JP3034805U - 透析装置の除水機構 - Google Patents

透析装置の除水機構

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JP3034805U
JP3034805U JP1996004292U JP429296U JP3034805U JP 3034805 U JP3034805 U JP 3034805U JP 1996004292 U JP1996004292 U JP 1996004292U JP 429296 U JP429296 U JP 429296U JP 3034805 U JP3034805 U JP 3034805U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の使用にも信頼性をもって耐用し得る
ように、除水機構に摺動摩耗部を持たずに機密性を保持
し得る機械的構造を備え、且つ高精度の除水計量を継続
して行うことができる透析装置の除水機構を提供する。 【解決手段】 透析器Dの滲透膜を介して血液通路側か
ら除水を行う透析装置の除水機構において、シリンダ2
4内の左右両側に同容量の計量室21a、21bを形成
するように設けた隔膜26a、26bをピストン25の
両端に固設すると共に、モータ36に接続されたカム3
4を偏心回転することによりピストン25を左右相対的
に指定量だけ移動して、両側の計量室を交互に拡縮させ
ることにより、各計量室に接続した出入口29a、29
bより液の流入と排出を行う除水ポンプUPを構成し、
新鮮透析液と排液及び新鮮透析液を透析器を経由して還
流する二つの等量計量チャンバーの排気側に除水ポンプ
の計量室を接続して、透析動作中に、常に指定した等量
の継続的除水を透析器から得るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、滲透膜を介して透析器の血液通路側から透析液側へ陰圧作用を及ぼ して限外濾過を行うようにした透析装置の除水機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、透析器に使用される透析膜は高除水化の実現に向けて著しい進歩を遂げ ている。このため、透析療法をさらに改善するには、透析装置における除水機構 の信頼性と耐久性を一段と高めることが必要となる。
【0003】 しかしながら、従来から用いられていた除水システムは、これに作用する液の 温度、液回路の圧力、動作速度による摩擦抵抗が増大する等、構成された機構に 計量誤差を生じる要素が少なからず存在していたため、長期年月の使用の耐用を 減じていた。
【0004】 特に、除水ポンプのピストン方式等においては、シリンダーとの摺動部に摩耗 が生じるため、長期間の使用により必然的に誤差が生じ、摺動部に血液中のタン パク質ペーストが付着することにより稼働が停止したり、透析液中の固形ゴミ及 び炭酸カルシウム結晶体の挟込みによる固着停止が生じ易く、また摺動摩耗によ って液がリークする等の累積誤差を生じていた。
【0005】 さらに、吸入排出の弁機構から液がリークすることによって誤差が発生しやす く、長年に亙る継続使用の安全性と除水量の信頼性を向上した除水機構の開発に 期待がよせられていたのである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、このような事情に鑑みて成されたもので、長期間の使用にも信頼性 をもって耐用し得るように、除水ポンプ自体に吸排出弁を必要とせず、気密性を 有する膜を介在することによって摺動摩耗部を持たない機械的構造の除水ポンプ を構成し、且つ高精度の除水計量を継続して行うことができる透析装置の除水機 構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案の透析装置の除水機構は、透析器の滲透 膜を介して血液通路側から除水を行う透析装置の除水機構において、閉塞された シリンダ内の左右両側に同容量の計量室を形成するように設けた隔膜を前記シリ ンダ内のピストンの両端に固設すると共に、モータに接続されたカムを偏心回転 することにより前記ピストンを左右相対的に指定量だけ移動して、前記両側の計 量室を交互に拡縮させることにより、各計量室に接続した出入口より液の流入と 排出を行う除水ポンプを構成し、この除水ポンプによって前記透析器の滲透膜に 陰圧を生じさせることにより、前記両側の計量室で指定量の除水及びその後の排 出を交互に行うようにしたものである。
