上蓋周囲の面の適当な位置に相対応す
   る一つの係止口と一つのハンドルゲートが設けられ、ク
   ランプ片が上蓋内に置かれ、クランプ片の中央に一つの
   中心孔が開設され、クランプ片の一端が支点端とされて
   上記係止口に差し込まれ、支点端と反対の一端が懸空端
   とされて上記ハンドルゲートに差し込まれて使用者によ
   るクランプ片の引上げに利用されるものとされ、前述の
   下蓋の中央に下蓋孔が設けられ、クランプ片が上蓋内に
   置き入れられ、支点端が係止口に差し込まれ、懸空端が
   ハンドルゲートに差し込まれて突出させられ、上蓋が下
   蓋の上方に固定され、嵌め棒が上から下に、順に上蓋
   孔、中心孔、下蓋孔、及びスペーサに通され、スピンド
   ルの上端に接合させられてなる、チーズ染色スピンドル
   のクランプ無段式快速ハンドル装置。
2. 【請求項２】 クランプ片の中心孔の内周に相対する適
   当な溝形切り口が設けられ、嵌め棒を係止してその上昇
   を阻止するのに利用されることを特徴とする、請求項１
   に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式快速ハ
   ンドル装置。
3. 【請求項３】 前述の溝形切り口が、切弧状とされてそ
   の中心半径が中心孔の半径より大きく設けられたことを
   特徴とする、請求項２に記載のチーズ染色スピンドルの
   クランプ無段式快速ハンドル装置。
4. 【請求項４】 前述の溝形切り口が、三角形又は矩形又
   は任意の多角形の切り口とされたことを特徴とする、請
   求項２に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式
   快速ハンドル装置。
5. 【請求項５】 嵌め棒の下端に中空の連接部が設けら
   れ、該連接部の内径がスピンドルの外径より大きく設け
   られてスピンドルの上端に嵌合できるものとされたこと
   を特徴とする、請求項１又は請求項２に記載のチーズ染
   色スピンドルのクランプ無段式快速ハンドル装置。
6. 【請求項６】 スピンドルの上端周囲の面に玉溝が設け
   られて複数の玉が置かれて、嵌め棒の連接部が安定して
   嵌め置かれてその上に係止されていることを特徴とす
   る、請求項５に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ
   無段式快速ハンドル装置。
7. 【請求項７】 嵌め棒の連接部内に雌ねじが設けられ、
   スピンドルの上端周囲に雄ねじが設けられて該連接部が
   スピンドル上端に直接螺合されたことを特徴とする、請
   求項５に記載のチーズ染色スピンドルのクランプ無段式
   快速ハンドル装置。