JP3025422B2 - 燃料ペレットの焼きしまり量測定方法 - Google Patents
燃料ペレットの焼きしまり量測定方法Info
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- JP3025422B2 JP3025422B2 JP7162117A JP16211795A JP3025422B2 JP 3025422 B2 JP3025422 B2 JP 3025422B2 JP 7162117 A JP7162117 A JP 7162117A JP 16211795 A JP16211795 A JP 16211795A JP 3025422 B2 JP3025422 B2 JP 3025422B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化ガドリニウム（Ｇ
ｄ２Ｏ３）を含有するＵＯ２焼結ペレットの加熱前後の
密度差から焼きしまり量を求める方法に関する。
ｄ２Ｏ３）を含有するＵＯ２焼結ペレットの加熱前後の
密度差から焼きしまり量を求める方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】軽水炉あるいは高速増殖炉に装荷される
核燃料ペレットは、高密度化されていると共に、高燃焼
度化に伴い熱中性子の吸収を促進するためにガドリニウ
ム（Ｇｄ）の添加量が増えている。酸化ガドリニウム
（Ｇｄ２Ｏ３）を含有するＵＯ２焼結ペレットは、操業
中に焼きしまり（デンシフィケーション）現象が生じ
る。焼きしまりは酸化物ペレットが照射中に収縮する現
象であって、１０００℃以下の低温で生じることや１
０，０００ＭＷｄ／ｔまでの低燃焼度で観察され、ペレ
ットの焼結過程で見られるような熱的な収縮とは区別さ
れる。
核燃料ペレットは、高密度化されていると共に、高燃焼
度化に伴い熱中性子の吸収を促進するためにガドリニウ
ム（Ｇｄ）の添加量が増えている。酸化ガドリニウム
（Ｇｄ２Ｏ３）を含有するＵＯ２焼結ペレットは、操業
中に焼きしまり（デンシフィケーション）現象が生じ
る。焼きしまりは酸化物ペレットが照射中に収縮する現
象であって、１０００℃以下の低温で生じることや１
０，０００ＭＷｄ／ｔまでの低燃焼度で観察され、ペレ
ットの焼結過程で見られるような熱的な収縮とは区別さ
れる。
【０００３】従来、焼きしまり量の測定方法としては、
ＵＯ２ペレットで行われているように乾水素雰囲気中に
て、ガドリニア添加ペレットを１７００〜１７２５℃の
温度で２４時間加熱し、加熱試験前後の密度差から焼き
しまり量を求める方法がある。しかし、ガドリニアを多
く含むペレットの焼きしまり試験では、負の焼きしまり
量、すなわち加熱後の密度が加熱前よりも小さくなる後
退現象、を生ずることがある。これは乾水素中での高温
加熱のため、 （Ｕ１−ａＧｄａ）Ｏ２→（Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ
２−ａ／２ の反応を生じ、結晶格子中の酸素離脱によりＯ／Ｍが低
下して、試験後に重量変化、直径変化の焼きしまり以外
の挙動が生じるためである。
ＵＯ２ペレットで行われているように乾水素雰囲気中に
て、ガドリニア添加ペレットを１７００〜１７２５℃の
温度で２４時間加熱し、加熱試験前後の密度差から焼き
しまり量を求める方法がある。しかし、ガドリニアを多
く含むペレットの焼きしまり試験では、負の焼きしまり
量、すなわち加熱後の密度が加熱前よりも小さくなる後
退現象、を生ずることがある。これは乾水素中での高温
加熱のため、 （Ｕ１−ａＧｄａ）Ｏ２→（Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ
２−ａ／２ の反応を生じ、結晶格子中の酸素離脱によりＯ／Ｍが低
下して、試験後に重量変化、直径変化の焼きしまり以外
の挙動が生じるためである。
【０００４】これに代る焼きしまり量を測定する従来方
法としては、ＵＯ２単体の乾水素中に比較して湿水素中
で焼きしまり試験をする方法がある。この方法は、試験
雰囲気中の酸素ポテンシャルを上げ、ＵＯ２とＧｄ２Ｏ
３の固溶体の結晶格子中の酸素の離脱を防ぐことを目的
としている。しかし、この方法は、実炉内は通常、水
素コントロール下にあるため、炉内挙動を模擬する雰囲
気としては適切でない、湿水素中の水分は炉ヒータ
ー、炉リフレクター等に悪影響を及ぼす、湿水素水分
量によって焼きしまり量が影響を受ける、等の問題があ
