JP3033997U - 攪拌散水型融雪装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高能率の融雪装置を提供する。 【解決手段】融雪槽内上部適所に加熱炉筒を設け、該槽
内に適当量貯留された水をポンプにより加熱炉筒内に導
き、加熱した温水を加熱水散水管により融雪槽内に散水
する加熱散水機構部と、貯留水を汲み上げて融雪槽内上
部に周設された非加熱水散水管より融雪槽内中央に向け
て散水する非加熱散水機構部とを各々設け、モーター駆
動により回転する羽根を有する攪拌機構部を融雪槽内に
設けて、以上の双方の散水による融雪機能と、攪拌によ
る融雪補助機能との双方の機能により融雪するよう構成
したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、シャワー状の散水方式と融雪槽内の攪拌方式を併用した攪拌散水 型の融雪装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、種々の融雪装置が利用されており、なかでも融雪槽内に設けた加熱 炉筒に雪を接触させて融雪するものや、槽内に投入された雪塊上に温水を散水す るものなどが比較的多用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の融雪方式の中で、加熱管体を用いるものは融けた雪が水に変わり、この 管体すなわち炉筒は水中に位置するために、次々と投入される雪によってこの水 は冷却されるために水温は上昇しにくい。 また、散水方式の場合、炉筒内に配管を通してバーナーの噴射熱によって配管 内を流れる水を加熱するため、スペース上の制約によって配管の長さすなわち加 熱表面積に限度があり、かつ加熱された温水は数秒で炉筒外へ流れるので水温が 上昇しにくく、融雪効率を高めにくい。 さらに、従来方式では熱交換部分は水中に設置されており、投入される雪によ って冷却され、充分な熱交換効率の得にくいものであった。 本考案は、以上記した従来からの融雪方式に関わる課題を解決するために考案 されたもので、温水をシャワー状に雪上に散水し、同時に融雪槽内を攪拌するこ とによって、高効率の融雪を可能とする融雪装置を提供することを目的として開 発されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

課題を解決する手段として本考案は、加熱水と非加熱水の双方を雪塊上に散水 し、融雪槽内を回転羽根により攪拌して効率的な融雪を可能とするべく構成した 。 すなわち、融雪槽内上部適所に加熱炉筒を設け、該槽内に適当量貯留された水 をポンプにより加熱炉筒内に導き、加熱した温水を加熱水散水管により融雪槽内 に散水する加熱散水機構部と、貯留水を汲み上げて融雪槽内上部に周設された非 加熱水散水管より融雪槽内中央に向けて散水する非加熱散水機構部とを各々設け 、モーター駆動により回転する羽根を有する攪拌機構部を融雪槽内に設けて、以 上の双方の散水による融雪機能と、攪拌による融雪補助機能との双方の機能によ り融雪するよう構成する。 本考案は以上の構成よりなる攪拌散水型融雪装置である。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案を使用するには、まず設置された融雪槽内に適当量の水を貯留する。 そして加熱水散水ポンプを駆動して水を汲み上げ、炉筒内へ水を貯留する。 次にバーナーを点火し、炉筒内の水を加熱して水温を上昇させる。 この炉筒は二重筒構造であり、内筒内をバーナーの噴気が通過し、外筒と内筒 間に水が位置しており、この外筒と内筒間にて熱伝達が行われる構造である。 そして融雪槽内に雪を投入し、加熱水散水ポンプ及び非加熱水散水ポンプを作 動させる。すると、加熱水散水ポンプにより汲み上げられた水は炉筒通過によっ て加熱温水となり、加熱水散水管に設けられたノズル部分より、融雪槽内の雪塊 上へシャワーとなって散水されて融雪が行われる。 一方、非加熱水散水ポンプにより汲み上げられた水は、融雪槽内に周設された 非加熱水散水管よりシャワー状に槽内中央に向けて散水されて融雪が行われる。 また、融雪槽のほぼ中央に位置する回転羽根の動きによって槽内の水及び雪塊 が攪拌され、槽内貯留物間の熱交換が進行する。

