JP3033083U - 義歯用ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体障害者や高齢者等のように片手が不自由
な人でも義歯の表面および裏面を容易に、また細部まで
奇麗に掃除することができるし、ブラシの固定と離脱を
容易に行なうことができる。 【解決手段】 適宜の長さに形成し、長手方向他端側に
は斜めに屈曲した指掛部４が形成してある基体１の表面
には、長手方向一端側に位置して大ブラシ部５が植設し
てある。この大ブラシ部５に離間して基体１の表面には
中央部６Ａが鋭角状に突出した小ブラシ部６が植設して
ある。基体１の裏面には大ブラシ部５の位置に対応して
前側吸盤部７が設けてあり、小ブラシ部６の位置に対応
して後側吸盤部８が設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は義歯（入れ歯）を掃除するためのブラシに関し、特に義歯を両手で掃 除することが困難な高齢者や身体障害者が用いて好適な義歯用ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、義歯を掃除する場合、洗面台の上に一方の手で義歯用ブラシを固定し、 他方の手に持った義歯をブラシに擦り付けて磨くといった方法によって掃除を行 っている。また、例えば特開昭５２−１０８６９６号公報には義歯を掃除するた めの機械が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した従来の義歯用ブラシは両手を使用しなければ義歯を掃除する ことができないため、高齢や病気によって或は身体障害のために片手しか使えな い人には使用することが困難であったし、使用できても不十分な掃除しかできな かった。また、特開昭５２−１０８６９６号公報に記載されている掃除用の機械 は高齢者などにとっては日常使用するのに使いづらいし、細部まで掃除すること ができないという問題、価格が高いという問題および機械を使用した後の手入れ が面倒であるといった問題がある。

【０００４】 本考案は上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、身体障害者や高齢 者等のように片手が不自由な人でも容易に、また細部まできれいに義歯を掃除す ることができる義歯用ブラシを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために構成された請求項１に係る本考案の手段は、適 宜の長さに形成した基体と、該基体の長手方向一端側表面に設けた大ブラシ部と 、該大ブラシ部から離間して前記基体の表面に設けた小ブラシ部と、前記基体の 裏面に設けた吸盤とからなる。

【０００６】 また、請求項２に係る本考案の手段は、適宜の長さに形成し、長手方向一端側 を直線状に、他端側を斜め上方に屈曲した指掛部に形成した基体と、該基体の長 手方向一端側表面に設けた大ブラシ部と、前記指掛部表面に設けた小ブラシ部と 、前記基体の裏面に設けた吸盤とからなる。

【０００７】 そして、前記小ブラシ部は中央が鋭角状に突出した形状にすることにより、凹 部や細部を掃除するのによい。

【０００８】 また、前記吸盤は、前記大ブラシ部側及び小ブラシ部側の位置に対応して離間 して設ける構成にすることにより、基体を確実に固定することができる。

【０００９】 しかも、前記大ブラシ部側に位置する吸盤の吸着力に対して小ブラシ部側に位 置する吸盤の吸着力を小さく設定する構成にすることにより、固定した相手部材 から基体を外すのを容易行なうことができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図１乃至図３にお いて、１は例えばポリプロピレン樹脂により成型した平板状の基体を示し、該基 体１は流し台や洗面台等で使用するのに好適な長さ、本実施の形態では約２００ ｍｍ、全体の厚さを約５ｍｍにしてある。そして、基体１は後述する大ブラシ部 ５が植設される長手方向一端側は直径約６０ｍｍで、表面２Ａおよび裏面２Ｂが 平坦な円形基部２に形成され、中央部から他端側は幅が約２０ｍｍで、表面３Ａ および３Ｂが平坦な棒状平板部３になっており、該棒状平板部３の後端側は約４ ０の角度で斜め上方に屈曲した指掛部４になっている。なお、基体１の形状は特 に限定されないが、大ブラシ部５を植設する基体１の長手方向一端側は他の部分 よりも大きめに設計することが好ましく、例えば義歯Ａの歯と歯肉部の幅と略同 じぐらいか、これよりも若干大きめの寸法とし、形状は円形状、矩形状、多角形 状、楕円形状等のいずれの形状であっても良い。要は義歯Ａの凸湾曲状の前面を 掃除しやすく、また収納時に扱いやすい形状であればよい。

【００１１】 また、基体１を構成する素材も義歯Ａを掃除するときに簡単に割れたり、熱で 変形しない強度性および耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、例えば硬 質のプラスチック素材では、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化 ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリア ミド系樹脂等によって形成してもよい。あるいは木、竹で形成したもの、あるい は鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属で形成したものでも良い。