る。
法としては、ＵＯ２単体の乾水素中に比較して湿水素中
で焼きしまり試験をする方法がある。この方法は、試験
雰囲気中の酸素ポテンシャルを上げ、ＵＯ２とＧｄ２Ｏ
３の固溶体の結晶格子中の酸素の離脱を防ぐことを目的
としている。しかし、この方法は、実炉内は通常、水
素コントロール下にあるため、炉内挙動を模擬する雰囲
気としては適切でない、湿水素中の水分は炉ヒータ
ー、炉リフレクター等に悪影響を及ぼす、湿水素水分
量によって焼きしまり量が影響を受ける、等の問題があ
る。
【０００５】焼きしまり量の測定は、加熱保持試験前後
の密度差から求める。酸素離脱による重量の減少、格子
定数の増加した試験後のペレットは、酸化離脱がないペ
レットと比較して密度が低くなり、結果として負の焼き
しまり量を示すことになる。このように、従来法による
測定では、ガドリニア添加ペレットの正常なデンシフィ
ケーション値は得られない問題がある。
の密度差から求める。酸素離脱による重量の減少、格子
定数の増加した試験後のペレットは、酸化離脱がないペ
レットと比較して密度が低くなり、結果として負の焼き
しまり量を示すことになる。このように、従来法による
測定では、ガドリニア添加ペレットの正常なデンシフィ
ケーション値は得られない問題がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ｇｄ添加燃
料ペレットの焼きしまり量の測定において、ＵＯ２とＧ
ｄ２Ｏ３固溶体のＯ／Ｍが変化することなく、すなわち
結晶格子中の酸素の離脱による重量の減少や格子定数の
増加することなく、焼きしまり量を測定するための試験
条件を設定することを目的としている。
料ペレットの焼きしまり量の測定において、ＵＯ２とＧ
ｄ２Ｏ３固溶体のＯ／Ｍが変化することなく、すなわち
結晶格子中の酸素の離脱による重量の減少や格子定数の
増加することなく、焼きしまり量を測定するための試験
条件を設定することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Ｇｄ添加
の燃料ペレットの焼きしまり試験において負の焼きしま
り量が生じるのは、結晶格子中の酸素が減少することに
よる格子定数の増加、すなわち膨張および単位体積当た
りの重量の減少にあることを見い出した。そこで、本発
明者らは、これらの知見に基づき焼きしまり試験の雰囲
気として不活性ガス雰囲気を選択し、これにより焼きし
まり現象のみの良好な試験結果を得ることが出来たので
ある。
の燃料ペレットの焼きしまり試験において負の焼きしま
り量が生じるのは、結晶格子中の酸素が減少することに
よる格子定数の増加、すなわち膨張および単位体積当た
りの重量の減少にあることを見い出した。そこで、本発
明者らは、これらの知見に基づき焼きしまり試験の雰囲
気として不活性ガス雰囲気を選択し、これにより焼きし
まり現象のみの良好な試験結果を得ることが出来たので
ある。
【０００８】本発明は、下記の事項をその要旨としてい
る。酸化ガドリニウム（Ｇｄ２Ｏ３）を１．０〜１５．
０重量％含むＵＯ２ペレット又は（Ｐｕ、Ｕ）Ｏ２ペレ
ットの焼きしまり試験において、Ｏ／Ｍを変化させるこ
となく、下記の試験条件で行うことを特徴とする燃料ペ
レットの焼きしまり量測定方法。 加熱保持温度：１７００〜１７５０℃ 昇温時間および降温時間：９０〜１２０分 加熱保持時間：２４時間 試験雰囲気：不活性ガス雰囲気 焼きしまり量算出：試験前後の密度の差
る。酸化ガドリニウム（Ｇｄ２Ｏ３）を１．０〜１５．
０重量％含むＵＯ２ペレット又は（Ｐｕ、Ｕ）Ｏ２ペレ
ットの焼きしまり試験において、Ｏ／Ｍを変化させるこ
となく、下記の試験条件で行うことを特徴とする燃料ペ
レットの焼きしまり量測定方法。 加熱保持温度：１７００〜１７５０℃ 昇温時間および降温時間：９０〜１２０分 加熱保持時間：２４時間 試験雰囲気：不活性ガス雰囲気 焼きしまり量算出：試験前後の密度の差
【０００９】以下に、本発明を詳細に説明する。燃料ペ
レットの焼きしまりに伴って、線出力密度の増加、
軸方向ギャップの形成による出力スパイク、軸方向ギ
ャップ部での被覆管のつぶれ、直径ギャップの増加に
よる燃料温度の増加、など操業中の問題が生じる。
レットの焼きしまりに伴って、線出力密度の増加、
軸方向ギャップの形成による出力スパイク、軸方向ギ
ャップ部での被覆管のつぶれ、直径ギャップの増加に
よる燃料温度の増加、など操業中の問題が生じる。
【００１０】焼きしまりを評価するには、通常、ペレッ
