JP3034776U - 杭回転用オーガのロッド接続用アダプタ - Google Patents

杭回転用オーガのロッド接続用アダプタ

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JP3034776U JP1995007306U JP730695U JP3034776U JP 3034776 U JP3034776 U JP 3034776U JP 1995007306 U JP1995007306 U JP 1995007306U JP 730695 U JP730695 U JP 730695U JP 3034776 U JP3034776 U JP 3034776U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレボーリング工法で使用する掘削機の杭回
転用オーガに装着する介在部品であって、既成杭が、最
終的に杭穴に設計どおり安定した状態で埋め込まれてい
るかどうかを適確に判断可能とするための新規な構造の
ロッド接続用アダプタを提供する。 【構成】 杭回転用オーガ8のロッド用ジョイント部1
1とロッド上端被ジョイント部12との間に介在、装着
されるようにした、上端にロッド用ジョイント部11へ
の接続部21が形成された上部金具部28と、下端にロ
ッド上端被ジョイント部12への接続部22が形成され
た下部金具部29とが、回転力伝達可能な構造23であ
って、スライド自在構造24となる如く組み合わせた杭
回転用オーガのロッド接続用アダプタである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の目的】
この考案は、土木建築工事における杭基礎工法で、無振動無公害工法の一つ である埋め込み工法、即ちコンクリート杭や鋼管杭等の既成杭を地中に埋め込ん でいく方式の杭基礎工法の中、特にプレボーリング工法で使用する掘削機の杭回 転用オーガに装着する介在部品であって、オーガスクリューで先堀し、根固め液 および杭周固定液の注入された杭穴内に、杭回転用オーガで吊り下げていき、回 転させながら根固め液内に到達させた既成杭が、最終的に杭穴に設計どおり安定 した状態で埋め込まれているかどうかを適確に判断可能とするための新規な構造 のロッド接続用アダプタを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
土木建築工事における杭基礎工法は、環境保護問題や公害問題、耐震強度の 見直し等といった多くの制約条件が課せられる中、それらの条件を満たすための 各種新規な工法が次々と開発、実用化されてきたことから、施工箇所に適合した 杭基礎工法の選択は、以前に比べてかなり容易になってきている。 都市部のように周辺環境に与える影響を極力少なくしなければならない箇所で の杭基礎工法には、無振動無公害工法が採用されるが、既成杭を採用する無振動 無公害工法としては、コンクリート抗や鋼管杭等の中空部にオーガスクリューを 挿入し、既成杭下端を掘削しながら圧入していく、比較的大径の既成杭に適した 埋め込み工法の外、それに比較的して機械装置も取り扱い易く、あまり大径でな い既成杭の埋め込みに適したプレボーリング工法がある。
【0003】 このプレボーリング工法は、図7(a)〜(e)の工程図に示されているよ うに、掘削機1のリーダ2を支持部として掘削用オーガが上下動自在に装着され 、該掘削用オーガのケリーバー下端にオーガスクリュー3を取り付け、掘削用オ ーガを作動させてオーガスクリュー3を回転し、その先端スクリューヘッドで先 導、掘削しながら、オーガスクリュー3のスパイラルフィンで土砂を地上に誘導 、排出し(同図a)、埋め込むべき既成杭6の長さに応じた所定深さまで掘り進 んだ後(同図b)で穴底部所定範囲に根固め液を所定量だけ注入し、引き続いて 掘り進んだ穴の周壁が崩れないようセメントミルク等の杭周固定液に切り替え、 注入しながらオーガスクリュー3を引き上げ(同図c)、既成杭6の埋め込みに 必要な所定径の杭穴4を先掘りする。 その後、オーガスクリュー3を取り外し、図8正面図が示すとおり、下端キ ャップ5の接続部14に既成杭6の上端15を接続したロッド13の、上端被ジ ョイント部12を杭回転用オーガ下端のロッド用ジョイント部11に接続した上 、該ロッド13を介して吊り下げられた既成杭6を、既に所定位置に先掘りされ ている杭穴4に挿入、自沈していき(同図d)、既成杭6先端が根固め液部分7 に達したところで、杭回転用オーガを作動させて既成杭6を回転し、その先端側 を強制的に根固め液部分7内に突込み状(同図e)として既成杭6の埋め込み作 業を完了する。
