JP3028477B2 - アンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 - Google Patents
アンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤Info
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- JP3028477B2 JP3028477B2 JP10176732A JP17673298A JP3028477B2 JP 3028477 B2 JP3028477 B2 JP 3028477B2 JP 10176732 A JP10176732 A JP 10176732A JP 17673298 A JP17673298 A JP 17673298A JP 3028477 B2 JP3028477 B2 JP 3028477B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仏領ギアナ及びブ
ラジルの熱帯アマゾンに植生するセンダンカの樹木でカ
ラパ グイアネンシス アブル(Carapa gui
anensisAubl.)を代表樹とするアンジロー
バの果実に含まれる成分を用いてシロアリ、クロアリ、
ゴキブリ(アブラムシ)、ダニ及びこれに類する家屋害
虫に忌避させ、あるいは死に至らしめる防蟻・防虫剤又
は虫忌避剤に関する。またその際に、アンジローバの有
する忌避・殺虫成分中に欠如している抗菌性を付与する
ためゲラニオール(Geraniol)単体、またはゲ
ラニオール成分を含有する植物精油を添加した天然植物
由来の防虫剤に関する。
ラジルの熱帯アマゾンに植生するセンダンカの樹木でカ
ラパ グイアネンシス アブル(Carapa gui
anensisAubl.)を代表樹とするアンジロー
バの果実に含まれる成分を用いてシロアリ、クロアリ、
ゴキブリ(アブラムシ)、ダニ及びこれに類する家屋害
虫に忌避させ、あるいは死に至らしめる防蟻・防虫剤又
は虫忌避剤に関する。またその際に、アンジローバの有
する忌避・殺虫成分中に欠如している抗菌性を付与する
ためゲラニオール(Geraniol)単体、またはゲ
ラニオール成分を含有する植物精油を添加した天然植物
由来の防虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シロアリの防蟻剤は有機塩素系、有機リ
ン系の殺蟻剤が代表的であるが有機塩素系としては、昭
和61年に特定化学物質に指定され使用が規制されたク
ロルデンがあり、日本では約25年間にわたって使用さ
れた。また有機リン系殺虫剤としては、フェニトロチオ
ンが知られている。他に有機リン系としてピリダフェン
チオンがあるが、いずれも人体に毒性があり、中毒の際
には解毒剤としてパムなどが用いられている。このよう
に、シロアリ駆除剤ではそのほとんどが化学物質であ
り、使用に当たっては、中毒の危険などが存在する。除
虫菊のように、元来植物の花に含まれる除虫成分を利用
したピレスロイド系殺虫剤も合成物が利用され、防蟻剤
としては化学合成物質がそのほとんどを占めている。こ
れらの使用に際して、安全性を確保するため防蟻工事な
どではきわめて大掛かりな周辺対策を行ってから工事を
進めるのが現状である。上記の従来技術に使用される防
蟻剤は基本的には化学合成品であり、人間の吸入を防ぐ
ため防除工事の際には厳重な遮蔽のための準備が必要と
される。なお、国連環境計画(UNEP)では、西暦2
000年を目処にすでに規制対象となっているDDT、
クロルデンのほか殺虫剤のディルドリン、アルドリン、
トキサフェン、ヘプタクロルを国際条約によって規制対
象とすることが決められている。本発明者は、これらの
化学合成物質の問題点を鑑みて、安全な自然の防蟻・防
虫剤を目標にして、アンジローバの果実の油脂成分(ア
ンジローバ油と略称する)の活用に達した。このアンジ
ローバの果実に含まれる油脂成分であるアンジローバ油
は、熱帯アマゾン地方では、蚊やその他の小虫の蚊傷か
ら身を守るため皮膚の露出部分に塗布する習慣が存在し
たほか、アンジローバの樹木が虫害を受けにくいなどの
事実が知られていた。この事からアンジローバ油に忌避
効果があり、そのため非接触で蚊などを寄せつけない成
分の発散がある事が推定された。しかしながら、本発明
者は更に研究するとアンジローバ油をそのまま使用する
と施用した個所のアンジローバ油塗布面にカビの発生が
認められ、防蟻・防虫剤としては実用的でないという欠
点を知見した。
ン系の殺蟻剤が代表的であるが有機塩素系としては、昭
和61年に特定化学物質に指定され使用が規制されたク
ロルデンがあり、日本では約25年間にわたって使用さ
