JP3022757U

JP3022757U - い草を用いた微生物処理を行う浄水フィルター

Info

Publication number: JP3022757U
Application number: JP1995011292U
Authority: JP
Inventors: 金十山田
Original assignee: 金十山田
Priority date: 1995-09-18
Filing date: 1995-09-18
Publication date: 1996-04-02
Anticipated expiration: 2001-09-18

Abstract

(57)【要約】【目的】水中の有機物濾過微生物分解また各形態で含
まれる窒素を硝化脱窒させ水を浄化する。【構成】い草のフィルター素材（１）を、所定の空隙
率になるよう、透水性布状組成物（２）に包み込みマッ
ト状の浄水フィルターとして構成されたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，有機性汚濁物とくに窒素化合物を含む水を、生物学的処理により浄化させるフィルターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来，ポリエステルなどの樹脂繊維から成るフィルターが大半で、これらは汚濁物の物理的除去が主なる目的である。従って水中に溶解している物質は濾過除去ができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題点】

本考案は，水中汚濁物の濾過機能に加え、微生物とくに有機物酸化菌、亜硝酸菌、硝酸菌、脱窒素菌などを該フィルターに活着せしめ、有機性汚濁物を分解、硝化、脱窒を行わせる。

【０００４】とくに閉鎖系水槽内で魚介類を飼育している場合、給餌残しや魚介類の排せつ物が、槽内に蓄積され窒素化合物などの濃度は増大し、魚介類の飼育環境は悪化する。槽内の水の入れ換えをせず、このような状況を微生物の分解、硝化、脱窒の一連の反応で予防することができる。

【０００５】人の生活排水には通常全窒素が４０ｍｇ／ｌ程度含まれているが、標準活性汚泥処理をしても窒素の除去率は２０〜３０％であるから、依然として処理水の中に全窒素が３０ｍｇ／ｌ程度は残留している。これらは尿素やアミノ酸などの有機態窒素や無機性のアンモニア態窒素が主体であるが、当該フィルターを透過させることにより、微生物反応で硝化、脱窒を行い排水中の窒素分除去を促進する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】有機炭素源を多量に含み、微生物の良好な接触材として多孔質組成を有するい草の繊維は、特に亜硝酸菌、硝酸菌または脱窒素菌の繁殖に適する。このい草を所定長さに破断もしくは破砕し、フィルター素材とし、所定の空隙率になるよう透水性布状組成物に包み込む。

【０００７】前記フィルター素材を、所定長さの芯鞘型樹脂繊維とを混合して、所定の塊状に成形し、加熱して結合一体化させ、排水への前記フィルター素材の流失を防ぐとともに、取扱を容易にする。

【０００８】該フィルターに予め微生物製剤を混入または含浸させ、微生物反応の促進を図ることもある。

【０００９】

【作用】

前記のように構成される本考案は以下に述べる作用を奏する。

【００１０】該フィルターを流水中に設置すると、水はこの流れにより一定の抵抗を受けつつも、該フィルターに形成された空隙を通過して一側から他側へと透水するもので、このとき水中の固形分は濾過される。

【００１１】前記濾過された有機物固形分は、該フィルターに活着している微生物により分解処理される。

【００１２】また、水中に溶解している窒素化合物は、該フィルターに活着している微生物に接触し硝化、脱窒作用を受け、水中から除去される。

【００１３】

【実施例】

次に本考案の実施例を、図面に基づき説明する。

【００１４】図１において、い草を衝撃破砕機や、ロータリーカッターなどで破砕もしくは破断したものを、所定の網目を有するスクリーンプレートを使い破砕処理するときに発生する粉状物や異物を除去して得る繊維長さ３〜３０ｍｍ程度の材料をフィルター素材（１）とし、所定の空隙率になるよう、透水性布状組成物（２）に包み込みマット状の浄水フィルターとして構成されたもの。

【００１５】図２において、前記加工されたフィルター素材（１）と芯鞘型樹脂繊維（３）とを、混合攪拌機で混台均質化して得た材料を、所定の形状と空隙率になるよう成形した後、加熱して前記芯鞘型樹脂繊維が溶融結合して一体化されて得られる成形浄水フィルター（４）。

【００１６】図３は、前記芯鞘型樹脂繊維（３）の破断図である。芯材（５）は２５５℃前後の高融点のポリエステルを用い、鞘材（６）は１００℃〜１３０℃の低融点のポリエステルを用いるものであるが、該フィルターに使用する繊維径は４デニール以下、繊維長さは０．５〜５ｃｍ程度のものを選択する。芯鞘型樹脂繊維（３）は、前記フィルター素材（１）同士を連結するバインダー繊維であるが、この混合比率で、前記芯鞘型樹脂繊維（３）が多いほどバインダー効果は大きく堅牢な成形ができる。このフィルター素材（１）と芯鞘型樹脂繊維（３）との混合比率は、１９：１〜７：３が適当であるが、該比率は用いた材料の長さによっても異なる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので次に記載する効果を奏する。

【００１８】浄化しよとする水を、該フィルターに透過されることにより、固形汚濁物が濾過除去でき、その中の有機物は微生物分解される。

【００１９】水中に溶解している窒素化合物は、該フィルターに接触し、そこに活着している微生物より硝化、脱窒作用を受け分解除去される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に関するマット状浄水フィルターの一部
を破断して示す斜視図である。

【図２】本考案に関する成形浄水フィルターの実施例を
示す斜視図である。

【図３】本考案における芯鞘型樹脂繊維の一部を破断し
て示す斜視図である。

【符号の説明】

（１）フィルター素材（２）透水性布状組成物（３）芯鞘型樹脂繊維（４）成形浄水フィルター（５）芯材（６）鞘材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】微生物が活着しやすいい草の破断物を布
状組成物で包み込み、水中の有機物の分解、また各形態
で含まれる窒素を硝化脱窒させることを特徴とする浄水
フィルター
【請求項２】所定長さのい草の破断物を、所定長さの
芯鞘型樹脂繊維とを混合して、所定の塊状に成形した
後、加熱して前記い草の破断物を結合させ一体化させ
た、実用新案請求の範囲第１項記載の水中の有機物の分
解、また各形態で含まれる窒素を硝化脱窒させる機能を
有する浄水フィルター