JP3030458U - 飲食品の冷蔵陳列棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の冷蔵ショーケースに比べて極めて低い
コストで商品の定温管理と陳列とを行うことができる冷
蔵陳列棚を提供する。 【解決手段】 主柱と棚板とを組立てた陳列棚の天井、
左右両側面と背面にスチレンボードパネルを装着して商
品の陳列空間と冷却ユニット載置空間とを形成すると共
に、冷却ユニットからの冷気は流路を通って陳列空間に
吹き出し、再び冷却ユニットにリターンする構成であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、米、ワイン、生味噌、弁当など定温での陳列保管が理想的である と認識されながらも従来にあっては設備費等のことから、常温で陳列保管されて いた飲食品を、低コストで簡便に定温での陳列保管が可能な冷蔵陳列棚に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

スーパーマーケット、コンビニエンスストアーでは＋５℃から−２０℃程度の 温度範囲で陳列保管を必要とする飲食品は冷蔵設備を備えたオープンショーケー スに収容されて陳列保管されているが、＋５℃から＋２０℃程度の温度範囲で陳 列保管されるのが理想とされる飲食品例えば米、ワイン、生味噌、弁当類その他 多くの飲食品は常温で陳列保管されているのが現状である。 例えば米は生産地及び流通の過程では定温庫に保存されてはいるものの小売り の課程では常温で陳列保管されて販売されている。 またワインにあっては輸入品の場合は輸入倉庫で定温で管理されており、国産 ワインにあっても生産地、問屋の段階で定温で管理され流通されている。 このことは生味噌、生酒等も同様にして流通しているが、これらの多くの商品 は小売の段階にあっては常温で陳列保管されていて、これまでの流通段階におけ る定温保管による品質維持の努力を水泡に帰し、品質の劣化を促している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように定温での陳列保管が理想的であると認識しながらも、常温での陳列 保管での販売を行っているのは冷蔵ショーケースが高価であって商品の販売コス トに大きな影響を与えていることによるものである。 これらの点に鑑み、この考案は従来の冷蔵ショーケースに比べれば極めて安価 に商品の定温管理と陳列とを行うことができ、商品の販売コストにも大きな影響 を与えることがない冷蔵陳列棚を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記した課題を達するため、この考案は、並立した２本の主柱１と、これに対 向して並立する２本の主柱２との間に複数枚の棚板３，３′がかけ渡たされ、こ の棚板３，３′のうち、最下段の棚板３は不通気性であり、他の棚板３′は通気 性を有する棚板からなる組立式陳列棚４の天井左右両側面と背面とには、断熱性 のスチレンボードパネル５を装着し、陳列棚４の正面には、上下にスライド可能 な透明シート６を設け、また陳列棚４の最下段の棚板３と次位の棚板３′との間 に形成される空間７を左右方向に２区画８，９に区分して、一方の区画８には、 冷凍器、蒸発機等からなる冷却ユニット１０を置き、他の一方の区画９は空気循 環室１１とし、また冷却ユニット１０が置かれた側の陳列棚４の側面に装着され たスチレンボードパネル５の外側に、このスチレンボードパネル５から僅かな間 隔で囲繞してスチレンボードパネル１２を装着して、スチレンボードパネル５と スチレンボードパネル１２との間を冷却ユニット１０からの吹出し冷気の流路１ ３とすると共に、冷却ユニット１０が置かれた側の陳列棚４の側面に装着された スチレンボードパネル５には、棚板３’によって形成された空間１４に通ずる冷 気吹出孔１５を設けた飲食品の冷蔵陳列棚としたものである。

【０００５】 この考案になる飲食品の冷蔵陳列棚にあっては主柱１，２にキャスターを備え ることによって陳列場所における位置の転換に極めて便なものとなる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１はこの考案になる冷蔵陳列棚の実施の一例を示す縦断正面図、図２は図１ のＡ−Ａ線における縦断側面図、図３は他の実施の一例を示す縦断正面図である 。

