JP3018636U - 脚立兼用２連梯子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脚立兼用２連梯子の新規構成。 【構成】 ２連梯子を第１梯子と、これに上動もしくは
下降する第２梯子を組立て上部第１梯子の支柱に取着し
た横軸に滑車と末端を第２梯子に結着したロープを介し
て上下動自在とし、梯子体下部には第１梯子と第２梯子
の上下スライドを保持するガイド鈎を取付けると共に、
その下部にスプリングとピンによるロック機構を設けて
ピンを上下させ２連梯子として上下動する際は第２梯子
の横振れを規制し、第２梯子を開脚する際はロックピン
が下動してガイド鈎が左右移動自在となり、脚立として
開脚され、かつ第１梯子と第２梯子の上部は枢着連結金
具で枢動可能に連結し上部の開脚揺動を補勢する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は脚立機能を備えた２連梯子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

２連、３連等の連梯子については建築、造園等の産業用や消防、警察等の官公 庁用として利用されているが、その目的は梯子としての機能について材質や構造 上の改良がなされている。しかし連梯子について他の機能例えば脚立や防護柵の 機能も加えた連梯子、特に家庭用、産業用としても利用されている脚立構造と組 合せた連梯子について新規構造の梯子体は市販されてはいない。出願人は梯子メ ーカーとして梯子作用と脚立作用を兼ねた２連梯子が一般用、産業用としても利 用性が高いことに鑑み梯子と脚立機能を兼ね備えた２連梯子について新規の構造 体を提案するものである。

【０００３】

【本考案の解決すべき課題】

本考案の２連梯子については梯子体として接地接床する第１梯子の上部に第２ 梯子を伸縮可動させる連梯子機能と、脚立として第１梯子と、第２梯子を左右横 開きする脚立機能はそれぞれ相反した作用を必要とし構造上も異なっているので 梯子機能と脚立機能を兼ね備えた安全性、強度性が構造上確保され、同時に簡易 、軽量で使い易く、取扱操作性もすぐれた商品性を備えていることを解決すべき 課題として検討した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成する手段としては、梯子体をコ字形の支柱と、その支柱間に 横桟を取付けた梯子体に構成し、第２梯子の支柱巾間隔を第１梯子のそれより短 寸巾とし、かつ断面が第１梯子の内側に接するように組立てられ、梯子体の上部 には第１梯子に熔着したＬ状金具を介して第２梯子の横枠に出入する可動ピンを 内装した固定横軸を取着し、かつ固定横軸には中間の回動横軸にロープを取付け た滑車を吊下し、かつ第１梯子と第２梯子の両支柱間に枢着連結金具を取付ける と共に、梯子体の下部には、第２梯子の支柱より第１梯子の支柱間に係合状に延 設したガイド鈎を取付け、かつガイド鈎の下部には把手により上下可動するロッ クピンを備えたロック機構を第１梯子の支柱に取付け、第２梯子を第１梯子の上 部にスライドして２連梯子とする際は、前記梯子体の下部のロック機構の把手を 引いてロックピンの先端をガイド鈎の下部にロックした後、第１梯子上部の固定 横軸の回動横軸の滑車を介してロープを引いて２連梯子とし、ロープを反対方向 に引けば第２梯子は下動して第１梯子の内側に重合し、梯子体を脚立とする際は 、前記第１梯子の下部のロック機構の把手を押せばロックピンの先端がガイド鈎 のロックを解除し第２梯子が横方向にフリーとなり、かつ上部枢着連結金具を介 して梯子体が三角状に開脚するように設けたことを要旨とするものである。

