JP3039531B2 - 回路パターンの製造方法 - Google Patents

回路パターンの製造方法

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JP3039531B2
JP3039531B2 JP10230538A JP23053898A JP3039531B2 JP 3039531 B2 JP3039531 B2 JP 3039531B2 JP 10230538 A JP10230538 A JP 10230538A JP 23053898 A JP23053898 A JP 23053898A JP 3039531 B2 JP3039531 B2 JP 3039531B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光源を備えた
露光方法、或いはレーザ光を用いたウエハ、マスクのリ
ペア装置等の処理方法に関するものであり、特に半導体
集積回路の製造におけるリソグラフィー工程において、
マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して半導
体ウエハ等の感光基板上に焼付ける回路パターンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステップ・アンド・リピート方式の縮小
投影型露光装置、所謂ステッパーは、半導体集積回路の
製造におけるリソグラフィー工程において中心的役割を
担うようになっている。このステッパーは、マスク或い
はレチクル(以下、レチクルと呼ぶ)に形成された回路
パターンを縮小投影レンズ(以下、単に投影レンズと呼
ぶ)を介し、レジストが塗布された半導体ウエハ等の感
光基板(以下、ウエハと呼ぶ)上の局所領域を順次露光
する。近年、半導体集積回路の集積度はますます高くな
り、これに伴い回路の最小線幅はサブ・ミクロン程度で
形成されることが要求されるようになってきた。このた
め、現在ではサブ・ミクロンの線幅のリソグラフィーに
好適であるとして、紫外域で発光する高輝度、高出力の
KrFレーザ等のエキシマレーザを露光用光源とするス
テッパーが注目されている。
【0003】ところで、波長が365nm(Hgランプ
の1線)より短い紫外域レーザであるエキシマレーザを
露光用照明光とする投影レンズに使用できる材料は、合
成石英、ホタル石等に限定される。しかも、エキシマレ
ーザのスペクトル幅が半値幅で0.3〜0.4nm程度
あるため、例えば石英レンズのみで構成された投影レン
ズでは色収差が生じてしまう。このため、2種類以上の
硝材を組み合わせた色消しレンズを使用することになる
が、ホタル石等の結晶材料の形状(大きさ)、研磨特性
には問題があり、レンズ設計及び製造上かなりの制限を
受けることとなる。これに対して、露光光としてスペク
トル幅の半値幅の極めて狭い光(例えば、0.01〜
0.005nm以下まで狭帯域化された光)を用いれ
ば、上述の色消しレンズを用いずに石英レンズのみの単
一硝材による投影レンズを製作することが可能となり、
投影レンズ等の設計及び製造の困難性が大幅に改善され
る。
【0004】そこで、このようなエキシマレーザ装置を
備えたステッパーでは、一般にエキシマレーザ装置にフ
ァブリペローエタロン(以下、単にエタロンと呼ぶ)、
グレーティング等の波長選択素子を設けてエキシマレー
ザの波長を0.003〜0.005nmまで狭帯域化
し、色収差の発生を防止することにより高解像の露光を
行うことが考えられている。しかし、エキシマレーザ装
置から発振されるレーザ光の波長は、レーザ発振開始直
後等ではかなり大きく変動する。また、レーザ光の波長
がある程度安定した後でも、波長選択素子が機械的振
動、温度、湿度、気圧等の影響をうけるために波長変動
が生じてしまう。従って、このような波長変動、即ちレ
ーザ光の中心波長の設定波長に対する波長変動量が所定
の許容変動範囲(例えば、±0.001nm)を越える
と、エキシマレーザ用の投影レンズはある特定の波長の
みで収差補正されているため、この波長変動に伴い投影
倍率、焦点位置、ディストーション等の変動が生じて高
解像で露光を行うことができなくなる。このため、エキ
シマレーザの波長の安定化、即ち中心波長を設定波長と
一致させると共に、波長変動量を所定の許容変動範囲以
内に抑えることが重要となる。
【0005】そこで、エキシマレーザの波長が安定化す
るように波長選択素子の制御を行い、波長変動による投
影倍率、焦点位置、ディストーションの変動等の発生を
防止する対策が必要になる。例えば、波長選択素子とし
てファブリベローエタロンを用いる場合には、水銀ラン
プ等の基準波長に基づいて設定される設定波長に対する
レーザ光の中心波長の波長変動量に応じて、適宜波長選
択用のエタロンをフィードバック制度によりレーザ光の
光軸に対して傾斜させる。これより、レーザ光の波長シ
フトが安定化されて、常に最良の解像特性でレチクルの
回路パターンがウエハ上に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、この種
のエキシマレーザ装置を備えたステッパーでは、レーザ
光の波長特性の安定化(中心波長と波長幅の安定化)が
重要となり、波長特性のわずかな不安定が投影倍率、焦
点位置、ディストーション変動等の発生原因となる。例
えば、所定時間以上発振が停止した後のレーザ発振再開
直後等ではレーザ光の波長変動が大きく、この状態で、
レチクルの回路パターンをウエハ上に転写しても高精度
(高解像)の回路パターンを得ることは出来ない。特
に、露光中に波長選択素子が機械的振動等の影響を受け
波長変動を起こすと、この波長変動に伴う投影倍率、焦
点位置変動等が生じたままレジストが不必要に感光され
たり、或いはウエハ上に不良の回路パターンが焼付けら
れてしまうことになる。
【0007】そのため、ステッパーが所定時間以上レー
ザ光源側に対して、発振指令(トリガ信号)を送らない
間、例えばレチクルやウエハの交換、レチクル、ウエハ
間のアライメント実行中等には、ステッパーからの指令
によりレーザ光源は、そのレーザ光出口に設けられたシ
ャッターを閉じ、低い周波数(例えば1〜2Hz)で自
己発振して波長安定化制御を行うことにより、ステッパ
ーからの発振指令再開時(露光開始時)に波長変動が生
じないようにしている。
【0008】ところが、このような方式では、ステッパ
ー側がエキシマレーザ光源を使用しない間は、常にエキ
シマレーザ光源を自己発振(ダミー発振)させることに
なるので、レーザ光源内の光学部品や、高電圧制御回路
用の部品(サイラトロン等)の寿命、或いはエキシマ用
のレーザガスの寿命をいたずらに短くしないように、可
能な限り低い周波数で自己発振が行われるように設定さ
れている。
【0009】しかしながら、その低い周波数は、通常あ
る一定の値に決定されている。このため何らかの原因
(レーザ光源又はステッパー本体の機械的な振動、ノイ
ズの混入、エタロンの制御不良等)によって、絶対波
長、スペクトル幅、パルスエネルギー等のビーム品質が
突然劣化すること(波長ロックの外れ等)がある。ビー
ム品質については、レーザ光源側で分光器、ディテクタ
ー等でモニターしているため、1パルスの発光で直ちに
劣化したか否かを知ることもできるが、劣化の程度が大
きいと、ビーム品質を安定化するエタロン等のトラッキ
ング制御が不能となり、レーザ光源がダウンしてしま
う。このため、オペレータがその都度エキシマレーザ光
源の立ち上げ動作、ステッパーのオペレーションのやり
直しを行わなければならないといった問題があった。
【0010】また、ダミー発振中の周波数を高くすれ
ば、ビーム品質の劣化の急激な変化を高速に検出するこ
とができるので、エタロンのトラッキング制御(波長ロ
ック)を比較的早く元に戻すことが可能である。しかし
ながら、ダミー発振を必要とする期間は、ステッパー側
のシーケンスやトラブル(例えばウエハローディング中
のウエハのつまり等)に応じて様々に変化するため、そ
の間、高い周波数でダミー発振し続けることは寿命の点
