JP3026311B2 - 高粘度溶液の連続濃縮方法およびその装置 - Google Patents

高粘度溶液の連続濃縮方法およびその装置

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JP3026311B2 JP02281908A JP28190890A JP3026311B2 JP 3026311 B2 JP3026311 B2 JP 3026311B2 JP 02281908 A JP02281908 A JP 02281908A JP 28190890 A JP28190890 A JP 28190890A JP 3026311 B2 JP3026311 B2 JP 3026311B2
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雅憲 土井
亮司 堀中
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、揮発性の液体に固形分または非揮発性ない
しは難揮発性の粘稠性液状物が溶解してなる高粘度溶液
を連続的に供給し、均一かつ長期安定して濃縮する方法
およびその装置に関するものである。
(従来の技術) 通例、濃縮装置と言えば、精塩、精糖、濃硫酸の製造
などにおいて、ポット式真空濃縮装置が用いられてい
る。これは、真空容器を外部から加熱する方式で、高粘
度溶液の場合は、容器内液を攪拌して濃縮むらを均一化
するようにしたものが多く、そのシンプルな構造が故に
古くから多用されている。また、近年では、溶液の加熱
変質を少なくするために、第2図に示すような、タンク
1、原液2、ポンプ3、長鎖状加熱器4、真空容器5か
らなるフラッシュ式真空濃縮装置や、さらに、それを改
良したようなもの(たとえば、特開昭48−98461号公報
における上部高温タンクと下部低温タンクを連結管で一
体化した装置)も見られる。
一方、最近では、溶液を強制的に薄膜化させて濃縮す
る方法が使用されつつある。たとえば、特開昭50−6579
号公報のスクリュー式蒸発機、特開昭61−90702号公報
の遠心式薄膜濃縮機、特開平1−262800号公報のスクレ
ーバー式濃縮機などが挙げられる。これらは、前記のポ
ット式やフラッシュ式に比べ、濃縮効率が高く、さら
に、回転混合によるスケール付着が少なくなることが特
徴である。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、高粘度を有する溶液を連続濃縮する場合は、
その流動性が悪く部分的に滞留が生じやすいために、ス
ケールが付着したり、被膜を形成したり、局部的加熱に
より熱変質または着色を生じるなどして、均一かつ長期
安定な濃縮を行うことが困難となるばかりでなく、製品
の品質低下にもなる。そして、これらのために、しばし
ば、装置全体の保守を要し、生産ロスを生じる場合も少
なくはない。したがって、上記のような欠点が改良され
た高粘度溶液の連続濃縮方法およびその装置が望まれて
いる。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究の
結果、上記従来の技術における欠点、特にスケールの生
成、被膜の形成を一挙に解決できる均一かつ長期安定し
て連続濃縮する方法ならびにそれらを実現できるコンパ
クトな装置を発明するに至った。
すなわち、本発明の高粘度溶液の連続濃縮方法は、加
熱した高粘度溶液を真空の容器に吐出流下して濃縮する
方法において、吐出流下させた溶液の落下位置が、常に
真空容器の壁面と濃縮液の液面との界面近傍の濃縮液の
液面上とするものである。
ここで、高粘度溶液とは、揮発性の液体に固形分また
は非揮発性ないしは難揮発性の粘稠性液状物が溶解して
なる溶液、たとえば、ポリスチレンのトルエン溶液、酢
酸ビニル中間体の水溶液またはエチルメチルケトン溶
液、ポリビニルアルコール中間体の水溶液、エポキシ樹
脂のアセトン溶液、ポリブタジエンのアミルベンゼン溶
液、ポリウレタンのジメチルホルムアミド溶液、塗料な
どの高分子材料溶液、含蜜糖やジャムなど食品関係の粗
水溶液、さらに、医薬品や化粧品などの中間体溶液など
が挙げられ、数百cp〜数百万cpの粘度を有するものであ
る。