【0008】 従って、上記の構成において、除水ポンプの計量室は隔膜によって仕切られて いるため、摺動摩擦がなく、液のリークも発生せず、両側の計量室を交互に作用 させることによって、正確な計画量の除水を継続して行うことが本案の特徴とな る。
【0009】 また、このような除水ポンプを使用した透析装置の構成として、隔膜によって 一つの槽を同容量の容室に二分割した二組の計量チャンバーの夫々の排液側通路 に前記除水ポンプの各計量室の出入口を接続し、前記一方の計量チャンバーの片 側容室に充満した排液と等量の新鮮透析液を他側の容室に充填することにより前 記片側容室の排液を排出する給排系回路と、前記他方の計量チャンバーの片側容 室に充満した新鮮透析液を吸引して前記透析器を通過させてから他側の容室に流 入させる閉鎖系回路とを構成し、この閉鎖系回路の動作と同期して前記除水ポン プを吸引動作させることにより、前記透析器より指定量の除水を行うと同時に、 前記除水ポンプに充填していた排液を前記給排系回路に排出し、前記給排系回路 と前記閉鎖系回路との役割を交互に切り替えることにより、前記除水ポンプによ る計画量の除水を継続して行うことができる。
【0010】 また、前記二組の計量チャンバーの各容室の排液側通路に除水ポンプを接続し た出入口に前記給排系回路と前記閉鎖系回路とを接続する液回路別に電磁弁を設 け、これらの電磁弁の切り換えによって前記給排系回路と前記閉鎖系回路との交 互動作を行い、連続した透析液の補給、及び除水と排水とを維持することができ る。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0012】 図1は本考案における透析装置の回路図であり、計量チャンバーAを閉鎖系回 路に用い、計量チャンバーBを給排系回路に用いた例を示す。図2は図1におい て、計量チャンバーAを給排系回路に用い、計量チャンバーBを閉鎖系回路に用 いた例を示す。図3は本考案による除水ポンプの一例を示す縦断面図である。図 4は図3の側面図である。図5は図3の下面図である。図6本考案による除水ポ ンプの他の例を示す縦断面図である。図7は図6の側面図である。図8は図6の 下面図である。
【0013】 まず、本考案の透析装置における血液回路と、脱気のための循環回路を備えた 透析液送液回路について説明する。
【0014】 図1に示すように、血液回路は、透析器(ダイヤライザー)Dの一端に血液ポ ンプBPを接続してあり、この血液ポンプBPの作動によって、人体より吸出さ れた指定量の血液が透析器Dの滲透膜面を通過して透析器Dの他端より流出し、 再び人体に返血される。
【0015】 このような血液回路において、血液ポンプBPと透析器Dとを連絡する回路に はシリンジポンプHPが接続され、シリンジポンプHPから抗凝固剤が適量に注 入混合される。
【0016】 また、透析器Dの下流側の回路には、気泡検出器2とこの回路を圧閉して瞬時 に送血を停止するようにしたクランプ3等の安全機構が設けてある。
【0017】 次に、透析液送液回路は、送液路(IN)側から送給された組成混合済の新鮮 透析液を濾過する除塵用フィルター4と、送液の圧力表示を行う圧力計5と、送 液を定圧力に保つ圧力調整器6と、送液回路の開閉を行う電磁弁V1とを順次通 過して脱気のための循環回路に至る。
【0018】 脱気のための循環回路は、上記のように定圧力にされた透析液中の溶存空気を 除去するために構成されたもので、除気量を調整するために回路を小断面積にし た流体抵抗器7と、透析液を吸引送出する脱気ポンプP1と、その作用で透析液 中の溶存空気を膨張拡大すると共に表面張力によって気泡の集合を促進し、また 透析液温度と同等に血液温度に保持する加温ヒーター8とを備え、さらに透析液 の気泡を除気する気泡分離槽9を備えている。
