JP3026855U - ドライ染み抜き器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気掃除機を利用して、家庭で手軽に衣服類
の染み抜き、こぼれた液体の吸い取りが出来る器具を提
供するものである。 【解決手段】 家庭用電気掃除機の先に接続されるドラ
イ染み取り器のタンク１、染み取り口９と染み取りノズ
ル３をつなぐホース２、衣服等に当てがう染み取りノズ
ル３より構成される。尚、染み取りノズル３の先端に取
り付けてある先口４は、繊維の種類や吸い取り面の状態
に応じて取り替えが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この本考案は、家庭で手軽に衣服等の染み抜き及びこぼした液体の吸い取りが 出来る器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、衣服等に付いた染みを取る場合には、衣服全体を漂白剤につけたり、ク リーニング店に出して染み取り依頼をしなければならなかった。また、床や布団 の上に液体をこぼした場合、乾いた布等をこすりつけて拭き取っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、少しの染みのために衣服全体を漂白剤につけたり、クリーニング店に 染み取りを依頼するのでは、時間的、コスト的に無駄が多かった。そのため、ま とめて他の衣類と共に処理しようと暫く放置しておくと、時間経過による染色効 果が生じ、染みがかえって取れにくくなることもあった。また、こほれた液体を 乾いた布等で拭き取る場合、こすりつけることにより、液体で汚れた箇所がかえ って広がる懸念があった。

【０００４】 そこで、本考案者は、衣服等に付いた染みを家庭で簡単に染み抜きすることが できる器具を提供すべく、実験を重ねた結果、染み部分に洗剤等を染み込ませた 後、この染み部分の裏側にきれいな水を含んだスポンジを当てて表側から吸引す ると、染みの汚れが溶け出た液体がスポンジに含まれている水と共に吸い取られ る事実に鑑み、一般家庭において常用されている家庭用電気掃除機に取り付ける だけで、家庭でも容易に染み抜きすることができる染み抜き器を考案した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記技術的課題は、次の通りの本考案によって解決できる。

【０００６】 即ち、本考案に係るドライ染み抜き器は、底面から天井に届かない高さに立設 した上向き遮蔽板により二室に分割して形成した各室を該天井から該底面に届か ない長さに突出した２枚の下向き遮蔽板により更に二室に分割して形成した四室 の内の両端に形成された二室の一方の室の天井に吸込口を開口すると共に他方の 室の天井に吸出口を開口してなる水溜容器の吸込口に先端に染み取りノズルを設 けたホースを接続し、該吸出口より該水溜容器内の空気を吸引することにより生 じる染み取りノズルの吸引力によって染みの汚れを含んだ液体を当該水溜容器内 へ吸引できるものである。

【０００７】 また、本考案に係るドライ染み抜き器は、底面を形成する底部材と天井を形成 する蓋部材とを着脱自在に結合し、該底面から該天井に届かない高さに立設した 上向き遮蔽板により二室に分割して形成した各室を該天井から該底面に届かない 長さに突出した２枚の下向き遮蔽板により更に二室に分割して形成した四室の内 の両端に形成された二室の一方の室の天井に吸込口を開口すると共に他方の室の 天井に吸出口を開口してなる水溜容器の吸込口に先端に染み取りノズルを設けた ホースを接続し、該吸出口より該水溜容器内の空気を吸引することにより生じる 染み取りノズルの吸引力によって染みの汚れを含んだ液体を当該水溜容器内へ吸 引できるものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づき説明する。

【０００９】 実施の形態１． 図１は本考案に係るドライ染み抜き器の第一の実施の形態を図示した斜視図、 図２は図１に示すドライ染み抜き器におけるタンクの縦断面図、図３は図１に示 すドライ染み抜き器における染み取りノズルの説明図である。

【００１０】 図面１〜３について説明すれば、家庭用電気掃除機の先に接続されるドライ染 み取り器のタンク１（水溜容器）、染み取り口９（吸込口）と染み取りノズル３ をつなぐホース２、衣服等に当てがう染み取りノズル３により構成される。尚、 染み取りノズル３の先端に取り付けてある先口４は、繊維の種類や吸い取り面の 状態に応じて取り替えが出来る。

