JP3028921U - 容器運搬の荷くずれ防止天蓋及び結束牽引棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平台車に段積みした容器の荷くずれ防止のた
め、その上部に掛ける、ＰＰ素材のダンプラで作成した
軽量の荷くずれ防止天蓋と、その天蓋及び平台車間を垂
直に結束固定するための、アジャストポールをアルミパ
イプの組み合わせと、面ファスナーによる固定ロック方
式にした単純な構造の結束牽引棒を提供する。 【構成】 荷くずれ防止天蓋は、金具類を一切使用せ
ず、ダンボールの様に加工できるＰＰ素材のダンプラで
作成し、軽量化と柔軟性を持たせている。また、結束牽
引用のフックを引っ掛ける部分もＰＰ素材の把手とし、
再資源化に対応している。結束牽引棒は、楕円で径の異
なる２本の長短のアルミポールを単純にはめ込み、力を
使わなくても自由にスライドできる様にしてあると共
に、その上下固定ロックには、スプリングやレバー等の
装置や器具類を一切使用せず、面ファスナー（マジック
テープ（登録商標））を用いる方式をとり、極めて単純
で軽量かつ確実性と機能性の向上を図っている。いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平台車に積んだ容器の荷くずれ防止のためにかぶせる天蓋と、その 天蓋及び容器と平台車を垂直に２本のポールで固定し、移動したりトラック等に 積み込む際に牽引するために用いられる、天蓋及び結束牽引棒に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の天蓋は、プラスチック製かアルミ製であるが、プラスチック製の場合、 重いことと、高額な金型が伴う欠点があった。逆に、アルミ製の場合、高額であ るにもかかわらず破損率が高かった。また、結束牽引棒はスチール製やアルミ製 であり、スチール製の場合重くて実使用に適していない場合が多く、アルミ製の 場合、細い丸パイプのため湾曲して牽引にはあまり適していなかった。更に、こ の固定方法には、スライドのためスプリングを使用したり、レバー状の固定装置 が使われていて複雑であった。スプリングの場合、牽引移動やトラック輸送の際 はずれたり、Ｌ型固定部にプラスチックを使っている場合破損することが多かっ た。この他の結束牽引具にはスリングベルトと呼ばれるナイロン地の平ロープが あるが、これらも牽引時には延びてしまったり、ラチェットと呼ばれる締め具を 使用すると、強すぎる場合容器等をつぶしてしまう欠点がり、その実使用上の扱 いにも難点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

天蓋がプラスチック製の場合、金型が高価で製作日数もかかり、容器の寸法変 化に容易に対応できない。

【０００４】 天蓋がアルミ製の場合、高額にもかかわらず破損率が高く、結束牽引棒との相 関関係を持った構造になっておらず、結束においてはずれる欠点がある。

【０００５】 結束牽引棒はアルミ製が多いが、軽量化を追求するあまりパイプ径が細く牽引 においては湾曲してしまう。また、上下スライドと固定のための方式として、強 いスプリングを内部に入れているため、この部分が重く、人手で天蓋と平台車を 固定結束する場合、例えば女性の力では無理であり、他方、強くてもあくまでス プリングのため、輸送中での揺れ等ではずれてしまう欠点がある。また、上下の Ｌ型固定具には強化プラスチック樹脂が使われているものが多いが、この材質の 特性上、瞬間的な力が加わった場合破損する問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

従来のこのような不便や欠点を解決するものとして、天蓋に関しては、その材 質をＰＰ加工素材である、リブ状中空のダンプラを使い軽量化と低価格化を図っ ている。また、この素材の加工はダンボールと同様なので、低額の折り型でどの ような寸法の天蓋でも単時間で作成できる利点を有する。また、折り部の止め方 式には、接着やステープラーの様な金具止めではなく、ＰＰ素材の特性を生かし 超音波シールしてある。更に、結束牽引棒の取付け部には、対応する寸法の開口 部をくり抜いた後、同じくＰＰ素材の把手を取り付けてある。金具もなくすべて がＰＰ素材なので再資源化もし易い。

【０００７】 本考案の結束牽引棒は、手に馴染みやすい形の楕円形にリブの入ったアルミ製 のアウターパイプを本体とし、それに径が小さくジャストフィットする同じく楕 円の長さ３００ｍｍのインナーパイプを入れてある。このアウターパイプ下部、 インナーパイプ上部にアルミ製Ｌ型の引っ掛けフックを対称的に溶接してあり、 インナーパイプには長さ６００ｍｍの固定用面ファスナー（メス）を単純にボル トで固定してあり、本体アウターパイプの上部側面に巾２５ｍｍ、長さ１５０ｍ ｍの固定用面ファスナー（オス）を強力両面テープで粘着してある単純な構造で ある。

【０００８】

【作用】

上記構成と素材の天蓋は、軽量で柔軟性があるため、作業がし易く破損しずら い。使用しない場合の回収でも単純に重ねて持ち運びできる。また、色々な寸法 の天蓋を簡単かつスピィーディに製作できる利点を持ちしかも安価である。