【００１２】 ５は主に義歯Ａの凸湾曲状の前面を掃除するための大ブラシ部で、該大ブラシ 部５は前記円形基部２の表面２Ａに長さ１５ｍｍ、太さ０，５ｍｍのナイロン毛 を直径約５０ｍｍの円形状に密集させて植設し、接着剤により固着してある。こ こで、大ブラシ部５の大きさは義歯Ａの歯と歯肉部の幅よりも長い径であること が好ましく、直径が３０〜１００ｍｍ程度の矩形状、多角形状等のものであれば 、形状については特に制限されない。ブラシの毛は基体１に直接植設しても良い し、予め毛を植設したシート等を基体１１に接着剤等によって接着させて取り付 けても良い。また、ブラシの毛一本の太さは通常の歯ブラシ程度である。その材 質及び硬さは義歯Ａを傷つけず綺麗に掃除ができる素材で通常の歯ブラシ程度の 硬さかそれよりも若干硬めのものであれば特に制限はない。例えば、ポリアミド 系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエス テル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のプラスチック素材の他、豚毛等の動物の毛 や麻等の植物繊維を使用することも可能である。

【００１３】 他方、６は義歯Ａの凹湾曲状の裏面を掃除し、また大ブラシ部５では掃除しに くい義歯Ａの細部を掃除するための小ブラシ部を示す。該小ブラシ部６は大ブラ シ部５と同様の材質からなるもので、基体１の棒状平板部３の略中央表面３Ａに 大ブラシ部５と同様にして固着してある。そして、小ブラシ部６は中央部６Ａの 毛の長さを２０〜３０ｍｍ程度、両側は１０〜２０ｍｍ程度に設定し、中央部６ Ａが約５０度の鋭角状に突出した縦断面ホームベース状の形態に形成することに より、義歯Ａの凹湾曲状の裏面や表、裏の細部をより綺麗に掃除することができ るようにしてある。なお、本考案において大ブラシ部５及び小ブラシ部６を植設 する箇所は必ずしも一か所ずつとは限らず、基体１に複数のブラシを植設するこ とも可能である。

【００１４】 ７は円形基部２の裏面２Ｂに取着した前側吸盤部を示し、該前側吸盤部７は直 径１５ｍｍのシリコーン樹脂製の吸盤７Ａ、７Ａ、・・・を７個取着して構成し てある。他方、８は小ブラシ部６の位置に対応して棒状平板部３の裏面３Ｂに取 着した後側吸盤部を示し、該後側吸盤部８はシリコーン樹脂製の２個の吸盤８Ａ 、８Ａから構成してある。そして、前側吸盤部７の吸着力に対して後側吸盤部８ の吸着力は小さくしてある。

【００１５】 ここで、吸盤部７、８を構成する吸盤７Ａ、８Ａの数や大きさは特に制限され ないが、大ブラシ部５側の吸盤部７は吸盤７Ａの個数を増やすか、或は吸着力の 大きい吸盤とし、逆に小ブラシ部６側の吸盤部８は吸盤８Ａの個数を少な目に取 り付けたり、多少吸着力の小さい吸盤８Ａを取り付けることにより、前側吸盤部 ７に対する後側吸盤部８の吸着力を小さくすることができる。このように、吸着 力に差異を設けるたのは、義歯Ａの前面を洗浄する大ブラシ部５側に大きい力が 加わることと、前側吸盤部７から離間する指掛部４側をてこの原理により持ち上 げて簡単に取り外すことができるようにするためである。

【００１６】 各吸盤７Ａ、８Ａの材質も特に制限されないが、取り付ける箇所が流し台や洗 面台等の水を使用する箇所に設置することが多いこと及び吸着力を考慮し、好ま しくは耐久性のある軟質プラスチック素材或は合成ゴム系の素材であることが好 ましい。このような素材としては、例えばシリコーン系プラスチック、シリコー ン系ゴム、軟質の塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、低密度ポ リエチレン樹脂、硬質相と軟質相を有するいわゆる熱可塑性エラストマーとして ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系可塑性エラストマー、オレ フィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーその他エチレ ンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム等が挙げら れる。吸盤７Ａ、８Ａは基体１に直接機械的に植設しても良いし、接着剤で基体 １に貼り付けて固定したり熱融着によって接合固定しても良い。いずれの取り付 け方法においても、基体１に確実に固定できるように固着する。

【００１７】 次に、図６は本実施の形態の変形例を示す。図において、１１は基体１の指掛 部４表面に植設した小ブラシ部で、該小ブラシ部１１は頂点の毛の長さを約１５ ｍｍとし、頂点の角度を約６０度とした断面略三角形の形状に形成してある。１ ２は小ブラシ部１１寄りに位置して基体１の裏面３Ｂに固着した２個の吸盤１２ Ａ、１２Ａからなる後側吸盤部を示し、該後側吸盤部１２は小ブラシ部１１に接 近して配置することにより、洗浄時での小ブラシ部１１の安定性を高めてある。