で極めて不利である。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
であり、レーザ光源がレーザ光の品質を安定化するため
に自己発振している間、或いは加工装置の処理動作中
に、ビーム品質が規格以下に劣化して異常と判断された
としても、レーザ光源を極力ダウンさせることなく短時
間のうちにビーム品質を元に戻すと共に、レーザ光源の
寿命の低下を極めて小さく抑えたスル−プットの高い回
路パターンの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の回路パターン
の製造方法は、レーザビームによりマスク(R)を照明
し、該マスク(R)の回路パターンの像を基板(W)上
に露光する回路パターン製造方法において、そのレーザ
ビームの品質の良否を判定するステップと、基板(W)
上の第1ショット領域(S3)の露光中にレーザビーム
の品質が否と判定されたとき、第1ショット領域(S
3)に対する露光を中断するとともにレーザビームの品
質を復帰させるための動作を行うステップと、該復帰動
作中に第1ショット領域(S3)の次に露光される第2
ショット領域(S4)の露光準備を行うステップとを含
んでいる。
【0013】請求項2の回路パターン製造方法は、露光
準備として、第2ショット領域(S4)を露光するため
のアライメント動作を含んでいる。また請求項3の回路
パターン製造方法は、レーザビームの品質は、レーザビ
ームのエネルギー、絶対波長、スペクトル幅のうちの少
なくとも一つを含んでいる。
【0014】請求項4の回路パターン製造方法では、第
1ショット領域(S3)に対する露光が中断されたとき
に、基板(W)が載置されたステージ(32X,32
Y)の位置を記憶するようにしている。請求項5の回路
パターン製造方法では、第1ショット領域(S3)に対
する露光が中断されたときに、該第1ショット領域(S
3)に与えられたそれまでの露光量を記憶するようにし
ている。請求項6の回路パターン製造方法では、第1シ
ョット領域(S3)に対する露光が中断されたときに、
レーザビームの可干渉性によって生じる干渉縞を低減す
るための光学部材(M3)の動作状態を記憶するように
している。請求項7の回路パターン製造方法では、レー
ザビームの品質の復帰後に、第1ショット領域(S3)
の露光を再開するようにしている。さらに請求項8の回
路パターン製造方法では、第1ショット領域(S3)の
露光終了後に、レーザビームの復帰動作中に行なわれた
露光準備の結果を用いて第2ショット領域(S4)の露
光を開始するようにしている。
【0015】本発明によれば、レーザビームの品質復帰
動作中に次のショット領域の露光準備を行うようにして
いるので、レーザビームの品質復帰動のための時間を無
駄にすることがなく、スループットの低下を防止するこ
とができる。
【0016】請求項9の回路パターン製造方法は、ガス
交換を必要とするレーザ光源(10)からのパルスビー
ムによりマスク(R)を照明し、該マスク(R)の回路
パターンの像を基板(W)上に露光する回路パターン製
造方法において、前回のガス交換時からの発振パルス数
をカウントし、該カウント値に応じてパルスビームの発
振周波数を調整するようにしている。
【0017】また請求項10の回路パターン製造方法
は、パルスビームの発振周波数を、そのカウント値に応
じて所定の最高周波数よりも低い周波数に調整するよう
にしている。
【0018】本発明によれば、ガスの寿命が迫っている
ようなときでも、パルスビームの品質を保つことがで
き、マスクのパターンを精度よく基板上に転写すること
ができる。
【0019】なお、本願発明をわかりやすく説明するた
めに図面を用いて説明したが、本願発明が一実施例を表
わす図面に限定されるものではないことはいうまでもな
い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例による露
光装置全体の構成を示す斜視図である。10はエキシマ
レーザ光源の本体部であり、内部には希ガスハライド等
の混合ガスが封入されたレーザチャンバー、共振のため
のフロントミラー(透過性)とリアミラー、波長狭帯化
のための波長選択素子(回折格子、プリズム、エタロン
等)、発振波長の絶対値をモニターするための分光器、
レーザパワーのモニター用のディテクター、及びシャッ
ターSH等が設けられている。
【0021】エキシマレーザ光源10からのパルス光は
可動ミラーM1 、固定ミラーM2 を介してビーム成形光
学系14に入射して所定の断面形状、サイズに成形され
る。ビーム成形光学系14からのエキシマレーザ光は駆
動部16によって所定角度内で揺動する揺動ミラーM3
で反射された後、オプチカルインテグレータとして機能
するフライ・アイレンズFLに入射し、多数の2次光源
像(スポット光)に変換される。フライ・アイレンズF
Lの各エレメントレンズの射出側にできたエキシマビー
ムの各スポット光はビームスプリッターBS1 、BS2
を透過し、コンデンサーレンズ系24によって、レチク
ルブラインド(可変照明視野絞り)RB上でほぼ一様な
強度分布となるように重ね合わされる。レチクルブライ
ンドRBを通ったエキシマ光はレンズ系26、固定ミラ
ーM4 、主コンデンサーレンズ28、及び固定ミラーM
5 を介してレチクルRの回路パターン領域を照明する。
ここで、レチクルブラインドRBはレンズ系26と主コ
ンデンサーレンズ28とによって、レチクルRと共役に
なっている。レチクルRは専用のレチクルアライメント
系30X、30Yによって装置本体に対してX、Y、θ
方向に位置決めされている。
【0022】レチクルRの回路パターンの像は投影レン
ズPLによってウエハW上に縮小投影される。ウエハW
はXステージ32X上に載置され、このXステージ32
Xはベース上をY方向に移動するYステージ32Y上を
X方向に移動する。これによってウエハWは投影像面に
沿って2次元移動し、ステップ・アンド・リピート方式
の露光等が行われる。またXステージ32X上には、ウ
エハWとほぼ同じ高さで、透過型の基準スリットをもつ
基準マーク板FMが設けられている。そして基準マーク
板FMの下にはXステージ32Xに固定されたミラー
(不図示)が設けられている。この基準マーク板FM
は、可動ミラーM1 が図示の位置から退避した時、エキ
シマレーザ光源10からのパルス光を、複数のミラー及
びYステージ32Y上に固定されたミラーM6 を介して
下面から受けるように配置されている。ミラーM5 に入
射するエキシマビームはほぼ平行光束で、Y軸と平行で
あり、ミラーM6 によってX方向に直角に反射され、基
準マーク板FMの下のミラーで垂直に上方へ反射され
る。従って、Xステージ32X、Yステージ32Yどの
ように移動しても、エキシマビームは必ず基準マーク板
FMの下面に入射する。
【0023】ところで、ウエハWのアライメント(マー
ク検出)は、オフ・アクシス方式のウエハアライメント
系34で行われる。ウエハアライメント系34はウエハ
W上のレジスト層を感光させない波長域の照明光(一様
照明、又はスポット光)を用いて、ウエハW上の特定位
置のアライメントマークを光電検出する。さらに、ウエ
ハアライメント系34は投影レンズPLに対して一定の
位置関係で固定されているが、ウエハW上のマークの検
出中心(アライメント系内の指標やスポット光)と、レ
チクルRの回路パターンの投影像の中心との相対位置関
係は、レチクルRの交換の毎にわずかに異なってくるた
め、基準マーク板FMを用いて、その相対位置関係を計
測できるようにしてある。そのために、照明系の光路中
に配置されたビームスプリッターBS2 を介して、基準
マーク板FMの発光スリットからのパルス光を一部分岐
させ、レンズ系20を通して光電素子(フォトマル等)
22で受光する。この光電素子22の受光面は、レンズ
系24、26、28等によって投影レンズPLの瞳面
(入射瞳若しくは出射瞳)とほぼ共役に配置されてい
る。
【0024】また、投影レンズPLの入射瞳には、フラ
イ・アイレンズFLによって形成された多数の2次光源
の像を結像させて、ケーラー照明を行っている。