【０００９】 本考案である結束牽引棒は、楕円でやや太いが、平台車外寸から飛び出る部分 は短辺をあてているので変わらない。しかも楕円にリブを付けてあるので、にぎ り易く、強度も強いので牽引した場合の湾曲も少ない。アウターパイプとインナ ーパイプには何の細工もしていないので、力を加えることなくスライドしアジャ ストできる。実使用では、上部引っ掛け用Ｌ型フックを天蓋の引っ掛け用開口把 手に引っ掛け、下部引っ掛け用Ｌ型フックを平台車に引っ掛けた後、インナーパ イプに付いている固定用面ファスナーを引っ張って上下間隔を合わせ、そのまま アウターパイプの面フアスナーに当てれば固定され、上下に牽引結束棒が移動し たりすることはなく確実である。単純に楕円のアルミパイプを組合せ、面ファス ナーで押さえ固定する方式なので、軽量かつ安価で製造でき、アジャスト範囲も 任意に設定できる。はずす時は，面ファスナーを横方向へ剥がすだけである。万 一面ファスナーが破損してもその部分を交換すればいい。面ファスナーにもグレ ードが豊富にあるので、積載荷重にあった面ファスナーを選択できる利点も持っ ている。Ｌ型引っ掛け部も６ｍｍ厚のアルミを溶接してあるので強くこの部分の 破損もほとんどない。

【００１０】

【実施例】

この考案の実施例を図面を参照しながら説明する。 図１は荷くずれ防止天蓋及び結束牽引棒の使用状況を示す斜視図、図２は荷く ずれ防止天蓋の斜視図、図３は荷くずれ防止天蓋の平面及び断面図である。図４ は結束牽引棒の斜視図、図５はその正面および側面図、図６は結束牽引棒の伸縮 状態を示す斜視図、図７はアウターパイプ及びインナーパイプの要部斜視図、図 ８は引っ掛け用Ｌ型フックの平面及び断面図、図９は荷くずれ防止天蓋と結束牽 引棒の取り付け状態を示す斜視図である。

【００１１】 まず、図１に示すように、（２）平台車に４列×５段積みした（１）容器の上 面に（３）荷くずれ防止天蓋を実質運営では放り投げるように乗せてかぶせる。 次に、（６）結束牽引棒の（８）インナーパイプについている（９）引っ掛け用 Ｌ型フックを天蓋の（４）引っ掛け用開口把手に掛け、そのまま垂直にしながら 結束牽引棒本体アウターパイプについている逆向きの（９）引っ掛け用Ｌ型フッ クを平台車の下部に引っ掛ける。その状態で（１０）固定用面フアスナー（メス ）を引っ張れば、（８）インナーパイプがスライドし、天蓋と台車の垂直距離が 決まるので、その段階で（１０）固定用面ファスナーを（１１）固定用面ファス ナー（オス）に押しつけると、位置が決定され結束牽引棒が固定される。

【００１２】 図２に示すように、（３）荷くずれ防止天蓋はポリプロピレン（ＰＰ）素材の ダンプラをダンボールの用にカットして折り型で折り曲げて製造している。ダン プラ材は中がリブ状で中空になっており軽く強い。折った後の処理には、接着材 やステープラー、リペット等の金属で止めず、ＰＰ素材の特長を生かして（５） 超音波シールをしており、結束牽引棒の引っ掛け用Ｌ型フックを嵌める部分は、 その寸法に適した開口部を打ち抜き、（４）引っ掛け用開口把手をはめ込んで強 化してある。天蓋はすべてＰＰ素材とし、再資源化し易い様にしてある。

【００１３】 図３はその平面及び断面図であるが、従来のアルミ天蓋に比較して折り部垂直 部を深く取ってより荷くずれしない用にしてある。また、この部分に緩いテーパ ーを付ければ、天蓋どうしの収納重ねができるように考慮してある。

【００１４】 図４は結束牽引棒の斜視図であるが、全長１５４０ｍｍの（６）結束牽引棒は 、楕円にリブ加工した（７）アウターパイプに、スライドに適合するやや小径の 同じく楕円の（８）インナーパイプを嵌め、嵌めこんだ後、上方一杯にスライド してもはずれない加工をしてある。アウターパイプとインナーパイプにはそれぞ れ対称的に（９）引っ掛け用Ｌ型フックを溶接し、上部のフックが天蓋を、下部 のフックが平台車を各々挟み込む構造になっている。更にアウターパイプのやや 上部には、（１１）固定用面ファスナー（オス）を強力な粘着テープで貼り付け てあり、これにインナーパイプ上部のフックに（１２）ファスナー固定ボルトで 止めた（１０）固定用面ファスナー（メス）が６０ｍｍの長さで取り付けてあり 、相互に接触させることで固定し上下移動をロックする機能としてある。

