JP3030815U

JP3030815U - 歯ブラシ

Info

Publication number: JP3030815U
Application number: JP1996005174U
Authority: JP
Inventors: 豊美坂本
Original assignee: 豊美坂本
Priority date: 1996-05-01
Filing date: 1996-05-01
Publication date: 1996-11-12
Anticipated expiration: 2002-05-01

Abstract

(57)【要約】【課題】歯ブラシの、歯を磨く部分が、刷毛のみで構
成されている、従来のものでは、刷毛の先が、十分に歯
の微細な溝や歯周ポケットの底まで、届かないため、歯
垢の除去が困難で、虫歯や歯周病の予防に問題があっ
た。【解決手段】この考案による歯ブラシは、刷毛の他
に、スポンジをもって、歯を磨く部分を構成することに
よって、スポンジの柔軟性と綿のような吸着力を生か
し、刷毛の率直性に、これをミックスさせ、歯垢の的確
な除去をするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、歯磨き部分が、刷毛の部分とスポンジの部分によって、構成される歯ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の歯ブラシは、歯ブラシの柄本体に、刷毛のみを、植え付けて固着したものがあった。

【０００３】

【考案の解決しようとする課題】

本来、歯ブラシは、口腔内に残った食べかすや歯の歯垢を除去して、口腔内及び歯の清潔と衛生を保ち、かつ、虫歯及び歯周病（歯槽膿漏症）の効果的な予防のために、必要欠くべからざるものである。歯の表面は、ゼラチン状の細菌と食物のかすの層（これを「歯垢」という。）によって、覆われている。虫歯は、この歯垢に含まれる炭水化物が、口腔内に常在する細菌によって、醗酵・分解され、これによって産成される強い酸が、歯の象牙質を守っているエナメル質を融解してしまう、ことから始まる。また、歯周病は、歯の歯頸部（６）における歯のエナメル質（７）と、歯肉（１１）との間にある歯周ポケット（１２）に、歯垢が付着し細菌の繁稙によって、歯肉（１１）が炎症を起こすことから、始まる。歯の咬合面（９）のエナメル質（７）には、顕微鏡的な微細な小か裂溝（１０）があり、通常、歯垢は、この部分に最も溜まり易いとされている。虫歯の多くは、この小か裂溝（１０）に詰まった歯垢が、醗酵・分解して産成された強い酸が、歯垢の層の下で、歯に作用して、エナメル質（７）から溶かし始め、次いで、硬度の低い象牙質（８）を侵して、歯に穴があき、歯が破壊されることによって、起こる。歯周病は、歯周ポケット（１２）に付着した歯垢に、唾液中のカルシウムが沈着して歯石を作り、それが歯周病を進行させて、歯槽骨（１３）の吸収をおこし、歯はゆるみ、ついには、脱落する。

【０００４】従って、虫歯の予防、歯周病の根絶には、歯垢の的確な除去が、最も必要であり、この主役が、歯ブラシによる、歯磨きの日常的な励行である。しかし、従来からの歯磨き部分（２）が、刷毛の部分（３）のみによって構成されている歯ブラシでは、刷毛の先端部が、歯のエナメル質（７）の小か裂溝（１０）の微細な裂条や歯周ポケット（１２）の狭い溝に比べて、太くて、その先が、小か裂溝（１０）の底や歯周ポケット（１２）の狭い溝の底まで、届かないため、これらの場所に付着している歯垢を、十分に除去することが困難である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、このような問題点を解決し、最も虫歯の原因となり易い、歯の咬合面（９）の小か裂溝（１０）中の歯垢、及び歯周病の原因となり易い歯周ポケット（１２）中の歯垢の除去を容易に、かつ、確実に行なうことのできる歯ブラシを提供しようとするものである。即ち、歯ブラシの柄本体（１）を台として、この台に、歯磨き部分（２）として、刷毛の部分（３）とスポンジの部分（４）を、交互に取り付けて構成された歯ブラシが、これである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案の実施の形態について、説明する。歯ブラシの柄本体（１）に、適宜の長さ、本数の刷毛の部分（３）とスポンジの部分（４）を、交互に取り付ける。この取り付けに当たり、刷毛の部分（３）は、柄本体（１）のうち、歯磨き部分（２）にあけた任意数の穴の各々に、適宜の長さの繊維の束を差し込み、接着剤で固定する。スポンジの部分（４）は、刷毛の部分（３）の長さ、幅に合わせた角型の塊につくり、柄本体（１）のうちの、歯磨き部分（２）に、刷毛の部分（３）と交互になるように並べて、柄本体（１）に、接着剤で固定する。