【0004】 このプレボーリング工法で施工される既成杭は、あまり大径ではないことか ら、特定箇所で所定の支持耐力を得るために、通常3〜5本程度の複数本の既成 杭を所定間隔、それも比較的近い100〜150cm程度の間隔でまとめて埋め 込まれることが多く、そのため地盤によっては、隣接する杭穴同士が連通状とな っていて、根固め液や杭周固定液が隣接する杭穴や地盤内に逃げ出し、1既成杭 当りの支持耐力が設計値以下に減少してしまうものも発生するため、それらの杭 穴に遭遇した既成杭の場合、最終段階に至っても、なおもロッド下端のキャップ で吊り下げ状とされたままで沈み傾向となっていて安定せず、それを見逃してロ ッド下端キャップから既成杭を解放してしまうと、当然の如くその既成杭は、設 計された位置以下に沈んでしまい、所定の支持耐力を得ることができなくなって しまい、後から補強工事を余儀無くされることになる。
【0005】 こうした不測の事態は、複数本を一まとめにして支持耐力を設計するプレボ ーリング工法で固有に発生する避けられない課題となっていることから、施工管 理者側では、予めそれらを予想し、最終工程段階で細心の注意をはらってその防 止に当たっている。しかし、その多くは、ボーリングデーターを基礎とし、後は 経験と勘とに頼った判断に基づいているため、必ずしも十分な信頼性がなく、し たがって、今でも1現場で必ず数箇所、率にして5〜30%にも及ぶ既成杭に対 し、補強工事を覚悟しなければならないのが実情となっている。
【0006】 長年に渡って杭基礎工事に従事してきた本願考案者においても例外ではなく 、ボーリングデーターから現場毎に現象を独自の判断で予測し、プレボーリング 工法による杭基礎工事を施工してきたが、限られた範囲内に比較的近接して複数 本の既成杭を埋め込む最近のプレボーリング工法による杭基礎工法の場合、仮に それら複数本の既成杭毎にボーリングデーターを取った(実情は、限られた面積 内であることと経費節減とで、中心となる1ケ所だけのデーターで済まされてい る。)としても、地盤地質によっては近接した杭穴間が連通状となってしまう現 象を惹起することがあり得ることから、正確な判断を下すことは極めて困難であ るという結論に達している。
【0007】 そのため、本願考案者では、これまでの経験に基づき、既成杭埋め込み箇所 毎に、工程最終段階に現場作業員が杭側でロッド上端の被ジョイント部12と杭 回転オーガ下端のロッド用ジョイント部11との間の僅かな間隙の空き具合を目 視して、ロッド13に吊り下げ状となったままで最終工程段階を迎えている既成 杭6が、ロッド13に対して未だ吊り下がり状態(先のジョイント部間の間隙が 最大となっている状態)か、あるいは安定した状態(先のジョイント部間の間隙 が全くない状態)か、あるいはその中間でやや不安定の状態か等を判別し、既成 杭6毎に適切な措置を施すことができるようにしたことから、どの施工現場にお いても、全ての箇所の既成杭6の埋め込み作業を、略完壁に近い確率で設計値ど おりに納める施工を実現してきた。
【0008】 この考案では、上記した本願考案者の知見に基づき、より明確にロッドに対 する埋め込み中途の既成杭の関係が判別できる、特に現場作業者が杭側にまで近 寄る繁雑さや危険性に晒されることもなく判別できるようにし、効率的且つ正確 な既成杭による基礎工法が、全ての施工現場で実施可能となるようにするための 機械器具の開発、研究に取り組み、遂に以下において詳述するとおりの杭回転用 オーガ用の補助部品であって、杭回転用オーガのロッド用ジョイント部に組合わ せて極めて簡便に目的が達成できるようにしたロッド接続用アダプタの実現化に 成功したものである。 以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述す ることとする。
【0009】
【考案の構成】
