JP3036788B2 - 機能性多成分ガラス、光ファイバ及びファイバ増幅器 - Google Patents

機能性多成分ガラス、光ファイバ及びファイバ増幅器

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JP3036788B2 JP2161784A JP16178490A JP3036788B2 JP 3036788 B2 JP3036788 B2 JP 3036788B2 JP 2161784 A JP2161784 A JP 2161784A JP 16178490 A JP16178490 A JP 16178490A JP 3036788 B2 JP3036788 B2 JP 3036788B2
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、弗化物を主成分とする機能性多成分ガラス
に関するもので、例えば1.3μm帯光増幅に使用され
る。
〔従来の技術〕
希土類元素を添加した機能性多成分ガラスは、一般に
1.310±0.025μmの範囲で行われる1.3μm帯の光通信
に使用する光ファイバ増幅器、光ファイバセンサ等への
応用が考えられている。
例えば、このような機能性多成分ガラスとして、酸化
物系多成分ガラスをホストガラスとし、これにネオジム
イオン(Nd3+)を活性物質として添加したものが既に知
られている。具体的には、ホストガラスである燐酸塩ガ
ラスにNd3+を添加したガラスを準備し、このガラスから
形成した光ファイバの光増幅特性について評価した旨の
報告がなされている(ニューガラスフォーラム、'90年
1月発表)。この報告では、光ファイバの特性に関し
て、蛍光ピーク波長1.323μm、ESA(excited state ab
sorpution)ピーク波長1.310μm、増幅ピーク波長1.36
0μmという結果が得られたことが示されている。
更に、弗化物系多成分ガラスをホストガラスとし、Nd
3+を活性物質として1000ppm添加したファイバの光増幅
特性に関する報告(OFC'90“Post Deadline Paper")も
なされている。この報告では、波長約1.33μmに増幅ピ
ークを有するZr−Ba−La−Al−Fガラスが報告されてお
り、蛍光ピーク波長を1.32μmと評価している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前者の報告に示される酸化物系の多成分ガラ
スでは、蛍光ピークが1.323μmであっても、ESA遷移に
よる吸収ピークがちょうど1.310μmに存在するため、
増幅ピーク波長が長波長側にシフトしてしまうのみなら
ず、1.3μm帯で利得が得られない。
同様に、後者の報告に示される弗化物系の多成分ガラ
スでも、増幅ピーク波長が長波長側にシフトしてしま
い、1.3μm帯で十分な利得が得られない。
そこで、上述の事情に鑑み、本発明は、1.3μm帯で
光増幅を可能にする機能性多成分ガラスを提供すること
を目的としている。
また、本発明は、上記機能性多成分ガラスを用いた光
ファイバを提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記光ファイバを用いたファイバ増
幅器を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明者は上記課題の解決のため、鋭意研究を重ねた
結果、弗化物を主成分とするホストガラスにNd3+を活性
物質として添加した機能性多成分ガラスであって、1.3
μm帯での光増幅を可能にするガラスを見出した。
この弗化物を主成分とする機能性多成分ガラスにあっ
ては、Nd以外のランタノイド元素の弗化物の濃度を10mo
l%以上であってガラス形性能を劣化させない程度の量
としている。このようなランタノイド元素としては、L
a、Er、Yb、Ho、Pm、Sm、Eu等を使用することができ
る。あるいは、Nd以外のランタノイド元素としてLaの
み、またはErのみ、またはLa及びErのみを含むととも
に、その弗化物の濃度を3mol%以上であってガラス形性
