JP3038446B2 - 超電導コイル及びその製造方法 - Google Patents

超電導コイル及びその製造方法

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JP3038446B2
JP3038446B2 JP5413091A JP5413091A JP3038446B2 JP 3038446 B2 JP3038446 B2 JP 3038446B2 JP 5413091 A JP5413091 A JP 5413091A JP 5413091 A JP5413091 A JP 5413091A JP 3038446 B2 JP3038446 B2 JP 3038446B2
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coil
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superconducting
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magnetic field
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雄一 立谷
秀之 田中
義孝 斎藤
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超電導コイル及びそ
製造方法、更に詳しくは巻線部に貫通孔が形成されたコ
イルの中心部に、高磁界と高均一を同時に実現すること
のできる超電導コイル及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】超電導型コイルは優れた通電能力により
高い磁場を得る場合には不可欠なものとなっている。と
ころで近年、超電導コイルの応用分野が広がるにつれて
コイルに要求される特性も広がっている。例えば、図5
に示すように、ソレノイドコイル1の巻線部中央に各種
実験や測定を目的として常温の貫通孔2を設ける必要性
がある場合がある。この場合、従来の常電導型コイルで
は図6に示すように、周囲に極端な影響を与えない必要
最小限の範囲で貫通孔を迂回させるような巻線法が採用
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、超電導型コイ
ルにおいてはコイル全体を超電導移転温度以下に冷却す
る必要があり、例えばヘリウムを寒材としてコイルを浸
漬冷却する場合、上述の常温貫通孔を形成するために
は、第7図に示すような真空層3や液体窒素層4を有し
たパイプ状のいわゆる断熱層の形成が不可欠となる。こ
のため必要とする常温の空間領域5は僅かであっても、
断熱層部にはある一定の容積が必要となり、結果として
常電導コイルのような巻線法は採用できない状況となっ
ている。
【0004】一般にその代替策としては、例えば図8に
示すような空間形成部を境としてコイルを2分割する一
種のヘルムホルツコイル6の形態とするような方法があ
る。しかし、このような方法によると、貫通孔以外の磁
気的特性にもっとも大きな影響を与える領域に巻線が行
なえず、空白部となる。このため、一般的なソレノイド
コイルに比較してコイル中心部の磁気的な特性劣化は著
しく、実用面で貫通孔中心部の高均一か、高磁場が要求
される場合にその実現が困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来技
術の欠点に鑑みて提案されたもので、巻線部に常温の貫
通孔を有した超電導コイルにおいて、磁場強度および磁
場分布を悪化させることなくコイルを形成することので
きるもの及びその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】かかる目的を達成するため、本発明はコイ
ルを巻線する際に、常温の貫通孔を迂回させる方法とし
て、断熱層を有した貫通孔に沿った鞍型巻線法を採用す
るに点にあり、その結果コイル全体を超電導転移温度以
下に冷却することが可能になると同時に、ヘルムホルツ
型コイルを採用する際に問題となった貫通部以外の空白
部にも巻線を行なうことが可能となり、コイル中心部の
磁場強度および磁場均一性の向上を図る。
【0007】具体的には、図1に示すように、常温の貫
通孔の存在によって巻線が行ないえない部分のコイル断
面形状のままで、鞍型巻線法により、貫通孔5上部にコ
イルをシフトした場合の磁場分布をシュミレーションし
た場合、貫通孔方向(図2においてa方向)でのコイル
中心部の磁場強度、磁場均一性は鞍型巻線法を採用しな
い場合に、比較して極めて良好な結果が得られる。一
方、鞍型巻線法によって通常の巻線が可能となっている
方向(図2においてb方向)での磁場強度、磁場均一性