【００１１】 本実施の形態では、電気掃除機のスイッチを入れると、染み取りノズル３より 吸引された液体が、ホース２を通り、染み取り口９よりタンク１へと導かれる。 遮蔽板７（下向き遮蔽板）及び５（上向き遮蔽板）により、吸い込んだ液はタン ク１の左側にのみ溜まり、仮に少々の液体が、遮蔽板５を越えてタンク右側に行 くことがあっても遮蔽板６（下向き遮蔽板）によりタンク１の底に落ちる。これ により、電気掃除機の吸い込み口に接続した吸口８（吸出口）には、絶えず空気 のみが吸引される。ある程度液体がタンク１の底に溜まれば、染み取り口９と吸 口８に接続してあるホースを外し、キャップ１０を外して逆さにして吸い込んだ 液体を排出する。

【００１２】 以下、本考案の第一の実施の形態における実施例を図１〜３に基づき説明する 。

【００１３】 実施例１． 衣服等の染み抜きの場合。

【００１４】 （イ）家庭用電気掃除機のホースの先の吸い込み口をスイッチを切った状態で、 タンク１の吸口８に押し込む。 （ロ）廃液の排出口のキャップ１０をきちんと締める。 （ハ）染み取り口９に染み取りノズル３付きホース２を押し込む。 （ニ）衣服等の染みの付いた部分に洗剤を染み込ませ、その裏面にきれいな水を 含んだスポンジをあて、電気掃除機のスイッチを入れる。 （ホ）染み取りノズル３の先口４を染みの付いた部分に接触させ、スポンジに染 み込んだ水と共に衣服に付いた染みを吸い取る。

【００１５】 実施例２． 液体の吸い取りの場合。

【００１６】 （イ）実施例１の場合と同じ。 （ロ）実施例１の場合と同じ。 （ハ）実施例１の場合と同じ。 （ニ）染み取りノズル３の先口４を液体がこぼれた箇所に接触させ、吸い取る。

【００１７】 次に、本考案の他の実施の形態を図１〜３を参照して図４〜７に基づき説明す る。

【００１８】 実施の形態２． 図４は本考案に係るドライ染み抜き器の第二の実施の形態における水溜容器を 図示した斜視図、図５は図４に示す水溜容器のＡ−Ａ’線縦断面図、図６は図５ に示す水溜容器のＢ−Ｂ’線縦断面図、図７は図５に示す水溜容器のＣ−Ｃ’線 縦断面図、図８は本実施の形態におけるドライ染み抜き器を用いて染み取りする 方法を説明する図であり、図４〜８において、図１〜３と同一符号は同一又は相 当部分を示す。尚、本実施の形態のドライ染み抜き器における水溜容器（タンク ）は水溜容器の底面を形成する底部材と天井を形成する蓋部材とから構成されて いる。

【００１９】 １は、底部材１ａと蓋部材１ｃとを着脱自在に結合し、底部材１ａの底面１ｂ から蓋部材１ｃの天井１ｄに届かない高さに立設した先端部を鋸歯状に形成した 上向き遮蔽板５により不均一に二つの室に分割し、該各室の天井１ｄから底面１ ｂに届かない長さに突出した先端部を鋸歯状に形成した２枚の下向き遮蔽板６， ７により更に二つの室に分割して合計四つの室１ｅ，１ｆ，１ｇ，１ｈを形成し たタンク（水溜容器）であり、両端に形成された室１ｅ，１ｈの内、上向き遮蔽 板５により広く形成された室にある室１ｅの天井１ｄには筒状に突出して開口し た染み取り口９（吸込口）を設け、他方の室１ｈの天井１ｄにも筒状に突出して 染み取り口９より広く開口した吸口８（吸出口）を設けてある。そして、染み取 り口９には、実施の形態１の場合と同様（図１参照）に、先端に衣服等に付着し た染み部分に当てがう染み取りノズル３を嵌めたホース２が接続され、吸口８に は電気掃除機の吸引ホース１１が接続される。また、染み取りノズル３の先口４ は、図３の（ｂ）に示すように、金網を張り、格子状に形成されている。

【００２０】 尚、図８において、１２は染みが付着した衣服１３の染み部分、１４は容器１ ５に入った水を含んだスポンジである。

【００２１】 次に、染み抜き方法について説明する。

【００２２】 先ず、衣服１３の染み部分１２全体に洗剤を充分に染み込ませた後、図８に示 すように、容器１５内の水を含んだスポンジ１４の上に衣服１３の染み部分１２ が載るようにスポンジ１４の上面に当てて被せる。

