JP3023033U - 多色発光可能な瞬光性面発光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 面発光部自体にはなんら電気エネルギーが印
加されていない、昇温しない、任意な色光で発光する安
全な瞬光性面発光体を提供すること。 【構成】 片面に白色乱反射層面３を持つ、表面が平滑
な板状透明体の少なくとも一側端面に、間隔をあけて集
光性の瞬光性光源をその主光軸が対面するよう配置し、
この間隙に光学フィルター挿入部を設けた多色発光可能
な瞬光性面発光体。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は新規な瞬光性面発光体に関し、さらに詳しくは面状発光部にはなんら 電圧が印加されていないし発熱の恐れのない、安全に取り扱える多色発光が可能 な瞬光性面状発光体に関するもので、道路工事などの警告サイン、屋外電照広告 やウインドウディスプレーのアイキャッチヤーあるいはインテリア用効果照明な どに好適な新規な瞬光性面光源を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

面発光体は夜間用の屋外広告や電照看板あるいは危険標識などに多用されてい る。蛍光灯やネオン管あるいはタングステンランプなどの発光管球を多数整列さ せ、光拡散板を重ねたり、指向性の強い発光ダイオードを数千から数万個を面状 に整列させて作成されていた。 ネオン管は点灯に高電圧を印加しなければなら ず、設置に際して火災や感電事故を防止するために多大の経費を必要とするし、 蛍光灯やタングステンランプは放電特性や寿命から瞬発的に点灯するのは困難で 、おもに常時点灯型の面状発光体として用いられてきた。そのためいわゆるアイ キャッチ効果に乏しく、別にキセノンフラッシュランプを所々に点状に配置して 瞬発的に発光させて注視効果を高めていた。

【０００３】 近時多用されている高輝度発光ダイオードを整列させた面状発光体は高輝度で 点灯制御は高速ででき、瞬発的に点灯する発光制御も可能ではあるが個々の発光 ダイオード自身の光ビーム放射角度が狭く、不快グレア（ぎらつき）が大きく、 斜め方向からの視認性は悪かったし発光色の選択の余地も狭かった。 またこれ らの多数の発光体を集合させた面状発光体の場合、長期の運用にさいして不点灯 故障する発光管球あるいは発光ダイオードが経時的に頻発し、メンテナンスに多 大の費用がかかっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の目的は上記従来技術の有する問題点を解消し、加えて任意の色光でぎ らつきの少ない散乱光を反射発光し得る瞬光性面状発光体を提供することにある 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案者らが上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ガラスあるいは、 メタクリル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの透明樹脂板の片面に部分的 にまたは全面に白色乱反射層をもうけ、集光性の瞬光光源、例えば写真用キセノ ンフラッシュランプユニットを主光軸が棒材の側端面に対向するように間隔をあ けて配置し、発光させると該透明板は一様に瞬間的に反射発光し、すぐれた瞬光 性面発光体が得られる事実を見いだした。

【０００６】 かくして本考案によれば、光源と面発光体本体は隔離され独立しているので、 光源からの伝熱はなく昇温も少ない、発光体自体は電気絶縁体であり、面発光部 位が万一破損しても感電の恐れなのない瞬光性面光源が得られる。さらにこの間 隙に着色ガラスのごときフィルターを適宜挿入すれば、任意の色光を示す瞬光性 面発光体が得られる。さらに可動式の多色フィルターユニットを装着したり、複 数の光源を設置し、異色の着色フィルターをそれぞれの間隙に装着し、点灯制御 することによっても発光色を変えることができる。

【０００７】 キセノンフラッシュランプの形状は断面が楕円または放物面ミラー付きの直管 状のものが好ましいが、板材の厚さが厚い場合は厚さと大差ない大きさのＵ字管 やスパイラル管が適合する反射ミラーと組み合わせて使用できる。 反射ミラー により集光された光ビームの放散角度が狭い場合は、ランプと板の側端面間の空 隙距離を広げることができるがビーム角度が大きい場合や焦点を持つ場合には大 部分の光が板材の端面を照射する距離に適宜調節して設置する。 最適の間隔は板材の厚さや屈折率、使用するフラッシュランプの集光性能により 異なるが概ね１０ｍｍから１０ｃｍで、板材の内部の空気界面で全反射を生ずる 臨界角以上の入射光成分がより多くなるように調整する。