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この 考案の杭回転用オーガのロッド接続用アダプタは、基本的に次のような構成から 成り立っている。 即ち、杭回転用オーガ下端のロッド用ジョイント部と杭接続用キャップを有 するロッド上端被ジョイント部との間に介在、装着可能にする上部金具部と下部 金具部とから形成され、上端にロッド用ジョイント部への接続部が形成された上 部金具部と、下端にロッド上端被ジョイント部への接続部が形成された下部金具 部とが、杭回転用オーガからの水平面内回転駆動力を伝達可能とし、且つ垂直方 向所定範囲に渡る相対的な上下動を可能とするスライド自在構造となる如く組み 合わされてなるものとした杭回転用オーガのロッド接続用アダプタである。
【0010】 ロッド接続用アダプタは、掘削機のリーダを支持部とした杭回転用オーガの ケリーバー下端に形成されているロッド用ジョイント部と、下端のキャップに既 成杭の頭を接続、一体化して前記杭回転用オーガに接続する機能を果たすロッド 上端の被ジョイント部との間に介在、装着され、実質的に既存ロッドの一部を成 すようにするものであり、上端にロッド用ジョイント部への接続部が形成された 上部金具部と、下端にロッド上端被ジョイント部への接続部が形成された下部金 具部とで対をなし、両者が、杭回転用オーガからの水平面内回転駆動力を伝達可 能とし、且つ垂直方向所定範囲に渡る相対的な上下動を可能とするスライド自在 構造となる組み合わせ構造で形成されている。
【0011】 水平面内回転駆動力を伝達する手段は、平面形状が多角形に形成された大径 の角筒体に、平面輪郭形状が大径の角筒体に相似形状を成す小径角体を挿入して 軸心回りに回転力を伝達するようにしたものや、一対の平板状部材同士を互いに 添設状とし、上下方向にアリ溝等、一方が他方の断面内に包み込まれたような連 結構造となって組み合わされるようにしたもので、上下方向の軸心回りの回転力 を確実に伝達するようにすることができる。 なお、前者の事例には、相互が円形断面で組み合わされ、両者間に跨がって キーに相当する回り止め部品を介在させるようにした構造のもの等も包含されて いる。
【0012】 スライド自在構造は、上部金具部あるいは下部金具部何れか一方に、上下方 向所定範囲に渡って延びる長溝または長孔を形成すると共に、該長溝または長孔 を形成していない側の上部金具部あるいは下部金具部に、先の長溝または長孔に スライド自在に挿入されるようにした規制ピンを有するようにした構造のものと するか、あるいは、上部金具部と下部金具部とが添設構造で対をなし、何れか一 方が他方の断面内に包み込み状となる連結構造、例えばアリ溝構造やチャンネル 構造等であって、上下方向にそれら連結構造を使ってスライドするようにした構 造のものとすることも可能である。 なお、このスライド自在構造は、上下方向が所定範囲、例えば10〜15c m程度の範囲に規制されたものに形成されるようにする一方、それら上下のスラ イド量が肉眼あるいは望遠鏡等で遠方からでも明確に確認できるよう、公知の量 目ガイド、例えば目盛りを付設するようにしたりや、あるいはそれに相当するも のが形成されたものとしなければならない 以下、図面に示す幾つかの実施例について詳述することにより、この考案に 包含される杭回転用オーガのロッド接続用アダプタの構成が、より具体的且つ明 確に把握できるようにすることとする。なお、各実施例とも、従来装置、部品と 変わらない装置、部品については、共通の符号を採用している。
【0013】
【実施例1】 3のアダプタの全体斜視図に示されている事例は、この考案の最も代表的な構成 からなるものである。 この事例のロッド接続用アダプタ20は、図3の全体斜視図が示すとおり、 上端に杭回転用オーガ8のロッド用ジョイント部11に連結される上側接続部2 1が形成された大径角筒体からなる上部金具部28と、この上部金具部28に下 方から挿入、連結される小径角体からなる下部金具部29との組み合わせからか らなり、該下部金具部29の下端には、杭回転用オーガ8におけるロッド用ジョ イント部11と同様にした下側接続部22が形成されている。
