JP3022371U - フリーサイズコック帽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンプルな形状を有し、着用中に型崩れがな
く清潔感があって衛生的に優れるとともに、着用感の良
い組立式のフリーサイズコック帽を経済的に提供する。 【解決手段】 方形状の不織布シートの下部に横方向の
折り目線を設けて該下部を折り返すことにより帽胴部と
その下部外側に位置付けられる締帯部を構成し、この帽
胴部の内面となる片側端縁に縦幅全域に縦長の接着層を
設け、同じく帽胴部の内面となる片側端下縁にサイズ合
わせをするための目盛を設ける一方、帽胴部の外面とな
る他側端上部に小片状の接着層を設け、さらに、同様の
円形の不織布シートの外縁に複数の小突部を設け、この
小突部に接着層を設けて構成した天板を組み合わせてあ
ることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、着用者が自身の頭回りに合わせて簡単に組立てでき、着用感に優れ 、衛生的であるとともに、着用中に形崩れのないシンプルな形状であり使い捨て の経済的なフリーサイズコック帽に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従前のコック帽は、例えば布地を用いた縫製品であって、長期間にわたり繰り 返し使用されてきた。このコック帽は、個人個人が専有するものであり、洗濯や 衛生管理等において管理経費や手間がかかりコスト高になるという問題点があっ た。 従来、上記の問題点を解決するために組立式のフリーサイズコック帽が提案さ れている。この組立式のフリーサイズコック帽は、一枚のシートに折り返し部を 形成し、このシートを円筒状に巻いて、そのシートの一方の端の返し部に他方の 端を挟み込むようにしてサイズを調節しながら、その両端の２箇所を接着層によ り接着して形成するというシンプルな形状のものであった。また、上記シートに シート原紙を用い、両端の接着層には小片状の接着剤を用いていた。この従来の フリーサイズコック帽は、上記の通りきわめて簡単な構成のものであるから、手 軽に組立て着用できる利点があった（実開平３−８９１２０号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の組立式のフリーサイズコック帽には天板がなかったので、ときに長 髪がコック帽からはみ出して、清潔感を損なうなどの問題点があった。また着用 中に、シートとシートとの重なり部分に隙間ができ、そこから髪の毛がはみ出し 衛生上にも好ましくないという問題点があった。

【０００４】 近年、チェーン店式のレストランも増大しており、例えば料理人がカウンター 越しに顧客と接する機会も多くなっている。そのため、外形はシンプルであって も、型崩れがなく毛髪がはみ出さないなど衛生的で、清潔感があり、しかも経済 的な組立式フリーサイズコック帽が求められているという課題があった。 また、着用者側からは、通気性と吸水性があって軽量なものが求められている という課題があった。

【０００５】 本考案は、上記の問題点や課題を解決するため、シンプルな形状を有し、着用 中に型崩れがなく清潔感があって衛生的に優れるとともに、着用感の良い組立式 のフリーサイズコック帽を経済的に提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案フリーサイズコック帽は、上記の目的を達成するため、方形状の不織布 シートの下部に横方向の折り目線を設けて該下部を折り返すことにより帽胴部と その下部外側に位置付けられる締帯部を構成し、この帽胴部の内面となる片側端 縁に縦幅全域に縦長の接着層を設け、同じく帽胴部の内面となる片側端下縁にサ イズ合わせをするための目盛を設ける一方、帽胴部の外面となる他側端上部に小 片状の接着層を設け、さらに、同様の円形の不織布シートの外縁に複数の小突部 を設け、この小突部に接着層を設けて構成した天板を組み合わせてあることを特 徴とする。