【0025】さて、上記の構成において、可動ミラーM
1とレーザ光源10との間には、露光装置(ステッパ
ー)本体を収納するサーマルチャンバーの隔壁があり、
レーザ光源10はサーマルチャンバーの外部に設置され
ている。また、ステッパー本体は主制御装置40によっ
て統括制御され、XYステージ32X、32Yの移動、
レチクルアライメント系30X、30Yによるレチクル
Rの位置決め、ウエハアライメント系34によるウエハ
Wの位置検出動作、レチクルブラインRBの設定、光電
素子22と基準マーク板FMを使った一連の相対位置関
係のチェック動作、ビームスプリッターBS1で反射さ
れたパルス光の一部を受光する光電素子18を用いた露
光量制御動作、或いは振動ミラーM2の振動によるスペ
ックル(エキシマビームの可干渉性によって生じる干渉
縞等)低減動作等を実行する。
【0026】尚、XYステージ32X、32Yの位置は
レーザ干渉式測長器(干渉計)によって座標値として逐
次計測されており、この座標値は主制御装置40にも入
力され、各種位置計測に使われる。以上のステッパー側
の構成は、本発明ではあくまでも一例に過ぎず、それに
限られるものではない。ここで、図2を参照して、ビー
ム品質の1つの要因である波長安定化の方式を説明す
る。図2はエキシマレーザ光源10内の構造を示したも
ので、レーザチャンバー100を挟んでフロントミラー
102とリアミラー106とが共振条件を満たすように
配置され、波長狭帯化及び安定化のためのエタロン10
4がリアミラー106とレーザチャンバー100との間
に傾斜可能に設けられる。レーザチャンバー100内の
電極には、制御系12から高電圧がパルス状に印加さ
れ、それによって1パルスのレーザ発振が起こる。フロ
ントミラー102から射出したレーザビームはビームス
プリッター110で一部分が反射され、ビームスプリッ
ター112でさらに反射されて波長変化モニター用の分
光器114に入射する。分光器114はモニター用エタ
ロン、回折格子等から成り、参照用の光MB(Hgラン
プ等の特定の輝線)を用いて、射出されたエキシマレー
ザ光LBの絶対波長の変化を計測する。計測された変動
量は制御系12へ送られると共に、エタロン104の傾
斜駆動用のモータ108のコントロール回路116へ送
出される。
【0027】コントロール回路116は計測された絶対
波長の変動量がほぼ零になるように、エタロン104を
傾斜させるべくモータ108を駆動する。また、コント
ロール回路116は制御系12へ駆動状態を表す信号を
出力すると共に、制御系12からのオフセット信号等の
指令も入力する。尚、光電ディテクター118は発振さ
れたエキシマレーザLBの1パルス毎の光量(又はピー
クレベル)を計測するものであり、制御系12はディテ
クター118からの信号に基づいて、レーザチャンバー
100内の電極に加える高電圧を調整しながら、ほぼ一
定のばらつき幅の中に光量が入るように制御している。
この光量調整もビーム品質を一定にするための作業の1
つである。
【0028】以上の構成において、波長安定化のために
はレーザチャンバー100のパルス発振が必要であり、
例えば露光処理、計測処理等のためにステッパー側で数
Hz〜500Hz程度のパルス発振を必要としている時
は、その発振によって波長安定化のフィードバックルー
プが働き、ほぼ理想的な安定度が得られる。ところが、
レーザチャンバー100の発振が中断されてしまうと、
それ以降は波長安定化ループが働かず、ある一定時間を
おいて次に発振される1パルス目の波長は大きくずれて
いることがある。そこで、図1に示したシャッターSH
を閉じて、レーザ光源10を1〜2Hz程度で自己発振
させて波長安定化ループを常に働かせ、波長ロック及び
高電圧調整による光量安定化等を行うのである。
【0029】さて本実施例では、ステッパー側の主制御
装置40とレーザ光源側の制御系12との間に、新たに
4本のインターフェイス信号を設け、協調制御ができる
ようにした。もちろん、その他のインターフェイス信号
も当然に設けられているが、本発明に関するものに限っ
て図示してある。4本のインターフェイス信号の名称と
機能は次の通りである。
【0030】信号EXT.TRG.(EXTERNAL
TRIGGER) ステッパー本体からエキシマレーザ光源へのレーザ光放
出のトリガ信号であり、レーザ光源側は本信号のエッジ
検出に応答してレーザチャンバー内の電極間に放電を起
こしてレーザ光を放出する。トリガ信号1つが、1パル
スのレーザ光放出に対応する。
【0031】信号STEP.ST(STEPPER S
TATUS) ステッパー本体からエキシマレーザ光源へ、その動作モ
ードを指令するレベル信号であり、Loの時、エキシマ
レーザ光源10はステッパー本体からのEXT.TR
G.信号に同期してレーザ光を1パルスずつ放出する。
本信号がHiの時は、レーザ光源10はシャッターSH
を閉じ、通常時は適当な低い周波数(例えば1〜2H
z)で自己発振し、絶対波長等のロック、光量安定化の
ための放電電圧セット等の動作を行う。
【0032】信号SHUT.ST.(SHUTTER
STATUS) エキシマレーザ光源10からステッパー本体へのエキシ
マレーザ内のシャッター位置を示すレベル信号であり、
本実施例では開でHi、閉でLoレベルとなる。レベル
を変化させるタイミングは、シャッターSHを閉じる際
は完全にシャッターSHが閉じてからHi→Loに変化
し、開く時は完全に開いてからLo→Hiに変化させ
る。
【0033】信号BEAM RDY(BEAM READ
Y) エキシマレーザ光源10側からステッパー本体へ出力さ
れるビーム品質の良否を表す2値信号(本発明のビーム
品質異常信号)であり、発振されるレーザ光の絶対波
長、パルスエネルギー、スペクトル幅等の各品質要素が
全て許容値(ステッパーの露光又は計測に適合した規
格)内の時はLoレベル(OK)になり、品質要素のい
ずれかが許容値から外れた時はHiレベル(NG)にな
る。
【0034】以上、本件発明に関連した4つのインター
フェイス信号に基づいて、本実施例ではレーザ光源側と
ステッパー本体側との協調制御が行われる。さて、図3
はレーザ光源10側の制御系12の構成を示すブロック
図であり、図2中の部材と同じものには同一の符号を付
してある。図2に示したレーザチャンバー100内には
放電用の主電極100A、100Bが設けられ、高圧放
電回路120によって数十KV程度までの高圧パルスが
印加される。放電電圧調整回路121は、図2中のパワ
ーディテクター118で計測されたパルスエネルギーが
目標値に対して一定の範囲内にあるか否かを判定して、
パルスエネルギーがその範囲よりも低い場合は主電極1
00A、100Bへの印加電圧を上昇させ、高い場合は
印加電圧を降下させる。また、この調整回路121は計
測されたパルスエネルギーが一定の範囲内にある時は、
異常検知回路123に正常(OK)であることを表す信
号SS1 を出力する。異常検知回路123は、さらに分
光器114から出力された信号SS2 を入力する。この
信号SS2 発振されたレーザ光LBの絶対波長が目標値
に正確にロックされているか否かを表すものである。さ
らに異常検知回路123は、レーザ光のスペクトル幅が
設定値に対してずれているか否かを表す信号SS3 も入
力する。この信号SS3は分光器114で作り出すこと
ができる。
【0035】分光器114としてモニター用エタロンを
用いる場合は、このモニター用エタロンにレーザ光を発
散角をもたせて入射させ、その干渉縞(輪帯状)の直径
の変化を計測することで波長変化がモニターでき、その
干渉縞(明線)1本の太さ変化を計測することでスペク
トル幅変化がモニターできる。
【0036】以上、3つの信号SS1 、SS2 、SS3
はレーザ光のビーム品質を決めるための要素であり、異
常検知回路123は、これら3つの信号SS1 、SS2
、SS3 のうち1つでも異常を表す時は信号BEAM
RDYをHiレベル(NG)にセットする。一方、高圧
放電回路120に印加されるトリガ信号SGは、切替え
スイッチの作用で、ステッパー本体側から信号EXT.