【0014】 このロッド接続用アダプタ20の上部金具部28と下部金具部29とは、互 いに挿脱自在に挿入され、上下方向所定範囲での相対的なスライドが可能となる スライド自在構造24を構成している。 即ち、下部金具部29には、その一側面から対峙する他側面に掛けて貫通状 とした長孔25aが上下方向所定範囲に渡って穿設される一方、上部金具部28 には、その一側面から対峙する他側面に貫通する規制ピン27が横設されるよう にし、該規制ピン27が前記長孔25aに挿通された構造で組み合わされること により、上部金具部28の長孔25aを案内部25とした上部金具部28および 下部金具部29の規制された範囲内での相対上下移動が可能となる構造を実現し ている。 なお、スライド自在構造24には、ベアリングやコロ等の転動部品を介在さ せ、その移動がより円滑に実現されるようにすることもできる。
【0015】 また、この上部金具部28は、下方に開口する四角筒状に形成されており、 同開口部から、小径四角体に形成された下部金具部29が、その上端側を同心状 にして挿入されていて、後述するように、上部金具部28が杭回転用オーガ8に よって水平面内回転駆動された際に、その回転力がロスなく下部金具部29に伝 達される構造を実現している。 即ち、この実施例における水平面内回転駆動力を伝達する手段23は、上部 金具部28と株金具部29との遊嵌構造を四角形断面とすることによって実現さ れるものとしているが、同様の機能は、平断面が三角や五角、六角等といった、 三角以上の多角形状に形成されたものとしても達成可能である。
【0016】 こうして形成されたロッド接続用アダプタ20は、その上部金具部28の上 側接続部21を掘削機1のリーダに支持されている杭回転用オーガ8のロッド用 ジョイント部11に下方から差し込むようにして嵌合し、ロッド用ジョイント部 11に予め形成されている、本来ならば図7の正面図に見られるような連結のた めに、従前までのロッド13上端との間で抜け止め手段となるよう形成してある ピン孔からピンP,Pを差し込んで、該ピンP,Pが、ロッド用ジョイント部1 1と上側接続部21とに夫々設けられた切り欠き溝11a,21aに跨がるよう にすることにより、杭回転用オーガ8のロッド用ジョイント部11にこの考案の ロッド接続用アダプタ20が接続、一体化される。
【0017】 この状態におけるロッド接続用アダプタ20の下部金具部29は、図3断面 図が示しているとおり、上部金具部28に対して最も下降した組合せ構造でぶら 下がり状となったまま、その下端に、従前までの杭回転用オーガ8のロッド用ジ ョイント部11に代わる、ロッド用ジョイント部11と同様の構造からなる下側 接続部22を配した状態となることから、以降、従前どおりのロッド13のキャ ップ14で規制杭6の頭部15を接続、一体化した後、ロッド13上端の被ジョ イント部12を、この考案のロッド接続用アダプタ20を介在させていない、従 前までの杭回転用オーガ8のロッド用ジョイント部11へ接続、一体化するのと 同様の操作で接続、一体化して、最終的に規制杭6の杭回転用オーガ8への取り 付けが完了する。
【0018】 この下側接続部22とロッド13上端の被ジョイント部12との接続、一体 化も、ロッド用ジョイント部11への上側接続部21の接続、一体化操作と同様 に実施され、夫々の切り欠き溝11a,12aにピンP,Pを跨がるように挿入 し、図1の正面図が示す装着状態を実現するものである。 なお、図1中、右側に並べて図示している如く、上部金具部28の大径角筒 体構造と、下部金具部29の小径角体構造とを取り替えたものとした、恰も上記 までのロッド接続用アダプタ20を上下反転し、更に上に回ったそれまでの下側 接続部22と、下に回ったそれまでの上側接続部21とを交換してなるような構 造のものとすることも勿論可能である。
【0019】
【実施例2】 図4の上側接続部21側を省略した一部断面を含む斜視図、および図5の水 平断面図に示されている実施例は、上部金具部30および下部金具部31の組み 合わせ構造が添設状となるようにしたロッド接続用アダプタ20の代表的な実施 例である。 即ち、上側接続部21が省略表示されている上部金具部30が、同図中の断 面表示部分からも理解されるように,「エ」の字断面に形成されたものとなす一 方、他方の下部金具部31は、先の「エ」の字断面の上部金具部30の断面の一 部「T」字形断面の突条部25を、自らの水平断面内に包み込むことを可能とす るアリ溝32の形成された断面構造のものとなし、下部金具部31のアリ溝32 に上部金具部30の突条部25を遊嵌状とすることにより、両金具部30,31 双方が互いに相対的な上下方向のスライドがなし得るようにした上、上部金具部 30に相対することとなる下部金具部31の壁部には、上下方向の所定範囲に渡 って切り欠き長溝25aが形成され、この切り欠き長溝25aに対応する上部金 具部30部分には、一本のブロック状の規制ピン27が装着されて複数本のネジ 33,33によって結合されるようにし、該規制ピン27が切り欠き長溝25a に突出状となって係合する構造とすることにより、上部金具部30および下部金 具部31相互の相対的で規制された上下巾内の移動をなし得るスライド自在構造 24が実現されるようにしている。