【0019】 そして、この気泡分離槽9で除気された透析液を、一方向弁12を経て送液側 からの流入を防止した状態で流体抵抗器7の上流側に帰還させ、脱気ポンプP1 の吸引能力によって継続的に脱気のための循環回路を循環させることにより、透 析液中の気体を120ppm程度に除去し、これによって気体混入のない除水量 の計量を遂行して、本装置における除水量の高精度な計量に資するようにしてあ る。
【0020】 さらに、上記の脱気のための循環回路は流量調整器13を介して計量チャンバ ーA、Bの各電磁弁V3、V10に至る回路を構成する。
【0021】 このような構成において、加温ヒーター8には電力を用い、送液の下流側で常 時温度を検知してヒーター電流を制御し、指定温度に調整する。
【0022】 また、気泡分離槽9内にはフロート10が設けられ、容器の上端に設けられた 開閉弁11を容器中の空気総量によって動作させることにより、容器内の液を一 定の水位に保ち、除気された透析液をやや陽圧に貯留すると共に、開閉弁11の 吐出口より除気された気体を排液路(OUT)側に流出するようにしてある。
【0023】 次に、本装置による除水機構の概要を述べると、上記の脱気のための循環回路 を循環して除気された新鮮透析液を一方の計量チャンバー、例えば図1に示す計 量チャンバーBの新鮮液室FRに送る。この計量チャンバーBは計量チャンバー Aと同様に、後述する隔膜(ダイヤフラム)14で容室を二分してあり、同容量 の新鮮液室FRと排液室URを有する。
【0024】 この計量チャンバーBの排液室URには事前の行程で透析器Dを通過した透析 液の排液が充満しており、新鮮透析液が送液回路の脱気ポンプP1によって新鮮 液室FRに流入すると、この液圧で排液室UR内の排液が排液路(OUT)に流 出される。このように、透析液の供給と、これと等量の排液を行う回路を給排系 回路と云う。
【0025】 また、この給排系回路の動作と同期して、計量チャンバーAの新鮮液室FRに 前行程で充満した新鮮透析液を、除気ポンプP2の吸引によって透析器Dを通過 させながら吸引し、この透析器Dからの排液を計量チャンバーAの排液室URに 流入させる。このように、前行程で充満した新鮮液室FRの透析液を、透析器D を通過してこれと等量の排液を同一の計量チャンバーAの排液室URに流入させ る回路を閉鎖系回路と云う。
【0026】 本実施例においては、この閉鎖系回路の排液室URの出入口の近傍に除水ポン プUPを接続し、この除水ポンプUPの作動によって、閉鎖系回路に陰圧を発生 させ、透析器Dの滲透膜を介して血液通路より限外濾過した水分を移動させる。 これにより、継続し連続した除水動作と気密状の計量室を有する除水ポンプUP が高精度且つ信頼性の高い除水計量を行う構成としてある。
【0027】 また、上記の図1で示した計量チャンバーAと計量チャンバーBの役割を、図 2に示すように、相互に流路を切り替えることにより、上記の給排系動作、閉鎖 系動作、及び除水計量動作を継続的に行うことができる。
【0028】 次に、上記の除水機構について詳細に述べる。
【0029】 まず、計量チャンバーAと計量チャンバーBは同様の構成を有するもので、こ れらの計量チャンバーA、B内には中央に設けられた隔膜(ダイヤフラム)14 によって同容量に二分割された容室を形成する。これらの容室へ流入する液の区 別から、各計量チャンバーA、Bの容室を新鮮液室FRと排液室URと区別する 。そして、一方の容室に液が流入すると、この液が隔膜14を押圧して移動し、 やがて他方の容室の内壁面に密着させられ、このとき他方の容室内の液を完全に 排出させる、という相関的な動作を行う。
【0030】 このような計量チャンバーAと計量チャンバーBの新鮮液室FRと排液室UR の各出入口に接続された回路は夫々分岐して図示のように計量チャンバーAの新 鮮液室FRに接続された電磁弁V3と電磁弁V4、計量チャンバーAの排液室U Rに接続された電磁弁V5と電磁弁V6、計量チャンバーBの排液室URに接続 された電磁弁V7と電磁弁V8、計量チャンバーBの新鮮液室FRに接続された 電磁弁V9と電磁弁V10とに接続されている。これらの電磁弁は、不図示の制 御装置に接続され、開栓及び閉栓を自動的に行う。
