JP3034098U - 温水分配器のバルブ開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動と手動の両操作での温水分配器のバルブ
の開閉を可能にした。 【解決手段】 開閉バルブ１の回転軸４と連結される駆
動軸５を電動装置ケーシング３の上部へ貫通させてハン
ドル６を装着し、電動装置ケーシング３の内部に電動モ
ータ７を設け、この回転力をウォーム８とウォームギヤ
９、および大ギヤ１０，１０’と小ギヤ１１，１１’の
ギヤ比を用いた減速と倍力で駆動軸５を連動回転させ、
駆動軸５にスイッチカム１２を軸着し、このスイッチカ
ム１２によって制動される正・逆回転用のリミットスイ
ッチ１３，１３’を設け、スプリング１４の弾発力によ
って、ウォーム８と噛み合うように弾支させたウォーム
ギヤ９の軸棒１５を電動装置ケーシング３の内部へ露出
させ、上記ハンドル６によって加圧自在になるようにし
手動操作時、ウォーム８とウォームギヤ９が離隔される
ようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、温水分配器のバルブ電動開閉装置に関するものとして、特に、手 動開閉の操作をより容易にし、バルブ開閉の角度を調節できるようにするための ものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に暖房用配管の温水分配器は、主温水供給管から多数の分配管へ温水を分 配するための装置として、多数個の分配管にそれぞれの開閉バルブが設けられる 。この開閉バルブは、必要時に開閉することができるようになっている。 ところが、バルブの開閉は、手動開閉と電動開閉との二つがあるが、従来の手 動開閉は、別途の開閉装置を設けずにバルブを、工具（スパナ等）を用いて操作 するようになっているので、非常に不便であり、かつ遠隔地における操作が不可 能であるという欠点があった。

【０００３】 なお、従来の電動開閉装置としては、ソレノイドによってバルブを開閉する方 式と、電気を加えると、ワックスやパラフィンが溶かされつつピストンを押圧し てバルブを開閉する熱膨張式などが知られているが、このような従来の電動開閉 装置は、消費電力が大きく、動作時熱が生じるし、動作の可否を確認できないと いう欠点があった。さらに、ソレノイド方式は単価が高価であるために非経済的 であり、熱膨張式は開閉の動作時間が３〜５分もかかる等、動作が遅いという欠 点があった。

【０００４】 かつ、従来の温水分配器のバルブ電動開閉装置は、アクチュエータ内に手動操 作装置を兼ねていないので、手動操作が不可能であったり、手動操作のために工 具を用いてバルブを直接操作すべきである等の問題点が多かったし、使用上の不 便さ及び誤動作に対する対処などが難しいという問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案の目的は、上記問題点を解消して簡便に遠隔地で操作できる電動操作 と、手軽く操作できる手動操作を兼ねられるようにした温水分配器のバルブ開閉 装置を提供することにある。 かつ、この考案の他の目的は、手動開閉時、より容易で簡便に電動開閉から手 動開閉へ転換させてから操作できるようにすることにある。 なお、この考案の他の目的は、温水分配器のバルブの開閉のための回転角度を 調節できるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る温水分配器のバルブ開閉装置は、バルブの回転軸と連結された 駆動軸を設けてケーシングの外部にハンドルを付着して、電動モータを設けて伝 達ギヤなどによって、上記駆動軸を回転することができるようにし、この駆動軸 に一組のカムおよびこのカムの位置を感知して、モータの正・逆回転を制御する リミットスイッチを設け、上記電動モータの回転力を伝達するウォームギヤの軸 棒の上下移動が可能であり、上下移動によって電動モータのウォームと噛み合い または脱着されるようにし、このウォームギヤの軸棒の下端部にスプリングを設 けて通常は電動モータのウォームとウォームギヤが噛み合い状態にあり、このウ ォームギヤの軸棒の上端部がケーシングの外部に露出され、上記ハンドルによっ て押されるように構成する。

【０００７】 これによって、この考案は、遠隔地で電動モータを駆動させて電動でバルブを 開閉し、ハンドルを押してウォームギヤを下降させてウォームとの噛み合いを脱 着させた後、ハンドルを回すと手動操作が可能となる。かつ、一組のカムの角度 を調節してバルブの開閉回転角度を調節できるようにもなる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