能を劣化させない程度の量としている。また、これらの
ランタノイド元素の弗化物は、その一部を酸化物に置き
換えてもよい。ホストガラス(マトリックスガラス)と
なる多成分ガラスの成分としては、ジルコニウム、バリ
ウム、アルカリ等の各種弗化物の使用が可能である。ま
た、補助的に珪素、アルミニウム、アルカリ等の酸化物
を加えてもよい。
本発明の機能性多成分ガラスによれば、Nd以外のラン
タノイド元素の弗化物の濃度を10mol以上、あるいはLa
のみ、またはErのみ、またはLa及びErのみを含む場合に
は3mol%以上であってガラス形性能を劣化させない程度
の量までの範囲で変化させることにより、Nd3+の1.3μ
m近傍の蛍光スペクトル及びESAスペクトルについて、
そのピーク波長のシフト又は強度の増減を起こさせるこ
とができる。この結果、1.3μm帯での光増幅に適した
ガラスを得ることが、後述のように判明した。
上記の現象に関し、本発明者は次のような仮説を立て
て検討した。即ち、Nd3+の1.3μm近傍の蛍光スペクト
ル及びESAスペクトルのこの様な変化は、Nd3+の受ける
静電場等の配位子場の変化に起因するものと考えること
が可能である。つまり、ホストガラスの一部を構成する
Nd以外のランタノイド元素の弗化物の濃度の変化の影響
を受けて、Nd3+の配位子場の対称性、周囲弗素との共有
結合性等が変化するものと考えられる。この結果、Nd3+
イオンのエネルギー準位が変動し、或いは、その縮退が
解け、Nd3+イオンの輻射・吸収の遷移確率が変化し、更
には、その輻射・吸収のピーク波長がシフトするものと
考えられる。
以上のことは一つの仮説であるが、本発明者は、後に
述べる実施例及びこれに対する検討に基づき、この現象
を利用し又は制御して、Nd3+添加の機能性多成分ガラス
の1.3μm帯での増幅特性の向上を図ることとしたので
ある。以下、第6図及び第7図に基づいて、このような
現象の利用について説明する。
第6図は、比較用のガラス試料に添加されたNd3+のエ
ネルギー準位を示した図である。
比較用のガラス試料としては、Nd3+をドープしたZr−
Ba−La−Al−Na−Fガラスのファイバを用いた。図示の
エネルギー準位は、このファイバを自記分光光度計及び
光スペクトルアナライザを用いて測定することにより算
出されたものである。この内の代表的な遷移について説
明する。約0.80μmの励起光により、基底準位4I9/2
ある電子が準位4F5/2に一旦励起され、フォノンを放出
した後準位4F3/2に遷移する。このようなポンピングに
より、準位4F3/24I3/2との間に反転分布が形成される
と、波長1.32μmをピークとした発光が可能になる。一
方、準位4F3/2に存在する電子は、波長1.31μmの光を
吸収し、準位4G7/2に励起される可能性もある。このた
め、このようなガラスでは電子が準位4F3/2にポンピン
グされても、波長1.32μmで効率よく発光させることが
できなくなってしまう。このためレーザ利得も1.31μm
帯では得られないこととなってしまう。
比較用ガラス試料のこのような利得喪失を模式的に示
したのが第7図(a)である。
水平線の上側の点線1aは準位4F3/2から準位4I13/2
の遷移による発光スペクトルに対応し、水平線の下側の
点線2aは準位4F3/2から準位4G7/2への遷移による吸光ス
ペクトルに対応する。これらスペクトルのピークは、そ
れぞれ波長1.32μmと波長1.31μmとに存在する。これ
らの強度が等しいと仮定して、平均値を求めると、実線
3aが与えられる。この実線3aはこのガラスの光増幅の利
得の波長依存性に対応するものと考えられる。このよう
なモデルによって、1.3μmで利得が得られない事が説
明され、これより長波長側である程度の利得が得られる
ことが説明される。
本発明者はこのような仮定から、逆にNd3+の吸・発光
のスペクトルを制御することにより、波長1.3μm帯で
の光増幅を十分な利得を有するものにできるのではない
かと考えた。ここで、例えばホストガラスを構成するNd
以外のランタノイド元素の弗化物の濃度を変化させるこ