【０００５】

【作用】

第２梯子を第１梯子の上部にスライドして２連梯子とする際は、第１梯子の下 部のロック機構の把手を引いて、ロックピン先端が第２梯子より第１梯子に延設 したガイド鈎の背部にロックして梯子体の左右の移動を抑止して上下可動のガイ ドを容易にし、かつ第１梯子支柱上部に配設した筒状の固定横軸の中間の回動横 軸に取着した滑車に掛着したロープの一端を引いて回動横軸を回動すれば、ハ状 のガイド溝孔を移動するガイドピンを介して回動横軸内のスプリングを圧縮し、 第１梯子と第２梯子の支柱間に突出状に出入りする筒状の固定横軸内の可動ピン を後退させて第２梯子をスライド自在とし、第２梯子の下部横桟に結着したロー プの他端が第２梯子を第１梯子の上部に連設して２連梯子とし、ロープを離せば 前記左右の筒状の固定横軸の可動ピンはスプリングの伸長により第１梯子と第２ 梯子の支柱枠間に突出して梯子間を固定状に結合する。又ロープを逆方向に引け ば前記可動ピンが後退して第２梯子は第１梯子に対しスライド下降して第１梯子 に重合組合わせられる。梯子体を脚立とする際は、前記第１梯子の下部のロック 機構の把手を押してロックピンの先端をガイド鈎より離間してロックを解除し、 第２梯子を横方向にフリーとする。かつ梯子間の上部枢着連結金具の枢動により 梯子体は三角状に開脚し脚立操作は容易になる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の一実施例について図示説明する。図面において図１は本考案脚立 兼用２連梯子の正面図、図２は側面図、図３は２連梯子の伸長時の正面図、図４ は同伸長時の側面図である。本願の２連梯子の梯子体１０は接地接床面に設置す る固定用の第１梯子１１と、その内側に第２梯子１２を上下動自在に組立て、第 ２梯子は滑車１３とロープ１４を介して上動もしくは下降又は２連を脚立として 開脚するように構成した梯子体である。梯子体はアルミサッシ、チタン等の耐蝕 、軽量、強質もしくは耐蝕処理したスチールによる金属材で成形する。２連梯子 の梯子体の支柱は図５、図６に示すように従来の断面Ｈ形に対し断面コ字形の枠 体支柱に構成し、その枠体支柱間を横桟１１ｂ、１２ｂで連結し第２梯子１２は 第１梯子１１に対し支柱巾を短寸巾とし第１梯子の支柱巾内に納まり、かつコ字 形枠の一部が重合するように組立て、第２梯子が第１梯子に対し上動もしくは下 降又は開脚自在に取付けて開脚兼用２連梯子として構成する。

【０００７】 次に梯子体の各部構成について説明する。図１において２連梯子として組立て た梯子体１０は図５に示すように第１梯子１１の上部支柱１１ａに熔着したＬ形 の固定金具１５を第２梯子１２の支柱１２ａ、１２ａを包囲するように突設し、 このＬ形金具の間に筒状の横軸１６を熔着固定し、横軸は３分割され両端の固定 横軸１６ａ、１６ａと中間の回動横軸１６ｂを連設した軸筒である。固定横軸１ ６ａ、１６ａ内には先端を細軸としＬ形固定金具１５及びこれに接する第２梯子 １２の支柱１２ａに先端を出入自在に貫挿した可動ピン１７、１７を取付ける。 回動横軸１６ｂ内にはバネ１８を可動ピン１７、１７間に介装し、回動横軸には ハ状のガイド溝孔１９を穿設し可動ピン１７、１７の基部にガイドピン２０を取 着し、その先端を前記ガイド溝孔１９より突出させる。ガイドピン２０、２０に は回動横軸１６ｂに取着した吊環２１に滑車１３を取付け、この滑車１３に結着 したロープ１４を連結し、ロープ１４を引張り又は離して回動横軸を回動しガイ ドピン２０、２０がハ状のガイド溝孔１９を移動して可動ピン１７、１７間に介 装したバネ１８を伸長もしくは圧縮させて可動ピン１７の先端をＬ形金具及び第 ２梯子の支柱１２ａ内に突出もしくはこれより後退させる。

【０００８】 次に梯子体の下部構造について図６、図７、図８により説明する。第２梯子の 支柱１２ａには第１梯子の支柱１１ａにガイド鈎２２を係着状に延設し梯子間の スライド可動をガイドする。ガイド鈎の下部には第１梯子の支柱１１ａに固設し た図７（イ）に示すロック機構２３を固設する。２４はロックピンで、２５はロ ックピンの外筒、２６はロックピンの外筒内下部に嵌装したスプリング、２７は ロックピンの外筒に斜設したガイド溝、２７ａは係止部である。２８はロックピ ンに取着し、かつガイド溝２７より突出させたロックピンの把手でガイド溝を上 下動させ、スプリング２６の伸縮作用によりロックピン２４の先端を上下に可動 させる。２９はロックピン２４の上部にはガイド鈎２２に取着したストッパーで ある。ガイド鈎２２の先端は図６に示すように第１梯子の支柱１１ａの枠を挟持 するように取付けられ第１梯子と第２梯子の左右揺動を抑止し、梯子間の上下ス ライドを保持する作用を果す。３０は第１梯子の支柱枠の切欠部である。把手２ ８を引いてガイド溝２７を上昇する際はロックピン２４は上動しガイド鈎の側面 に突出して第２梯子の支柱１２ａの横移動をロックする。把手２８を押してガイ ド溝２７を下降させて係止部２７ａに把手を係止させれば図７（ロ）に示すよう にロックピン２４は支柱１１ａの切欠部３０以下に下動し、ガイド鈎２２はロッ クピン２４から解除され第２梯子の支柱１２ａは第１梯子の切欠部３０を介して 左右への移動が自在となる。