【０００６】 以上のように、本考案では加熱散水、非加熱散水、槽内攪拌の三つの要素によ って融雪が行われる。 また、加熱のための炉筒は二重筒構造であり、貯留水面の上方に位置している 。 従って、前記した従来方式に比べ、炉筒が融水によって過度に冷却されること なく、適温の加熱水を散水することができる。 また、炉筒内に配管せず、二重筒方式のために従来法より長時間の加熱を可能 とし、より高温での散水を可能とした。 これに加え、本案では融水を循環させて散水する非加熱散水を併用している。 一般に融雪槽内に投入された雪塊は、槽の中央部により堆積しがちであるが、 この中央部に重点的に加熱散水が行われ、槽の外周寄りの位置へは非加熱散水が 行われて、バランスよくかつ効率的に融雪を行うことができる。 そしてさらに、槽の中央部には回転羽根が回転しており、これによって、降り 注いだ加熱水と非加熱水及び融水の三者を攪拌混合するので、互いの熱交換をす みやかに進行させ、槽内での融雪をより一層進展させることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。 図において、１は箱形の融雪槽で、通常は地面下に設置される。 ２は枠状の開閉蓋で、融雪槽の上面適所にその端部が回動可能に設けられる。 ３は炉筒収納部で、中空直方体状をなし、融雪槽の内面上部位置に取り付けら れる。この炉筒収納部内には、二重円筒構造の炉筒４が取り付けられる。そして 炉筒の内筒に連通してバーナー５の噴射口が接続され、内筒の他端には排気管６ が接続される。 ７は融雪槽の底部適所に設置される加熱水散水ポンプで、炉筒の外筒と内筒の 中間位置に配管接続される。８は加熱水散水管で、外筒と内筒間位置の炉筒端に その一端が接続され、可撓管部分を経て開閉蓋の内面にその他端が取り付けられ る。この加熱水散水管にはノズル部分が設けられて散水可能に形成されている。 ９は非加熱水散水管で、融雪槽の内面上部位置に周設され、複数個の散水孔が 穿設されている。１０は非加熱水散水ポンプで、融雪槽内底部適所に設けられ、 非加熱水散水管９に配管接続される。 １１はモーターで、融雪槽の底部中央に取り付けられ、その上方に突出した回 転軸には羽根１２が設けられる。１３は融雪により生じた融水の排水口である。 なお、以上の電動部分には電源（図示略）が適宜供給され、バーナーには燃料 が供給される。

【０００８】 本案の機能・使用法については前述したが、本例では開閉蓋に取り付けられた 加熱水散水管と炉筒間の配管に可撓管部を設け、これによって蓋の開閉がスムー スに行われるよう構成している。なお、図２での開閉蓋は上方へ９０度回動した 状態を示したものであって、この蓋を安定保持させるための係止部（図示略）が 適所に設けられる。なお、本例では回転羽根とモーターとを直結しているが、図 １の仮想線にて示すように、チェーンとスプロケットによって回転力を伝達する 方法を用いてもよい。 以上のごとく、本考案によってより効率的に融雪を行うことができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、加熱散水、非加熱散水、槽内攪拌の同時進行によって融雪を 行うため、従来法に比べてより高能率の融雪作業を行うこができ、地面下に設置 することでスペース的にも有利なる、有用なる装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面から見た内部構造説明図

【図２】本考案の正面から見た内部構造説明図

【符号の説明】

１ 融雪槽 ２ 開閉蓋 ３ 炉筒収納部 ４ 炉筒 ４ａ 外筒 ４ｂ 内筒 ５ バーナー ６ 排気管 ７ 加熱水散水ポンプ ８ 加熱水散水管 ８ａ 可撓管部 ９ 非加熱水散水管 １０ 非加熱水散水ポンプ １１ モーター １２ 羽根 １３ 排水口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】融雪槽内上部適所に加熱炉筒を設け、該槽
   内に適当量貯留された水をポンプにより加熱炉筒内に導
   き、加熱した温水を加熱水散水管により融雪槽内に散水
   する加熱散水機構部と、貯留水を汲み上げて融雪槽内上
   部に周設された非加熱水散水管より融雪槽内中央に向け
   て散水する非加熱散水機構部とを各々設け、モーター駆
   動により回転する羽根を有する攪拌機構部を融雪槽内に
   設けて、以上の双方の散水による融雪機能と、攪拌によ
   る融雪補助機能との双方の機能により融雪するよう構成
   したことを特徴とする攪拌散水型融雪装置。