【０００７】 上記締帯部の上縁内側に横長の接着層を設けてある。 上記天板にその周縁から中心に向けて複数の切り込みを形成してある。 上記不織布シートが、２乃至３デニールの極細で、長さ３乃至６センチメート ルのレーヨンステープルと、このレーヨンステープルに対し、同様寸法の極細の ポリエステル短繊維を１５乃至２０パーセント混合し、この混合繊維をアクリル 系樹脂等をバインダーにし、１平方メートル当たり７０乃至１００グラムに構成 してある。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図中Ａがコック帽の主体となる帽胴部１とその下部外側に配される締帯部８と を構成する不織布シートで、頭回り寸法より横長の方形状に裁断してあり、その 下部に折り目線３、４を横方向に形成してある。図１で示す通り、この不織布シ ートＡを折り目線３に沿って図中背面側即ち帽胴部１の外側に折り返し、続いて 折り目線４に沿って再び折り返して、帽胴部１とその下部にコック帽の外側に位 置付けられる横長の締帯部８とを形成するようにしてある。従って、折り目線４ が締帯部８の上縁となり、折り目線４から下側部が締帯部８の内側部となる。 不織布シートＡからなる帽胴部１の内面となる片側端縁に、その縦幅全域に縦 長の接着層５を設けてある。同じく該帽胴部１の内面となる片側下縁に、折り目 線３に沿って、頭回りとサイズ合わせをするための目盛６をやや横長に設けてあ る。一方、帽胴部の外面となる他側端上部に小片状の接着層７を設けてある。 さらに、締帯部８の上縁内側にこれを帽胴部１に接着する横長の接着層１３を 細帯状に設けてある。

【０００９】 図中２が天板１で、不織布シートによりほぼ円板状に形成してあり、この円板 の周縁に複数の小突部１０を設け、これら小突部の夫々に接着層９を設け、この 天板の周縁から中心に向かう複数の切り込み１１を設けてある。なお、この天板 ２は、不織布シートＡに添えてある。 上記の加工を施した不織布シートを材料に用いて、後述する手順によりコック 帽を組み立てる。なお、上記の接着層各々には、表面に剥離紙を残した両面接着 テープ又は熱接着性の接着剤を用いてある。

【００１０】 本考案に用いる不織布は、２乃至３デニールの極細で、長さ３乃至６センチメ ートルのレーヨンステープルと、このレーヨンステープルに対し、同様寸法の極 細のポリエステル短繊維を１５乃至２０パーセント混合し、この混合繊維をアク リル系樹脂等のバインダーを使用してシート状に構成したものである。また、こ の不織布シートは１平方メートル当たり７０乃至１００グラムと軽量に構成して ある。 帽胴体と天板は、上記構成の不織布シートにより形成してあるから、レーヨン ステープルによる吸水性を有するとともに、ポリエステル繊維による補強によっ て、着用中に不用意に型崩れしない強度を有する。

【００１１】 次に、上記不織布シートＡと、天板２とによりコック帽を組み立てる手順を説 明する。先ず、締帯部８の上縁に設けた横長の接着層１３を帽胴部１に接着して 締帯部８を固定する。この際、接着層１３が両面接着テープであれば、表面の剥 離紙を剥がしてから例えば手で圧着すればよい。不織布シート１自身が熱接着性 を有するから、接着剤なしでも加熱加圧すれば接着できる。 そして、図２図示の通り、目盛６を設けた片面が帽胴部１の内側となり、締帯 部８が帽胴部１の表側になるようにして、不織布シート１を巻き、締帯部８の端 １２を目盛６に当て、着用者の頭回りとのサイズ合わせをする。次に、このサイ ズ合わせを保ったまま、該シートの端と端とを重ね合わせて、縦長の接着層５を 、帽胴部１の表側で正確に縦方向に接着し、同様に小片状の接着層７を帽胴部１ の内側に接着して、帽胴部１を組み立てる。 さらに、天板２の小突部１０の接着層９を帽胴部１の内側に適宜接着して取り 付ける。その際、切り込み１１により通気のための隙間ができるようになるとと もに、切り込み１１が帽胴部の直径の大小にも適合するよう自動調節することに なる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案コック帽は、方形状の不織布シートの下部に横方向の折り目線を設けて 該下部を折り返すことにより帽胴部とその下部外側に位置付けられる締帯部を構 成し、この帽胴部の内面となる片側端縁に縦幅全域に縦長の接着層を設け、同じ く帽胴部の内面となる片側端下縁にサイズ合わせをするための目盛を設ける一方 、帽胴部の外面となる他側端上部に小片状の接着層を設け、さらに、同様の円形 の不織布シートの外縁に複数の小突部を設け、この小突部に接着層を設けて構成 した天板を組み合わせてあるから、簡単な加工を施した不織布シートを材料とし てきわめて容易に組み立てできるので、フリーサイズコック帽を経済的に提供で きる効果を有する。