【0031】 そして、計量チャンバーAの電磁弁V3と計量チャンバーBの電磁弁V10は 合流して途中に流量調整弁13を介して上記の脱気のための循環回路(送液回路 )に接続してある。
【0032】 また、計量チャンバーAの電磁弁V4と計量チャンバーBの電磁弁V9は合流 して流量調節弁17に接続され、流量検知器18を経て三方弁V3を介して透析 器Dの給液側に接続されている。流量検知器18には内蔵されたフロート18a の位置検出を光学的また磁気方式等で行う素子を備え、電気信号に変換されて不 図示の制御装置に送信する。
【0033】 さらに、計量チャンバーAの電磁弁V5と計量チャンバーBの電磁弁V8は合 流して排液路(OUT)に接続してある。
【0034】 さらにまた、計量チャンバーAの電磁弁V6と計量チャンバーBの電磁弁V7 は合流して除気ポンプP2と除気槽19と一方向弁20を有する循環回路に接続 され、この循環回路は三方弁V2に接続されると共に分岐して透析器Dの排出側 に接続してある。
【0035】 この循環回路の除気ポンプP2の吸引能力によって透析器Dを経由する透析液 が吸引され、除気槽19にて採取した気泡は分離して上方の排気通路19aから 排気電磁弁V11を介して排液路(OUT)に流入する。除気槽19に透析器D を通過した透析液と除水ポンプUPによって強制的に吸引された水分は、除気し た後、送水される。
【0036】 このような計量チャンバーA、Bの夫々の排液室UR、URと電磁弁V5、V 6或は電磁弁V7、V8との間には、除水ポンプUPの各計量室21a、21b に直接通じた流路が形成してある。即ち、除水ポンプUPの各計量室21a、2 1bは、計量チャンバーA、Bの各排液室UR、URと同等な液圧力位置に接続 してあり、液回路中の圧力変化を受けることがないため、除水ポンプUPの正確 な除水計量を確保することが可能となる。
【0037】 ここで、除水ポンプUPの第一例について、図3及び図5を参照しながら説明 する。左右両端をシリンダヘッド23a、23bで閉塞したシリンダー24内に ピストン25を設けてある。左右両側のシリンダヘッド23a、23bとシリン ダー24との嵌合部の夫々には、繊維入りゴム製薄膜から成る折返し形状のBF ダイヤフラム26a、26bの周囲の肉厚部を挟んでネジ固定し、それぞれの中 央部をリテーナ27a、27bで押えてネジでピストン25の両端の夫々に固定 してある。
【0038】 このような構成により、左方のBFダイヤフラム26aとシリンダーヘッド2 3aとの間、右方のBFダイヤフラム26bとシリンダーヘッド23bとの間に は同容量の空間、即ち同容量の吸入量と排出量を有する計量室21a、21bが 形成される。これらの計量室21a、21bにはホース口29a、29bが設け られ、各ホース口29a、29bに上記の計量チャンバーAの排液室URと電磁 弁V5との間、計量チャンバーBの排液室URと電磁弁V8との間の流路に接続 してある。
【0039】 そして、後述する駆動手段によってピストン25をシリンダー24内で左右に 往復移動すると、左右の計量室21a、21bが互いに拡縮することにより、一 方の計量室が除水量採取を行っている際には、反対側の計量室は排出動作すると いう相関的な作動を行う。
【0040】 なお、これらのBFダイヤフラム26a、26bの動作中の形状を保持するた めに、両BFダイヤフラム26a、26b間のシリンダー24内に陰圧を作用さ せるようにシリンダー24内に通じる吐出口31を設け、この吐出口31を透析 液供給回路の脱気ポンプP1の吸入側に接続してシリンダー24内に陰圧を作用 させ、両BFダイヤフラム26a、26bを内側に吸引するようにしてある。
【0041】 ピストン25の駆動手段は、このピストン25の中央部に設けた凹部32にシ リンダー24の外部から直角方向に貫通した回転駆動軸33が突出され、この回 転駆動軸33に摺動性のカムリング28を介してカム34が固設され、ピストン 25の両側軸方向に嵌合されたピストンロッド35a、35bの内側端部を円形 カム34の外周のカムリング28で摺接するようにしてある。