【００１５】 図５はその結束牽引棒の正面及び側面図であり、（７）アウターパイプに、（ ８）インナーパイプが挿入されている状態を示しており、（１０）固定用面ファ スナー（メス）と（１１）固定用面ファスナー（オス）が結束されている状態を 示している。

【００１６】 図６は、結束牽引棒の伸縮状態を示す斜視図であるが、（７）アウターパイプ 内を（８）インナーパイプが自由に上下伸縮し、一番縮めた段階ではインナパイ プ全体が隠れてしまう状態を示している。伸縮巾は２５０ｍｍで、荷高の寸法に 合わせた位置にアジャストし固定できる。また、（８）インナーパイプを長くす ることも容易なので、伸縮巾は大きくも小さくも自由に設定できる。

【００１７】 図７はアウターパイプ及びインナーパイプの要部斜視図であるが、アウターパ イプ及びインナーパイプ共に楕円である。この形状にしてあるのは実使用の際、 平台車より外寸ができるだけ飛び出ないことを考慮してあると共に、湾曲しない 構造を求めたからである。特に（７）アウターパイプ表面はリブ加工して握り易 くしてあると共に、美観がある。

【００１８】 図８、引っ掛け用Ｌ型フックの平面及び断面図に示す様に、６ｍｍ厚のアルミ 材をＬ型に加工して（９）引っ掛け用Ｌ型フックとし、これを（８）インナーパ イプに溶接し、（１０）固定用面フアスナー（メス）を単純に（１２）ファスナ ー固定ボルトでＬ型フックに固定してある。

【００１９】 図９は荷くずれ防止天蓋と結束牽引棒の取り付け状態を示す斜視図であり、（ ３）荷くずれ防止天蓋の（４）引っ掛け用開口把手に、（６）結束牽引棒の（９ ）引っ掛け用Ｌ型フックを挿入して、長さ調整した後、面ファスナーで固定した 状態を示している。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、平台車に積まれた容器の荷くずれを、荷くず れ防止天蓋で囲い、更に、その天蓋と平台車を結束牽引棒で押さえ固定すること で、平台車、容器、天蓋を一体化して結束し、牽引する効果を持つ。本考案であ る荷くずれ防止天蓋はＰＰ素材のダンプラで製造しているので、軽量であり安価 である。また、製造もダンボールを作成するのと類似した方法であるので、どの ような寸法にも、柔軟かつスピーディに対処できる。また、本考案である結束牽 引棒は、そのアジャストや固定方法に、スプリングや固定レバー等の装置を使用 しておらず、単純に、径の異なるポールを使って、面ファスナーで固定ロックす る方式をとっているので運営上の扱いも簡単で、軽量かつ安価である。また、重 量に影響するレバーやスプリング装置を排除し、その分やや太めの楕円形状のポ ールにしたことで、湾曲に強く、牽引にも十分な効果を発揮する。天蓋と結束牽 引棒のＬ型ロック部の嵌合も深くとってあるので、輸送時のローリングやピッチ ングで結束がはずれたり、破損することもない。更に、結束牽引棒のスライドは フリースライド方式なので、力を不要とし、女性でも作業ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】荷くずれ防止天蓋及び結束牽引棒の使用状況を
示す斜視図である。

【図２】荷くずれ防止天蓋の斜視図である。

【図３】荷くずれ防止天蓋の平面及び断面図である。

【図４】結束牽引棒の斜視図である。

【図５】結束牽引棒の正面及び側面図である。

【図６】結束牽引棒の伸縮状態を示す斜視図である。

【図７】アウターパイプ及びインナーパイプの要分斜視
図である。

【図８】引っ掛け用Ｌ型フックの平面及び断面図であ
る。

【図９】荷くずれ防止天蓋と結束牽引棒の取り付け状態
を示す斜視図である。

【符合の説明】

１ 容器 ２ 平台車 ３ 荷くずれ防止天蓋 ４ 引っ掛け用開口把手 ５ 超音波シール部 ６ 結束牽引棒 ７ アウターパイプ ８ インナーパイプ ９ 引っ掛け用Ｌ型フック １０ 固定用面ファスナー（メス） １１ 固定用面ファスナー（オス） １２ ファスナー固定ボルト

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 運搬用の平台車に容器を積み込んだ際、
   荷くずれ防止のため、並列し段積みした容器全体にかぶ
   せる、結束牽引棒を取りつけられる開口把手のついたダ
   ンプラ（ＰＰ加工板）素材で、ダンボールの様に簡単か
   つ自由な寸法に作成でき、折り部を超音波シールで止め
   た金属を一切使用しない軽量の天蓋。
2. 【請求項２】 平台車に積んだ容器を請求項１の天蓋で
   押さえた状態で、その天蓋と平台車間上下をＬ型の突起
   具で挟み込んで固定し、自由にスライドして長さ調整で
   きると共に、面ファスナー（マジックテープ）で固定で
   きる、単純な機能と構造のアルミパイプから成るポール
   状で軽量の結束牽引棒。