【０００７】 １および２は陳列棚４を構成する主柱であって、主柱１は２本並び立てられて おり、また主柱２も２本が主柱１に対向して並び立てられていて、この主柱１と 主柱２との間には複数枚の棚板３，３′がかけ渡たされていて陳列棚４が組立て られる。１７は棚板３，３’を主柱１と主柱２との間にかけ渡すために、主柱１ 、主柱２に取付けられた受金具である。 この陳列棚４は、この考案にあっては、陳列棚４の棚板のうち、最下段の棚板 ３は、通気性が無い棚板であり、他の段の棚板３’は通気性を有する棚板である 。 このように組立てられた陳列棚４の周囲にはスチレンボードパネル５が装着さ れる。すなわち、陳列棚の天井と、左右の両側面と背面とにスチレンボードパネ ル５が装着される。

【０００８】 ６は透明なシートであって、陳列棚４の正面に上下にスライドが可能な状態で 取付けられる。図２にあってはこの透明シート６は陳列棚の正面に、上下に区分 して２ケ設けられた状態を示しているが、これは１ケで正面の全面を覆うように してもよい。 また陳列棚４の最下段の棚板３と次位の棚板３′との間に形成される空間７は 、この空間７を左右に２区画８，９に区分して、一方の区画８には、冷却ユニッ ト１０が置かれる。 この冷却ユニット１０は冷凍器、蒸発機等からなり、これから生ずる冷却空気 が陳列棚４内を循環して定温化を計るものとなる。 また他の一方の区画９は陳列棚４内を経た冷気が冷却ユニット１０に吸引され る直前の空気循環室１１とされる。 冷却ユニット１０が置かれた側の陳列棚４の側面に装着されたスチレンボード パネル５の外側に、スチレンボードパネル５を囲繞して、かつこのスチレンボー ドパネル５とは僅かな間隔でスチレンボードパネル１２を装着して、陳列棚４に 装着したスチレンボードパネル５と、これから僅かな間隔で装着されたスチレン ボードパネル１２との間を、冷却ユニット１０からの吹出し冷気の流路１３とす るものである。

【０００９】 また、この流路１３の一方の壁であるスチレンボードパネル５、すなわち冷却 ユニット１０が置かれた側の陳列棚４の側面に装着されたスチレンボードパネル ５には棚板３′によって形成された空間１４に通ずる冷気吹出孔１５を設けて、 流路１３からの冷気を空間１４に吹出し、空間１４内を冷却する。

【００１０】 これによって冷却ユニット１０から発生吹出した冷気は、流路１３を通り、ス チレンボードパネル１２に設けられた冷気吹出孔１５から空間１４に流入し、空 間１４内を冷却した後、棚板３′を経て空気循環室１１に降下流入し、これから 冷却ユニット１０に流入して再び冷却されて、冷却ユニット１０から吹出し流路 １３に循環経路を形成するものとなる。 この考案における冷却ユニット１０は、当然のことではあるが、目標温度の設 定が可能であることから、商品の陳列空間である空間１４における目標温度の設 定が可能となる。