【0042】 このカム34は回転駆動軸33に対して偏心位置に設定され、ピストンロッド 33を左右へ平行移動せることにより、ピストンロッド35a、35bを介して ピストン25を左右に移動して、両側のBFダイヤフラム26a、26bで仕切 られた両側の計量室21a、21bの容積を拡縮し、上記の閉鎖系回路を介して 透析器Dの滲透膜から指定量の水分を吸引して拡大した側の計量室内に流入充満 すると共に、次の行程、即ち計量室を収縮させる動作で排液路(OUT)側へ排 出するものである。
【0043】 回転駆動軸33はパルスモータ36の回転軸に連結してある。そして、除水指 定量によって定められた入力信号電流により回転動作を行う。指定された定量動 作の確認や左右動作方向及び動作中立位置の検出を行うロータリエンコーダ38 を回転軸37に固定する。ロータリエンコーダ38の回転角度をフォトインタラ クター39で電気信号として電気制御部に送信する。ダイヤルツマミ38aは、 調整の際に便利な手動回転ツマミである。
【0044】 以下、上記の構成による除水の計量動作について述べる。ここでは、図1に基 づいて、計量チャンバーAを閉鎖系回路に用い、計量チャンバーBを給排系回路 に用いてあるが、後述するように各電磁弁の切り換えによって、図2のように、 これらの役割が相互に逆転することにより、透析装置全体としての給排系動作と 閉鎖系動作及び除水動作を継続して行うことができる。
【0045】 図1において、給排系回路は、計量チャンバーBにおいて、電磁弁V7と電磁 弁V9を閉栓すると共に電磁弁V8と電磁弁V10とを開栓し、送液回路中の除 気ポンプP1の送液能力により、計量チャンバーBの新鮮液室FRに流入充満さ れた新鮮透析液が隔膜14を排液室URの方向に押圧して、前行程で排液室UR に充満された排液を排液路(OUT)側へ流出する。
【0046】 さらに、除水ポンプUPにおいては、前行程で計量室21bに吸引充満した除 水量をこの計量室21b側に押圧し、電磁弁V8の開栓を通して、計量チャンバ ーBの排液動作と同期して排液路(OUT)側へ流出する。
【0047】 次に、閉鎖系回路は、図1に示すように、計量チャンバーAにおいて、電磁弁 V3と電磁弁V5を閉栓すると共に、電磁弁V4と電磁弁V6を開栓し、除気ポ ンプP2の吸引能力によって透析器Dからの排液が電磁弁V6を通過し、計量チ ャンバーAの排液室URに流入して隔膜14を新鮮液室FR側へ押圧し、前行程 で新鮮液室FRに充満されていた新鮮透析液を電磁弁V4を通過して透析器Dの 給液側へ流入する。
【0048】 また、除水ポンプUPにおいて、除水量はパルスモータ36に供給する電流信 号(パルス信号)で指定され、ピストン25の移動によって計量室21aを拡大 することによって指定量の除水を透析器Dに対して行い、この計量室21a内に 吸引充満する。ロータリエンコーダ38はモータ回転方向とポンプ中立点(左右 動作の中心)の検知と指定した除水量分の回転の確認及び過剰回転防止の検出を 行う。
【0049】 そして、計量チャンバーAの排液室URに排液が流入して隔膜14が新鮮液室 FR側へ押圧されることによってこの新鮮液室FR内の新鮮透析液が全容量を排 出したときに、計量チャンバーA内は排液で充満されて流入が止まる。このとき 、閉鎖系回路に設けられた流量検知器18のフロート18aが瞬時に下降してフ ロート18aの位置検出が行われると、制御装置の指令で各電磁弁の開栓と閉栓 が逆の状態に切り換えられ、図2に示すように、排液が充満した計量チャンバー Aは給排系回路につながり、新鮮透析液が充満した計量チャンバーBは閉鎖系回 路となり、次いで上記と同様の給排系動作と閉鎖系動作及び除水動作が継続的に 行われる。
【0050】 さらに、除水ポンプの第二例について、図6乃至図8を参照しながら説明する 。この説明において、上記の第一例の除水ポンプと同様の機能を有する部分につ いては同一の数字を用いる。
【0051】 第一例の除水ポンプと同様に、この例の除水ポンプUPにおいても、両端をシ リンダヘッド23a、23bで閉塞したシリンダー24内にピストン25を設け る。このピストン25は左右夫々に分割した構造を持ち、各ピストン25a、2 5bの両端に上記と同様の繊維入りゴム製薄膜から成る折返し形状の二枚ずつの BFダイヤフラム26a、26bを対向して挟んで夫々をリテーナー27a、2 7bで押え、ネジ41によって固定してある。