TRGとして与えられる場合と、発振回路122から与
えられる場合とに択一的に切り替えられる。このスイッ
チ切替えは、ステッパー本体側からの信号STEP.S
T.に応答して行われる。
【0037】発振回路122はレーザ光源10の自己発
振のために設けられたものであるが、本実施例ではその
発振周波数をある範囲内で択一的、又は連続に変えられ
るようにしてある。この範囲の上限は、レーザ光源10
が安定に発振し得る最高値で決定され、レーザ光源によ
っても異なるが、200〜500Hz程度である。この
最高発振周波数は、ステッパー側がウエハW上の1ショ
ットを複数パルス(数十パルス以上)で露光する時に、
スループットを最大にするために要求される値でもあ
る。また発振回路122の下限の周波数は、レーザ光源
10からのレーザ光がステッパー側で全く利用されない
期間、即ち待機モード中におけるダミー発振をどれ位の
パルス間隔(秒)で行うかによって決まる。ダミー発振
のパルス間隔は、図2に示した波長安定化ループが安定
した精度でトラッキング(追従ロック)を行える範囲内
で、最も長くなるように定められている。即ちダミー発
振時は周波数を極力低くしてレーザチャンバー内のガス
や光学部品、又は電気部品(高圧用スイッチ等)の寿命
を延ばすように定められ、その周波数は通常1〜2Hz
程度である。
【0038】そこで本実施例では、発振回路122の最
高発振周波数を200Hz、最低発振周波数を1Hzと
し、その間で任意に発振周波数を可変できるようにして
ある。
【0039】さらに本実施例では、異常検知回路123
からの信号BEAM RDYに応答して、信号BEAM
RDYがLoレベル(OK)の時は、発振回路122が
最低発振周波数、若しくはそれ以上の数倍までの周波数
(1〜5Hz)でトリガ信号SGを出力するようにし、
信号BEAM RDYがHiレベル(NG)の時は最高
発振周波数、若しくはそれ以下の数分の一までの周波数
(200〜40Hz)のうちの1つでトリガ信号を出力
するように、発振回路122内に制御部を設けておく。
波長ロックミス等の異常が生じた時の復帰は高速である
ことが望ましいので、信号BEAM RDYがNGの時
は通常最高発振周波数でトリガ信号SGを出力するのが
良い。
【0040】尚、レーザチャンバー100内のガスの寿
命が迫っている時等は、前回のガス交換時からの発振総
パルス数のカウント値に応じて最高周波数よりも落とし
た周波数でトリガ信号SGを出力するようにして、各パ
ルス光毎の品質(特にパルスエネルギー)を保つように
しても良い。また図3において、信号STEP.ST.
は図1中のシャッターSHの開閉に使われ、シャッター
SHの位置検出系が信号SHUT.ST.を制御系12
を介してステッパー側へ出力するものとする。
【0041】次に本実施例の制御動作について説明する
が、その前に本実施例のステッパーにおける露光動作と
アライメント動作の夫々について簡単に説明する。ウエ
ハW上の1つのショット領域は、スペックル低減と露光
量制御精度との関係で、数十パルス以上で露光される。
スペックル低減は、フライ・アイレンズFLを使うこと
によって生じる像面上の干渉縞を、揺動ミラーM3 を微
小角度ずつ偏向しつつレーザパルスを発振させること
で、干渉縞をピッチ方向に微動させ、1ショットの露光
完了後にウエハW上の干渉縞のコントラストを実用上影
響がない程度(コントラスト値として±1%程度)まで
抑える方式で行われる。この場合、像面(ウエハ面)上
で干渉縞のコントラストを低減させるのに必要な揺動ミ
ラーM3 の揺れ角(半周期)αと、その揺れ角αとの間
で必要なレーザパルス光の数Npとは、実験等によって
一義的に決まっている。
【0042】一方、1ショットの適正露光量Evもレジ
ストの種類、厚さ等によって自ずと決まっているため、
スペックル低減に必要なパルス数K・Np(Kは揺動ミ
ラーM3 の振れ角αの半周期毎に1ずつ増える整数)と
の兼ね合いで、1パルス毎の平均パルスエネルギーEp
を減光フィルター等で設定して露光する必要がある。露
光の際は、光電素子18で検出した各パルス光の実エネ
ルギーを積算して適正露光量に達したか品かをモニター
する。或いは、フライ・アイレンズFLの手前に高速可
変減光フィルターを設け、パルス数K・Np、振れ角α
の条件を満たした状態で、パルス発光毎に光電素子18
によって検出されたエネルギーを逐次積算し、その実績
算値をその時点での目標積算値(計算値)と比較し、実
積算値と目標積算値との差分に応じて次のパルス発光の
エネルギーを高速可変減光フィルター、若しくはレーザ
光源10の放電電圧調整回路121で微調していく方法
でも良い。以上露光動作中のレーザ発振は、ステッパー
側からの信号EXT.TRG.によって行われるが、信
号EXT.TRG.の周波数はスループット向上のため
に極力最高発振周波数(200Hz)に近づくように設
定される。
【0043】また、エキシマレーザ光を使うアライメン
ト動作としては、基準マーク板FMの透過スリットをX
Yステージによって投影像面内で一次元にスリット長手
方向と交差する方向に走らせ、そのスリット像をレチク
ルR上の透過スリットマークに結像させ、このスリット
マークを透過したエキシマレーザ光をミラーM5 、コン
デンサーレンズ28、ミラーM4 、レンズ系26、2
4、ビームスプリッターBS2 を介して光電素子22で
受け、レチクルRのスリットマークの投影位置をXYス
テージの移動座標系上で認識する。この際、エキシマレ
ーザ光源10は、ステッパー側のレーザ干渉計からの計
測パルスに応答してパルス発振するように、信号EX
T.TRG.を出力する。レーザ干渉計は、XYステー
ジ32X、32Yが例えば0.01μm移動するたび
に、計測パルス(アップダウンパルス)を出力するの
で、主制御装置40はこの計測パルスを適当に分周して
信号EXT.TRG.を作る。そして、光電素子22か
らの光電信号レベルは、パルス光の発振後にA/D変換
器によってデジタルサンプリングされ、各パルス発光毎
にメモリ内にアドレス順に記憶される。
【0044】このアドレスがXYステージの座標位置と
一義的に対応している。但し、エキシマレーザ光のエネ
ルギーは、1パルス毎に±数%〜数十%程度のばらつき
があるため、例えばエキシマレーザ光源10内のパワー
ディテクター118からの光電信号を各パルス発光毎に
取り込み、光電素子22の光電信号のレベルを割算器等
で規格化することが必要である。尚、規格化のための参
照用ディテクターはステッパー本体内に設けても良く、
具体的には図1中のステージ上のミラーM6の近傍に設
けたビームスプリッターで分岐されたパルス光を受光す
るようにしても良い。この基準マーク板FMを発光させ
る際は、レーザ干渉計からのアップダウンパルスに応答
してトリガ信号SGが作られるので、ステージ32X、
32Yの移動速度はトリガ信号SGが最高発振周波数
(200Hz)以上にならないように制御される。
【0045】以上の動作によって、レチクルRのスリッ
トマーク(若しくはレチクル中心点)の投影位置がXY
ステージの移動座標系の値として規定される。さらに、
基準マーク板FM上のスリット等をウエハアライメント
系34の検出中心でとられた時のXYステージの位置を
レーザ干渉計で読み取ることによって、レチクルRの投
影像中心とウエハアライメント系34の検出中心との移
動座標系における相対位置関係が規定される。
【0046】以上の動作以外に、テストレチクルを用い
た投影レンズPLの各種光学特性のチェック、投影レン
ズPLの最良結像面位置のチェック等においても、基準
マーク板FMを用いるシーケンスがあり、この場合もス
テッパー本体側からの信号EXT.TRG.に応答して
レーザ光源10がトリガされる。このようにレーザ光源
10からのレーザ光を用いる各種シーケンスでも、その
うちレーザ光のパルスを連続してトリガする動作は間欠
的であり、その間欠時間が最低発振周波数に対応した周
期よりも長くなる時は、その長さによってはレーザ光源
10のダミー発振が必要になることもある。
【0047】次に、図4、図5を参照して本実施例の動
作を説明する。図4は、ビーム品質がNGとならない通
常の場合(信号BEAM RDYがLoレベル)の動作
例を示すタイムチャート図である。図4(A)、
(C)、(D)、(F)は夫々信号STEP.ST.、
信号SHUT.ST.、信号EXT.TRG.、信号B
EAM RDYの状態、図4(B)はエキシマレーザ光
源10のシャッターSHの位置状態、図4(E)はエキ
シマレーザ光源10の制御系12内の発振回路122に
よる自己発振パルスのトリガ状態を表す。
【0048】さて図4(A)において、信号STEP.
