JP3022823U - 扁平形状の履物用保形具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性の底部を保ち、かつ扁平形状のサンダ
ルに簡単に装入して、サンダルの内部で確実に組み立て
ることができ、見栄えも良好で、ディスプレイ用として
実用的価値が高く、しかも安価に量産できる保形具を提
供することを目的とする。 【構成】 略靴底形を成す底板２と、この底板２の長さ
方向の一側に、かかと部３と側部４を有する翼形状の後
面板５を折曲部６を介して折り曲げ可能に設けると共
に、底板２の他側に末広がり状の前面板７を折曲部８を
介して折り曲げ可能に設け、後面板５の両端をそれぞれ
係止するスリット９を前面板７の前端縁部に設けた板状
の保形具本体１を一体に成形した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、伸縮性部材で形成したサンダルなどの扁平形状の履物用保形具に関 し、特にディスプレイ用の扁平形状のサンダルに好適な扁平形状の履物用保形具 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、靴関係の足型として、例えば塩化ビニールなどのブロー成型品で空気 を留めて型どった足型などが知られている。 また、簡易足型として、段ボール紙や樹脂板で一体成型した足型も知られてい る。この簡易足型の従来例として、実開昭５２−２５８４３号公報、実開昭５７ −２２３１０号公報、実開昭５８−９５７０５号公報、実開昭５８−９５７０６ 号公報、実開昭５９−５９１０６号公報、実開昭６０−１２０６１０号公報、実 開昭６１−１６５６１２号公報、実開平１−３５９１０号公報、並びに実開平１ −１１０６０６号公報等の公報を挙げることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前者の足型は、金型費が高いばかりでなく、この足型を靴の内部に装入してデ ィスプレイ用として使用した場合、見た目が悪く、ディスプレイとして効果的な ものではなかった。一方、後者の上記した公報は、いずれも一枚の板材を折り曲 げて、立体形状の靴の中に単に装入するものであるから、扁平形状の靴の内部に 装入してディスプレイ用として使用する足型には不適当な製品であった。 また、これらの多くの公報に開示されている履物用保形具は、立体形状の靴の 中に装入するものであるから、足型の板材には底板を必要としていない。いずれ にしても、各種の足型は扁平形状の靴には適用することができなかった。

【０００４】 また、実開昭５８−９５７０５号公報、実開昭５８−９５７０６号公報には、 一枚の靴用保形芯に底板を設けたものも提案されているが、これも立体的な靴の 中に装入するためのものであって、扁平形状のサンダルを押し拡げて立体形状に するものではなく、何れにしても底部が可撓性のサンダルなどにも適用できない ものであった。 本考案は、可撓性の底部をもち、かつ扁平形状のサンダルに簡単に装入して、 サンダルの内部で確実に組み立てることができ、見栄えも良好で、ディスプレイ 用として実用的価値が高く、しかも安価に量産できる保形具を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、略靴底形を成す底板と、この底板の長 さ方向の一側に、かかと部と側部を有する翼形状の後面板を折曲部を介して折り 曲げ可能に設けると共に、底板の他側に末広がり状の前面板を折曲部を介して折 り曲げ可能に設け、後面板の両端をそれぞれ係止するスリットを前面板の前端縁 部に設けた板状の保形具本体を一体に成形した。

【０００６】 上記した折曲部は、両端を残して中間に空隙部を形成するのが好ましく、また 、上記した板状の保形具本体を扁平形状のサンダルの内部に組立て装着してサン ダルを靴形状に形成するのが好ましい。更に、上記のサンダルは、ゴムや樹脂等 で形成した可撓性の底板と伸縮性の被覆部材で形成した。

【０００７】

【作用】

本考案は上述のように構成したから、保形具を組み立ててサンダルに装入する 場合は、保形具本体の折曲部を折り曲げた状態で、扁平形状のサンダルの足甲部 に前面板を装入し、後面板を湾曲させながらサンダルのかかと部と側面部に装入 し、次いで、後面板の両端部を湾曲させながら前面板のスリットに装入係止する と、前面板は末広がり状に形成してあるので、前面板の湾曲部分が適度の弾性力 をもって外方に押し拡がるので、サンダルの扁平形状の足甲部は足の形状を呈し て立体状に形づくられ、一方、翼形状の後面板は、外方に広がる力をもった湾曲 面を呈しているから、扁平形状のサンダルのかかと部と側面を足型を呈するよう に立体状に押し拡げる。