とで、Nd3+の周囲の配位子場を変化させることになり、
この配位子場の中にあるNd3+のエネルギー準位も相対的
に変化させることになり、この結果、Nd3+の吸・発光の
スペクトルの特性を変化させることが可能になるものと
考えられる。
第7図(b)〜(f)により、このような着想につい
て説明する。
第7図(a)の吸・発光スペクトルに対し、そのピー
ク波長のみをシフトさせて1.3μm帯での利得を得る方
法を示したのが第7図(b)、(c)である。第7図
(b)は、吸光スペクトル2bのみを長波長側にシフトさ
せ、吸・発光のスペクトル1b、2bの和として与えられる
実線3bに対応する利得特性のピークを1.31μmにシフト
させようというものである。第7図(c)は、吸・発光
スペクトル1c、2cともに短波長側にシフトさせ、吸・発
光のスペクトル1c、2cの和として与えられる実線3cに対
応する利得特性のピークを1.31μmにシフトさせようと
いうものである。
第7図(a)の吸・発光スペクトルに対し、そのピー
ク強度を変化させて1.3μm帯での利得を得る方法を示
したのが第7図(d)〜(f)である。第7図(d)
は、吸・発光スペクトル1d、2dのピーク波長自体を変化
させず、吸収・発光スペクトル1d、2dの相対強度のみを
変化させたものである。これにより、吸・発光のスペク
トル1d、2dの和として与えられる実線3dに対応する利得
特性のピーク波長はほとんど変化しないものの、波長1.
31μmでも利得が得られる。第7図(e)は、吸・発光
スペクトル1e、2eのピーク波長を短波長側に移動させ、
それらの相対強度を変化させたものである。これによ
り、吸・発光のスペクトル1e、2eの和として与えられる
実線3eに対応する利得特性のピーク波長は短波長側にシ
フトし、全体の利得も増大し、1.31μmで大きな利得が
得られる。第7図(f)は、吸・発光スペクトル1f、2f
のピーク波長を長波長側に移動させ、それらの相対強度
を大きく変化させたものである。これにより、吸・発光
のスペクトル1f、2fの和として与えられる実線3fに対応
する利得特性のピーク波長は長波長側にシフトすること
となるが、全体の利得が増大するため、1.31μmでも利
得が得られる。
ホストガラスの一部を構成するNaF又はAlF3の濃度を
所定範囲で変化させることにより、第7図(b)〜
(f)の現象のいずれが生じているかは不明である。以
下の実施例で得た増幅ピーク特性からは、主に第7図
(c)若しくは(e)の現象が生じているものと考えら
れるが、複合した現象が生じている可能性もある。
配位子場的な考察からこのような吸・発光スペクトル
の変動現象を説明すると、ホストガラスの一部を構成す
るNd以外のランタノイド元素の弗化物の濃度を変化させ
ることにより、Nd3+の周囲のイオンが一部Ndイオンに置
換され、Nd3+の配位子場が大きく変化するものと考える
ことができる。また、Nd以外のランタノイド元素の弗化
物の濃度を変化させることにより、Nd3+の周囲の原子の
配置構造等に間接的な変化が生じることも考えうる。こ
の様な構造の変化がNd以外のランタノイド元素の弗化物
の添加量に応じて蓄積され、ホストガラスの形成する配
位子場は非対称性を増減させられ、或いはNd−F結合の
共有性に変化が生じ、Nd3+自体のの4F3/2準位及び4I
13/2準位がシフトしその遷移確率が変化するものと考え
られる。Nd3+の配位子場の変動現象は複合的であると考
えられ、そのメカニズムの詳細は不明であるが、いずれ
にせよ本発明者の実験・検討によれば、Nd以外のランタ
ノイド元素の弗化物の濃度を10mol%以上、あるいはLa
のみ、またはErのみ、またはLa及びErのみを含む場合に
は3mol%以上であってガラス形性能を劣化させない程度
の量とすることにより、Nd3+の吸・発光スペクトルを変
動させることができ、ホストガラスを構成する他の成分
とNd3+との濃度に合わせてNd以外のランタノイド元素の
弗化物の濃度を選択することにより、波長1.3μm帯で
の光増幅を可能にする有望なガラスが得られることがわ
かった。