本発明は、これ以外の粘度を有するものにも適用は可
能ではあるが、本発明の効果を充分満足するには、前記
の粘度範囲の高粘度溶液が好ましい。さらに、加熱温度
と真空度の操作条件は、通常のフラッシュ式濃縮機と同
様に、揮発性液体の蒸気圧および高粘度溶液が熱変質ま
たは着色しないことを考慮して選定できる(たとえば、
特開昭52−66594号公報記載のアクリロニトリル系重合
体からのモノマー除去における操作条件)。
また、上記本発明の濃縮方法を充分実現するための装
置は、入口側に多数のスタティックミキサー配管群を備
え、出口側に多数の細孔を有する多孔板を一体に設けた
加熱ジャケット付の縦型熱交換器及び熱交換器の下部に
配置された恒温ジャケット付のテーパー部を有する真空
容器とからなり、前記多孔板の細孔は、多孔板から吐出
流下した溶液の落下位置が、常に真空容器の壁面と濃縮
液の液面との界面近傍の濃縮液の液面上にあるように配
列されてなるものである。
本装置は、スクリュー式、遠心薄膜式、スクレーバー
式などのように駆動部をもたず、熱交換器と真空容器が
一体化しているため、構造がシンプルかつコンパクトに
なり、メンテナンスもほとんど不要である。
第1図に示す本発明の連続濃縮装置の一実施例に基づ
いて、その具体的構成と作用について説明する。
本発明の連続濃縮装置の構成としては、熱交換器b、
多孔板cおよび真空容器gからなっている。iでは真空
容器gに滞留する濃縮液hを連続的に抜き出すための手
段であり、一般的に用いられている高粘度液輸送用ポン
プでよいが、入口側の開口部の大きいギヤーポンプが好
ましい。
高粘度溶液aは、熱交換器bへ連続的に供給され、加
熱媒体d,d′により一定温度に加熱後、多孔板cより真
空容器gへ吐出流下される。
熱交換器bは、スタティックミキサーを内蔵する多数
の配管内を流れる高粘度液を、加熱媒体d,d′で加熱す
るためのものである。一般に、熱交換器としては、多管
式のものが多用されているが、滞留時間が長く、熱変質
または着色の恐れがあり、また、断面方向の温度斑も生
ずることから、好ましいとは言えない。本発明において
は、スタティックミキサーを用いて短時間での加熱と同
時に混合することで、この問題を解決している。また、
加熱媒体d,d′としては、蒸気、温水などを用いること
ができる。
多孔板cは、熱交換器bの出口側に取り付けられ、多
数の細孔c′を有している。細孔形状は、スリット状、
四角形、三角形、円形など、いかなる形のものでもよい
が、円形が最適である。円形の場合、蒸発面積を稼ぐ上
では、できるだけ径の小さい孔が数多いのが好ましいの
であるが、その径は0.3〜2φ、好ましくは0.8〜1.2φ
である。これは、0.3φ未満であると孔詰まりが生じや
すく、また、2φ以上であると吐出液の線状断面方向に
濃縮ムラを生じやすくなるためである。また、吐出圧
は、熱交換器b内または多孔板c内での突沸濃縮ムラ、
および多孔板上の孔周辺へのスケール付着を防止する上
で、常に正圧にする必要があり、そうなるように細孔
c′の径および数を選定しなければならない。
次に、細孔c′より真空容器gへ吐出された高粘度溶
液aは、吐出瞬時に、その潜熱により濃縮され、線状ま
たは点状に流下し、真空容器gの下部に溜まる。この
時、吐出流下させた溶液fの落下位置が、少なくとも常
に、真空容器gの壁面と濃縮液面との界面近傍の濃縮液
の液面上にあるように、細孔を配列させることが必要で
ある。上記の界面近傍とは、界面から容器中心方向へ7c
m以内、好ましくは4cm以内の同心円状の液面である。
さらに、真空容器gは、容器内の真空度と平衡な揮発
性液体の蒸気圧温度と同一か、若干低目の恒温媒体k,
k′(温水など)で恒温化して、容器内壁面から凝縮液
が落ちない程度に結露させてある。これらにより、壁面
近傍の滞留濃縮液は、落下してくる液で常に更新され、
また、壁面に付着した液からの濃縮は起こらず、スケー
ルの生成、被膜の形成は起こらない。さらには、濃縮液
hの温度は、吐出瞬時に揮発性液体の蒸発に使われ、容
器内真空度と平衡な蒸気温度にまで低下するため、熱変
質または着色はまったく起こらない。
なお、多孔板cと細孔c′内の全面および真空容器g
は、液が付着しにくいようにテフロンコーティングする
こともできる。