【００１１】 この考案にあっては、冷気の流路１３を形成する一方の壁であるスチレンボー ドパネル５、すなわち陳列棚４における冷却ユニット１０が置かれた側の側面に 装着されたスチレンボードパネル５が、陳列棚４の側面に装着されるには、図１ に示すように、主柱１の外側に全面的に装着しても良いし、図３に示すように、 空間１４毎に、主柱１の間に装着しても良い。 また、主柱１には図１に示すようにキャスター１６を設けることによって移動 に便利であるようにしてもよいが、この場合には陳列すべき位置に陳列棚４を固 定して、簡単にキャスター１６の車輪が動かないようにストッパーを設けること が望ましい。この陳列棚４の正面には、上下にスライドが可能な透明シート６が 設けられていて、内容物である商品が透視できると共に、陳列棚４内の断熱をも 行はせるものでこのためには巻上げたり、巻戻して下降させたりできる透明なプ ラスチックフィルムやシートを用いるのが好ましい。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は以上に詳細に説明したように構成されているから、陳列棚となる骨 格は主柱と棚板とを受金具や、ボルトとナット等によって簡単に組立てることが でき、この組立てられた陳列棚の天井、左右両側面と背面とには断熱性のスチレ ンボードパネルを装着することにより、棚板により仕切られた空間は、商品の陳 列空間となり、また最下位の空間は冷却ユニットの載置箇所となるが、これら商 品の陳列空間や冷却ユニットの載置箇所の形成も組立てられた陳列棚に対してス チレンボードパネルを装着するだけであって特別に熟達した技術を必要としない で陳列棚が組立てられた場所において容易に作業ができるものである。 これに加えて陳列棚における冷却ユニットが置かれた側の側面に、冷却ユニッ トからの冷気を、商品の陳列空間に吹き込むための冷気の流路を形成することも 、容易に組立てることができることであって、陳列棚が組立てられた場所におい て容易に作業ができるものである。 このようにこの考案になる冷蔵陳列棚は、従来の冷蔵ショーケースを設置する には、工場生産された完成品を運搬して現地で据え付け工事を行う必要があった から、完成品である重量物の配送設置は容易なことではなく、高額なケースとな らざるを得なかったが、この考案のものによれば、コンパクト化された部材を配 送し、これを現地で組立てることも極めて容易なことから、未経験者でも組立て ることが出来るようになり、またコストも著しく低いものとなったから、低価格 の商品を理想の温度で管理することもコストの面でも可能となったもので、これ によって、従来は定温陳列が品質の劣化を招き難く、理想的な陳列方式であると の認識に立ちながら、冷蔵ショーケースの高いコストのために常温陳列を行って いた数多くの飲食品が、コストにあまり影響されないで定温陳列が可能となった 。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案になる冷蔵陳列棚の実施の一例を示
す縦断正面図。

【図２】 図１（７）Ａ−Ａ線における縦断側面図。

【図３】 この考案の他の実施の一例を示す縦断正面
図。

【符号の説明】

１ 主柱 ２ 主柱 ３，３′ 棚板 ４ 陳列棚 ５ スチレンボードパネル ６ 透明シート ７ 空間 ８ 区画 ９ 区画 １０ 冷却ユニット １１ 空気循環室 １２ スチレンボードパネル １３ 流路 １４ 空間 １５ 冷気吹出孔 １６ キャスター １７ 受金具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 並立した２本の主柱１と、これに対向し
   て並立する２本の主柱２との間に複数枚の棚板３，３′
   がかけ渡たされ、この棚板３，３′のうち、最下段の棚
   板３は不通気性であり、他の棚板３′は通気性を有する
   棚板からなる組立式陳列棚４の天井左右両側面と背面と
   には、断熱性のスチレンボードパネル５を装着し、陳列
   棚４の正面には、上下にスライド可能な透明シート６を
   設け、また陳列棚４の最下段の棚板３と次位の棚板３′
   との間に形成される空間７を左右方向に２区画８，９に
   区分して、一方の区画８には、冷凍器、蒸発機等からな
   る冷却ユニット１０を置き、他の一方の区画９は空気循
   環室１１とし、また冷却ユニット１０が置かれた側の陳
   列棚４の側面に装着されたスチレンボードパネル５の外
   側に、このスチレンボードパネル５から僅かな間隔で囲
   繞してスチレンボードパネル１２を装着して、スチレン
   ボードパネル５とスチレンボードパネル１２との間を冷
   却ユニット１０からの吹出し冷気の流路１３とすると共
   に、冷却ユニット１０が置かれた側の陳列棚４の側面に
   装着されたスチレンボードパネル５には、棚板３′によ
   って形成された空間１４に通ずる冷気吹出孔１５を設け
   てなることを特徴とする飲食品の冷蔵陳列棚。
2. 【請求項２】 主柱１，２にはキャスター１６を備えた
   ことを特徴とする飲食品の冷蔵陳列棚。