【００２３】 続いて、図１に示すように、電気掃除機に連結されている電気掃除機の吸引ホ ース１１をタンク１の吸口８に接続して、電気掃除機の電源を入れる。

【００２４】 その後、染み取りノズル３の先口４を染みの付いた部分１２に接触させ、吸口 ８よりタンク１内の空気を吸引することにより染み取りノズル３の先口４に生じ る吸引力を利用してスポンジ１４に含まれた水を衣服１３の染み部分１２を通過 させてタンク１内へ吸引する。これにより、染み部分１２の繊維内において水に 溶けた染みの汚れが染み取りノズル３の吸引力により水と共に吸い取られるので 、染みが水に溶けた汚れが円形状に広がり輪染みとなることなく染み抜きできる 。

【００２５】 染みの汚れが溶け込んだ液体はホース２内を通って、図５に示すように、染み 取り口９から室１ｅへ送られる。

【００２６】 室１ｅへ送られた液体は、室１ｅから室１ｆへの吸引により、さらに、室１ｆ へ引き込まれるが、室１ｅは下向き遮蔽板７により下方が開いた状態で仕切られ ており、さらに、下向き遮蔽板７の先端は鋸歯状に形成されているので、殆どの 水は下向き遮蔽板７の鋸歯状先端に衝突して上向き遮蔽板５により形成されたタ ンク１の染み取り口９側室の底に溜まることとなる。

【００２７】 下向き遮蔽板７を通過した水分を含んだ空気は、室１ｆから室１ｇへの吸引に より、さらに、室１ｇへ引き込まれるが、室１ｆは上向き遮蔽板５により上方が 開いた状態で仕切られており、さらに、上向き遮蔽板５の先端は鋸歯状に形成さ れているので、水分を含んだ空気はこの上向き遮蔽板５の鋸歯状先端に衝突する こととなり、空気内の水分は上向き遮蔽板５の室１ｆ側壁面に水滴として付着し 、同様に、前記タンク１の染み取り口９側室の底に溜まることとなる。

【００２８】 少々の水分が、上向き遮蔽板５を越えて室１ｇに送られることがあっても、前 記と同様、下向き遮蔽板６によりタンク１の吸口８側室の底に落ちることとなる 。

【００２９】 これにより、電気掃除機の吸引ホース１１を接続した吸口８には、絶えず水分 を殆ど含まない空気のみが吸引される。ある程度、タンク１の底に汚れた液体が 溜まれば、蓋部材１ｃを外して排出する。

【００３０】 本実施の形態の構成を詳細に説明すれば次の通りである。

【００３１】 タンク１は底部材１ａと蓋部材１ｃとから構成されているので、容易にプラス チック成型することができる。また、底部材１ａを透明にすれば、タンク１内に 溜まった液体の量を目視により確認することができる。さらに、タンク１は横断 面が楕円形状の球体に成形されており、底部材１ａと蓋部材１ｃとは凹凸部の嵌 合により着脱自在に結合されているが、タンクの横断面を円形状に成形すれば、 底部材と蓋部材とを螺合により着脱自在に結合することもできる。

【００３２】 タンク１の底部材１ａを二分する上向き遮蔽板５をタンク１の染み取り口９側 室の底が広くなるように設けたので、タンク１内により多くの水を溜めることが できるが、上向き遮蔽板５をタンク１の底部材１ａを均等分けする位置に設けて も染み抜き効果は変わるものではない。また、上向き遮蔽板５の先端は天井近く に、吸口８側の下向き遮蔽板６の先端は底面近くに位置付ければ、よりよい水抜 き効果を得ることができるが、染み取り口９側の下向き遮蔽板７は、吸口８側の 下向き遮蔽板６より短く設けることにより、タンク１内により多くの液体を溜め ることができる。

【００３３】 吸口８は染み取り口９より広く開口されているので、染み取りノズル３の先口 ４により強い吸引力を得ることができるが、同じ広さであっても、吸口８からの 吸引を増すことにより同様の染み抜き効果を得ることができる。

【００３４】 染み取り口９に接続するホース２はビニールホースや蛇腹状ホースを用いれば よい。また、ホース２の先端に嵌める染み取りノズル３はプラスチックにより成 型すればよい。さらに、染み取りノズル３の先口４は格子状に形成してあるので 、薄手の布地に付着した染みを取る際に、布地がノズル内に吸い込まれるのを防 ぐことができるため、染み抜き作業を容易に進めることができる。また、厚手の 布地に付着した染みを取る場合は、先口が溝状に形成された染み取りノズルを使 用すればよい。