【0020】 また、上部金具部30および下部金具部31の組み合わせ断面構造により、 杭回転用オーガからの水平面内回転駆動力は、上部金具部30から下部金具部3 1に確実に伝達される回転力伝達構造23が実現されると共に、杭6の下方への 自沈に何等支障を来すこともなく、更には。規制ピン27の位置でロッド13に 対する規制杭6の関係が遠くからでも確実に目視、判断できる構造を実現し得た ものとなっている。 なお、この実施例においても、上記した実施例1の場合と同様に、上部金具 部30と下部金具部31との組み合わせ断面構造を取り替えた構造によるものと することは、当然可能である。
【0021】
【実施例3】 図6の上側接続部を省略し、一部断面を含む斜視図に示されている事例は、 所定範囲の上下巾に規制する構造部分に特徴のあるロッド接続用アダプタ20の 代表的な実施例を示している。 このロッド接続用アダプタ20は、基本的には先の実施例1と同様に、上部 金具部34が大径角筒体から形成され、それに遊嵌状に下方から挿入、組み合わ される下部金具部35が小径角体からなるものとし、上部金具部34の内側天井 部に一端が連結され、他端が下部金具部35の上端に連結された索条36によっ て、上部金具部30および下部金具部31相互の相対的で規制された上下巾内の 移動をなし得るスライド自在構造24が実現されるようにしたものである。
【0022】 図中、37は、上部金具部30および下部金具部31相互の相対的上下移動 量を表示する目盛りを示している。 なお、上部金具部30および下部金具部31の組み合わせ断面構造は、水平 断面において互いに相似関係にあるものに限定される訳ではなく、互いの形状が 係合して回転駆動力を伝達可能な形状のもの、例えば、下部金具部34が、水平 断面でH型となるようなものも当然この実施例に包含される。
【0023】 更に、上記までの各実施例に示した構造に代表されるこの考案のロッド接続 用アダプタ20は、独立した部品として提供することを前提とし、従前までの杭 回転用オーガ8およびロッド13共、何れも何等加工を施すことなく所期の目的 が達成されるようにしたものとしているが、必要に応じ、杭回転用オーガ8のオ ーガ用ジョイント部11の構造として、この考案のロッド接続用アダプタ20の 上部金具部28あるいは30、34に相当する構造のものに形成してしまい、そ れに、予め下部金具部29あるいは31、35に相当する金具部が組み合わされ たものとするものも、この考案の技術的思想の単なる設計変更に過ぎず、当然こ の考案に包含されることは、特に改めていうまでもないことである。
【0024】
【作 用】
以上のとおりの構成からなるこの考案の杭回転用オーガのロッド接続用アダ プタは、図7(a)〜(e)の工程図に示されているプレボーリング工法におい て、既成杭6を埋め込む工程の(d)〜(e)段階で杭回転用オーガ8下端のロ ッド用ジョイント部11とロッド13上端の被ジョイント部12との間に介在、 装着され、既成杭6を先掘された杭穴4内に自沈させていき、その先端が根固め 液部分7に達したところでオーガ8を回転させ、杭先端部分が根固め液部分7内 に突込み状となるようにして既成杭6の埋め込み作業を完了し、地中に打ち込ま れた既成杭6の打ち込み深さDが、例えば約1mに設定されるようにする。
【0025】 この段階でロッド13から既成杭6を直ぐには解放せず、この考案のロッド 接続用アダプタ20の上部金具部28あるいは30、34と下部金具部29ある いは31、35との嵌合状態を、杭埋め込み箇所から離れた位置において目視し 、実施例1では長孔25aが略隠れた状態、また実施例2では規制ピン27が切 り欠き長溝25aの下端に止まる状態、実施例3では目盛り37が略隠れた状態 となって確認されれば、埋め込みの完了した既成杭6は、支持耐力を得た状態で 納まっていると判断され、ロッド13から規制杭6を解放しても差支えがない状 態を迎えていて、この工程の杭埋め込み作業が予定どおり正確に実施されたこと になる。