トやスタックの寸法変化、密度変化、気孔の消滅や収縮
などが測定される。また、実験パラメータとしては、
ペレット燃焼条件（温度、時間）、初期密度、結晶
粒径、気孔径分布、照射条件（燃焼度、線出力）な
どが選ばれる。
トやスタックの寸法変化、密度変化、気孔の消滅や収縮
などが測定される。また、実験パラメータとしては、
ペレット燃焼条件（温度、時間）、初期密度、結晶
粒径、気孔径分布、照射条件（燃焼度、線出力）な
どが選ばれる。
【００１１】本発明のペレットの焼きしまり量測定方法
の試験条件と、従来法のそれとの比較を、表１に示す。
の試験条件と、従来法のそれとの比較を、表１に示す。
【００１２】
【表１】
【００１３】従来の方法は、乾水素雰囲気中で、ガス圧
が０．３５ｋｇ／ｃｍ2 、ガス露点は−７０〜−５５
℃、温度１７００〜１７５０℃、試験時間２４時間で測
定している。このような試験条件では、下記の反応、 （Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ２→（Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ
２−ａ／２ を生じ、結晶格子中の酸素離脱が起り、その結果負の焼
きしまり量を示すこととなる。
が０．３５ｋｇ／ｃｍ2 、ガス露点は−７０〜−５５
℃、温度１７００〜１７５０℃、試験時間２４時間で測
定している。このような試験条件では、下記の反応、 （Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ２→（Ｕ１−ａ、Ｇｄａ）Ｏ
２−ａ／２ を生じ、結晶格子中の酸素離脱が起り、その結果負の焼
きしまり量を示すこととなる。
【００１４】本発明の測定方法は、不活性ガス雰囲気中
で、ガス圧が０．３５ｋｇ／ｃｍ2、ガス露点−５５〜
４０℃、試験温度１７００〜１７５０℃、試験時間２４
時間で測定するものであり、試験ガス雰囲気として不活
性ガスを使用すること、およびガスの露点温度が上昇し
ている点において特徴を有している。
で、ガス圧が０．３５ｋｇ／ｃｍ2、ガス露点−５５〜
４０℃、試験温度１７００〜１７５０℃、試験時間２４
時間で測定するものであり、試験ガス雰囲気として不活
性ガスを使用すること、およびガスの露点温度が上昇し
ている点において特徴を有している。
【００１５】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。Ｇｄ２Ｏ３を含有する燃料ペレットの焼きしまり
量を測定するに際し、本発明方法と比較例の試験条件
を、表２に示す。
する。Ｇｄ２Ｏ３を含有する燃料ペレットの焼きしまり
量を測定するに際し、本発明方法と比較例の試験条件
を、表２に示す。
【００１６】
【表２】
【００１７】表２に示す条件で焼きしまり試験をしたと
きのデンシフィケーション値と初期焼結密度との関係
を、図１に示す。
きのデンシフィケーション値と初期焼結密度との関係
を、図１に示す。
【００１８】図１に示すように、比較例である乾水素を
用いた場合はＧｄ２Ｏ３濃度が７．５〜１０重量％と高
くなる（記号●）につれて、デンシフィケーション値が
低くなり、ついには０点を越えて負の値を示すようにな
る。一方、本発明のＨｅガス雰囲気ではＧｄ２Ｏ３濃度
が５重量％以下と低く（記号△）ても、７．５〜１０重
量％と高く（記号□）てもデンシフィケーション値は、
常にプラスの領域に存在している。
用いた場合はＧｄ２Ｏ３濃度が７．５〜１０重量％と高
くなる（記号●）につれて、デンシフィケーション値が
低くなり、ついには０点を越えて負の値を示すようにな
る。一方、本発明のＨｅガス雰囲気ではＧｄ２Ｏ３濃度
が５重量％以下と低く（記号△）ても、７．５〜１０重
量％と高く（記号□）てもデンシフィケーション値は、
常にプラスの領域に存在している。
【００１９】
【発明の効果】本発明により、燃料ペレットの結晶格子
中の酸素離脱現象が抑えられ、デンシフィケーション値
が正常値を示す。これにより、焼きしまり変動の少な
い、品質の良い燃料ペレットが得られる。
中の酸素離脱現象が抑えられ、デンシフィケーション値
が正常値を示す。これにより、焼きしまり変動の少な
い、品質の良い燃料ペレットが得られる。
【図１】焼きしまり試験をしたときのデンシフィケーシ
ョン値と初期焼結密度との関係を示したグラフである。
