JP3025237U - 包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 収容物を美しく展示して販売が出来、又収容
物を収容した状態で段重ねによる運搬・保管が大変簡単
に行え、運搬効率や保管効率が大変良くなる包装容器を
提供する。 【解決手段】 平面形状が長方形状で且つ天井面１２が
開口されて内部に食品１８の収容空間９を有する容器本
体２の側壁６を後方から前方にかけて約１０度の角度で
低く直線的に傾斜させ、後方から前方にかけて約１０度
の角度で側壁１３の下端１４が傾斜した透明で且つ天井
面１２が水平面となる蓋３を前記容器本体２に着脱自在
に嵌合させた。１８０度旋回させた蓋３を容器本体２に
嵌合したとき蓋２の天井面１２が傾斜面となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、食肉・魚・サラダ・惣菜・おにぎり・いなり・サンドイッチ等の食 品や、ボルト・ナット・釘・金具・その他の小物を収容し、収容物を美しい展示 状態で販売していくための包装容器に関する。 特に食品の展示に適している。

【０００２】

【従来の技術】

従来の包装容器は容器本体の周側壁の高さが均一であり、この容器本体の上縁 に嵌合させた蓋の天井面は常に容器本体の底面と平行状態となる水平面であった 。 この包装容器に収納物として食品を収納し、食品を展示する場合、載置面が水 平な展示ケースに展示して販売していたので、包装容器の蓋の天井面は水平面と なっていた。 又、展示ケースの底面が、多くの食品を展示出来るように広い面としたもので あれば、包装容器がお客から離れた位置で展示されるほど、お客は収容した食品 を包装容器の斜め方向から目視する形となり、蓋の天井面と蓋の周側面との折曲 部越しで食品を見たり、容器本体の周側壁で食品の一部が隠れたりして、お客に 食品を美しく展示して販売することが出来ないという問題点があった。 展示ケースには底面をお客側へ傾斜させたものがあるが、展示した包装容器の ズレ落ちの心配もあり、傾斜面の角度に限度があり、前記の問題点を解決し食品 を美しく展示するまでには至らなかった。

【０００３】 又前記問題点を解決するため、容器本体の後方部分の周側壁を高くし、容器本 体の上面開口部を蓋でなく透明フィルムで覆い、天井面を前方に傾斜させた状態 で容器本体を展示ケースに展示する包装容器と、天井面が前方に傾斜した蓋を側 壁の高さが均一な容器本体に被せ、食品を天井面越しに目視出来るようにした包 装容器がある。これらの包装容器は共に天井面が傾斜面であるので、段重ねが出 来ず、又前者の包装容器に使用される透明フィルムは強度がないので外部圧力に より破れる恐れがあり、段重ねしての運搬や保管に適していなかった。 又前者と後者の包装容器は、買求めたお客が店から持ち帰る際、他の買物品と 段重ね出来ないので別扱いにして買物袋に収納しなければならず、取扱いに気を 配り手間のかかるものであり、更に製造元から店への運搬の際には同じく取扱い に気を配り、段重ねが出来ない分運搬効率が悪く、又食品を収容した包装容器を 保管する場合も段重ね出来ない分場所を取り保管効率が悪かった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は従来のこれらの問題点を解消し、収容物を美 しく展示して販売が出来、又収容物を収容した状態で段重ねによる運搬・保管が 大変簡単に行え、運搬効率や保管効率が大変良くなる包装容器を提供することに ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の構成は、 １） 天井面が開口され且つ内部に収容物を収容する収容空間を有する容器本体 と、同容器本体の側壁上端に下端を着脱自在に嵌合する透明な蓋とからなる包装 容器において、前記容器本体と前記蓋との嵌合部を後方から前方に向けて漸次低 く傾斜させるとともに前記容器本体に嵌合させた状態の前記蓋の天井面を略水平 面とし、しかも１８０度旋回させた前記蓋を前記容器本体に嵌合可能となるよう に蓋の寸法形状を設定し、１８０度旋回させた蓋が前記容器本体に嵌合されたと き蓋の天井面が前方に低く傾斜した状態となることを特徴とする包装容器 ２） 前記蓋と前記容器本体との嵌合部の部分に互いが嵌合する凹部と凸部とを 設けて前記蓋の抜け落ちを防ぐ前記１）記載の包装容器 ３） 前記容器本体と前記蓋との嵌合部を前方へ直線的に傾斜させた前記１）又 は２）記載の包装容器 にある。

