JP3025104U - エコノマイザ洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 千鳥状に水管を配置したエコノマイザにおい
て、十分に洗浄を行うことのできるエコノマイザ洗浄装
置を提供する。 【構成】 ボイラ１から排出される排ガスを垂直方向に
流動させる排ガスダクト５途中に、水平方向の水管４を
横に複数本並行に並べた排ガス流動方向に対して垂直な
水管列１１を複数段設けて水管群を形成し、水管群の水
管は各段ごとに上または下の段の水管とその隙間が交互
になるように半ピッチずらした千鳥配列としておき、各
水管を連結した構成のエコノマイザ６を設けたボイラに
おいて、排ガスダクト５内のエコノマイザ６側面で、水
管列の隙間部分に缶水を噴射する噴射ノズル８、噴射ノ
ズル８とボイラ缶水部を連結する缶水配管１０を設けて
おき、噴射ノズル８よりエコノマイザ６の水管列の間へ
向けて水平方向でかつ水管と交差するように缶水を噴射
することでエコノマイザの洗浄を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は水管を千鳥配列としたエコノマイザの洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ボイラへ給水される水をボイラから排出される排ガスの熱で予熱するエコノマ イザは熱を有効に利用できるために広く用いられている。エコノマイザの水管は 排ガスによって煤が付着するために定期的に洗浄を行う必要があり、洗浄水には アルカリ性のボイラ缶水が使用される。洗浄はエコノマイザの上方または下方に 設けた噴射ノズルへ缶水を送り、噴射ノズルよりエコノマイザの水管に向けて缶 水を噴射することで行われる。エコノマイザの水管列を１列ごとに半ピッチずら した千鳥配列とすると、排ガスは直進性が妨げられて乱流が発生するので熱の吸 収効率を向上させることができるが、千鳥配列とした水管群に対して洗浄水の噴 射を行った場合、洗浄水は水管によって直進性が妨げられて水管群の奥まで到達 させることができないため、十分な洗浄を行うことができないという問題があっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、千鳥状に水管を配置したエコノマイザにお いて、十分に洗浄を行うことのできるエコノマイザ洗浄装置を提供することにあ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

ボイラから排出される排ガスを垂直方向に流動させる排ガスダクト途中に、水 平方向の水管を横に複数本並行に並べた排ガス流動方向に対して垂直な水管列を 複数段設けて水管群を形成し、水管群の水管は各段ごとに上または下の段の水管 とその隙間が交互になるように半ピッチずらした千鳥配列としておき、各水管を 連結した構成のエコノマイザを設けたボイラにおいて、排ガスダクト内のエコノ マイザ側面で、水管列の隙間部分に缶水を噴射する噴射ノズル、噴射ノズルとボ イラ缶水部を連結する缶水配管を設けておき、噴射ノズルよりエコノマイザの水 管列の間へ向けて水平方向でかつ水管と交差するように缶水を噴射することでエ コノマイザの洗浄を行う。

