JP3023156B2 - エンコーダ用光ファイバ固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、エンコーダ用光ファイバ固定構造に関し、
特に、板状の保持体に形成された案内孔に設けられたガ
ラス管内に光ファイバ芯線を接着手段を介して挿入嵌合
することにより、光ファイバ芯線の位置を高精度に保持
するための新規な改良に関する。

b.従来の技術 従来、用いられていたこの種のエンコーダ用光ファイ
バ固定構造としては種々あるが、その中で代表的なもの
について述べると、第２図に示す一般に採用されていた
構成を挙げることができる。

すなわち、図において符号１で示されるものは、例え
ば、光ファイバエンコーダに用いられている板状の保持
体であり、この保持体１に形成された案内孔２内には、
光ファイバ３が挿入保持され、この光ファイバ３の光フ
ァイバ芯線3aは、前記案内孔２の先端2aに位置してい
る。

従って、この光ファイバ３に供給された光信号は、光
ファイバ芯線3aから下方へ照射されるように構成されて
いる。

c.発明が解決しようとする課題 従来のエンコーダ用光ファイバ固定構造は、以上のよ
うに構成されていたため、次のような課題が存在してい
た。

すなわち、案内孔内に光ファイバを挿入した場合、こ
の案内孔の内径は光ファイバが挿入できる大きさに形成
されているため、実際に光が出射する光ファイバ芯線の
外径と案内孔の内径間にはギャップが存在することにな
り、この光ファイバ芯線自体の保持固定は極めて困難で
あった。

従って、例えば、光ファイバを用いた光学式エンコー
ダの場合には、出射する光の位置が確実には固定され
ず、且つ、振動等によっても不安定となることがあり、
そのために、極めて精度の高い状態でパターンに照射す
ることができず、光学式位置検出精度の低下となってい
た。

本発明は、以上のような課題を解決するためになされ
たもので、特に、板状の保持体に形成された案内孔内に
設けたガラス管内に光ファイバ芯線を接着手段を介して
挿入嵌合することにより、光ファイバ芯線の位置を高精
度に保持するようにしたエンコーダ用光ファイバ固定構
造を提供することを目的とする。

d.問題点を解決するための手段 本発明によるエンコーダ用光ファイバ固定構造は、光
ファイバエンコーダに用いられる板状の保持体に形成さ
れ第１内径D1及びこの第１内径D1よりも小径の第２内径
D2を連続して有する案内孔内に前記第２内径D2側から被
覆部分を除去し光ファイバ芯線を露出した状態の光ファ
イバを挿入し保持するようにしたエンコーダ用光ファイ
バ固定構造において、前記案内孔の前記第１内径D1内に
保持されたガラス管を有し、前記ガラス管の貫通孔内に
前記光ファイバの光ファイバ芯線のみが挿入され、前記
保持体の端面、前記ガラス管の管体端面及び前記光ファ
イバ芯線の先端は面一に揃えられ、前記光ファイバ芯線
とガラス管の貫通孔とは接着手段を介して嵌合されてい
る構成である。

e.作 用 本発明によるエンコーダ用光ファイバ固定構造におい
ては、光ファイバエンコーダに用いられる板状の保持体
の案内孔内に保持されたガラス管内に光ファイバの光フ
ァイバ芯線が接着手段を介して挿入嵌合されているた
め、案内孔内に挿入された光ファイバの光ファイバ芯線
は、ガラス管内で強固に位置決めされ、所定の位置に固
定される。

従って、保持体に設けられた光ファイバ芯線からの光
の出射位置は常に一定となり、パターン又は受光素子に
対して高精度の光の照射を行うことができる。

f.実施例 以下、図面と共に本発明によるエンコーダ用光ファイ
バ固定構造の好適な実施例について詳細に説明する。

尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付し
て説明する。

第１図は、本発明によるエンコーダ用光ファイバ固定
構造を示す断面図である。図において符号１で示される
ものは、光ファイバエンコーダに用いられている板状の
保持体であり、この保持体１に形成された案内孔２内に
は、被覆部分を除去し光ファイバ芯線3aを露出した状態
の光ファイバ３が挿入されている。

前記案内孔２の先端2aの第１内径D1は、案内孔２の後
端の第２内径D2よりも大きく構成され、この先端2a内に
は、この第１内径D1とほぼ等しい外径を有するガラス管
10が嵌合されている。なお、この第１内径D1と第２内径
D2とは案内孔２内で互いに連続して形成されている。

前記案内孔２内に挿入された光ファイバ３の光ファイ
バ芯線3aのみは、前記ガラス管10の貫通孔10a内に接着
手段を介して嵌合して挿入されており、この光ファイバ
芯線3aは、このガラス管10によって保持体１の所定位置
に高精度に固定されている。

従って、この光ファイバ芯線3aから出射される光信号
は、常にその位置が一定となり、例えば、光学式エンコ
ーダ等の光学装置に適用した場合、極めて位置精度の高
い光信号を出射することができる。また、前記保持体１
の端面1a、ガラス管10の管体端面10b、及び前記光ファ
イバ芯線3aの先端3aAは面一に揃えられている。

g.発明の効果 本発明によるエンコーダ用光ファイバ固定構造は、以
上のように構成されていたため。次のような効果を得る
ことができる。

すなわち、案内孔内に固定されたガラス管内に光ファ
イバ芯線が接着手段を介して保持されているため、光フ
ァイバエンコーダに用いられる板状の保持体における光
ファイバ芯線の固定位置は常に高精度に位置決めされて
おり、光信号の出射位置を高精度に固定することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるエンコーダ用光ファイバ固定構造
を示す断面図、第２図は従来構造を示す断面図である。 １は保持体、２は案内孔、３は光ファイバ、3aは光ファ
イバ芯線、10はガラス管である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ファイバエンコーダに用いられる板状の
   保持体（１）に形成され第１内径D1及びこの第１内径D1
   よりも小径の第２内径D2を連続して有する案内孔（２）
   内に前記第２内径D2側から被覆部分を除去し光ファイバ
   芯線（3a）を露出した状態の光ファイバ（３）を挿入し
   保持するようにしたエンコーダ用光ファイバ固定構造に
   おいて、 前記案内孔（２）の前記第１内径D1内に保持されたガラ
   ス管（10）を有し、前記ガラス管（10）の貫通孔（10
   a）内に前記光ファイバ（３）の光ファイバ芯線（3a）
   のみが挿入され、前記保持体（１）の端面（1a）、前記
   ガラス管（10）の管体端面（10b）及び前記光ファイバ
   芯線（3a）の先端（3aA）は面一に揃えられ、前記光フ
   ァイバ芯線（3a）とガラス管（10）の貫通孔（10a）と
   は接着手段を介して嵌合されていることを特徴とするエ
   ンコーダ用光ファイバ固定構造。