【０００６】

【作用】

本考案では、収容物を収容した包装容器を製造元から店へ運搬する場合、又は 店で運搬されたものを保管する場合等は蓋は旋回せずに容器本体に嵌合させてお き、蓋の天井面を段重ね出来るように略水平面としておく。これにより、包装容 器を複数段重ねして効率よく多数の包装容器を運搬したり、保管したりする。 店で包装容器を段重ねせずに１つ１つを展示ケースの底面に載置して展示し販 売する場合、蓋を容器本体から外すと共に蓋を１８０度旋回させて再び容器本体 に着脱自在に嵌合して取付け、この状態の包装容器をお客に向けて展示し販売す る。 １８０度旋回させた蓋を容器本体に嵌合させることで、蓋の周側壁で高さが大 きい前方部分の周側壁と容器本体の周側壁で高さが大きい後方部分の周側壁とが 対向し、且つ蓋の周側壁で高さが小さい後方部分の周側壁と容器本体の周側壁で 高さが小さい前方部分の周側壁とが対向するので、蓋は前方へ傾き蓋の天井面が 前方へ低く傾斜した傾斜面となり、お客から離れた位置に展示された包装容器で も、収容物の大部分を蓋の天井面越しに目視するものとなり、又容器本体の前方 部分の周側壁は高さが低いので収容物の一部が容器本体で隠れてお客に見えなく なる心配はない。 お客が買い求めた収容物の包装容器は、蓋を再び１８０度旋回させ容器本体に 嵌合し直して元の状態にもどし、蓋の天井面を略水平面とする。これにより、包 装容器の上に他の買物品を重ねて持ち帰ることも出来、又蓋は外部圧力から収容 物が押圧されることを防いでいる。

【０００７】 収容物を収容した包装容器を前記の展示状態とは異なり展示ケース内で多数の 包装容器を段重ねして展示販売していく場合、蓋は１８０度旋回させない状態で 容器本体に嵌合させておき、蓋の天井面を略水平面としていれば、簡単に段重ね した状態で包装容器を展示ケースに展示出来る。 このとき最上段の包装容器は蓋を１８０度旋回させて容器本体に嵌合して、収 容物を美しく展示しておいてもよい。 請求項２記載の考案では、蓋と容器本体との嵌合部に設けた凹部と凸部が互い に嵌合することで展示中や運搬・保管中やお客の持ち帰りの際でも蓋のズレ落ち や抜け落ちを防止出来る。

【０００８】

【考案の実施の形態】

蓋と容器本体との嵌合部で、後方から前方へ漸次低く傾斜させていくには、直 線的に傾斜させていくことが望ましいが、この直線的な傾斜部分の嵌合部での蓋 の周側壁の下端又は容器本体の周側壁の上端の一方に嵌合部の傾斜部分と直交方 向に突出する突起を、傾斜部分の嵌合部の中央を基準として左右対称に突出させ 、同突起が嵌合する穴を、突起を設けていない側での傾斜部分の中心を基準にし て対称的に設けていてもよい。 蓋の素材としては、弾性のある透明なプラスチックが望ましい。 容器本体の素材としては、軽量で且つある程度の強度がある発泡スチロールが 望ましい。 蓋の下端は容器本体の外周線と嵌合させる場合と、容器本体の内側で嵌合させ る場合とがある。 １８０度旋回させないで容器本体に嵌合させた略水平面となる蓋の天井面は、 水平面が望ましいが、他の包装容器を段重ねした際に上の包装容器が滑り落ちな い程度にわずかに傾斜している場合もある。又蓋の天井面で収容物を目視する際 に障害とならない位置に上に重ねた包装容器のスベリを止めるスベリ止めを設け たり、容器本体の下面にスベリ止めを設けたりしてもよい。 包装容器の平面形状は四角形が望ましいが、円形、楕円形、六角形でもよい。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本実施例で蓋を１８０度旋回させずに容器本体に嵌合させた包装容器を 段重ねして運搬する状態を示す説明図、図２は図１でのＡ−Ａ断面図、図３は本 実施例で１８０度旋回させた蓋を容器本体に嵌合させた状態を示す正面図、図４ は図３での右側面図、図５は本実施例での包装容器を陳列した状態を示す説明図 、図６は図３でのＢ−Ｂ断面図、図７は図３でのＣ−Ｃ断面図、図８は図４での Ｄ−Ｄ断面図である。