また、本発明の装置においては、強制攪拌していない
ため、機械的せん断による変質や軸部からの真空洩れな
どの心配がなく、非常に構造がシンプルでコンパクト
で、保守はほとんど要しない。さらには、潜熱による濃
縮であるため、真空度および高粘度溶液の加熱温度のみ
を一定にすれば、一定の濃縮度が得られ、複雑なコント
ロールシステムは不要である。
(実施例) 以下に実施例をもって具体的に説明するが、本発明
は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例1 ポリマー分55%、揮発性液体(水)45%からなる酢酸
ビニル中間製品(粘度800ポイズ、30℃)を、ポリマー
分62%まで濃縮するために、第1図に示す装置を用い
た。装置主要緒言および操作条件は、各々第1−1),
2)表に示した。
この時、多孔板からの吐出流下液の落下位置は、容器
壁面と液面との界面から1cmの濃縮液の液面上となるよ
うに、細孔の配列径および液面高さを選定した。
運転は約一ヶ月連続で実施し、1日に1回下記の項目
を測定した。
濃度測定・・・約1gをガラス板上に100μのフィルム
状にして、80℃×6Hr,熱風で乾燥させ、乾燥前後の重量
を測定した。
スケール生成および被膜形成・・・真空容器に側面に
設けたのぞき窓から目視観察した。
濃縮液の目視観察・・・100ccのガラス容器に濃縮液
を入れ、異物の有無を目視観察した。
結果を第2表に示した。
比較例1 比較例として、本発明の装置の代わりに第2図のよう
なフラッシュ式蒸発缶(特開昭48−98461号公報に記載
のもの参照)を用いて、実施例1と同様に実施した。な
お、供給量、加熱温度、真空度は、第1−2)表と同じ
とした。
結果を第2表に示した。
第2表からわかるように、本発明は、比較例に比べ、
濃度変動もほとんどなく、スケール生成も被膜形成もな
い。
(発明の効果) 実施例から明らかなように、本発明の方法および装置
によれば、揮発性の液体に固形分または非揮発性ないし
難揮発性の粘稠性液体が溶解してなる高粘度溶液を、連
続的に供給し均一かつ長期安定して濃縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の連続濃縮装置の一実施例を示す側面
図、第2図は、従来のフラッシュ式真空濃縮装置の説明
図である。 a……高粘度溶液、b……スタティックミキサー群内蔵
の熱交換器、c……多孔板、c′……細孔、d,d′……
加熱媒体、e……真空排気管、f……吐出流下液、g…
…真空容器、h……濃縮液、i……滞留液排出手段、j
……濃縮液、k,k′……恒温媒体、1……タンク、2…
…原液、3……ポンプ、4……長鎖状加熱器、5……真
空容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−281505(JP,A) 特開 平2−209902(JP,A) 特開 昭62−179508(JP,A) 特開 平3−174404(JP,A) 特開 平4−371201(JP,A) 特開 昭59−18707(JP,A) 特開 平3−196801(JP,A) 特開 平4−8705(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱した高粘度溶液を真空下の容器に吐出
    流下して濃縮する方法において、吐出流下させた溶液の
    落下位置が、常に真空容器の壁面と濃縮液の液面との界
    面近傍の濃縮液の液面上にあることを特徴とする高粘度
    溶液の連続濃縮方法。
  2. 【請求項2】入口側に多数のスタティックミキサー配管
    群を備え、出口側に多数の細孔を有する多孔板を一体に
    設けた加熱ジャケット付の縦型熱交換器及び熱交換器の
    下部に配置された恒温ジャケット付のテーパー部を有す
    る真空容器とからなり、前記多孔板の細孔は、多孔板か
    ら吐出流下した溶液の落下位置が、常に真空容器の壁面
    と濃縮液の液面との界面近傍の濃縮液の液面上にあるよ
    うに配列されていることを特徴とする高粘度溶液の連続
    濃縮装置。
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