上記の機能性多成分ガラスは光伝送路用の素材として
用いられ、例えば平面導波路等に形成しても良いが、上
記の機能性多成分ガラスからなるコアと、該コアを取り
囲み該コアより低い屈折率を有するクラッドと、を備え
た光ファイバを作製することが、長尺の光伝送路を得る
上では望ましい。
上記光ファイバは、具体的には下記のようにして作製
される。まず、Nd3+添加の機能性多成分ガラスをコアと
するプリフォームをロッドインチューブ法等により準備
する。次に、準備したプリフォームを第3図のような線
引き装置にセットし、光ファイバに線引きする。第3図
に示すように、プリフォーム11は送り装置12に固定され
て徐々に降下する。このとき、プリフォーム11はヒータ
13で加熱され、軟化して線引きが開始される。線引きさ
れたファイバ10は、キャプスタン14を経由して、巻取ド
ラム15に巻き取られる。こうして得られた光ファイバ10
を拡大して示したのが第4図である。光ファイバ10は、
Nd3+を添加したコア10aと、コア10aよりも相対的に屈折
率が低くNd3+が添加されていないクラッド層10bとを備
えている。
上記のような機能性多成分ガラスをコアとした光ファ
イバによれば、ファイバレーザ、ファイバ増幅器、ファ
イバ検出器等への応用が可能になる。即ち、弗化物を主
成分とするコアガラス中のNd以外のランタノイド元素の
弗化物の濃度を10mol%以上、あるいはLaのみ、またはE
rのみ、またはLa及びErのみを含む場合には3mol%以上
であってガラス形性能を劣化させない程度の量としてい
るため、1.31帯でも光増幅利得が得られる。更には、コ
アに光が効率的に閉じ込められ、かつ、閉じ込められた
光の損失が極めて低いこととから、低閾値で反転分布を
形成することができる。したがって、高利得の光増幅装
置等への応用が可能になる。
更に、上記の光ファイバ10は、一つの応用例として1.
3μm帯のファイバ増幅器に使用することができる。第
5図に示すように、ファイバ増幅器は1.3μm帯レーザ
の導波路となる光ファイバ30と、0.8μm帯の励起光を
発生するレーザ光源32と、信号光を励起光によって増幅
するため、その励起光をレーザ光源から光ファイバ内に
入射させる光学手段33とを備える。レーザ光源32からの
励起光は、光学手段33であるファイバカプラ等により、
信号光源31からの信号光と結合される。結合された信号
光及び励起光は、ファイバ30内にコネクタ等を介して導
入される。
因みに、光ファイバ30の出力側に設けられた0.8μm
フィルタ36は、励起光をカットするためのものであり、
光スペクトラムアナライザ35は、増幅された信号光を測
定するための装置である。マッチングオイル37は、融着
延伸により形成されたファイバカプラ33からの戻り光を
防止するためのものである。
上記のような光ファイバと、レーザ光源及び光学手段
とを備えた1.3μm帯のファイバ増幅器によれば、光学
手段によりファイバ内に導入された0.8μmのレーザ光
によってNd3+が励起される。この励起されたNd3+は、こ
れと同時に光ファイバ内に導入された1.3μm帯の信号
光等に誘導されて、レーザ光を発生し、波長1.3μm帯
での光増幅が可能になる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、ホストガラスの原料としてZrF3、BaF2、LaF3
ErF3、AlF3及びNaFを用意し、それぞれを各種の組成比
となるように調合する。これに希土類元素Ndの弗化物で
あるNdF3を所定量添加し、雰囲気を制御して白金ルツボ
中で溶融させる。溶融した原料は、十分な混合が完了し
た後に、ガラス化する。ガラス化したこれらの試料は、
その組成比に応じて試料A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1及
びD2と命名した。これらの試料A1〜D2の組成と別に作製
された比較試料の組成とを第1図に示す。
このガラス試料の光増幅特性を評価するため、下記の
ようにしてファイバを作製した。まず、上記の組成のガ
ラスを棒状に成形し、コア用のガラスロッドとする。次