は貫通孔を有さない通常のコイルと同一性能を示すこと
が確認されている。
【0008】更に、鞍型部を形成する上で問題となる点
として巻線時荷密着巻をすることが難しい点があり、実
際の通電時にフープ応力によって線材の擾乱を生じ低磁
場でのクエンチを誘発する懸念があったが、超電導線材
に例えばセミキュア型のエポキシ樹脂を含浸したガラス
テープを被覆して巻線を行ない、その後固化させる方法
や、巻線後樹脂含浸固定などを行なうことによりその防
止が可能となる。
【0009】
【実施例】図3は本発明の効果を確認するために製作さ
れた外形φ300mm、長さ500mmからなる超電導
型ソレノイドコイルであり、各種の物理実験を目的とし
てコイル中央部に常温の貫通孔5を形成した構造となっ
ている。該常温の貫通孔5の断面はφ15mで、その周
囲をφ30mmからなる断熱層によって覆われている。
なお、該貫通部の形成によって実質的に巻線が困難とな
る領域には鞍型巻線法7を採用し、巻線上に空隙が発生
しないような構造とした。尚、鞍型巻線法7は,直径方
向に貫通する貫通穴を有する円筒状の芯部材を用意し、
この貫通穴に円筒状の棒部材を差し込み、これら円筒状
の芯部材及び円筒状の棒部材に巻線を施す通常の方法で
良い。
【0010】図4は該コイルの常温の貫通孔5とクライ
オスタットが結合され、全体が液体ヘリウム8により浸
漬冷却された状態を示している。この状態で電気抵抗を
測定した結果、超電導状態が確認され、引き続き励磁試
験を行なった。なお、その際の比較例として、該コイル
と同一形状で常温の貫通孔を有さない一般的なソレノイ
ド型超電導コイルおよびヘルムホルツ型コイルの間隙に
常温貫通孔を付与した従来の方法で製作したコイルを使
用した。
【0011】表1は一連の結果を示したもので、本発明
が常温貫通孔を有さないソレノイドコイルとほぼ同等の
特性を有し、また、ヘルムホルツ型コイルに比較して圧
倒的に高特性を示すことが確認できた。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明により製作された
超電導コイルは従来困難であったコイルの巻線部に常温
の貫通孔を有しながらも高磁場、高均一度を高い次元で
実現できるものとなり、例えば、高精度の物理学実験用
磁場発生装置として使用すること等ができ、本発明の果
たす役割りは極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鞍型巻線方法の原理及び効果を示し
た斜視図。
【図2】 本発明の鞍型巻線方法の原理及び効果を示し
た側面図。
【図3】 本発明の方法によって作製された常温の貫通
孔を有するソレノイドコイルの形状を示した説明図。
【図4】 本発明の方法によって製作された常温の貫通
孔を有するソレノイドコイルの運用方法を概念的に示し
た説明図。
【図5】 従来のソレノイドコイルの巻線部に貫通孔を
設置した状態を示した説明図。
【図6】 従来の常電導コイルでの貫通孔形成方法の一
例を示した説明図。
【図7】 常温貫通孔の構造説明図。
【図8】 ヘルムホルツコイルを使用した貫通孔形成方
法を示した説明図。
【符号の説明】
1…コイル 2…貫通孔 3…真空層 4…液体窒素層 5…常温の貫通孔 7…鞍型コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 6/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線材からなるソレノイドコイルを
    備えた超電導コイルにおいて、前記ソレノイドコイルは
    貫通孔を備え、前記ソレノイドコイルの貫通孔部分に
    は、鞍型巻線法によって前記貫通孔を迂回するように前
    記超電導線材を巻回して前記貫通孔を形成したことを特
    徴とするする超電導コイル
  2. 【請求項2】 超電導線材からなるソレノイドコイルを
    備えた超電導コイルの製造方法であって、前記ソレノイ
    ドコイルの周面を貫通する貫通孔を設けるように、前記
    ソレノイドコイルの貫通孔相当部分には、鞍型巻線法に
    よって前記貫通孔を迂回させて前記超電導線材を巻回す
    ることを特徴とするする超電導コイルの製造方法
JP5413091A 1991-01-21 1991-01-21 超電導コイル及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3038446B2 (ja)

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JPH04363002A JPH04363002A (ja) 1992-12-15
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