ョン値と初期焼結密度との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−52735（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−109671（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−132198（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−228592（ＪＰ，Ａ) Ｐｒａｎａｂ ＤＡＳ ｅｔ ａ ｌ．，”Ｓｔｕｄｉｅｓ ｏｎ ｔｈｅ Ｓｉｎｔｅｒｉｎｇ Ｂｅｈａｖｉｏ ｕｒ ｏｆ Ｕｒａｎｉｕｍ Ｄｉｏｘ ｉｄｅ Ｐｏｗｄｅｒ Ｃｏｍｐａｃｔ ｓ”，Ｊ．Ｎｕｃｌ．Ｍａｔｅｒ，Ｖｏ ｌ．158，ｐ．261−266（1988) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G21C 17/06 G01N 9/36 G21C 3/62 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)
Claims (1)
- 【請求項１】酸化ガドリニウム（Ｇｄ２Ｏ３）を１．０
〜１５．０重量％含むＵＯ２ペレット又は（Ｐｕ、Ｕ）
Ｏ２ペレットの焼きしまり量を測定する方法であって、
Ｏ／Ｍを変化させないように、下記の試験条件で行うこ
とを特徴とする、燃料ペレットの焼きしまり量測定方
法。 試験温度：１７００〜１７５０℃ 昇温時間および降温時間：９０〜１２０分 試験時間：２４時間 試験雰囲気：不活性ガス雰囲気 焼きしまり量算出：試験前後の密度の差
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7162117A JP3025422B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 燃料ペレットの焼きしまり量測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7162117A JP3025422B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 燃料ペレットの焼きしまり量測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0915373A JPH0915373A (ja) | 1997-01-17 |
| JP3025422B2 true JP3025422B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=15748370
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7162117A Expired - Fee Related JP3025422B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 燃料ペレットの焼きしまり量測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3025422B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002124828A (ja) | 2000-10-12 | 2002-04-26 | Sharp Corp | 発振器及びその発振特性調整方法 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP7162117A patent/JP3025422B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Ｐｒａｎａｂ ＤＡＳ ｅｔ ａｌ．，"Ｓｔｕｄｉｅｓ ｏｎ ｔｈｅ Ｓｉｎｔｅｒｉｎｇ Ｂｅｈａｖｉｏｕｒ ｏｆ Ｕｒａｎｉｕｍ Ｄｉｏｘｉｄｅ Ｐｏｗｄｅｒ Ｃｏｍｐａｃｔｓ"，Ｊ．Ｎｕｃｌ．Ｍａｔｅｒ，Ｖｏｌ．１５８，ｐ．２６１−２６６（１９８８） |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0915373A (ja) | 1997-01-17 |
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| JPS6143673B2 (ja) |
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