【００１８】 上述した実施の形態および変形例に係るそれぞれの義歯用ブラシは、流し台等 の場所に片手で簡単に取り付けて固定することができる。そして、洗浄時には図 ４に示すように、大ブラシ部５で義歯Ａの凸湾曲状の前面を掃除することができ 、図５に示すように、小ブラシ部６、１１で義歯Ａの凹湾曲状の裏側を片手で掃 除することができる。また、大ブラシ部５と小ブラシ部６（１１）を使い分ける ことにより、義歯Ａの表面、裏面およびその細部までも非常に綺麗に、簡単に掃 除することができる。更に使用後、義歯用ブラシを取り外す作業も片手で基体１ の指掛部４を持ち上げるだけで極めて容易に行なうことができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。 （１）義歯用ブラシは、基体の表面に大ブラシ部と小ブラシ部、裏面に吸盤を設 けたことにより、義歯用ブラシを流し台や洗面台に吸盤で吸着させて使用するこ とができるので、身体障害者や両手で義歯の手入れができない高齢者等でも、片 手で簡単に義歯を掃除することができる。 （２）大ブラシ部と小ブラシ部を設けてあるから、義歯の凸湾曲状の前面や凹湾 曲状の裏面だけでなく、義歯の細部も綺麗に掃除することができる。 （３）小ブラシ部を基体の途中に位置させることにより、義歯用ブラシの不使用 時に立てかけておいても水分が小ブラシ部に溜ることがないので、衛生を保つこ とができる。 （４）基体の長手方向他端側に斜め上方に屈曲させた指掛部を設けることにより 、片手の指先で簡単に義歯用ブラシを掴むことができるから、義歯用ブラシを取 り外す際に力の弱い人でもてこの作用により容易に取り外すことができる。 （５）小ブラシ部を基体の端部に位置する指掛部の表面に設けることにより、義 歯の凹湾曲状をした裏面の奥部や、表裏面の細部を一層綺麗に掃除することがで きる。 （６）小ブラシ部は中央部を鋭角状に形成してあるから、凹湾曲状の義歯裏面及 び義歯の細部をより綺麗に掃除することができる。 （７）吸盤は、大ブラシ部側及び小ブラシ部側の位置に対応して離間して設けて あるから、義歯用ブラシは確実に固定されるので大ブラシ部側に力をいれて義歯 を磨いても位置ずれしたりすることもないし、掃除が非常に行いやすい。 （８）大ブラシ部側に位置する吸盤の吸着力に対して小ブラシ部側の吸盤の吸着 力を小さく設定したから、義歯用ブラシを片手でも一層簡単に取り外すことが可 能であり、片手での取り扱いが非常に容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態に係る義歯用ブラシの正面
図である。

【図２】義歯用ブラシの背面図である。

【図３】義歯用ブラシの側面図である

【図４】大ブラシ部の使用状態を示す説明図である。

【図５】小ブラシ部の使用状態を示す説明図である。

【図６】本考案の実施の変形例に係る義歯用ブラシの側
面図である。

【符号の説明】

１ 基体 ２Ａ、３Ａ 表面 ２Ｂ、３Ｂ 裏面 ４ 指掛部 ５ 大ブラシ部 ６、１１ 小ブラシ部 ７ 前側吸盤部 ８、１２ 後側吸盤部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の長さに形成した基体と、該基体の
   長手方向一端側表面に設けた大ブラシ部と、該大ブラシ
   部から離間して前記基体の表面に設けた小ブラシ部と、
   前記基体の裏面に設けた吸盤とから構成してなる義歯用
   ブラシ。
2. 【請求項２】 適宜の長さに形成し、長手方向一端側を
   直線状に、他端側を斜め上方に屈曲した指掛部に形成し
   た基体と、該基体の長手方向一端側表面に設けた大ブラ
   シ部と、前記指掛部表面に設けた小ブラシ部と、前記基
   体の裏面に設けた吸盤とから構成してなる義歯用ブラ
   シ。
3. 【請求項３】 前記小ブラシ部は先端が鋭角状に突出し
   た形状をなしていることを特徴とする請求項１または請
   求項２記載の義歯用ブラシ。
4. 【請求項４】 前記吸盤は、前記大ブラシ部側及び小ブ
   ラシ部側の位置に対応して離間して設けてある請求項１
   または２記載の義歯用ブラシ。
5. 【請求項５】 前記大ブラシ部側に位置する吸盤の吸着
   力に対して小ブラシ部側に位置する吸盤の吸着力を小さ
   く設定してあることを特徴とする請求項４記載の義歯用
   ブラシ。