れた。また有機リン系殺虫剤としては、フェニトロチオ
ンが知られている。他に有機リン系としてピリダフェン
チオンがあるが、いずれも人体に毒性があり、中毒の際
には解毒剤としてパムなどが用いられている。このよう
に、シロアリ駆除剤ではそのほとんどが化学物質であ
り、使用に当たっては、中毒の危険などが存在する。除
虫菊のように、元来植物の花に含まれる除虫成分を利用
したピレスロイド系殺虫剤も合成物が利用され、防蟻剤
としては化学合成物質がそのほとんどを占めている。こ
れらの使用に際して、安全性を確保するため防蟻工事な
どではきわめて大掛かりな周辺対策を行ってから工事を
進めるのが現状である。上記の従来技術に使用される防
蟻剤は基本的には化学合成品であり、人間の吸入を防ぐ
ため防除工事の際には厳重な遮蔽のための準備が必要と
される。なお、国連環境計画(UNEP)では、西暦2
000年を目処にすでに規制対象となっているDDT、
クロルデンのほか殺虫剤のディルドリン、アルドリン、
トキサフェン、ヘプタクロルを国際条約によって規制対
象とすることが決められている。本発明者は、これらの
化学合成物質の問題点を鑑みて、安全な自然の防蟻・防
虫剤を目標にして、アンジローバの果実の油脂成分(ア
ンジローバ油と略称する)の活用に達した。このアンジ
ローバの果実に含まれる油脂成分であるアンジローバ油
は、熱帯アマゾン地方では、蚊やその他の小虫の蚊傷か
ら身を守るため皮膚の露出部分に塗布する習慣が存在し
たほか、アンジローバの樹木が虫害を受けにくいなどの
事実が知られていた。この事からアンジローバ油に忌避
効果があり、そのため非接触で蚊などを寄せつけない成
分の発散がある事が推定された。しかしながら、本発明
者は更に研究するとアンジローバ油をそのまま使用する
と施用した個所のアンジローバ油塗布面にカビの発生が
認められ、防蟻・防虫剤としては実用的でないという欠
点を知見した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこのような問題点・欠点を解消し、
特に大掛かりな防除工事に労力を費やすことなく、防虫
が行え、しかも毒性がほとんどなく且つ虫・蟻を忌避・
殺虫する効果に優れた防蟻・防虫剤を提供することにあ
る。
する課題は、従来のこのような問題点・欠点を解消し、
特に大掛かりな防除工事に労力を費やすことなく、防虫
が行え、しかも毒性がほとんどなく且つ虫・蟻を忌避・
殺虫する効果に優れた防蟻・防虫剤を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、 1) センダン科樹木のアンジローバの果実に含まれる
油脂成分に、カビの発生を抑制する抗菌剤を添加したも
のを有効成分とするアンジローバ果実油を使用した防蟻
・防虫剤 2) 抗菌剤として、ゲラニオール単体又はゲラニオー
ル成分を含む植物製油を使用した前記1)記載のアンジ
ローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 3) 油脂成分に対するゲラニオール成分の混合比率が
3重量%以上である前記2)記載のアンジローバ果実油
を使用した防蟻・防虫剤にある。
発明の構成は、 1) センダン科樹木のアンジローバの果実に含まれる
油脂成分に、カビの発生を抑制する抗菌剤を添加したも
のを有効成分とするアンジローバ果実油を使用した防蟻
・防虫剤 2) 抗菌剤として、ゲラニオール単体又はゲラニオー
ル成分を含む植物製油を使用した前記1)記載のアンジ
ローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 3) 油脂成分に対するゲラニオール成分の混合比率が
3重量%以上である前記2)記載のアンジローバ果実油
を使用した防蟻・防虫剤にある。
【0005】
【作用】本発明者は、アンジローバ油のシロアリに対す
る忌避効果の確認を行い、顕著な効果を確認した(実施
例の実例1)。また、実際の家屋の床下木部に塗布及び
散布を行った結果、10か月間の経過期間では食害は全
く見られず、しかもゴキブリの死骸が120匹ほどみら
れた。このことから、アンジローバ油の家屋害虫に対す
る効力は明白となった。しかしながら、換気状態の悪い
家屋1棟で、塗布面の木材にカビの発生が見られた。こ
れを見る限りアンジローバ油には抗菌力が欠如または不
足する事が確認された。そのため、本発明ではカビの発
生を抑制する抗菌剤を添加した。特に抗菌性を付与する
手段としてゲラニオール(化学式CHO.非環式のモノ
テルペンアルコール)を用いて抗菌性実験を行い顕著な
抗菌効果を得た。アンジローバ油は、分析の結果炭素数
が16以上の高級脂肪酸であり、樹木によって多少の差
異はあるが、10種類の飽和及び不飽和の脂肪酸組成を
有し、かつ全体の99.8%を占めるジオレフィンアル