実施の形態１． 図１は、この考案において温水分配器のバルブ開閉装置の分解斜視図（ケーシ ングは図示されていない）であり、また図２は平面図であり、図３は側断面図と して、これを参照してこの考案の実施の形態を詳述すれば次のとおりである。

【０００９】 温水分配器の吐出管に管接させた開閉バルブ１において、バルブ体に交差され るように突出させた連結部の固定板２を一体に設け、この固定板２に電動装置ケ ーシング３を取り付け、この電動装置ケーシング３の内部に開閉バルブ１の回転 軸４と連結される駆動軸５を抜止めを施して設け、それの上端部を電動装置ケー シング３の外へ貫通させ、この貫通された上端部にハンドル６を回転方向に係合 し軸方向に移動可能に装着し、それの先端にハンドル６抜止め用円板をボルトで 固着する。

【００１０】 電動装置ケーシング３の内部に電動モータ７を設け、この電動モータ７の回転 力をウォーム８とウォームギヤ９、および大ギヤ１０，１０’と小ギヤ１１，１ １’のギヤ比を用いた減速と倍力に駆動軸５を連動回転させ、駆動軸５に軸着し た大ギヤ１０の上面には、駆動軸５のスイッチカム１２によってオン・オフされ る正・逆回転用のリミットスイッチ１３，１３’を一定間隔に対設し、スプリン グ１４の弾発力によってウォーム８と噛み合うように弾支させたウォームギヤ９ の軸棒１５を電動装置ケーシング３の上部へ露出させて加圧自在になるようにす る。

【００１１】 上記ハンドル６の底面中心部に環状に突設した係止突起１６を、電動装置ケー シング３の上面に突設したフランジ１７に係止させて電動装置ケーシング３の上 面と間隔Ｓが形成されるようにスプリング１４’で弾止させ、電動装置ケーシン グ３の上面へ露出させたウォームギヤ９の軸棒１５の上端をハンドル６の底部に 位置させ、ハンドル６の加圧と同時に軸棒が下降され、ウォーム８とウォームギ ヤ９が離隔されるように設け、上記駆動軸５のスイッチカム１２，１２’は、一 組で構成して、二つのスイッチカム１２，１２’を重畳されるように軸挿させて 、ボルト１８をゆるめてカム先端の位置が相違するように調節できるよう構成さ れている。 図面中、未説明の符号１９は開閉ボールであり、２０は電源遮断用リミットス イッチである。

【００１２】 このようにこの考案は、電動モータ７が電気的信号をうけて作動されると、ウ ォーム８とウォームギヤ９に基づいて減速回転され、再び大ギヤ１０，１０’と 小ギヤ１１，１１’によるギヤ比の差異で減速されつつより大きな力で倍力され て駆動軸５を回転させる。この駆動軸５が回転されると、これと連結された開閉 バルブ１の回転軸４が同時に回転され、開閉ボール１９を回転させることによっ て開閉バルブ１を自動的に開放または閉鎖させることになり、駆動軸５が回転さ れつつ、これに装着されたスイッチカム１２，１２’が逆回転用のリミットスイ ッチ１３，１３’を交互に作動させることにより、電源を遮断させることになる 。

【００１３】 一方、停電時とか、開閉装置の一部故障で自動開閉が行なわれない時は、ウォ ームギヤ９の軸棒１５の上端を、ハンドル６によって加圧させて電動モータ７の ウォーム８と噛み合い状態を解除させることにより、ハンドル６を回して手動操 作ができるようになっている。

【００１４】 ここで、この考案は、駆動軸５を回転させるハンドル６を係止突起１６に基づ いて電動装置ケーシング３のフランジ１７に係支させて、スプリング１４’で間 隔Ｓを形成させ、この底部に手動操作を行うウォームギヤ９の軸棒１５の上端を 位置させたので、停電時とか開閉装置の故障で自動操作されない時には、ハンド ル６を押さえると、軸棒１５の下端に軸着されたウォームギヤ９がスプリング１ ４を圧縮させつつ下降され、ウォーム８との噛み合い状態を解除させるとともに 、電源遮断用のリミットスイッチ２０をオフさせる。