【００１０】 ；本実施例（図１〜９参照） 図中１は包装容器、２は底面５の周縁が上方へ突出すると共にこの突出した側 壁６の上端７が後方から前方へかけて約１０度の角度で直線的に低く傾斜させた 発泡スチロール製の容器本体、３は水平な天井面１２の周縁を下方へ突出すると 共にこの突出した側壁１３の下端１４を後方から前方へかけて約１０度の角度で 直線的に低く傾斜させ且つこの下端近くの蓋３の側壁１３を外側へ押し広げて容 器本体２の側壁６の上端７と接する面を設けて容器本体２との嵌合部１５を形成 したプラスチック製で透明な蓋、５は容器本体２の底面、６は容器本体２の側壁 、７は容器本体２の側壁６の上端、９は容器本体２内で食品１８を収容する収容 空間、１２は蓋３の天井面、１３は蓋３の側壁、１４は蓋３の側壁１３の下端、 １５は蓋３の下端近くの側壁を外側へ押し広げて容器本体２の側壁６の上端と接 する面を設けた容器本体２との嵌合部、１６は蓋３の嵌合部１５の内面に突出さ せ容器本体２の側壁６の上端部と係止する突起、１８は食品、２０は陳列棚であ る。

【００１１】 図１〜９に示す本実施例の包装容器１では、食品１８を収容した包装容器１を 多量に加工工場から店へ運搬する場合、包装容器１は図１に示すように蓋３を１ ８０度旋回させないで容器本体２に着脱自在に嵌合させておく。これにより、蓋 ３の天井面１２は水平面となっており、この状態で店まで運搬していく。蓋３の 天井面１２が水平面となることで、同一形状の他の包装容器１を多段に段重ねし たり、異なる形状の包装容器を多段に段重ねして場所を取らないように運送して いくことが出来、他の包装容器と別扱いすることなく運搬車の限られたスペース に多くの包装容器１を他と一緒に搬送することが出来る。 容器本体２と蓋３とは、蓋３の側壁１３の下端１４に設けた嵌合部１５で蓋３ の弾力により着脱自在に嵌合するものであり、蓋３の嵌合部１５は嵌合部１５の 面と容器本体２の側壁６の上端７とが接触した状態で、嵌合部１５の突起１６が 容器本体２の側壁６で上端７近くの外表面に係止されるので、何ら工具を使うこ となく手作業で簡単に蓋３を容器本体２に取り付けたり取り外したりすることが 出来る。

【００１２】 食品１８を包装容器１の収容空間９に収容した包装容器１を店内の陳列棚２０ に陳列する場合は、蓋３を１８０度旋回させて容器本体２に着脱自在に嵌合する 。１８０度旋回させた蓋３を容器本体２に嵌合させることで、蓋３の側壁１３で 高さが大きい後方部分の側壁１３が容器本体２の側壁６で高さが小さい前方部分 の側壁６と対向し、且つ蓋３の側壁１３で高さが大きい前方部分の側壁１３が容 器本体２の側壁６で高さが大きい後方部分の側壁６と対向するので、蓋３は前方 へ傾き、蓋の天井面１２が前方へ低く傾斜した傾斜面となる。 容器本体２の傾斜した側壁６の上端７と蓋３の傾斜した側壁１３の下端とは互 いに直線状であるので、１８０度旋回させた蓋３を容器本体２に嵌合することに 何ら障害はない。 この１８０度旋回させた蓋３を嵌合した状態の包装容器１は、お客が通る通路 側に蓋３の天井面１２を傾むかせて陳列棚２０に並べ展示し販売する。 これにより、お客は陳列棚２０で通路側より離れた位置に展示された包装容器 １であっても、蓋３の天井面１２と側壁１３との折曲部分等を介して包装容器１ に収納した食品１８を見ることがなく、蓋３の天井面１２越しに食品１８の大部 分を見ることが出来るようになり、又容器本体２の前方部分の側壁６の高さは小 さいので、容器本体２の側壁６で食品１８が隠れる心配もなくなり、食品１８を お客に対し美しく展示出来、又お客に食品１８の鮮度や鮮やかさを伝えやすく出 来るものとなった。

【００１３】 お客が買い求めた食品１８は、店員が１８０度旋回させて容器本体に嵌合し直 し蓋３を１８０度に旋回していない元の状態にもどして、蓋３の天井面１２を水 平面とした状態でお客へ渡していく。 これにより、運搬と同様にお客は買い求めた包装容器１を買物袋内に収納する 際他の買物品と別扱いすることなく別の買物品と共に買物袋内に段重ねして収納 していくことが出来るので、この包装容器１が場所を取り、かさばることはない 。