【０００７】柄本体（１）の材料には、合成樹脂、獣骨、木材などを用いる。刷毛の材料には、合成繊維、獣毛などを用いる。スポンジの材料には、塩化ビニールなどの合成繊維、プラスチックなどの合成樹脂又は合成ゴム、天然ゴムなどを用いる。スポンジには、軟質で、かつ、強靱、更に弾力性があって、細かな穴が、沢山あき、水分を吸い取る性質の強いものを用いる。

【０００８】刷毛とスポンジを柄本体（１）に取り付ける場合の、両者の組合せには、例えば、図１から図７までのようなものがある。このほかにも、刷毛とスポンジの部分のそれぞれの取り付け幅を、図に示すものより狭くして、刷毛とスポンジの組合せ、又はスポンジと刷毛の組合せを、多数回、それぞれ、繰り返したり、或いは、刷毛の取り付け幅を広く、スポンジの取り付け幅を狭く、又は刷毛の取り付け幅を狭く、スポンジの取り付け幅を広くするなど、刷毛とスポンジの相互の幅に変化をもたせながら、多種類の取り付け、組合せを選択することができる。また、刷毛の太さ、強さ、長さなど、及びスポンジの弾力性の強弱、穴の数の多少、穴の大きさの大小などを勘案して、多種類の組合せにより、変化に富んだ実効性のある歯ブラシをつくることができる。歯垢や食べかすの刷掃能力は、上記のうち、柄の先の部分から、刷毛、スポンジの順に歯磨き部分（２）を取り付け構成した歯ブラシが優れている。

【０００９】スポンジは、前記のように、細かな穴が、沢山あき、柔らかくて綿のように、水分を吸う性質をもつ、物質であるが、実験によると、直径０．１ミリメートル、深さ２ミリメートルの歯の咬合面の小か裂溝（１０）に相当する穴を、透明なプラスチック製の臼歯の模型の咬合面（９）に開け、これに墨汁を流し込み、この咬合面（９）を、刷毛のみをつけた歯ブラシによって、磨歯剤をつけて磨いた結果、刷毛のみ歯ブラシでは、何回こすってみても、模型の歯の小か裂溝（１０）に相当する穴に入れた墨汁を完全に取り除くことができなかったのに対し、一方、同様な方法で、刷毛の代わりにスポンジをつけた歯ブラシで磨いた結果、墨汁を取り除くことができた。これは、スポンジの前記の性質によるものである。

【０００１０】このようなことから、虫歯や歯周病の進行の防止又は予防にあまり効果のなかった、従来のような刷毛のみの歯ブラシに代え、前記のとおりのスポンジの性質を生かすと共に、これに、歯間の異物の掻きだし、掃きだし能力のある刷毛を組合せて、それぞれの、長所を生かし、これを相乗させる機能をもった構成の歯ブラシが、この考案による歯ブラシである。

【０００１１】

【考案の効果】

この考案による歯ブラシは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢の確実な除去に、特に有効で、初期の段階における虫歯及び歯周病の発生を未然に効果的に予防することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図２】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図３】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図４】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図５】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図６】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図７】歯磨き部分の構成を示す図である。

【図８】歯及びその周囲の断面図である。

【図９】歯の咬合面を示す図である。

【図１０】臼歯の斜視図である。

【符号の説明】

１柄本体２歯磨き部分３刷毛の部分４スポンジの部分５歯冠６歯頸部７エナメル質８象牙質９咬合面１０小か裂溝１１歯肉１２歯周ポケット１３歯槽骨

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】柄本体（１）に、歯磨き部分（２）を備え
た歯ブラシにおいて、前記歯磨き部分（２）が、刷毛の
部分（３）とスポンジの部分（４）とからなることを特
徴とする歯ブラシ。