JP3023298U - フルートの頭部管 - Google Patents

フルートの頭部管

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JP3023298U
JP3023298U JP1995010251U JP1025195U JP3023298U JP 3023298 U JP3023298 U JP 3023298U JP 1995010251 U JP1995010251 U JP 1995010251U JP 1025195 U JP1025195 U JP 1025195U JP 3023298 U JP3023298 U JP 3023298U
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JP1995010251U
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Inventor
義治 林
徹 井原
重三 島野
Original Assignee
株式会社三響フルート製作所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルートにおいて、音のダイナミックレンジ
を広くすること、音の響きを豊かで深いものにするこ
と、丸みがあって暖かい音にすること、低音から高音ま
でむらなく鳴らすこと、強い音から弱い音までむらなく
鳴らすこと、音程を保つために演奏が容易になること、
音の反応が速くなること等を実現する。 【解決手段】 胴体部11の端部を、内側に反射部材2
1が設けられた閉塞部材によって閉塞するフルートの頭
部管であって、反射部材21の外周縁の部分と胴体部1
1との境界部に、角を除いたコーナー部23を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、バスフルート、フルート、ピッコロ等のフルート族に属する木管楽 器(以下、単にフルートという)の頭部管に関し、特に、反射部材を改良したフ ルートの頭部菅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のフルートを示す図である。 フルート100は、頭部管1、胴部管2、足部管3に分解することができる。 頭部管1は、主として、音質を決定づける役割を果たすものである。胴部管2及 び足部管3は、音程の調節を行なうために不可欠なものである。
【0003】 図4は、従来のフルートの頭部管を示す部分断面図、図5は、従来の頭部管の 反射部材を抜き出して示した図である。 頭部管1は、胴体部11の頭部側に歌口12が設けられており、この歌口12 のさらに頭部側には、閉塞部材13が設けられている。 閉塞部材13は、反射部材14、押さえ部材15、軸棒16、コルク17等か ら構成されている。コルク17は、軸棒16の外周に挿入されており、反射部材 14と押さえ部材15とによって締めつけられ、胴体部11の内周に密着して、 頭部管1の開放端に固定される。軸棒16は、端部がヘッドスクリュー18にね じ込まれ、閉塞部材13の微調整を行なうことができる。
【0004】 反射部材14は、歌口12と所定の距離(例えば、17mm程度)を隔てた位 置に取り付けられており、頭部管1で発生する音の共鳴を制御する機能を持って いる。 従来の反射部材14は、図5(a)に示すように、頭部管1の内面の形状に沿 った円盤状をしている。 また、反射部材14−1は、図5(b)に示すように、凹面状の断面をもって いるが、基本的な機能は、反射部材14と変わらない。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来のフルートは、平面状の反射部材を用いていたので、広 い音域の演奏をすることは難しかった。 また、音の強弱が大きい演奏をすることが不得手であった。この理由は、フル ートに発生する倍音の安定度が音の強弱によって変化するので、その倍音の中に 不安定な倍音が含まれている場合には、音にむらが発生するからである。
【0006】 さらに、従来のフルートは、低音部から高音部までの広い音域であって、ダイ ナミックレンジの広い演奏を行なうことが困難であった。前述したように、倍音 の安定度が音域、音の強弱によって、変化するからである。 これらの楽曲の要求に対して、演奏者の技術により対処することも試みられて いる。しかし、広い音域、大きな強弱をつけつつ、フルートのもつ本来の音の響 きや深み、丸みのある暖かい音のままで、音質を音の強さや高さにより、むらな く演奏するためには、高度の技術を要し、熟練した演奏者をもってしてもなお難 しい。
【0007】 また、従来のフルートは、音の安定性と反応性が不足しており、長く同じ音程 の音を演奏しにくく、長い音と、そのあとの音とをつながりをもって演奏するこ とが困難である。そのために、素早い音の立ち上がりを達成するには、演奏者の 高度の技術が必要であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の考案は、胴体部(11)の端部を、内 側に反射部材(21)が設けられた閉塞部材によって閉塞するフルートの頭部管 であって、前記反射部材の外周縁の部分と前記胴体部との境界部に、角を除いた コーナー部(23、24)を設けたことを特徴とする。
【0009】 請求項2の考案は、請求項1に記載のフルートの頭部管において、前記コーナ ー部は、前記反射部材と前記胴体部に対して、勾配をもつ平面状(23)である ことを特徴とする。 請求項3の考案は、請求項1に記載のフルートの頭部管において、前記コーナ ー部は、滑らかな曲面(24)をもつことを特徴とする。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、図面など参照しながら、本考案の実施の形態をあげて、さらに詳しく説 明する。 図1は、本考案によるフルートの頭部管の実施形態を示す図、図2は、本実施 形態の頭部管の反射部材を抜き出して示した図である。 なお、前述した従来例と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して重 複する説明を適宜省略する。 本実施形態の反射部材21は、本体22と、胴体部11の境界部分に存在する 角を取り去ったコーナー部23とを備えており、その材料は、銀または洋白など が用いられている。
【0011】 反射部材21の直径は、頭部管1の内径と略同じくしてあり、例えば、17m m程度である。この場合に、コーナー部23の寸法は、図2に示したように、W が0.3から3mmの範囲、Hが0.3から1.5mmの範囲が好ましい。 また、コーナー部は、0.32mmから直線の曲率半径をもつ円弧であること が好ましい。