【0026】 上記とは逆に、長孔25aが露となっていたり、規制ピン27が切り欠き長 溝25aの上端側に移動していたり、あるいは目盛り37が読める状態となって いる場合には、上部金具部28あるいは30、34に対して下部金具部29ある いは31、35がぶら下がり状となっている、即ち既成杭6に支持耐力が十分作 用せず、既成杭6が杭穴4内で沈み傾向にあることを示していることになるため 、ロッド13から規制杭6を直ぐには解放せず、図9に示されているように、金 属プレート等からなるベース板16上にジャッキ17を介してロッド13を上昇 操作(この考案のロッド接続用アダプタ20のスライド自在構造24により実現 )し、所定の位置、即ち、打ち込み深さDを1mとしているとすればその位置に まで正しくジャッキアップ調整した後、凡そ30〜40分間程度の間、そのまま ジャッキ17でロッド13を保持した状態(但し、この段階ではこの考案のロッ ド接続用アダプタ20からロッド13側を外すことができ、ロッド接続用アダプ タ20を装着した杭回転用オーガ8は、次の杭埋め込み作業地点のプレボーリン グ作業に移動でき、他のロッド13を使って作業を開始する。)とし、支持耐力 が発現されるのを待って既成杭6頭部からロッド13を取り外す。 このような既成杭6の沈下現象は、プレボーリング工法で施工される杭基礎現 場で5〜30%にも達することが確認されている。
【0027】
【効 果】
以上のとおり、この考案の杭回転用オーガのロッド接続用アダプタは、先ず 何よりも、従前までの工法に頼る限り、仮令熟練作業者による施工によっても5 〜30%程度の割合で発生していた既成杭の沈下現象の見逃しを、その施工工程 の最終段階で殆ど見逃すこと無く目視、確認することを可能にするものであり、 したがって、従前までのように、沈下現象を見逃して設計どおりに納まっていな い既成杭に対し、その埋め込み作業後に改めて補強、矯正作業をしなければなら ないといった非効率さを完全に払拭し、プレボーリング工法による杭基礎工事を 効率的且つ正確に実施することが保証されるという極めて秀れた特徴を高く評価 されなければならない。 しかも、この考案に包含されるロッド接続用アダプタは、従来からの掘削機 およびロッド双方に対して何等加工を施すこともなく、そのまま着脱可能な構造 としていて、この考案のものを入手後、直ちに装着、使用して所期の目的を達成 することができるという簡便さがあり、広く普及して施工効率を高めることが可 能になるという有利な特徴をも兼ね備えている。
【0028】 特に、各実施例に示すものでは、この考案を代表する構成から成り立つもの であって、上記した特徴を遍く奏するものとすることができる上、実施例1によ るものにものにあっては、案内部25の長孔25aでスライド状態が判断できる ようにしていることから、遠方からの目視、判断に特に有利なものとすることが でき、また実施例2のものでは、上部金具部28と下部金具29とが特異な断面 で組み合わされていることから、回転駆動力の伝達効率の点で秀れ、更に実施例 3のものには、上部金具部28および下部金具29とも加工箇所が少ないことか ら、製造が容易になるという利点を見出だすことができる。
【0029】 叙上の如く、この考案の杭回転用オーガのロッド接続用アダプタは、製造が 容易で安価に提供可能であり、しかも取扱い性にも秀れたものとなっていること から、プレボーリング工法による杭基礎工事の施工効率と精度とを高め、極めて 経済的且つ安全な構造物用基礎の実現を可能とする部品として広く普及させてい くことができるものであり、経済性と安全性とがより一層求められていく土木建 築業界において、大いに歓迎されるものとなることが予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この考案の杭回転用オーガのロッド接続用アダ
プタの技術的思想を具現化した幾つかの代表的な実施例
と従来技術とを示すものである。
【図 1】この考案のロッド接続用アダプの装着状態を
示す正面図である。
【図 2】図1の一部を分解した状態で示す要部縦断面
図である。
【図 3】この考案のロッド接続用アダプの全体斜視図
である。
【図 4】他の実施例によるものの一部断面を含む要部
斜視図である。