【０００５】

【作用】

エコノマイザの水管を千鳥配列とするのは、垂直方向に流れる排ガスを直進さ せないようにするのが目的であるため、洗浄水を垂直方向に噴射させた場合、洗 浄水の進路は水管群外側の水管に妨げられ、水管群の奥まで到達させることがで きない。しかし、水平方向に排ガスを流すわけではないので、水管列の各段の間 は隙間を設けることができ、十分な隙間を開けると直進性を妨げるものはなくな る。エコノマイザ側面で水管の隙間部分に噴射ノズルを設け、洗浄水を水平方向 でかつ水管と交差するように噴射することで、洗浄水を水管群の奥まで到達させ ることができ、エコノマイザの水管全体を洗浄することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面を用いて説明する。ボイラ１の上部に燃焼装置２が設 けられ、燃焼装置２へ燃焼用空気を供給する送風機３が燃焼装置２に接続される 。ボイラ１内の中心部分に燃焼室１６が形成され、燃焼装置２は燃焼室１６へ向 けて火炎を発生させる。燃焼室１６には排ガスダクト５が接続されており、燃焼 排ガスは排ガスダクト５を通して排気される。排ガスダクト５の途中にはエコノ マイザ６が設けられており、エコノマイザ６で予熱された水が給水配管７を通し てボイラ１へ給水される。排ガスダクト５内のエコノマイザ６は、水平方向に延 びる水管４を横に複数本並行に並べた排ガス流動方向に対して垂直な水管列１１ を複数段設けた水管群よりなり、各水管４は連結されて一続きとなっている。エ コノマイザ６は熱吸収を良くするために千鳥配列となっており、水管４の表面に はフィン１２が設けられている。排ガスダクト５内のエコノマイザ６側面で、水 管列１１の各隙間部分に缶水を噴射する噴射ノズル８、噴射ノズル８とボイラ１ を接続する缶水配管１０、缶水配管１０途中に缶水噴射制御弁９を設ける。排ガ スダクト５の最下部には洗浄水を排水する排水配管１３、ボイラ１上部に蒸気を 取り出す蒸気取り出し管１４、ボイラの運転やエコノマイザ洗浄の制御を行う制 御装置１５をそれぞれ設ける。

【０００７】 ボイラ１によって蒸気を発生する場合、給水配管７を通してボイラ１内に水を ためておく。送風機３を稼動して燃焼装置２へ燃焼用空気を導入し、燃焼装置２ へ供給されている燃料と混合して燃焼室１６内で火炎を発生させる。燃焼室１６ で発生した火炎はボイラの缶水を加熱し、加熱された缶水は蒸気を発生して、蒸 気取り出し管１４より蒸気が取り出される。缶水を加熱した後の燃焼排ガスは排 ガスダクト５を通り、排ガスダクト５途中に設けたエコノマイザ６部分で給水の 予熱を行った後で排気される。エコノマイザ６の洗浄は缶水噴射制御弁９を開く ことで行われ、ｐＨが１１．０〜１１．８であるアルカリ性の缶水が缶水配管１ ０を通って噴射ノズル８へ送られ、噴射ノズル８よりエコノマイザ６へ向けて缶 水が一定時間噴射される。噴射ノズル８より噴射される洗浄水は、水管列１１の 隙間を水平方向でかつ水管と交差方向に進むため、水管群の奥まで到達させるこ とができ、水管群全体を洗浄することができる。一定時間の噴射が終了すると缶 水噴射制御弁９が閉じられ、噴射された洗浄水は排水配管１３より排水される。

【０００８】

【考案の効果】

本考案を実施することで、千鳥配列のエコノマイザであっても、水管全体に洗 浄水を噴射することができ、エコノマイザを十分に洗浄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のフロー図

【符号の説明】 １ ボイラ ２ 燃焼装置 ３ 送風機 ４ 水管 ５ 排ガスダクト ６ エコノマイザ ７ 給水配管 ８ 噴射ノズル ９ 缶水噴射制御弁 １０ 缶水配管 １１ 水管列 １２ フィン １３ 排水配管 １４ 蒸気取り出し管 １５ 制御装置 １６ 燃焼室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボイラから排出される排ガスを垂直方向
   に流動させる排ガスダクト途中に、水平方向の水管を横
   に複数本並行に並べた排ガス流動方向に対して垂直な水
   管列を複数段設けて水管群を形成し、水管群の水管は各
   段ごとに上または下の段の水管とその隙間が交互になる
   ようにずらした千鳥配列としておき、各水管を連結した
   構成のエコノマイザを設けたボイラにおいて、排ガスダ
   クト内のエコノマイザ側面で、水管列の隙間部分に缶水
   を噴射する噴射ノズル、噴射ノズルとボイラ缶水部を連
   結する缶水配管を設けておき、噴射ノズルよりエコノマ
   イザの水管列の間へ向けて水平方向でかつ水管と交差す
   るように缶水を噴射することでエコノマイザの洗浄を行
   うことを特徴とするエコノマイザ洗浄装置。