に、このガラスロッドと組成がほぼ等しく、屈折率がわ
ずかに低いガラスを溶融・成形し、クラッドパイプとす
る。クラッドパイプのガラスにはNd3+を添加していな
い。これらのコアロッド及びクラッドパイプはロッドイ
ンチューブ法によりプリフォームに形成され、第3図の
装置によって線引きすることでコア径6μmで外径125
μmのSMファイバが得られた。このSMファイバは、測定
のため10mの長さのファイバ試料に切り出した。
このようなファイバ試料の特性の評価は、蛍光ピーク
波長、ESAピーク波長、増幅ピーク波長及び1.310μmで
のゲインを対象として、第5図のファイバ増幅器等によ
って行った。結果は第2図の表に示す。
増幅ピーク及びゲインは、ファイバ増幅器の信号光源
31及びレーザ光源32をオンとして、光スペクトラムアナ
ライザ35でファイバ試料の蛍光を測定することにより得
られた。ただし、第2図の表に示したゲインは1.31μm
におけるものである。レーザ光源32としては、励起波長
が0.78μmで、励起出力が10mWのTi−サファイアレーザ
(アルゴン励起)を用いた。入力信号の強度は、−30dB
mとし、ピーク波長を1.310μmとした。ESAピーク波長
は自記分光光度計でファイバ試料の吸収波長を求め、エ
ネルギー波長を割り出すことにより求めた。蛍光ピーク
波長は信号光の入力をオフとして、増幅ピークと同様に
光スペクトラムアナライザ35を用いて測定することによ
り求めた。
1.3μm帯でのゲインに注目すると、LaF3の濃度が3
〜15mol%の範囲、又はErF3の濃度が3〜15mol%の範囲
では、所定値以上の利得が得られることがわかる。ま
た、この範囲では、増幅ピークが1.310±0.015μmの範
囲に収まる。この場合、LaF3若しくはErF3の濃度に応じ
て、蛍光ピーク、ESAピーク及び増幅ピークは漸次短波
長側に移動して行く。
尚、LaF3及びErF3の濃度が3mol%以下では顕著な効果
が得られない。LaF3及びErF3の濃度が低いため、配位子
場に効果的な変化を生じさせることができないものと考
えられる。他方、LaF3の濃度が15mol%を越えるとガラ
スは結晶化してしまう。また、ErF3の濃度が15mol%を
越えてもガラスは結晶化してしまう。ただし、このよう
な結晶化はガラス組成の改良、冷却法の改良等によりあ
る程度改善されるものと考えられる。
すでに述べたように、LaF3及びErF3の濃度が増大する
と、次第に増幅ピークが短波長側に移動することが観察
される。これは、Nd3+の周辺に配置され大きな半径を有
するLaイオン又はErイオンの量が増大し、Nd3+の配位子
場等に及ぼすこれらLa,Erイオンの影響が増大し、大き
な波長シフトが生じるものと考えられる。
本発明に係る光ファイバは、例えばファイバレーザ等
の装置にも応用することができる。
具体的には、ファイバレーザを、上記光ファイバと、
レーザ光源と、光学手段と、光共振器とを備えるように
構成する。ここに、レーザ光源は波長0.8μm帯の励起
光を発生する。また、光学手段は励起光をレーザ光源か
ら光ファイバ内に入射させる。さらに、光共振器は光フ
ァイバ内からの波長1.3μm帯の放射光を光ファイバに
フィードバックする。
上記のようなファイバレーザによれば、光学手段によ
りファイバ内に導入された波長0.8μm帯のレーザ光に
よってNd3+が励起される。この励起されたNd3+の一部
は、光ファイバ内からの波長1.3μm帯の放出光と、光
りファイバ内にフィードバックされた波長1.3μm帯の
光とによって誘導され、波長1.3μm帯の放出光を発生
する。これを繰り返すことにより、波長1.3μm帯での
レーザ発光が可能になる。
以下に、ファイバレーザの実施例について説明する。
具体的な構成は、Erをドープした公知のファイバレー
ザと同様である(「Erドープファイバー」、O plus
E.1990年1月、pp.112〜118等参照。)。ただし本実施
例の場合、光ファイバとして、Ndをドープした上記実施
例の光ファイバを使用する。また、励起光源として、波
長0.8μm帯の励起光を発生するレーザダイオードを使
