JP3033926U - 生態模倣の植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然界の植物への給水様式を植木鉢において
模倣した、生態模倣の植木鉢の提供。 【解決手段】 植木鉢本体１、透水性セラミック盤２、
支架３、及び導水管３３を備え、その中、植木鉢本体１
は底部が密閉状とされ、該植木鉢本体１内に支架３及び
透水性セラミック盤２が順に置き入れられることを以
て、植木鉢本体１内が上半部の土壤区１１と下半部の集
水区１２の二部分に分けられ、導水管３３が支架３上の
管座３１に差し込まれてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一種の生態模倣の植木鉢であり、大自然の植物の生態環境を、植木 鉢中に模倣したもので、従来の植木鉢とは異なり、水やりの際、大量の水分が流 出することがなく、そのため、マンションなどでベランダに置かれた植木鉢に水 やりをしても、水の流出により階下の住人に迷惑を及ぼす恐れがなく、また雨天 時などには、植木鉢中に設けられた透水性セラミック盤を介して土壌に浸透し累 積した水を植木鉢中の下部に設けられた集水区に収集することができ、ゆえに、 従来のものとは異なり、水受け皿を敷く必要がなく、水受け皿が発生場所を形成 することがないものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の植木鉢は、植物の根部が水に漬かることを防ぐために、底部に複数の排 水孔が設けられているほか、余った水が排水孔より排出された後に地面を濡らす ことを防ぐために、一般には排水を受ける水受け皿と組み合わせて使用されてい た。しかし、水の溜まった水受け皿が蚊の産卵場所となり、環境衛生に対し、お ろそかにできない影響を与えた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

図１は本考案で模倣した自然界の植物の生態環境モデル図であり、自然界中で 、植物が地下水より必要な水分を獲得する状態を示している。自然界では、植物 は必要とする水分を雨水或いは地下水より得ているが、雨水は常に得られるわけ ではなく、ゆえに地下水が植物の取得する水の最大の供給源となっている。なお 、植物の根部は大地に水分を保持させ、河川の水量を調節する役割も果たしてい るが、植物自体の水分獲得過程は、植物自体の必要を以てなされ、大量に無制限 に地下水を取ることはなく、ゆえに、自然界では、植物の給水様式が最良の状態 に保たれており、植物への水分の供給は、植物による需要により決定される。こ のような自然界の植物への給水様式は理想的であり、それを植木鉢中に再現もし くは模倣すれば、水やりの水量を最小まで減少でき、また植木鉢設置場所を濡ら しにくくすることができるであろう。 ゆえに、本考案は、自然界の植物の生態環境を参考とし、自然生態における給 水様式を植木鉢中に模倣することで、上述の従来の技術の有する欠点を改善する ことを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、植木鉢本体１、透水性セラミック盤２、支架３、及び導水 管３３を備え、その中、植木鉢本体１は底部が密閉状とされ、該植木鉢本体１内 に支架３及び透水性セラミック盤２が順に置き入れられることを以て、植木鉢本 体１内が上半部の土壌区１１と下半部の集水区１２の二部分に分けられ、導水管 ３３が支架３上の管座３１に差し込まれてなる、生態模倣の植木鉢としている。 請求項２の考案は、請求項１の生態模倣の植木鉢で、その中、支架３はリング 状の平板構造とされると共に、導水管３３挿置用の、垂直に貫通する管座３１を 備え、支架３の外縁は植木鉢本体１の内側壁面に密着し、支架３の内縁は透水性 セラミック盤２下方の環座２３と密着することを特徴とする、生態模倣の植木鉢 としている。 請求項３の考案は、請求項１の生態模倣の植木鉢で、その中、透水性セラミッ ク盤２は、盤を裏返して中心を高く、外側を低くした形状とされ、該透水性セラ ミック盤２の上方に複数の相互に同心円状に配列された環状凹所２１が形成され 、下方には該環状凹所２１に対応して同心円状を呈する環状下凸部２２が形成さ れ、該透水性セラミック盤２の辺縁が下向きに延伸された後に透水性セラミック 盤２の中心に向けて延伸されてさらに下向きに延伸されて、一つの環座２３が形 成され、該環座２３は透水性セラミック盤２が支架３に置き入れられる時、支架 ３のリング内縁と相互に密着し、支架３の下方の被包された区域は、保水発泡材 ２４とされ、透水性セラミック盤２の下方は該保水発泡材２４の一端を緊密に被 包していることを特徴とする、生態模倣の植木鉢としている。