ST.がLoレベルの時の期間A及びCは、通常のウエ
ハ露光の実行を示し、Hiレベルの時の期間Bは、ステ
ッパー本体がエキシマレーザ光源10に対して数秒、若
しくはそれ以上の間、発光トリガを送出しない動作、例
えばウエハ交換、レチクルアライメント系30X、30
Yによるレチクルアライメント、ウエハアライメント系
34によるウエハアライメント等の動作を実行している
状態を示す。期間Aでは、1枚のウエハWに対してステ
ップ・アンド・リピート方式で各ショット毎に露光が繰
り返されるが、この時図4(D)に示した信号EXT.
TRG.のトリガパルス列は、図3中のスイッチを介し
て高圧放電回路120に印可され、そのパルス列の各集
合Sが1ショット分の露光に対応している。尚、ショッ
トとショットの間のステッピング時間は通常1秒以下で
ある。
【0049】さて、ステッパーが1枚のウエハに対する
露光(期間A)を終了すると、制御系40は信号STE
P.ST.を((1))のようにLoからHiに変える。
これを認識したエキシマレーザ光源10は、シャッター
SHを閉じ始め((2))、シャッターSHが完全に閉じ
た時点で信号SHUT.ST.をLoにする((3))と
共に、高圧放電回路120を発振回路122からのトリ
ガ信号SGに接続するように切り替えた後、数Hz以下
の低い周波数(例えば最低発振周波数)で自己発振を開
始して((4))、パルスエネルギー、絶対波長等のロッ
ク(フィードバック制御)を行う。
【0050】ステッパー本体は、この間(期間B)にエ
キシマレーザ光源を使用しない動作(例えばウエハ交
換、ウエハアライメント等)を行い、次のウエハWの露
光準備が完了した時点で信号STEP.ST.をHiか
らLoに変える((5))。これを認識したエキシマレー
ザ光源の制御系12は、自己発振用の発振回路122を
停止させて高圧放電回路120のトリガ入力信号SGを
信号EXT.TRG.側に切替えた後、シャッターSH
を開き始め((6))、シャッターSHが完全に開いた時
点で信号SHUT.ST.をLo→Hiに変える
((7))。
【0051】これを認識したステッパー本体は、次のウ
エハWに対する露光動作を開始すべく、信号EXT.T
RG.としてトリガパルス列の集合Sを各ショット毎に
出力する(期間C)。尚、パルス列の集合SとSの間
は、XYステージ32X、32Yのステッピングであ
る。以上の動作において、期間Bでは低い周波数(1〜
2Hz)でトリガ信号SGが発生し、この間、高圧放電
回路120は調整回路121の働きで所定のパルスエネ
ルギーに維持されるように動作する。同時に波長安定化
ループも動作し、レーザ光の絶対波長が一定に保たれ
る。この間、異常検知回路123はビーム品質を決める
信号SS1 、SS2 、SS3 をモニターし続けるが、図
4の場合、いずれも正常を表しているため、期間B中の
信号BEAM RDYはLoレベル(OK)のままであ
る。
【0052】図5は、エキシマレーザ光源が自己発振中
にビーム品質がNGになった時の動作を示すタンミング
チャート図であり、図5(A)〜(F)の夫々は図4
(A)〜(F)と同じものを表している。図5(A)、
(B)、(C)のように、信号STEP.ST.がHi
レベル、シャッター位置が閉、信号SHUT.ST.が
Loレベル(閉)の自己発振モードの時、発振回路12
2は低い周波数でトリガ信号SGを発生している。その
モード中、異常検知回路123が信号SS1 、SS2 、
SS3 のいずれか1つに異常を発見すると、図5(F)
のように信号BEAM RDYはOK(Loレベル)か
らNG(Hiレベル)に反転する((1))。信号BEA
M RDYがNGになると、発振回路122は予め設定
された高い周波数(ビーム品質を最短時間で復帰させる
のに適した値)、例えば最高発振周波数200Hzでト
リガ信号SGを発生するように切り替えられ((2))、
ビーム品質の高速復帰が行われる。
【0053】本実施例で例示したエキシマレーザ光源1
0の場合、ビーム品質が異常になる主たる要因が、波長
安定化のサーボロック外れにあることが実験的に判って
いる場合、図2中のエタロン104の傾斜を微小量だけ
変えつつエキシマレーザ光を発振させ、分光器114で
逐次その絶対波長をモニターして、エタロン104の傾
きを目標位置に追い込む動作が行われる。この時、サー
ボロックが外れる程エキシマビームの波長が大きくずれ
ている時は、サーボロックがかかるまで多数パルスを必
要するため、図5(E)の((2))のように自己発振周
波数を高くすることによって高速にロック状態に追い込
むことができる。
【0054】こうして、ビーム品質(絶対波長)が正常
に戻ると、制御系12の異常検知回路123は信号BE
AM RDYをLoレベル(OK)に反転する((3))。
これによって発振回路122は元の低い周波数でトリガ
信号SGを発生し、正常時のダミー発振が再開される。
以上、図5中の((1)〜(3))までの間は、ステッパー本
体側がエキシマレーザ光源10をアクセスしない動作を
実行しているため、ビーム品質の異常検出及び正常復帰
動作はステッパーの動作シーケンスとは全く無関係に実
行される。
【0055】次に、図5(F)に示すように再びビーム
品質異常が発生して信号BEAMRDYがNGになる
((4))と、上述と同様に高速復帰のための高い周波数
のトリガ信号SGでレーザ光源10がダミー発振する
((5))。このダミー発振の途中、即ち信号BEAM R
DYがNG(Hiレベル)の時に、ステッパー側がレー
ザ光源10をアクセスするタイミング((6))になった
ものとする。
【0056】この場合、ステッパー側の制御系40は信
号STEP.ST.をLoレベルに変える前に信号BE
AM RDYをモニターし、信号BEAM RDYがNG
(Hiレベル)の時は信号STEP.ST.のLoレベ
ルの反転を中止して、信号BEAM RDYをモニター
し続ける。一方、レーザ光源側は信号BEAM RDY
がNGであることから、ビーム品質の高速復帰を実行し
続け、ビーム品質が元に戻ると信号BEAM RDYを
Loレベル(OK)にする((7))。これに応答して発
振回路122は元の低い周波数(1〜2Hz)に切り替
えられる。
【0057】ところが、信号BEAM RDYをモニタ
ーし続けていたステッパーの制御系40は、信号BEA
M RDYがLoレベル(OK)に変わり次第、信号S
TEP.ST.をLoレベル(EXPOSURE)に変
える((8))ため、高圧放電回路120へのトリガ信号
SGはステッパー本体側からの信号EXT.TRG.に
切り替わる。そしてレーザ光源側では、信号STEP.