用する。
レーザダイオードからの波長0.8μm帯の励起光は、
レンズ等の適当な光学手段によって上記実施例に示した
光ファイバ内に導入される。光ファイバ内のNd3+は所定
の状態に励起され、波長1.3μm帯の発光が可能にな
る。ここで、ファイバの出力端を鏡面に仕上げているた
め、この出力端とレーザダイオードの端面とは共振器を
構成する。この結果、励起光の出力が所定値を超えると
波長1.3μm帯でレーザ発振が生じる。
なお、共振器は、誘導体ミラー等を使用するタイプの
ものであってもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、弗化物を主成分とする本発明の
機能性多成分ガラスによれば、励起光の存在により1.3
μm帯での発光・光増幅が可能になる。更に、これを導
波路、ファイバ等に形成することにより、光増幅装置、
レーザ等に応用できる。特に、ファイバに形成した場
合、低閾値で高利得の光増幅器が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による弗化物を主成分とする機能多成分
ガラスの実施例を示した図、第2図は第1図のガラスの
吸発光特性等を示した図、第3図は本発明による機能多
成分ガラスを使用したファイバの形成方法を示した図、
第4図は特性評価に用いたファイバ試料を示した図、第
5図はファイバ試料の特性を評価するための装置及び光
増幅器の構成を示した図、第6図はNd3+イオンの励起準
位の一例を示した図、第7図は1.310μmでのゲインに
ついて説明した図である。 10、30……Nd3+をドープしたガラスをコアとする光ファ
イバ、32……励起用のレーザ光源、33……光学手段であ
るカプラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 茂 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 渡辺 稔 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 中里 浩二 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 宮島 義昭 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−3482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長1.3μm帯での光増幅のため、弗化物
    を主成分とするホストガラスにNd3+を活性物質として添
    加した機能性多成分ガラスであって、 Nd以外のランタノイド元素の弗化物の濃度が10mol%以
    上であってガラス形性能を劣化させない程度の量である
    ことを特徴とする機能性多成分ガラス。
  2. 【請求項2】波長1.3μm帯での光増幅のため、弗化物
    を主成分とするホストガラスにNd3+を活性物質として添
    加した機能性多成分ガラスであって、 Nd以外のランタノイド元素としてLaのみ、またはErの
    み、またはLa及びErのみを含むとともに、その弗化物の
    濃度が3mol%以上であってガラス形性能を劣化させない
    程度の量であることを特徴とする機能性多成分ガラス。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の機能性多成分ガ
    ラスからなるコアと、該コアを取り囲み該コアより低い
    屈折率を有するクラッドと、を備えた光ファイバ。
  4. 【請求項4】波長1.3μm帯の信号光を伝搬する請求項
    3に記載の光ファイバと、波長0.8μm帯の励起光を発
    生するレーザ光源と、前記信号光を前記励起光で増幅さ
    せるため、該励起光を前記レーザ光源から前記光ファイ
    バ内に入射させる光学手段とを備えるファイバ増幅器。
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