【００１５】 この状態でハンドル６を回転させると、ギヤの噛み合い状態が解除の状態であ るため、開閉ボール１９が手動で手軽く回転され、開閉バルブ１を開放または閉 鎖することができるようになる。即ち、故障とか停電時に、簡便に手動操作が行 えることになる。

【００１６】 そして、駆動軸５には、正・逆回転用のリミットスイッチ１３，１３’を作動 させる２つのスイッチカム１２，１２’を重畳されるように軸挿させ、ボルト１ ８をゆるめて先端の位置が相違するように調節されるようにしたことで、スイッ チカム１２，１２’の先端を添付図面である図４のようにずれるようにボルト１ ８によって固定させると、駆動軸５の回転時、ずれるように固定させた角度の距 離で、オン・オフとなるため、必要時に駆動軸５の回転量を制御して開閉バルブ １の開口程度を調節できるという特徴がある。

【００１７】

【考案の効果】

このようにこの考案は、電動でバルブを開閉することができ、停電時などには 、バルブの手動開閉の操作が手軽くできるので、便利性が図られ、かつ、スイッ チカムのずれた角度を調節して必要時バルブの開閉角度を調節できるという効果 を奏する。

【００１８】 なお、電動モータ７として小型の直流モータを使用し、ギヤ比によって大きな 力で作動することができるので、電動開閉の信頼性を高め小型化ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の一実施の形態を示す展開斜視図。

【図２】 この実施の形態の電動装置ケーシング内を示
す平断面図。

【図３】 この実施の形態を示す側断面図。

【図４】 この実施の形態におけるスイッチカムとリミ
ットスイッチとの関係を示す部分断面図。

【符号の説明】

１ バルブ、２ 固定板、３ 電動装置ケーシング、４
回転軸、５ 駆動軸、６ ハンドル、７ 電動モー
タ、８ ウォーム、９ ウォームギヤ、１０，１０’
大ギヤ、１１，１１’ 小ギヤ、１２，１２’ スイッ
チカム、、１３，１３’ リミットスイッチ、１４，１
４’ スプリング、１５ 軸棒、１６ 係止突起、１７
フランジ、１８ ボルト。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルブの固定板に電動装置ケーシングを
   取付け、この電動装置ケーシングの内部にバルブの回転
   軸と連結される駆動軸を設けて、電動装置ケーシングの
   外へ貫通させた上端にハンドルを設け、電動装置ケーシ
   ングの内部に電動モータを設け、この電動モータの回転
   力を伝達して、ギヤ比を用いた減速と倍力で駆動軸を連
   動回転させるウォームとウォームギヤ、および多数の回
   転力伝達ギヤを設け、上記駆動軸にスイッチカムを固定
   設置し、このスイッチカムの回転位置を感知して、上記
   電動モータの正・逆回転制御を行うためのリミットスイ
   ッチを一定間隔に対設し、スプリングの弾発力によって
   ウォームと噛み合うように、弾支させたウォームギヤの
   軸棒を電動装置ケーシングの上記へ露出させて加圧自在
   なるように設け、上記ウォームの下部に上記軸棒が下降
   され、ウォームとの噛み合いが解除されることを感知し
   て、上記電動モータの電源を遮断するリミットスイッチ
   を設けて構成されたことを特徴とする温水分配器のバル
   ブ開閉装置。
2. 【請求項２】 上記ハンドルは上記ハンドルの底面中心
   部に環状に突設した係支突起を電動装置ケーシングの上
   面に設けられたフランジに係支させて間隔が形成される
   ように、スプリングで弾支させ、電動装置ケーシングの
   上面に露出させたウォームギヤの軸棒の上端をハンドル
   の底部に位置させてハンドルの加圧と共に、軸棒が下降
   されるように設けて構成されたことを特徴とする請求項
   １記載の温水分配器のバルブ開閉装置。
3. 【請求項３】 上記スイッチカムは二つのスイッチカム
   からなり、これら二つのスイッチカムを重畳されるよう
   に、駆動軸に軸挿させて、これらカム先端の位置が相違
   するように調節できるようにした請求項１記載の温水分
   配器のバルブ開閉装置。