ST.のLoレベルへの変化に応答してシャッターSH
を開き始め((9))、完全に開いた時点で信号SHU
T.ST.をLoレベルからHiレベル(開)に変化さ
せ((10))、これを検知したステッパーの制御系40は
ウエハに対する露光動作を開始すべく、信号EXT.T
RG.として各ショット毎にトリガパルス列の集合Sを
出力する((11))。
【0058】以上、図5の動作では次のウエハ露光に入
る前のスタンバイモードでの高速復帰について述べた
が、ウエハ交換中、又はレチクル交換時等にレーザ光源
10をアクセスする必要がある場合の動作についても全
く同じであり、レーザ光源10をアクセスする時はステ
ッパーの制御系40が信号BEAM RDYをモニター
してから信号STEP.ST.のLoレベルに切替えを
行うようにすれば良い。
【0059】次に本発明の第2の実施例を図6を参照し
て説明するが、第1の実施例と異なる点は信号BEAM
RDYの認識を自己発振(ダミー発振)モード以外、
即ち信号EXT.TRG.による発振モード時にも行う
ようにした点であり、基本的な装置構成は図1、図2、
図3と同じである。図6は、ステッパーがウエハ上のシ
ョット領域S1 、S2 ・・・を次々に露光している途中
で、ビーム品質異常が生じた場合の各信号の状態を表
し、図6(A)〜(F)の夫々は図4又は図5の(A)
〜(F)と同じものである。
【0060】ショット領域S1 、S2 までは信号STE
P.ST.がLoレベル、信号BEAM RDYがLo
レベル(OK)であるため、信号EXT.TRG.によ
る発振モードで正常に露光が進む。ところがショット領
域S3 の露光中に、何らかの原因でビーム品質以上が発
生すると、異常検知回路123は信号BEAM RDY
を直ちにNGに変える((1))。ステッパーの制御系4
0は信号EXT.TRG.として1パルスを出力する直
前に信号BEAM RDYをモニターし、信号BEAM
RDYがNG(Hiレベル)の時は直ちに信号EXT.
TRG.の高圧放電回路120への送出を中断する。同
時に、制御系40はその時のショット領域S3の座標位
置(ステージ干渉計の計測値)、ショット領域S3 に与
えられたそれまでの露光量、干渉縞(スペックル)低減
のための振動ミラーM3 の最終パルス発光時の角度等を
記憶して、ビーム品質異常が正常に戻った時のショット
領域S3に対する露光再開に備える。そして制御系40
は信号STEP.ST.をHiレベル(NOT EX
P.)に変える((2))。
【0061】レーザ光源側はこれを受けてシャッターS
Hを閉じ始め((3))、シャッターSHが完全に閉じた
時点で信号SHUT.ST.をLoレベル(閉)に変え
る((4))。
【0062】一方発振回路122は、図7に示したよう
に信号BEAM RDY以外に信号SHUT.ST.と
信号STEP.ST.とをコントロール信号として入力
する構成にしておき、信号SHUT.ST.をインバー
タGT1 で反転させた信号と、信号STEP.ST.と
の論理積(AND)をアンドゲートGT2 で求め、その
アンド信号がHiレベルの時だけ自己発振するように制
御する。或いはアンドゲートGT2の出力レベルでスイ
ッチSwの切替えを行うようにし、アンド信号がHiレ
ベルの時スイッチSwを発振回路122側に切り替える
ようにしても良い。
【0063】この構成によって、発振回路122からの
トリガ信号SGは信号SHUT.ST.が閉になった時
点((4))から高圧放電回路120に印可され、ビーム
品質復帰動作に入る((5))。この際、発振回路122
の発振周波数は、信号BEAM RDYが既にNG(H
iレベル)になっているため、始めから高い周波数(例
えば最高発振周波数200Hz)に切り替えられてい
る。
【0064】品質復帰動作中、ステッパー側は信号BE
AM RDYをモニターし、復帰動作が完了して信号B
EAM RDYがOK(Loレベル)に変化する((6))
と、直ちに信号STEP.ST.をLoレベル(EXP
OSURE)に戻す((7))。これに対応してレーザ光
源側では発振回路122の発振を停止し、スイッチSw
を信号EXT.TRG.側に切り替えると共に、シャッ
ターSHを開き始める((8))。シャッターSHが完全
に開くと、制御系12は信号SHUT.ST.をHiレ
ベル(開)に変える((9))。ステッパー側では信号S
HUT.ST.がHiレベルに変化した直後から、信号
EXT.TRG.のパルス列を出力し始め、ショット領
域S3 に対する露光の続きから露光動作を再開する((1
0))。
【0065】以上、第2の実施例によれば、ステッパー
側がレーザ光源10をアクセスする動作を実行中であっ
ても、ビーム品質の異常に対応できるため、露光中のウ
エハを不良にすることがなくなり、歩留りを向上でき
る。以上、本発明の第1、第2の実施例の動作を組み合
わせれば、レーザ光源側のビーム品質異常によるダウン
の確率が極めて小さくなり、露光装置全体としての可動
率を高くすることができる。また各実施例で示したステ
ッパーには、投影レンズPLを介してウエハマークを検
出するTTL方式(或いはTTR方式)のアライメント
系が設けられていないが、これは従来のステッパーと同
様の方式で適宜設けることができる。
【0066】次に、本発明の第3の実施例による動作例
を図8、図9を参照して説明する。図8は、ウエハW上
でX方向に並んだ一列分のショット領域S2 、S3 、S
4 、S5 ・・・の配置を示し、各ショット領域にはアラ
イメントマークMXn、MYnが付随して形成されてい
るものとする。図9は、図6のタイミングチャートと同
じ信号の変化状態を表したものであり、同図中タイミン
グ((5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10))は図6の場合と
同じ意味を表す。
【0067】さて、第2の実施例(図6)で説明したよ
うに、ウエハへの露光動作がビーム品質異常のためにシ
ョット領域S3 の途中で中断されてしまうと、図9
(E)のように発振回路122は高い周波数で自己発振
する((5))。ところがこの間、ステッパー側がその状
態(XYステージ32X、32Yのショット領域S3 の
露光位置での停止等)で待機していると、信号BEAM
RDYがNGからOKに戻る((6))までの時間は、そ
のまま1枚のウエハ処理時間に加算されてしまい、スル
ープット低下を招く。
【0068】そこで本実施例では、制御系40(又は制
御系12)に、ビーム品質異常がどの程度重要であるか
を判定する回路、或いはソフトウエア(プログラム)を
持たせる。この判定手段は信号BEAM RDYがNG
(Hiレベル)になった時点からの時間を計時し、その
値が予め設定した時間値(例えば1ショット分の露光時
間、或いはステッピング時間)を越える(タイムオーバ
ー)か否かをモニターするものである。この判定手段に
よってビーム品質の高速復帰動作中(信号BEAM R
DYがNG中)にタイムオーバーが検知される((12))
と、ステッパー側はXYステージ32X、32Yを移動
させて、次のショット領域S4 のアライメント動作、具
体的にはマークMX4 、MY4 をTTL方式、又はオフ
・アクシス方式のアライメント系で検出して、ショット
領域S4 の露光位置を精密に決定する動作に移行する。
図9(A)の期間Taは隣接したショット領域S4 に対
するアライメント動作(露光位置の決定までの動作)の
時間を表す。
【0069】一方、発振回路122の高い周波数での自
己発振は、期間Taが始まって暫くした時点((5))
で、信号BEAM RDYのNGからOKへの復帰
((6))に応答して中止されるが、この時ステッパー側
はアライメント動作を行っており、信号STEP.S
T.はHiレベル(NOT EXP.)のままである。
従って発振回路122は、信号BEAM RDYがOK
になった時点((6))から低い周波数(1〜2Hz)に
切り替えられて自己発振を続けていく。
【0070】こうして期間Taが終了する((13))と、
ステッパー側は信号BEAM RDYの状態をチェック
し、OK(Loレベル)であることを確認すると、XY
ステージ32X、32Yを前のショット領域S3 の露光
位置に戻す。この位置は、露光が中断された時点で干渉
計によって予め記憶されているため、極めて高精度に再
現することができる。図9(A)の期間TbはXYステ
ージ32X、32Yを戻す時間であり、XYステージが
ショット領域S3 の露光位置に静止すると、再度信号B
EAM RDYのLoレベルを確認して信号STEP.