コールであるゲラニオールは、カビに対する抗菌力とと
もに均一に混合し粘稠なアンジローバ油に流動性を与え
る。その場合の混合比は3%(重量比)がその効果の有
効な下限である。塗布木材へのカビ発生は、好ましくな
いためアンジローバ油を防蟻剤として利用する場合、抗
菌性の付与は不可欠の条件であり、ゲラニオールの混用
が有効である。
る忌避効果の確認を行い、顕著な効果を確認した(実施
例の実例1)。また、実際の家屋の床下木部に塗布及び
散布を行った結果、10か月間の経過期間では食害は全
く見られず、しかもゴキブリの死骸が120匹ほどみら
れた。このことから、アンジローバ油の家屋害虫に対す
る効力は明白となった。しかしながら、換気状態の悪い
家屋1棟で、塗布面の木材にカビの発生が見られた。こ
れを見る限りアンジローバ油には抗菌力が欠如または不
足する事が確認された。そのため、本発明ではカビの発
生を抑制する抗菌剤を添加した。特に抗菌性を付与する
手段としてゲラニオール(化学式CHO.非環式のモノ
テルペンアルコール)を用いて抗菌性実験を行い顕著な
抗菌効果を得た。アンジローバ油は、分析の結果炭素数
が16以上の高級脂肪酸であり、樹木によって多少の差
異はあるが、10種類の飽和及び不飽和の脂肪酸組成を
有し、かつ全体の99.8%を占めるジオレフィンアル
コールであるゲラニオールは、カビに対する抗菌力とと
もに均一に混合し粘稠なアンジローバ油に流動性を与え
る。その場合の混合比は3%(重量比)がその効果の有
効な下限である。塗布木材へのカビ発生は、好ましくな
いためアンジローバ油を防蟻剤として利用する場合、抗
菌性の付与は不可欠の条件であり、ゲラニオールの混用
が有効である。
【0006】
【発明の実施の形態】アンジローバ油の製造方法は、ア
ンジローバの果実をエキスペラーなどの機械的・物理的
手段を用いて粉砕して中の油脂分を得る。アンジローバ
油に対するゲラニオール単体の添加の重量比率は、抗菌
効果の点から決定され、実験の結果最小限度が3重量%
であり、これ以下となると抗菌力が弱くなり、カビの発
生が認められるようになる。ゲラニオールはバラの精油
の主成分として自然界に存在し、バラの精油を使用して
もよいし、モンテルペンが生合成される際の中間体とし
ても獲得できる。本発明に用いられるカビに対する抗菌
剤の他の例として、イソモチール,クミンアルデヒド,
メチルシナメート等がある。
ンジローバの果実をエキスペラーなどの機械的・物理的
手段を用いて粉砕して中の油脂分を得る。アンジローバ
油に対するゲラニオール単体の添加の重量比率は、抗菌
効果の点から決定され、実験の結果最小限度が3重量%
であり、これ以下となると抗菌力が弱くなり、カビの発
生が認められるようになる。ゲラニオールはバラの精油
の主成分として自然界に存在し、バラの精油を使用して
もよいし、モンテルペンが生合成される際の中間体とし
ても獲得できる。本発明に用いられるカビに対する抗菌
剤の他の例として、イソモチール,クミンアルデヒド,
メチルシナメート等がある。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (1) イエシロアリのアンジローバ油に対する忌避効果
(実例1) 図1,2に示す忌避実験用の試験体1を、平板上エゾ松
材1cを用いて(長さ90mm×奥行60mm×高さ3
0mm)作成しアンジローバ油の塗布面1aと無塗布面
1bに分けて長手方向に高さ20mmの仕切り板2を設
ける。仕切り板2には下部に一か所小孔2aを設けイエ
シロアリを20匹、アンジローバ油塗布面1aに置き動
きを観察した。イエシロアリが無塗布面1bに移動する
数によって忌避効果を判断できるが、実験結果では9
6,7%が忌避行動を起こしその結果が確認された。図
3は、その際のシロアリの具体的な結果の状態説明図で
ある。シロアリを投入、第一日目ですでに1匹を除いて
19匹が無塗布面1b(対照面)に移動している。2日
目で1匹が無塗布面1bで死亡し、3日目では塗布面1
aに無塗布面1bから半数近く移動したうえ全匹死滅し
た。(図3(a)参照)この事からイエシロアリの忌避
行動は明白であり、アンジローバ油には忌避効果があ
る。同じ構造の試験体1を用い月桃精油を5%塗布した
実験例を図3(b)に示している。図3(b)の1dは
無塗布面(対照面)、1cは月桃精油塗布面である。ア
ンジローバ油塗布と同じく96,7%の忌避率を示した
が、全匹が死滅したのは5日目である。 (2) 実際の住宅におけるシロアリの食害に対する抵抗性 ハウスメーカーの住宅5棟を対象にアンジローバ油の原
液を床下木部に刷毛塗りで塗布した場合と、アンジロー
バ油の原液を20%の濃度に調整した液を噴霧した場合
について、防蟻性を調べた結果10か月経過しても食害