【０００８】 また、底板と前面板の折曲部に楕円形の空隙部を形成したから、サンダルの爪 先部が円弧状に切り欠かれていても保形部材がサンダルより突出されるおそれは なく、ディスプレイ用に好適である。しかも、この空隙部によって、折曲部を容 易に折り曲げることができる機能も果たしている。 一方、後面板と底板との折曲部に形成した空隙部によって、前記と同様に折り 曲げの容易さのみならず、サンダルのかかと部の成型を保持する機能も果たし、 サンダルのかかと部に丸みを与えるようにしている。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案における履物用保形具を扁平形状のサンダルに適用した一実施 例を図面に基づいて説明する。 図１において、１は塩化ビニールなどの合成樹脂その他の可撓性板材で成型し た保形具本体である。この保形具本体１は、ひとつの金型によって１枚の板状に 裁断して成型することができ、これによって一対の保形具本体を成型するものと する。 ２は、保形具本体１の略靴底型を成す底板であり、この底板２の長さ方向の一 側に、かかと部３と側部４を有する翼形状の後面板５を折曲部６を介して折り曲 げ可能に設ける。一方、底板２の他側に末広がり状の前面板７を折曲部８を介し て折り曲げ可能に設ける。また、図中５ａは後面板５の湾曲面、７ａは前面板７ の湾曲部分である。

【００１０】 ９は、後面板５の両端を係止するために前面板７の前端縁部に形成した２つの スリットである。１０、１１は、上記した折曲部６、８の両端を残して中間に形 成した空隙部である。この空隙部１０は、楕円形状に形成して、組み立てた時に サンダル１２の爪先より突出しないようにすると共に、折り曲げを容易にしたも のである。一方、空隙部１１は、一辺を直線形状に他辺を円弧状に形成して、サ ンダル１２のかかと部を確実な形成をなすようにしている。また、１１ａは空隙 部１１の両端に形成した切込部である。

【００１１】 ここで、扁平形状のサンダル１２について説明する。 サンダル１２は、底部１３はゴムで可撓性に成型され、下面にすべり止め用の 突起１４を多数設け、この底部１３の外周囲には伸縮性の被覆部材１５を扁平状 に取り付け、この被覆部材１５には足装入口１６と多数の切欠き孔１７を設けて いる。このサンダル１２に上記した保形具本体１を装入すると、切欠き孔１７が 拡がると共に伸縮性の被覆部材１５が伸びて、図６に示すように押し拡げられて 立体状を呈する。１８は被覆部材１５の先端を切り欠いた爪先開口部である。

【００１２】 次に、上記した実施例の作用を説明する。 保形具を組み立てる順序について説明すると、保形具本体１の折曲部８を折り 曲げた状態で、扁平形状のサンダル１２の足甲部に前面板７を装入し、後面板５ を湾曲させながらサンダル１２のかかと部と側面部に装入し、次いで、後面板５ の両端部を湾曲させながら前面板７のスリット９に装入係止すると、前面板７は 末広がり状に形成してあるので、前面板７の湾曲部分７ａが適度の弾性力をもっ て外方に押し拡げられるので、サンダル１２の扁平形状の足甲部は足の形状を呈 して形づくられ、一方、翼形状の後面板５は、外方に広がる力をもった湾曲面５ ａを呈しているから、扁平形状のサンダル１２のかかと部と側面を足型を呈する ように立体状に押し拡げられて、図４に示すようなディスプレイ用の足型を成形 できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のことから明らかなように、本考案によると、安価に量産できることはも とより、可撓性の底板であっても、扁平形状の履物に簡易保形具を装入して組立 て装入することにより、確実に足型形状に形づけることができるため、扁平形状 のサンダルなどの靴のディスプレイ用保形具として特に実用的価値が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の保形具本体の一実施例を示す展開図で
ある。

【図２】図１の保形具本体を折りたたんだ途中の状態を
示す斜視図である。

【図３】保形具本体を組み立てた状態を示す斜視図であ
る。

【図４】保形具を扁平形状のサンダルに装入した状態を
示す斜視図である。

【図５】図４の断面図である。

【図６】扁平形状のサンダルを使用している状態を示す
斜視図である。

【図７】扁平形状のサンダルの平面図である。

【符号の説明】

１ 保形具本体 ２ 底板 ３ かかと部 ４ 側部 ５ 後面板 ６、８ 折曲部 ７ 前面板 ９ スリット １０、１１ 空隙部 １２ サンダル

【手続補正書】

【提出日】平成７年１０月６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項４

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略靴底形を成す底板と、この底板の長さ
   方向の一側に、かかと部と側部を有する翼形状の後面板
   を折曲部を介して折り曲げ可能に設けると共に、底板の
   他側に末広がり状の前面板を折曲部を介して折り曲げ可
   能に設け、後面板の両端をそれぞれ係止するスリットを
   前面板の前端縁部に設けた板状の保形具本体を一体に成
   形したことを特徴とする扁平形状の履物用保形具。
2. 【請求項２】 上記した折曲部は、両端を残して中間に
   空隙部を形成した請求項１記載の扁平形状の履物用保形
   具。
3. 【請求項３】 上記した板状の保形具本体を扁平形状の
   サンダルの内部に組立て装着してサンダルを靴形状に形
   成する請求項１又は２に記載の扁平形状の履物用保形
   具。
4. 【請求項４】 上記のサンダルは、ゴムや樹脂等で形成
   した可撓性の底板と伸縮性の被覆部材で形成した請求項
   １乃至３の何れか１項に記載の扁平形状の履物用保形
   具。