ST.をLoレベル(EXPOSURE)に変える
((7))。その後は図6の場合と同様に動作し、ショッ
ト領域S3 の露光の続きを行う。次にショット領域S4
へステッピングする時は、レーザ干渉計の計測値をモニ
ターしつつ、期間Ta中に決定しておいた露光位置にX
Yステージを位置決めすれば良い。
【0071】以上本実施例は、ウエハ上の各ショット領
域の露光直前に、そのショット領域のマークを検出して
アライメントするダイ・バイ・ダイ方式(イーチ・ショ
ット・アライメント)において特に有効である。また、
信号BEAM RDYがNGになっている間にアライメ
ント動作を開始するショット領域は、必ずしも隣接した
ものに限られず、離れていても良い。さらにその間にア
ライメントすべきショット領域は複数であっても良い。
【0072】ところで、ウエハ上のいくつかのショット
領域について予めサンプルアライメントを行い、統計的
な手法を用いてウエハ上の全てのショット領域の露光位
置を演算で求めてから、XYステージのステッピングだ
けで露光するエンハンスメント・グローバル・アライメ
ント(EGA)法が、例えば特開昭61−44429号
公報又は特開昭62−84516号公報で知られてい
る。
【0073】EGA法と本実施例の動作を組み合わせる
場合、図9(A)中の期間Taでアライメント動作を行
うショット領域を、露光中断中のショット領域S3 にし
て、EGA法で算出された露光位置(XYステージ32
X、32Yの停止位置)と、ショット領域S3 に付随し
たマークMX3 、MY3 の位置の実測値とを比較して、
大きな誤差がないか否かを確認することができる。さら
に期間Ta中のアライメントショットを、EGA法でサ
ンプルアライメントされなかったショット領域(1つ若
しくは複数)にして、精度の確認をすることもできる。
【0074】以上本実施例では、制御系12、又は40
にタイマーを設けて信号BEAMRDYがNGになって
からの時間をカウントするようにしたが、このタイマー
は信号BEAM RDYがOKになった時点でクリアさ
れるように構成される。そこでそのカウント値が極めて
大きくなった時(例えば60秒以上の時)に、初めてエ
マージェンシィ信号を出力してレーザ光源(若しくはス
テッパー)をダウンさせても良い。
【0075】さらに本実施例では、ビーム品質の異常の
程度を信号BEAM RDYのNGの経過時間で捉えて
いたが、他の方法によっても良い。例えば、信号BEA
MRDYがNGになった時、レーザ光源側の分光器11
4から絶対波長の変動量に関する情報を制御系40に読
み込むように構成する。そして制御系40内にはその変
動量が過大であってビーム品質を高速復帰させたとして
も長時間かかるのか、又はその変動量が少なくて高速復
帰が短時間(例えば1ショット分の露光時間、或いはス
テッピング時間)に済むのかを判定する手段(ハードウ
エア、又はソフトウエア)を組み込んでおく。そして、
この判定手段が品質復帰に長時間かかると判断した時
は、信号BEAM RDYがNGになった後で、信号S
HUT.ST.がLoレベル(閉)になってから直ちに
アライメント動作等のエキシマレーザ光を用いない動作
を開始するようにシーケンスを組んでおく。このように
すると、さらにウエハ処理時間を短縮することができ
る。またレーザ光源側からステッパー側へ、ビーム品質
異常の重度の程度を表すインターフェイス信号を送出す
るようにしても良い。
【0076】以上本実施例では、1つのショット領域の
露光中にビーム品質異常が起きたものとしたが、ステッ
プ・アンド・リピート方式のステッピング中にビーム品
質異常が起きた場合も全く同じ動作を実行させることが
できる。次に第4の実施例について図10を参照して説
明するが、これは第3の実施例で説明した判定手段の考
え方を発展させたものである。図10で判定部130
は、絶対波長の変動量に関する情報A1 、スペクトル幅
の変化量に関する情報A2、及びパルスエネルギーに関
する情報A3 を入力し、これらの情報A1 、A2 、A3
の夫々から図3中に示した信号SS1 、SS2 、SS3
に相当する信号を作り出し、その信号のうちいずれか1
つでも規格外の時は信号BEAM RDYをHiレベル
に変化させる異常検知回路123を含んでいる。
【0077】さらに判定部130は、情報A1 、A2 、
A3 の種類やその程度に応じた判定結果情報FDAを発
振回路122とステッパー側とに出力する。発振回路1
22は情報FDAに応じて最低周波数と最高周波数との
間で発振周波数を段階的、又は連続的に変化させること
ができる。例えば情報A1 に基づく判定結果で信号BE
AM RDYがNGになったものとすると、この時判定
部130は、波長変動量の程度から波長安定化のサーボ
ロックの外れ具合を、例えば3段階で評価し、最も外れ
具合が大きい場合は、発振回路122が最高発振周波数
(200Hz)で自己発振するような情報FDAを出力
する。同様に波長ロックの外れ具合が中間程度の場合
は、自己発振の周波数が最高発振周波数よりも低い値
(例えば100Hz程度)になるように発振回路122
を制御する。そして波長ロックの外れ具合が軽い場合
は、さらに低い周波数(例えば50Hz程度)になるよ
うに発振回路122を制御する。
【0078】また情報A3 (パルスエネルギー量)に基
づく判定としては、設定値と計測値との差を求め、その
差が規格で定められている幅からどれ位外れているかを
評価し、その評価結果に応じて発振回路122の自己発
振周波数を変えるようにする。情報A1 とA3 の両方で
ビーム品質がNGになった場合は、それらの評価結果か
ら最も高い周波数になるものを選び、それを発振回路1
22にセットすれば良い。
【0079】尚、スペクトル幅に関する情報A2につい
ては、狭帯化されたレーザ光のスペクトル幅が0.00
3〜0.005nm程度と極めて狭いため、この程度
(例えば0.003nm)の分解能でスペクトル幅変化
をモニターできるセンサー系から得る必要がある。スペ
クトル幅を変化させる1つの要因は、狭帯化用の光学素
子(エタロン、グレーティング等)の劣化にある。エタ
ロンを用いた狭帯化の場合、エタロンのギャップ不良に
よってスペクトル幅が変化する。
【0080】そこで図11のように、エタロンを構成す
る2枚の平行な石英板(透過性反射膜付き)104A、
104Bの夫々を保持する金物140A、140Bの間
に、引張りバネ141、ピエゾ素子142等から成るギ
ャップ調整機構を周囲複数ヶ所に設け、ピエゾ素子14
2を適当にドライブすることで、2枚の石英板104
A、104Bのギャップ量や平行度を微調するようにす
る。そしてレーザ光源をダミー発振させては、分光器1
14内に設けられた高分解能のスペクトル幅センサー等
によってスペクトル幅の変化をモニターしつつ、ピエゾ
素子142を微小量だけ駆動させ、スペクトル幅が最も
狭くなるように追い込む。この場合、スペクトル幅を元
に戻すには、多数のパルス発光が必要となり、従って発
振回路122からのトリガ信号SGの周波数はできるだ
け高い方が良い。
【0081】このため、判定部130は情報A2 (スペ
クトル幅の変化量)に応じて発振回路122の発振周波
数を変化させても良いが、実用的には規格値以上のスペ
クトル幅変化が検知されたら、直ちに最高発振周波数に
セットしてピエゾ素子142の駆動を早めるようにした
方が良い。以上本実施例においては、ビーム品質異常を
起こした要因、又は異常の程度に応じてレーザ光源のダ
ミー発振周波数を最低発振周波数(例えば1Hz)から
最高発振周波数(例えば200Hz)までの間で変化さ
せるようにしたので、より短い時間でビーム品質を復帰
させることができるといった利点がある。
【0082】以上、本発明の各実施例を説明したが、各
実施例で共通した信号BEAM RDYを使うことによ
って、ダミー発振中のトリガ信号の周波数は上限(例え
ば200Hz)を越さない限り比較的自由に設定するこ
とができる。極端な場合、トリガ信号は周波数として定
義できない1パルスであっても良い。例えば信号BEA
M RDYがNGかどうかをチェックするために、発振
回路122から1パルスのトリガ信号を高圧放電回路1
20に送ってダミー発光させ、このダミー発光によって
分光器114でビーム品質の異常(規格からのずれ)が
どの程度なのかを知り、その結果に基づいてオープン制
御でエタロン104の傾斜角を変化させる等の復帰動作
にしても良い。この場合、オープン制御で復帰動作を行
うため、原理的には1パルスのダミー発光で良い訳であ
るが、実用的にはオープン制御完了後にさらに1パルス
のダミー発光を行って、ビーム品質が元に戻ったこと
(信号BEAM RDYがOK)を確認するのが良い。
この時1パルス目と2パルス目の間隔は、ビーム品質を
