JP3034862U - 広帯域アンテナ同調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＨＦ帯から１４４ＭＨｚ、４３０ＭＨｚ帯ま
での選択された周波数に応じて整合するアンテナの同調
コイルの整合の改善を目的とする。 【解決手段】 アンテナの同調コイル２はコイルの内側
は絶縁されないコイル部２ａと、コイル部２ａに内接し
てモータ３の回転に応じてコイル部２ａの内側を摺動す
る導体の摺動子２ｂとで構成した広帯域アンテナ同調装
置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

無線通信機のＨＦ、ＶＨＦ及びＵＨＦの周波数帯域でアンテナの同調コイルを 整合するアンテナ同調装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

複数の周波数帯を可変して使用する無線通信機ではアンテナは通常アンテナと アンテナチューナが備えられており、このアンテナチューナには周波数帯に応じ てタップを切り換えるコイルと可変コンデンサーで構成されている。特にＨＦ帯 からＶＨＦ、ＵＨＦの周波数帯を備えた無線通信機で、図２に示すように１本の アンテナである場合は、１４４ＭＨｚ帯や４３０ＭＨｚ帯の周波数に対する１／ ４波長や１／２波長の長さのアンテナとＨＦ同調コイルとを組み合わせて形成す る。そのためにタップの切換は１４４ＭＨｚ帯や４３０ＭＨｚ帯は同調コイルを 通さずアンテナに直接接続するタップを選択し、ＨＦ帯の場合は同調コイルの周 波数に対応するタップを選択して接続する。

【０００３】 アンテナを所望の周波数に同調させるために、タップ切換えによる整合の具体 例を示したのが図３であり、図３について説明する。１はアンテナ、２は同調コ イル、３はモータ、４はアンテナ保持筒である。同調コイル２は摺動体５に装着 され、モータ３の回転に対応してアンテナ保持筒４の中を摺動してアンテナ保持 筒４から外に延び出す。アンテナ保持筒４の上部には摺動タップ４ａが設けてあ る。

【０００４】 ＨＦ帯から説明すると選択する周波数が決まりＳＷＲなどの同調指示に基づい てモータ３を駆動させてアンテナ１の同調コイル２は摺動体５の摺動に応じてア ンテナ保持筒４から突出する。このときアンテナ保持筒４に設けられた摺動タッ プ４ａは同調コイル２の突出量に応じて同調コイル２の接触位置が変化して整合 させる。１４４ＭＨｚ帯や４３０ＭＨｚ帯の場合は同調コイル２がアンテナ保持 筒４の中に最も入り込んだ状態となり、従って、同調コイル２とアンテナ１の接 続箇所で摺動タップ４ａが接触する。それによって、同調コイル２が回路外にな った状態でＶＨＦ、ＵＨＦ帯のアンテナ整合が可能である。

【０００５】 しかし、このアンテナ１の同調コイル２と摺動タップ４ａによる整合した状態 においては、摺動タップ４ａからアンテナ１との間は整合されて問題ないが、同 調コイル２と摺動タップ４ａとの接触点から反対側の同調コイル２ではインダク タンスＬ分が残ってしまいコイルのＱが低下したり、あるいは不要電力が誘起さ れてロスが発生することがある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はＨＦ帯からＶＨＦ、ＵＨＦ帯の所望の周波数に対してアンテナ同調を するタップ形式により発生する上記の問題を排除して、適正なアンテナ同調を可 能にする広帯域アンテナ同調装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

ＨＦ帯、ＶＨＦ帯及び、ＵＨＦ帯から選択した周波数に応じてアンテナの同調 コイルをモータの回転により整合するアンテナ用同調コイルにおいて、前記同調 コイルはコイルの内側は絶縁されないコイル部と、該コイル部に内接してモータ の回転に対応してコイル部内を摺動する導体の摺動子とで構成し、モータを回転 させて同調コイルを整合させた状態では、前記導体の摺動子とコイル部の接触し た部分は全て短絡されて不要なインダクタンスを除去した広帯域アンテナ同調装 置である。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の一実施例の構成を示す図で、ＨＦ帯域からＶＨＦ、ＵＨＦを扱 う周波数帯の広い無線通信機が対象であり図について説明する。図中１はアンテ ナ、２はアンテナ整合用の同調コイル、同調コイル２はコイル部２ａと、導体の 円筒型で長さは少なくとも巻き回した同調コイル２の長さで、かつ、外周が同調 コイル２に内接させて摺動する摺動子２ｂとで構成し、摺動子２ｂは接地されな い構造である。３は導体の摺動子２ｂを摺動させるモータである。

【０００９】 同調コイル２は筒状に形成し、コイルの内側は絶縁されてないコイル部２ａと 、同調コイル２の内側には導体の摺動子２ｂがモータ３の回転により同調コイル ２のコイル部２ａに接触しながら同調コイル２内をアンテナ１の反対側から出し 入れする。導体の摺動子２ｂとコイル部２ａが接触した部分のコイルは全てショ ート状態となつて同調コイル２には不要なインダクタンスが存在しないので調整 は容易になる。

【００１０】 次に、ＶＨＦ帯やＵＨＦ帯の周波数が選択されるとアンテナ１の長さに応じて ローデングコイルを介在させてＶＨＦやＵＨＦが整合されたアンテナ１では導体 の摺動子２ｂは同調コイル２の奥まで入ることで同調コイル２は全てショート状 態になりコイルの無い状態となる。また、無整合のアンテナの場合は同調コイル ２において、整合すればよい。

【００１１】 同調コイル２は上記の構造の変形として摺動子２ｂをネジ形状にし、コイル部 ２ａの巻線の形状は摺動子２ｂのネジの谷の位置になるような螺旋形状として、 摺動子２ｂを回転させるとコイル部２ａに螺旋状に摺動して接触位置を変化させ る構成も本考案に属するものである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の広帯域アンテナ同調装置によれば、従来形式のアンテナの同調コイル をタップ形式で整合する場合に生じるタップ接続から外れた部分の同調コイルの 残余のコイルによる不要なインダクタンスが残るが、本考案ではアンテナの同調 コイルにおいて、整合したコイル部分を除く残りのコイル部分は全てショートさ れるので不使用のコイル部分による悪影響は全て削除された優れた広帯域アンテ ナ同調機能を備えている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す広帯域アンテナ同調装
置の構成図である。

【図２】従来技術のアンテナ構造図である。

【図３】従来技術の他のアンテナ構造図である。

【符号の説明】

１ アンテナ ２ 同調コイル ２ａ コイル部 ２ｂ 導体の摺動子 ３ モータ ４ アンテナ保持筒 ４ａ 摺動タップ ５ 摺動体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ＨＦ帯、ＶＨＦ帯及び、ＵＨＦ帯から選択
   した周波数に応じてアンテナの同調コイルをモータの回
   転により整合するアンテナ用同調コイルにおいて、 前記同調コイルはコイルの内側は絶縁されてないコイル
   部と、該コイル部に内接してモータの回転に対応してコ
   イル部内側を摺動する導体の摺動子とで構成し、モータ
   を回転させて同調コイルを整合させた状態では、前記導
   体の摺動子と同調コイルの接触した部分は全てショート
   されて不要なインダクタンスを除去したことを特徴とす
   る広帯域アンテナ同調装置。