【０００５】

【考案の実施の形態】 図６は本考案の一つの実施例の使用状態における断面図である。該実施例は、 、植木鉢本体１、透水性セラミック盤２、支架３、及び導水管３３を備えている 。その中、植木鉢本体１は、底部が密閉状を呈し、上が広く下が狭い内径分布を 有する桶状とされている。また上記透水性セラミック盤２は、多孔構造で水分に 対する吸着性を有するセラミックを材料とし、図２、３に示されるように、一つ の盤を裏返し、中心を高く、外側を低くした形態を有し、その上面には複数の、 該透水性セラミック盤２の中心を中心とする環状凹所２１が同心円状に配列され 、該透水性セラミック盤２の下面には該環状凹所２１に相対する複数の環状下凸 部２２が、同心円状に配列され、該透水性セラミック盤２の辺縁は下向きに延伸 された後、さらに中心に向けて延伸されて、該辺縁が被包する口径を縮小した後 、さらに下向きに延伸され、透水性セラミック盤２の辺縁を下向きに覆って一つ の環座２３を形成しており、該環座２３により透水性セラミック盤２が後述の支 架３上に支承され、保水発泡材２４を形成するための発泡原料が直接、透水性セ ラミック盤２の下方が覆う区域に置かれ、発泡が進行させられ、これにより保水 発泡材２４が十分に透水性セラミック盤２の下方に密着するよう発泡形成され、 透水性セラミック盤２による保水発泡材２４の一端への緊密な被包が達成される 。また、上記支架３は、図４に示されるように、リング状の平板構造とされ、導 水管３３挿置用の、垂直に貫通する管座３１を備え、導水管３３が注水を滑らか に行わせ、該支架３のリング内径は透水性セラミック盤２の辺縁下方に設けられ た環座２３の大きさにより定められ、支架３下方には支承用の足架３２が設けら れている。また、上記導水管３３は、一般の管構造を有するものとされ、支架３ に設置された管座３１に挿置かれ、植木鉢本体１底部の集水区１２への注水に利 用され、さらに図５に示されるように、該導水管３３の上端は横向きに適当な角 度で切断されて、一つの管蓋３３１が組み合わされており、該管蓋３３１は美観 と植物の科目や名称の表示場所を提供する。 本考案を使用する時には、栽培植物の大きさにより、適当な規格のものを選び 、支架３を植木鉢本体１内に置き入れ、並びに足架３２の高さを調整して支架３ の辺縁と植木鉢本体１の内縁が密着するようにし、さらに保水発泡材２４を被包 した透水性セラミック盤２を支架３のリング内に置き入れ、もし保水発泡材２４ の長さが長すぎる時は、一部の保水発泡材２４を切除して、透水性セラミック盤 ２の環座２３が支架３と相互に密着して嵌合するようにし、以上を以て、植木鉢 本体１を上半部の土壤区１１と下半部の集水区１２に分割し、並びに導水管３３ を管座３１に挿置した後、土壤を土壤区１１に充填し、並びに植物を土壤区１１ に植え込む。さらに、導水管３３の管蓋３３１に植物の名称を書き込むこともで きる。本考案における給水は、まず、導水管３３より注がれた水が、毛細管現象 により保水発泡材２４を上昇し、並びに透水性セラミック盤２へのしみ込みを経 て土壤内に進入することを以てなされ、このとき、透水性セラミック盤２の上下 の表面に相対して設置された環状凹所２１と環状下凸部２２が水分の浸透面積を 増加して浸透効率を高められている。また雨天時には、透水性セラミック盤２の 浸透機能により、土壤表面に累積した雨水が集水区１２に逆に収集される。また 、本考案のもう一つの実施例は、植木鉢本体１の内縁が外から内に傾斜する時に 、支架３の足架３２を省略したものとされ、植木鉢本体１の内側斜面を以て支架 ３を保持しており、それは、図７に示されるとおりである。

【０００６】

【考案の効果】

本考案の生態模倣の植木鉢は、自然界における植物への給水様式を植木鉢中に 模倣したものであり、水やりの時の大量の水分の流出を防ぎ、水資源の浪費を防 ぎ、ビルのベランダなどで、大量に流出した水分が階下の住人に迷惑を及ぼすの を防ぎ、また注いだ水が外部に漏出しないため、卓上などに置くのに適し、環境 を清潔に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案で模倣した自然界の植物への給水様式モ
デル図である。

【図２】本考案の透水性セラミック盤の斜視図である。

【図３】本考案の透水性セラミック盤の断面図である。

【図４】本考案の支架の斜視図である。

【図５】本考案の導水管の注水口表示図である。

【図６】本考案の一つの実施例の使用状態における断面
図である。

【図７】本考案のもう一つの実施例の使用状態における
断面図である。

【符号の説明】

１・・・植木鉢本体 １１・・・土壤区 １２・・・集
水区 ２・・・透水性セラミック盤 ２１・・・環状凹所 ２
２・・・環状下凸部 ２３・・・環座 ２４・・・保水発泡材 ３・・・支架
３１・・・管座 ３２・・・足架 ３３・・・導水管 ３３１・・・管蓋

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植木鉢本体１、透水性セラミック盤２、
   支架３、及び導水管３３を備え、その中、植木鉢本体１
   は底部が密閉状とされ、該植木鉢本体１内に支架３及び
   透水性セラミック盤２が順に置き入れられることを以
   て、植木鉢本体１内が上半部の土壌区１１と下半部の集
   水区１２の二部分に分けられ、導水管３３が支架３上の
   管座３１に差し込まれてなる、生態模倣の植木鉢。
2. 【請求項２】 請求項１の生態模倣の植木鉢で、その
   中、支架３はリング状の平板構造とされると共に、導水
   管３３挿置用の、垂直に貫通する管座３１を備え、支架
   ３の外縁は植木鉢本体１の内側壁面に密着し、支架３の
   内縁は透水性セラミック盤２下方の環座２３と密着する
   ことを特徴とする、生態模倣の植木鉢。
3. 【請求項３】 請求項１の生態模倣の植木鉢で、その
   中、透水性セラミック盤２は、盤を裏返して中心を高
   く、外側を低くした形状とされ、該透水性セラミック盤
   ２の上方に複数の相互に同心円状に配列された環状凹所
   ２１が形成され、下方には該環状凹所２１に対応して同
   心円状を呈する環状下凸部２２が形成され、該透水性セ
   ラミック盤２の辺縁が下向きに延伸された後に透水性セ
   ラミック盤２の中心に向けて延伸されてさらに下向きに
   延伸されて、一つの環座２３が形成され、該環座２３は
   透水性セラミック盤２が支架３に置き入れられる時、支
   架３のリング内縁と相互に密着し、支架３の下方の被包
   された区域は、保水発泡材２４とされ、透水性セラミッ
   ク盤２の下方は該保水発泡材２４の一端を緊密に被包し
   ていることを特徴とする、生態模倣の植木鉢。