【００１４】 食品１８を収容した包装容器１を前記のように１つ１つ陳列棚２０に載置し展 示する場合の他に、底の深い展示ケース（図示せず）に包装容器１を多数多段に 重ねて収納し販売していく場合は、包装容器１の蓋３は１８０度旋回させないで 容器本体２に嵌合させ、運搬の場合と同様に蓋３の天井面１２を水平面とし、複 数の包装容器１を多段に重ねて展示・販売していくことも出来る。 食品１８を収容した状態の包装容器１を冷蔵庫・冷凍庫・保管棚等の中に保管 する場合、蓋３を１８０度旋回させない状態で容器本体１に嵌合させ、蓋３の天 井面１２を水平面とし、前記同様に包装容器１を段重ねして保管すれば、場所を 広く取ることなく効率のよい保管を行えるものとなった。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案では、店で展示し販売する際に蓋を１８０度旋回して容器 本体に嵌合し直すだけで、お客から離れた位置や高い位置に展示している包装容 器でも収容した収容物の大部分を蓋の天井面越しに目視出来、又容器本体の周側 壁で前方部分の周側壁の高さが低いため、収容物が容器本体に隠れる恐れもなく なり、展示位置に関係なくお客へ収容物を美しく展示し、販売していくことが出 来、お客の購買意欲を促進させるものとなる。 特に収容物が食品であれば、食品の鮮度や鮮やかさ等をお客に伝えやすくなり 、購買意欲を促進出来る。 更に、蓋を１８０度旋回させないで容器本体に嵌合させた状態では、蓋の天井 面は略水平となり、収容物を収容した包装容器を段重ねして運搬したり、段重ね しての保管が簡単に行え、収容物を収容した包装容器の運搬・保管が場所を取ら ずに効率よく行えるものとなった。 又お客が買い求めた包装容器を持ち帰る場合、別扱いすることなく他の買物品 と共に段重ねした状態で買物バックに容易に収納し、持ち帰ることが出来るので 、包装容器がかさばる心配はない。請求項２記載の考案では、展示販売中、搬送 及び持ち帰り中でも蓋のズレ落ちをより一層防止し収容物を確実に収容していく ものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例で蓋を１８０度旋回させずに容器本体
に嵌合させた包装容器を段重ねして運搬する状態を示す
説明図である。

【図２】図１でのＡ−Ａ断面図である。

【図３】本実施例で１８０度旋回させた蓋を容器本体に
嵌合させた状態を示す正面図である。

【図４】図３での右側面図である。

【図５】本実施例での包装容器を陳列した状態を示す説
明図である。

【図６】図３でのＢ−Ｂ断面図である。

【図７】図３でのＣ−Ｃ断面図である。

【図８】図４でのＤ−Ｄ断面図である。

【図９】図８での蓋を上方へ持ち上げ容器本体から外し
た状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 包装容器 ２ 容器本体 ３ 蓋 ４ 欠番 ５ 底面 ６ 側壁 ７ 上端 ８ 欠番 ９ 収容空間 １０ 欠番 １１ 欠番 １２ 天井面 １３ 側壁 １４ 下端 １５ 嵌合部 １６ 突起 １７ 欠番 １８ 食品 １９ 欠番 ２０ 陳列棚

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井面が開口され且つ内部に収容物を収
   容する収容空間を有する容器本体と、同容器本体の側壁
   上端に下端を着脱自在に嵌合する透明な蓋とからなる包
   装容器において、前記容器本体と前記蓋との嵌合部を後
   方から前方に向けて漸次低く傾斜させるとともに前記容
   器本体に嵌合させた状態の前記蓋の天井面を略水平面と
   し、しかも１８０度旋回させた前記蓋を前記容器本体に
   嵌合可能となるように蓋の寸法形状を設定し、１８０度
   旋回させた蓋が前記容器本体に嵌合されたとき蓋の天井
   面が前方に低く傾斜した状態となることを特徴とする包
   装容器。
2. 【請求項２】 前記蓋と前記容器本体との嵌合部の部分
   に互いが嵌合する凹部と凸部とを設けて前記蓋の抜け落
   ちを防ぐ請求項１記載の包装容器。
3. 【請求項３】 前記容器本体と前記蓋との嵌合部を前方
   へ直線的に傾斜させた請求項１又は２記載の包装容器。