は全く見られなかった。また、5棟のうち1棟では観察
期間中約120匹のゴキブリの死滅がみられ、他の4棟
ではそれぞれ約10匹のゴキブリが死滅していた。この
結果、アンジローバ油に対し誘引効果を持ち、しかも死
に至らしめる効果も有すると推定された。なお、1棟に
ついて青いカビが部分的に見られたが、他の4棟と異な
り床下換気口が閉鎖された状態にあったため、カビが発
生したと考えられる。 (3) グラニオールの抗菌効果 まず室内菌に対する抗菌性について、室内の壁部分から
スタンプ培地を用いて採菌を行い、30℃で24時間培
養しカビの存在を確認した。次いで周辺の壁部分にゲラ
ニオールを塗布し、6時間放置した後その部分にスタン
プ培地を押しつけ、採菌したのち同様の条件で培養を行
う。観察の結果、対象の培地(アンジローバ油塗布面か
ら採菌して培養)は培養後の一日目からカビが発生し、
コロニー数は15個を数えたがゲラニオール塗布の場合
の培地は、菌の発生が全く見られず23日で観察を終了
した。このことからゲラニオールの室内菌に対する抗菌
性が確認された。また、屋外菌について果樹ハウスの土
壌中より採取した土を蒸留水に入れて攪拌した溶液に表
面を浸漬したスタンプ培地上にゲラニオールを3ケ所滴
下し培養した場合、培地の一部にカビが発生したが対照
としたアルコールや月桃精油の場合に比べて圧倒的に発
生が少ない。このことから、ゲラニオールは室内菌、野
外菌に対し強い抗菌性を示すことが分った。アンジロー
バ油にこのゲラニオール単体又はゲラニオール成分を5
重量%添加したものは、カビの発生がない実用的な防蟻
・防虫効果を得た。
(実例1) 図1,2に示す忌避実験用の試験体1を、平板上エゾ松
材1cを用いて(長さ90mm×奥行60mm×高さ3
0mm)作成しアンジローバ油の塗布面1aと無塗布面
1bに分けて長手方向に高さ20mmの仕切り板2を設
ける。仕切り板2には下部に一か所小孔2aを設けイエ
シロアリを20匹、アンジローバ油塗布面1aに置き動
きを観察した。イエシロアリが無塗布面1bに移動する
数によって忌避効果を判断できるが、実験結果では9
6,7%が忌避行動を起こしその結果が確認された。図
3は、その際のシロアリの具体的な結果の状態説明図で
ある。シロアリを投入、第一日目ですでに1匹を除いて
19匹が無塗布面1b(対照面)に移動している。2日
目で1匹が無塗布面1bで死亡し、3日目では塗布面1
aに無塗布面1bから半数近く移動したうえ全匹死滅し
た。(図3(a)参照)この事からイエシロアリの忌避
行動は明白であり、アンジローバ油には忌避効果があ
る。同じ構造の試験体1を用い月桃精油を5%塗布した
実験例を図3(b)に示している。図3(b)の1dは
無塗布面(対照面)、1cは月桃精油塗布面である。ア
ンジローバ油塗布と同じく96,7%の忌避率を示した
が、全匹が死滅したのは5日目である。 (2) 実際の住宅におけるシロアリの食害に対する抵抗性 ハウスメーカーの住宅5棟を対象にアンジローバ油の原
液を床下木部に刷毛塗りで塗布した場合と、アンジロー
バ油の原液を20%の濃度に調整した液を噴霧した場合
について、防蟻性を調べた結果10か月経過しても食害
は全く見られなかった。また、5棟のうち1棟では観察
期間中約120匹のゴキブリの死滅がみられ、他の4棟
ではそれぞれ約10匹のゴキブリが死滅していた。この
結果、アンジローバ油に対し誘引効果を持ち、しかも死
に至らしめる効果も有すると推定された。なお、1棟に
ついて青いカビが部分的に見られたが、他の4棟と異な
り床下換気口が閉鎖された状態にあったため、カビが発
生したと考えられる。 (3) グラニオールの抗菌効果 まず室内菌に対する抗菌性について、室内の壁部分から
スタンプ培地を用いて採菌を行い、30℃で24時間培
養しカビの存在を確認した。次いで周辺の壁部分にゲラ
ニオールを塗布し、6時間放置した後その部分にスタン
プ培地を押しつけ、採菌したのち同様の条件で培養を行
う。観察の結果、対象の培地(アンジローバ油塗布面か
ら採菌して培養)は培養後の一日目からカビが発生し、
コロニー数は15個を数えたがゲラニオール塗布の場合
の培地は、菌の発生が全く見られず23日で観察を終了
した。このことからゲラニオールの室内菌に対する抗菌
性が確認された。また、屋外菌について果樹ハウスの土
壌中より採取した土を蒸留水に入れて攪拌した溶液に表
面を浸漬したスタンプ培地上にゲラニオールを3ケ所滴
下し培養した場合、培地の一部にカビが発生したが対照
としたアルコールや月桃精油の場合に比べて圧倒的に発
生が少ない。このことから、ゲラニオールは室内菌、野
外菌に対し強い抗菌性を示すことが分った。アンジロー
バ油にこのゲラニオール単体又はゲラニオール成分を5
重量%添加したものは、カビの発生がない実用的な防蟻
・防虫効果を得た。
【0008】