【００１３】 帽胴部の重なり部分は縦長の接着層により隙間なく正確に接着してあるから、 着用中のコック帽に隙間が生じることなく、衛生的に着用できる効果を有する。 さらに、上記縦長の接着層と補強した不織布シートとの共働により、コック帽 は不用意に形崩れすることはなく、シンプル形状と清潔感とを保ったまま着用で きる効果を有する。

【００１４】 コック帽には天板を設けてあるから、着用者の毛髪をカバーするので清潔感を 与え、かつ衛生的に着用できる効果を有する。 コック帽は軽量であって吸水性があり、また天板に形成した切り込みにより通 気性を良くしてあるとともにその寸法調節が簡単であり、着用感の良いコック帽 を提供できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案フリーサイズコック帽の正面図

【図２】本考案フリーサイズコック帽の組立て状態を示
す斜視図

【図３】本考案フリーサイズコック帽の主体をなす不織
布シートの正面図で、中間部を省略してある。

【図４】本考案フリーサイズコック帽の天板の正面図

【符号の説明】

Ａ 不織布シート １ 帽胴部 ２ 天板 ３ 折り目線 ４ 折り目線 ５ 縦長の接着層 ６ 目盛 ７ 接着層 ８ 締帯部 ９ 接着層 １０ 小突部 １１ 切り込み

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石藤 源弘 東京都練馬区光が丘３−８−12−312 (72)考案者 森内 清 東京都練馬区春日町５−29−２−103 (72)考案者 西岡 泰則 東京都調布市深大寺東町６−35−12 (72)考案者 坂庭 匠 東京都三鷹市上連雀３−２−18

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形状の不織布シートの下部に横方向の
   折り目線を設けて該下部を折り返すことにより帽胴部と
   その下部外側に位置付けられる締帯部を構成し、この帽
   胴部の内面となる片側端縁に縦幅全域に縦長の接着層を
   設け、同じく帽胴部の内面となる片側端下縁にサイズ合
   わせをするための目盛を設ける一方、帽胴部の外面とな
   る他側端上部に小片状の接着層を設け、さらに、同様の
   円形の不織布シートの外縁に複数の小突部を設け、この
   小突部に接着層を設けて構成した天板を組み合わせてあ
   ることを特徴とするフリーサイズコック帽。
2. 【請求項２】 上記締帯部の上縁内側に横長の接着層を
   設けてある上記請求項１記載のフリーサイズコック帽。
3. 【請求項３】 上記天板にその周縁から中心に向けて複
   数の切り込みを形成してある上記請求項１記載のフリー
   サイズコック帽。
4. 【請求項４】 上記不織布シートが、２乃至３デニール
   の極細で、長さ３乃至６センチメートルのレーヨンステ
   ープルと、このレーヨンステープルに対し、同様寸法の
   極細のポリエステル短繊維を１５乃至２０パーセント混
   合し、この混合繊維をアクリル系樹脂等をバインダーに
   し、１平方メートル当たり７０乃至１００グラムに構成
   してある上記請求項１乃至３のいずれかに記載のフリー
   サイズコック帽。