【図 5】図4のものの要部水平断面図である。
【図 6】更に他の実施例によるものの一部断面を含む
要部斜視図である。
【図 7】プレボーリング工法の施工過程を示す工程図
である。
【図 8】従前までの杭回転用オーガとロッドとの連結
構造を示す正面図である。
【図 9】沈下傾向にある既成杭の調整状態を示す簡略
化した縦断面図である。
【符号の説明】
1 掘削機 3 オーガスクリュー 4 杭 穴 6 既成杭 8 杭回転用オーガ 9 同回転軸 11 ロッド用ジョイント部 13 ロッド 12 同上端被ジョイント部 14 同キャップ 21 上側接続部 22 下側接続部 23 回転力伝達手段 24 スライド自在構造 25 案内部 27 規制ピン 28 大径角筒体の上部金具部 29 小径角体の下部金具部 30 「エ」の断面の上部金具部 31 上部金具部30に添設、組み合わされる下部
金具部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭回転用オーガ下端のロッド用ジョイン
    ト部と杭接続用キャップを有するロッド上端被ジョイン
    ト部との間に介在、装着可能にする上部金具部と下部金
    具部とから形成され、上端にロッド用ジョイント部への
    接続部が形成された上部金具部と、下端にロッド上端被
    ジョイント部への接続部が形成された下部金具部とが、
    杭回転用オーガからの水平面内回転駆動力を伝達可能と
    し、且つ垂直方向所定範囲に渡る相対的な上下動を可能
    とするスライド自在構造となる如く組み合わされてなる
    ものとした杭回転用オーガのロッド接続用アダプタ。
  2. 【請求項2】 上部金具部と下部金具部とが、何れか一
    方が他方に差し込まれる遊嵌構造となる如くして組み合
    わされると共に、両者間を所定範囲の上下動に規制する
    スライド巾規制構造が組み込まれてなるものとした請求
    項1記載の杭回転用オーガのロッド接続用アダプタ。
  3. 【請求項3】 上部金具部と下部金具部とが、水平断面
    上で、何れか一方が他方の断面内に嵌合される添設構造
    となる如くして組み合わされると共に、所定範囲の上下
    動に規制するスライド巾規制構造が組み込まれてなるも
    のとした請求項1記載の杭回転用オーガのロッド接続用
    アダプタ。
  4. 【請求項4】 上部金具部と下部金具部とが、対をなし
    て同心状に遊嵌する大径角筒体と小径角体との組み合わ
    せからなるものとして形成され、大径角筒体または小径
    角体の何れか一方は、その側壁に上下方向に延びる長溝
    または長孔が形成されたものとすると共に、この長溝ま
    たは長孔を形成していない側の大径角筒体または小径角
    体は、その側壁に、前記長溝または長孔にスライド自在
    に嵌合可能とする規制ピンを有したものとなし、スライ
    ド自在構造が、これら長溝または長孔に規制ピンを挿入
    状として実現されてなる請求項1または請求項2何れか
    記載の杭回転用オーガのロッド接続用アダプタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017031589A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 ジャパンパイル株式会社 ヤットコ回収装置及びヤットコ回収方法
JP2021008798A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 有限会社三友機工 地中杭周掘削ケーシング用アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法

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JP2021008798A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 有限会社三友機工 地中杭周掘削ケーシング用アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法

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