【0052】 また、パルスモータ36の回転軸37に接続された偏心軸34aの偏心位置に カムフォロア34bを接続し、このカムフォロア34bに設けたカム34を中央 側の左右のリテーナー27a、27bに摺接するようにしてある。
【0053】 このような構成によって、左右両側における二枚ずつのBFダイヤフラム26 aと26aとの間、及びBFダイヤフラム26bと26bとの間に間隙42a、 42bが形成される。そして、これらの間隙42a、42bの夫々に通じる注液 栓43a、43bを設け、各注液栓43a、43bから無揮発性溶液を注入して 間隙42a、42b内を満たすことにより、ピストン25a、25bのストロー ク動作中の各BFダイヤフラム26a、26a及び26b、26bの正常変形を 維持することができる。
【0054】 従って、この第二例の除水ポンプは、第一例の除水ポンプのように、シリンダ ー24内のBFダイヤフラム間に陰圧を作用させる必要がないため、図1の脱気 ポンプP1を停止した状態、即ち、透析液の供給を停止した状態で透析器Dから の限外濾過除水のみを行い、血液組成の滲透拡散は行わないようにした治療を行 うことが可能である。従って、この第二例の除水ポンプUPは、このような治療 用途に適するものである。
【0055】 なお、この第二例の除水ポンプUPにおいて、他の構造は、第一例の除水ポン プと同様である。ただし、パルスモータ36の取り付け位置を反対にして、取付 脚44を設けてある。
【0056】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の透析装置の除水機構は、長期間の臨床を継続す るのに不具合な機能をなくし、故障の発生を回避し得る構造化を達成したもので ある。
【0057】 本機構において、除水量を設定する除水ポンプは、密閉状の計量室を形成する 薄膜を拡縮することによって指定量の除水を行うため、構造的に液の漏洩がなく 、血液より浸透するたんぱく質、脂肪等の付着や流液構造中のゴミや透析液の変 化で発生する炭酸カルシウム結晶粉末等の固形物でポンプ動作が制限されずに、 信頼性のある安全な除水量制御を正確な精度で持続することが可能である。
【0058】 また、除水量を得る閉鎖系回路においては、液の通路中に圧力の差異が生じ、 回路中の配管チューブにおいても圧力による拡張や縮小が発生するため、除水ポ ンプの設置箇所によっては、長時間の透析治療において誤差の累積を生じ易いの であるが、本考案の閉鎖系回路においては、等量の計量を行う計量チャンバーと 同等な液圧力位置に除水ポンプを設置することによって、除水量のより正確な計 量を可能として上記のような累積誤差を完全に排除することができる。
【0059】 さらに、等量の計量を行う計量チャンバーの給排系回路と閉鎖系回路との切換 と同期して除水ポンプのピストン動作も逆転するため、この除水ポンプに給排弁 の必要がなく、従って、除水計量誤差の発生が多い弁機構を持たないことで、保 守点検を不要とした構造化を達成したのである。
【0060】 従って、以上の構成を成した本機構は、大量除水の療法においても信頼性の高 い精度を得、臨床中の機能トラブルを発生することなく実行することが可能であ り、保守における耐久性と点検の容易さを達成し、実用性の高い改善された装置 を提供することを可能としたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案における透析装置の回路図であり、計量
チャンバーAを閉鎖系回路に用い、計量チャンバーBを
給排系回路に用いた例を示す。
【図2】本考案における透析装置の回路図であり、計量
チャンバーAを給排系回路に用い、計量チャンバーBを
閉鎖系回路に用いた例を示す。
【図3】本考案による除水ポンプUPの第一例を示す縦
断面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の下面図である。
【図6】本考案による除水ポンプの第二例を示す縦断面