【発明の効果】本発明の防蟻・防虫剤は、熱帯産植物の
アンジローバから抽出した油によるシロアリ及び家屋害
虫の駆除を行う有効、かつ新規の防虫剤である。従来か
ら使用されてきた化学合成物質の防虫剤の人体及び環境
への影響が全くなく皮膚に塗布することも可能なアンジ
ローバ油は、安全性にすぐれた防虫剤であり、しかもそ
の唯一の欠点であるカビの発生の問題を抗菌剤特に植物
精油のゲラニオール単体又は植物製油の混用によって解
決した。
アンジローバから抽出した油によるシロアリ及び家屋害
虫の駆除を行う有効、かつ新規の防虫剤である。従来か
ら使用されてきた化学合成物質の防虫剤の人体及び環境
への影響が全くなく皮膚に塗布することも可能なアンジ
ローバ油は、安全性にすぐれた防虫剤であり、しかもそ
の唯一の欠点であるカビの発生の問題を抗菌剤特に植物
精油のゲラニオール単体又は植物製油の混用によって解
決した。
【図1】本発明のアンジローバ油の忌避効果を示す実験
装置を示す平面図である。
装置を示す平面図である。
【図2】同実験装置の縦断面図である。
【図3】同実験装置におけるアンジローバ油塗布と比較
の無塗布との忌避効果・殺虫効果の対比説明図である。
の無塗布との忌避効果・殺虫効果の対比説明図である。
1 試験体 1a アンジローバ油塗布面 1b アンジローバ油無塗布面 1c 月桃精油塗布面 1d 無塗布面 2 仕切り板 2a 小孔
Claims (3)
- 【請求項1】 センダン科樹木のアンジローバの果実に
含まれる油脂成分に、カビの発生を抑制する抗菌剤を添
加したものを有効成分とするアンジローバ果実油を使用
した防蟻・防虫剤。 - 【請求項2】 抗菌剤として、ゲラニオール単体又はゲ
ラニオール成分を含む植物製油を使用した請求項1記載
のアンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤。 - 【請求項3】 油脂成分に対するゲラニオール成分の混
合比率が3重量%以上である請求項2記載のアンジロー
バ果実油を使用した防蟻・防虫剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176732A JP3028477B2 (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | アンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176732A JP3028477B2 (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | アンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11349424A JPH11349424A (ja) | 1999-12-21 |
JP3028477B2 true JP3028477B2 (ja) | 2000-04-04 |
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ID=16018827
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10176732A Expired - Fee Related JP3028477B2 (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | アンジローバ果実油を使用した防蟻・防虫剤 |
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---|---|
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BRPI0721983A2 (pt) * | 2007-09-11 | 2014-03-18 | Sherwin Williams Do Brasil Ind E Com Ltda | Tinta repelente de inseto |
IL191743A (en) * | 2008-05-27 | 2012-10-31 | Fischer Pharma Ltd | Lice killers |
-
1998
- 1998-06-08 JP JP10176732A patent/JP3028477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11349424A (ja) | 1999-12-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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