【０００８】 本考案の白色乱反射層を作るには市販の白色塗料や印刷インキを板材の片面に 部分的にまたは全面に塗被、印刷したり、日本特許第１８７２１６７号の方法で 微小節理からなる層を設けることで作成できる。 板材の片面に白色乱反射層で パターンを作ればパターン状の反射発光をするし、片面全面に反射層を設ければ 板全体が瞬発的に反射発光する。さらに側端面の非入射部位に適当な反射材を設 ければ板材からの反射発光強度をさらに高める事が出来る。 切り抜き文字や矢印などのオーバーレイを表面に施せば任意のパターンを瞬光さ せる事も可能であるし、任意形状に切断した乱反射層塗被板材を発光させてもパ ターン瞬光をさせることができる。

【０００９】

【作用】

適宜に集光された光源からの光は空隙を通して側端面から透明板材に入射し、 板材の臨界角以上の入射光は板材表面の空気との界面で全反射を繰り返して非入 射端がわに向けて放散するが、この過程で裏側面に設けられた白色乱反射層に入 射して散乱反射を起こした入射光は、一部の臨界角以下の散乱反射成分が板材の 表面から空気中に放射される。表面から観察するとあたかも板材全体が一様に発 光しているように見える。 適宜な集光能は光源からの光を効率良く透明板材に 導入するのに有効で、透明板材と光源との間隙は伝導熱の遮断と、光源部の冷却 空気の流路として活用でき、また上述の様に着色フィルターの挿入スペースをも たらす。

【００１０】 端面の非入射部分面に反射材を設けると板材の発光輝度はさらに上昇するし、 透明板材の端部全てに集光性瞬光光源を設ければよりいっそう発光輝度が向上す る。

【００１１】

【実施例】

厚さ２０ｍｍ、幅２０ｃｍ、長さ１ｍのメタクリル樹脂板の片面に市販のアク リル系白色塗料を厚さ０．２ｍｍになるように塗被した。短辺側の両側端面を平 滑に研磨し、残りの側端面にはアルミニウム箔でできた粘着テープをはりつけて 反射処理を施した。松下電器産業（株）製の写真用ストロボライトＰＥ−２００ Ｓを２台を用意して、それぞれ発光管の管壁と研磨済み端面の距離が４０ｍｍに なるように距離をあけて板材の短辺の中心線上に対向配置した。両ストロボを交 互に発光させると板材の非塗被面側は一面に強く反射発光し、同時に発光させる と発光強度はさらに上がった。 両間隙にそれそれ緑と赤の着色フィルターを挿入し、交互にあるいは同時に発光 させると板材は緑、赤、オレンジ系黄色に強く反射発光した。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の瞬光性面状発光体は 光源からの瞬光性放射光を有効に透明板材に取 り込め、能率がよく、また、発光部位は光源部と完全に独立遮断されており使用 に際して感電の恐れがない冷光源で、かつ着色フィルターの装着により任意の色 光が得られ、面状発光体でありながら光源の点数が少なくメンテナンスも容易で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の瞬光性面発光体の一例を示す断面図

【図２】本考案のフィルター挿入部をを設けた瞬光性面
発光体の一例を示す断面図

【図３】本考案の瞬光性面発光体で側端面の非入光部に
反射層を設けた一例を示す平面図

【符号の説明】

１ 瞬光性発光管 ２ 透明板材 ３ 白色乱反射層 ４ フィルター挿入部 ５ 反射鏡 ６ 瞬光性光源ユニット ７ 側端面の非入光部の反射層 ８ 裏面に白色乱反射層を設けた透明板材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面に部分的にまたは全面に白色乱反射
   層面を持つ、表面が平滑な板状透明体の少なくとも一側
   端面に、間隔をあけて一つ以上の集光性の瞬光性光源を
   その主光軸が対面するよう配置し、この間隙に光学フィ
   ルター挿入部を設けた多色発光可能な瞬光性面発光体。
2. 【請求項２】 側端面の非入光部が反射材で被われてい
   ることを特徴とする請求項１記載の多色発光可能な瞬光
   性面発光体。