【0012】 反射部材21Aは、図2(a)に示すように、平面円盤状の本体22の外周縁 の部分に、断面直線状のコーナー部23を形成したものである。 この他にも、図2(b)に示すように、平面円盤状の本体22の外周縁の部分 に、断面曲線状のコーナー部24を形成してもよい。また、図2(c)に示すよ うに、凹面円盤状の本体25の外周縁の部分に、断面直線状のコーナー部24を 形成してもよい。さらに、図2(d)に示すように、凹面円盤状の本体25の外 周縁の部分に、断面曲線状のコーナー部24を形成してもよい。
【0013】 本実施形態の反射部材21を採用したフルートは、以下のような優れた特徴を 持つことがわかった。 (1)音のダイナミックレンジが広くなる 低音から高音までppからffを使う曲において、ppからffまで広いダイ ナミックレンジでの演奏が可能になる。例えば、ドビュッシー作曲の「シュリン クス」を、本実施形態の反射部材21を用いた頭部管を有するフルートによって 演奏した場合に、ppからffを広く使うことが可能になった。また、ビゼー作 曲の「アルルの女」のメヌエットの、冒頭部分のベーム式フルートの第三オクタ ーブのG音を、ppで吹くことができる。このような演奏は、前述した従来のフ ルートでは困難であった。
【0014】 (2)音の響きが豊かで深いものになる 本件考案者等の聴感テストによれば、本実施形態の反射部材21を有するフル ートによる演奏は、従来例と比較して、良好な音の響きを持つことが明らかにな った。この理由は、本実施形態に係る反射部材21から発生する豊かな倍音によ るものである。
【0015】 (3)丸みがあって暖かい音になる 本件考案者等の聴感テストによれば、本実施形態の反射板21を有するフルー トによる演奏は、従来のフルートの場合と比較して、木管楽器特有の丸みのある 暖かい音の響きを持つことが明らかになった。この理由は、従来品のフルートの 倍音構成よりも、本実施形態のフルートの倍音構成の方が、より暖かい響きをも つためである。
【0016】 (4)低音から高音までむらなく鳴る 本実施形態に係る反射部材21は、音程を安定化する作用があるので、低音部 から高音部まで音質のむらを起こすことなく演奏することが可能である。従って 、本実施形態の反射部材21を用いたフルートは、音程に対しての演奏者の負担 を軽減し、より高度な演奏を可能にする。
【0017】 (5)強い音から弱い音までむらなく鳴る 従来のフルートは、ダイナミックレンジの大きい楽曲において、音のむらが発 生しがちだった。しかし、本実施形態に係る反射部材21は、フルートの持つ倍 音構成に適した倍音を発生させるために、そのような音のむらを発生しにくくさ せることができる。
【0018】 (6)音程を保つために演奏が容易になる 本考案に係るフルートでは、例えば、ヘンデルのフルートソナタの長い音符を うまくつなげることが可能になる。
【0019】 (7)音の反応が速くなる 本実施形態のフルートの演奏をする場合に、倍音の安定性が向上した結果、音 の反応が向上する。従って、従来演奏の難しかった、きわめて細かいフレーズが 連続している曲の演奏が容易になった。
【0020】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、反射部材の周縁部に角を取り除いたコ ーナー部をもうけたので、(1)音のダイナミックレンジが広くなる、(2)音 の響きが豊かで深いものになる、(3)丸みがあって暖かい音になる、(4)低 音から高音までむらなく鳴る、(5)強い音から弱い音までむらなく鳴る、(6 )音程を保つために演奏が容易になる、(7)音の反応が速くなる、等々の効果 がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるフルートの頭部管の実施形態を示
した断面図である。
【図2】本実施形態に係る頭部管の反射部材を抜き出し
て示した図である。
【図3】従来のフルートを示す図である。
【図4】従来のフルートの頭部管を示す部分断面図であ
る。
【図5】従来の頭部管の反射部材を抜き出して示した図
である。
【符号の説明】
100 フルート 1 頭部管 2 胴部管 3 足部管 11 胴体部 12 歌口 13 閉塞部材 14 反射部材 15 押さえ部材 16 軸棒 17 コルク 18 ヘッドスクリュー 21(21Aから21D) 22、25 本体部 23、24 コーナー部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴体部の端部を、内側に反射部材が設け
    られた閉塞部材によって閉塞するフルートの頭部管であ
    って、 前記反射部材の外周縁の部分と前記胴体部との境界部
    に、角を除いたコーナー部を設けたことを特徴とするフ
    ルートの頭部管。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフルートの頭部管にお
    いて、 前記コーナー部は、前記反射部材と前記胴体部に対し
    て、勾配をもつ平面状であることを特徴とするフルート
    の頭部管。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のフルートの頭部管にお
    いて、 前記コーナー部は、滑らかな曲面をもつことを特徴とす
    るフルートの頭部管。
JP1995010251U 1995-09-28 1995-09-28 フルートの頭部管 Expired - Lifetime JP3023298U (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3496003B2 (ja) 2001-06-19 2004-02-09 増永 幸子 フルート
JP2004348023A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Yamaha Corp 木管楽器
JP2007047716A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Bunkichi Natsuki 窪みつき反射筒つき管楽器
JP2018531432A (ja) * 2015-10-19 2018-10-25 ラカト、ゾルタンLAKAT, Zoltan 改善されたフルートヘッドジョイント

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