【００３５】 吸口８には電気掃除機の吸引ホース１１を連結したが、これに限ることなく、 市販の吸引器であればよい。

【００３６】 尚、染み取りノズルから吸引される液体は、前処理に洗剤や染取剤を使用した 場合はそれらが混じった染みの汚れを含んだ水であり、前処理しない場合は染み の汚れを含んだ水である。

【００３７】

【考案の効果】

本考案に係るドライ染み抜き器によれば、家庭用電気掃除機を利用し、きわめ て簡単に衣服等の染み抜き、液体の吸い取りが出来る。染み抜きは、染みの付い た箇所だけを処理するため、短時間に効率よくできる。しかも、処理部分の水分 を吸い取るため、乾きが早く、生地の傷みも少ない。また、液体の吸い取りは、 テーブルのような堅い面だけでなく、従来むずかしかった、座布団にこぼしたお 茶や、子供のおねしょの処理にも十分対応できる。

【００３８】 従って、本考案の産業上利用性は非常に高いといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るドライ染み抜き器の第一の実施の
形態を図示した斜視図である。

【図２】図１に示すドライ染み抜き器におけるタンクの
縦断面図である。

【図３】図１に示すドライ染み抜き器における染み取り
ノズルの説明図である。

【図４】第二の実施の形態におけるドライ染み抜き器の
水溜容器を図示した斜視図である。

【図５】図４に示す水溜容器のＡ−Ａ’線縦断面図であ
る。

【図６】図５に示す水溜容器のＢ−Ｂ’線縦断面図であ
る。

【図７】図５に示す水溜容器のＣ−Ｃ’線縦断面図であ
る。

【図８】第二の実施の形態におけるドライ染み抜き器を
用いて染みを取る方法を説明する図である。

【符号の説明】

１ タンク（水溜容器） １ａ 底部材 １ｂ 底面 １ｃ 蓋部材 １ｄ 天井 １ｅ，１ｆ，１ｇ，１ｈ 室 ２ ホース ３ 染み取りノズル ４ 先口 ５ 遮蔽板（上向き遮蔽板） ６，７ 遮蔽板（下向き遮蔽板） ８ 吸口（吸出口） ９ 染み取り口（吸込口） １０ キャップ １１ 電気掃除機のホース １２ 染み部分 １３ 衣服 １４ スポンジ １５ 容器

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面から天井に届かない高さに立設した
   上向き遮蔽板により二室に分割して形成した各室を該天
   井から該底面に届かない長さに突出した２枚の下向き遮
   蔽板により更に二室に分割して形成した四室の内の両端
   に形成された二室の一方の室の天井に吸込口を開口する
   と共に他方の室の天井に吸出口を開口してなる水溜容器
   の吸込口に先端に染み取りノズルを設けたホースを接続
   し、該吸出口より該水溜容器内の空気を吸引することに
   より生じる染み取りノズルの吸引力によって染みの汚れ
   を含んだ液体を当該水溜容器内へ吸引できることを特徴
   とするドライ染み抜き器。
2. 【請求項２】 底面を形成する底部材と天井を形成する
   蓋部材とを着脱自在に結合し、該底面から該天井に届か
   ない高さに立設した上向き遮蔽板により二室に分割して
   形成した各室を該天井から該底面に届かない長さに突出
   した２枚の下向き遮蔽板により更に二室に分割して形成
   した四室の内の両端に形成された二室の一方の室の天井
   に吸込口を開口すると共に他方の室の天井に吸出口を開
   口してなる水溜容器の吸込口に先端に染み取りノズルを
   設けたホースを接続し、該吸出口より該水溜容器内の空
   気を吸引することにより生じる染み取りノズルの吸引力
   によって染みの汚れを含んだ液体を当該水溜容器内へ吸
   引できることを特徴とするドライ染み抜き器。
3. 【請求項３】 染み取りノズルの先口が格子状に形成さ
   れている請求項１又は２記載のドライ染み抜き器。
4. 【請求項４】 吸出口を吸込口より広く開口すると共に
   各遮蔽板の先端部を鋸歯状に形成した請求項２記載のド
   ライ染み抜き器。