図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6の下面図である
【符合の説明】
D…透析器(ダイヤライザー) BP…血液ポンプ HP…シリンジポンプ UP…除水ポンプ V1〜V11…電磁弁 A、B…計量チャンバ
ー FR…新鮮液室 UR…排液室 P1…脱気ポンプ P2…除気ポンプ V3…三方弁 IN…供給路 OUT…排液路 2…気泡検出器 3…クランプ 4…除塵用フィルター 5…圧力計 6…圧力調整器 7…流体抵抗器 8…加温ヒーター 9…気泡分離槽 10…フロート 11…開閉弁 12…一方向弁 13…流量調整弁 14…隔膜(ダイヤフ
ラム) 16a、16b…出入口 17…流量調節弁 18…流量検知器 18a…フロート 25…ピストン 26a、26b…BF
ダイヤフラム 27a、27b…リテーナ 28…カムリング 29a、29b…ホース口 31…吐出口 32…凹部 33…回転駆動軸 34…カム 36…パルスモータ 38…ロータリエンコーダ 39…フォトインタプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析器の滲透膜を介して血液通路側から
    除水を行う透析装置の除水機構において、閉塞されたシ
    リンダ内の左右両側に同容量の計量室を形成するように
    設けた隔膜を前記シリンダ内のピストンの両端に固設す
    ると共に、モータに接続されたカムを偏心回転すること
    により前記ピストンを左右相対的に指定量だけ移動し
    て、前記両側の計量室を交互に拡縮させることにより、
    各計量室に接続した出入口より液の流入と排出を行う除
    水ポンプを構成し、この除水ポンプによって前記透析器
    の滲透膜に陰圧を生じさせることにより、前記両側の計
    量室で指定量の除水及びその後の排出を交互に行うよう
    にしたことを特徴とする透析装置の除水機構。
  2. 【請求項2】 隔膜によって一つの槽を同容量の容室に
    二分割した二組の計量チャンバーの夫々の排液側通路に
    前記除水ポンプの各計量室の出入口を接続し、前記一方
    の計量チャンバーの片側容室に充満した排液と等量の新
    鮮透析液を他側の容室に充填することにより前記片側容
    室の排液を排出する給排系回路と、前記他方の計量チャ
    ンバーの片側容室に充満した新鮮透析液を吸引して前記
    透析器を通過させてから他側の容室に流入させる閉鎖系
    回路とを構成し、この閉鎖系回路の動作と同期して前記
    除水ポンプを吸引動作させることにより、前記透析器よ
    り指定量の除水を行うと同時に、前記除水ポンプに充填
    していた排液を前記給排系回路に排出し、前記給排系回
    路と前記閉鎖系回路との役割を交互に切り替えることに
    より、前記除水ポンプによる計画量の除水を継続して行
    うようにしたことを特徴とする請求項1記載の透析装置
    の除水機構。
  3. 【請求項3】 前記二組の計量チャンバーの各容室の排
    液側通路に除水ポンプを接続した出入口に前記給排系回
    路と前記閉鎖系回路とを接続する液回路別に電磁弁を設
    け、これらの電磁弁の切り換えによって前記給排系回路
    と前記閉鎖系回路との交互動作を行うようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の透析装置の除水機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008062089A (ja) * 2003-12-16 2008-03-21 Baxter Internatl Inc 薬液治療流れ制御システムおよび方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04259468A (ja) * 1991-02-12 1992-09-16 Toray Ind Inc 除水量制御透析装置

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