復帰させるオープン制御系の応答時間よりは長くする必
要がある。
【0083】従って1パルス目と2パルス目の間隔(時
間)は、予め決められた周波数の逆数(周期)として定
義されるものではない。
【0084】またビーム品質を規格内に安定化しておく
ための最低発振周波数についても、そのパルス(トリ
ガ)間隔は一定の場合のみに限定されるものではない。
例えばオープン制御によって1パルスのダミー発光でビ
ーム品質を復帰できる場合、確認のための2パルス目の
ダミー発光によってビーム品質がOKとなったことを検
知したら、次のダミー発光までの時間を数秒以上にする
こともできる。
【0085】その他、ダミー発振用の発振回路を2つ設
け、一方の発振回路はビーム品質を維持する波長サーボ
ロック等が外れるか否かの極めて低い周波数(例えば
0.5Hz)の第1トリガ信号(間隔2秒のパルス)を
発振するようにし、他方の発振回路は第1トリガ信号の
1パルスによるダミー発光によって信号BEAM RD
YがNGになった時に、1パルス、又は連続した複数パ
ルスから成る第2トリガ信号を第1トリガ信号の次のパ
ルスまでの間に出力するように構成する。そして第1ト
リガ信号と第2トリガ信号との論理和(OR)をとって
高圧放電回路120のトリガ信号としても良い。
【0086】尚、以上の各実施例では、レーザ光源がス
テッパー側からアクセスされない待機中のダミー発振は
全てレーザ光源側の発振回路122で行うとしたが、こ
の発振回路122と同等の機能をステッパー側に設け、
信号EXT.TRG.によってレーザ光源をダミー発振
させても良い。さらにレーザ光源側に設けられたシャッ
ターSHはステッパー本体内に設けても良く、極端な場
合、投影レンズPLとウエハWの間に出し入れ可能に配
置しても良い。またステッパーが露光動作中に信号BE
AM RDYがNGになった時、シャッターSHを閉じ
る代わりに、XYステージ32X、32Yを移動させて
ウエハWを投影レンズPLの投影視野外(レーザ光の光
路外)に退避させても良い。この場合、XYステージ3
2X上のウエハ以外の部分にレチクルRのパターン像が
投射されることになるので、その部分にパターン像全体
を受光する光電センサーを固定しておけば、ダミー発振
中のパルスエネルギーを投影レンズPLの結像面位置で
チェックすることができる。
【0087】
【発明の効果】以上本発明によれば、ビーム品質の異常
に対応できるため、回路パターン製造中の基板を不良に
することがなく歩留まりを向上することができる。ま
た、本発明によれば、レーザ光のビーム品質が異常とな
った場合、レーザ光源を極力ダウンさせることなく元の
規格内に品質を戻すことができる。
【0088】またレーザ光が加工装置側で使用されない
間、レーザ光源をダミー発振させる際、ダミー発振のパ
ルス数を極めて少なくすることができると同時に、ビー
ム品質に異常が生じた時には、速やかにビーム品質の復
帰が可能である。一般にこの種のパルスレーザ光源内の
ガス寿命や光学部品、電気部品の寿命はパルス数で決ま
るため、実際の加工(露光)に寄与するパルス数を相対
的に増大させることができる。
【0089】さらに、レーザ光源がビーム品質異常を検
知して復帰動作をしている間、加工装置側ではレーザ光
を用いない動作を一部先行して実行することができるた
め、全体としての稼働率、スループットの低下を極めて
小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による露光装置の全体的
な構成を示す斜視図。
【図2】レーザ光源内の波長狭帯化及び安定化のための
構成を示す斜視図。
【図3】第1の実施例によるレーザ光源側の制御系の構
成を示すブロック図。
【図4】正常動作時の各種信号の状態を示すタイミング
チャート図。
【図5】第1の実施例におけるビーム品質異常の復帰動
作時の各種信号の状態を示すタイミングチャート図。
【図6】第2の実施例によるビーム品質復帰動作時の各
種信号の状態を示すタイミングチャート図。
【図7】第2の実施例に好適な回路を示すブロック図。
【図8】ウエハ上のショット領域の配列を示す平面図。
【図9】本発明の第3の実施例によるビーム品質復帰動
作時の各種信号の状態を示すタイミングチャート図。
【図10】本発明の第4の実施例による制御系の構成を
示すブロック図。
【図11】エタロンのギャップ調整機構の構造を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
R・・・レチクル、PL・・・投影レンズ、W・・・ウ
エハ、SH・・・シャッター、10・・・レーザ光源本
体、12・・・レーザ光源制御系、30X、30Y・・
・レチクルアライメント系、32X、32Y・・・XY
ステージ、34・・・ウエハアライメント系、40・・
・ステッパー制御系、100・・・レーザチャンバー、
104・・・エタロン、114・・・分光器、118・
・・パワーディテクター、120・・・高圧放電回路、
121・・・放電電圧調整回路、122・・・発振回
路、123・・・異常検知回路、130・・・異常判定
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 H01S 3/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザビームによりマスクを照明し、該マ
    スクの回路パターンの像を基板上に露光する回路パター
    ン製造方法において、 前記レーザビームの品質の良否を判定するステップと、 前記基板上の第1ショット領域の露光中に前記レーザビ
    ームの品質が否と判定されたとき、前記第1ショット領
    域に対する露光を中断するとともに前記レーザビームの
    品質を復帰させるための動作を行うステップと、 該復帰動作中に、前記第1ショット領域の次に露光され
    る第2ショット領域の露光準備を行うステップと、 を含むことを特徴とする回路パターンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記露光準備は、前記第2ショット領域を
    露光するためのアライメント動作を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記レーザビームの品質は、前記レーザビ
    ームのエネルギー、絶対波長、スペクトル幅のうちの少
    なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1または2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記第1ショット領域に対する露光が中断
    されたときに、前記基板が載置されたステージの位置を
    記憶することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記第1ショット領域に対する露光が中断
    されたときに、該第1ショット領域に与えられたそれま
    での露光量を記憶することを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】前記第1ショット領域に対する露光が中断
    されたときに、前記レーザビームの可干渉性によって生
    じる干渉縞を低減するための光学部材の動作状態を記憶
    することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記レーザビームの品質の復帰後に、前記
    第1ショット領域の露光を再開することを特徴とする請
    求項1、4、5、6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記第1ショット領域の露光終了後に、前
    記露光準備の結果を用いて前記第2のショット領域の露
    光を開始することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】ガス交換を必要とするレーザ光源からのパ
    ルスビームによりマスクを照明し、該マスクの回路パタ
    ーンの像を基板上に露光する回路パターン製造方法にお
    いて、 前回のガス交換時からの発振パルス数をカウントし、 該カウント値に応じて前記パルスビームの発振周波数を
    調整することを特徴とする回路パターン製造方法。
  10. 【請求項10】前記カウント値に応じて所定の最高周波
    数よりも低い周波数に、前記パルスビームの発振周波数
    を調整することを特徴とする請求項9に記載の方法。
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