【０００９】 上述した梯子体の機構は第１梯子と第２梯子の上動もしくは下降の実施例で、 更に２連梯子を開脚して脚立とする場合の機構は梯子体上部と第１梯子１１と第 ２梯子１２は図３のように枢着連結金具３１を両梯子の支柱１１ａ、１２ａ間に 枢着ネジ３２で枢動自在に連結する。１１ａに固定する固定横軸１６と同一軸芯 に取付け、梯子体間と枢着連結金具との枢動性を一致させ開脚操作性を容易にす る。又梯子体下部のロック機構については

【０００８】及び図８に記述した様に ロック機構の把手２８を引いてガイド鈎２２のロックを解除し第２梯子の左右移 動を自在とすれば、上記枢着連結金具３１の枢動性と相俟って２連梯子は左右に 開脚して脚立として使用可能となる。尚３３は補助脚、３４は開脚時に両梯子間 にチェン等で連結する連結環、３５は梯子の横桟間に掛止する自在金具、３６は 操作把手である。

【００１０】

【効果】

本考案は上述の構成よりなる脚立兼用２連梯子として考案した新規の梯子体で あり、従来にない脚立機能を備え、かつコンパクトに結合させた２連梯子として 安全性、強度性と共に取扱操作機能にすぐれ、家庭用は勿論産業用としても汎用 性のある実用具として提供できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の全体正面図である。

【図２】本願考案の側面図である。

【図３】梯子体伸長時の一部省略正面図である。

【図４】同伸長時の側面図である。

【図５】梯子体上部機構の滑車とロープ取付部分の平断
面図である。

【図６】（イ）は梯子体下部のガイド鈎のロック機構部
分の平断面図、（ロ）は（イ）のガイド鈎の開作用を示
す一部平断面図である。

【図７】梯子体の開脚作用を示す側面図である。

【図８】（イ）は梯子体下部のロック機構部分の要部側
面図、（ロ）は（イ）の開脚要部側面図である。

【符号の説明】

１０ 梯子体 １１ 第１梯子 １１ａ 第１梯子の支柱 １１ｂ 横桟 １２ 第２梯子 １２ａ 第２梯子の支柱 １２ｂ 横桟 １３ 滑車 １４ ロープ １５ 固定金具 １６ 横軸 １６ａ 固定横軸 １６ｂ 回動横軸 １７ 可動ピン １８ バネ １９ ガイド溝孔 ２０ ガイドピン ２１ 吊環 ２２ ガイド鈎 ２３ ロック機構 ２４ ロックピン ２５ 外筒 ２６ スプリング ２７ ガイド溝 ２８ 把手 ２９ ストッパー ３０ 切欠部 ３１ 枢着連結金具 ３２ 枢着ネジ ３３ 補助脚 ３４ 連結環 ３５ 自在金具 ３６ 操作把手

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 接地接床面に設置する第１梯子と、その
   第１梯子に対し滑車とロープを介して上動もしくは下降
   する第２梯子とより組立てた２連よりなる梯子体におい
   て、梯子を断面コ字形の枠よりなる支柱と、その支柱間
   に横桟を取付けた梯子体に構成し、第２梯子は第１梯子
   の支柱間巾の内側に納まるように組立て、梯子体の上部
   には第１梯子の支柱間に熔着したＬ状金具を介して第２
   梯子の支柱枠に出入する可動ピンを内装した筒状横軸の
   固定横軸を取着し、かつ筒状固定横軸間には内装した可
   動ピンの間にスプリングを介装した中間の回動横軸及び
   その回動横軸にハ状のガイド溝孔に前記可動ピンよりガ
   イドピンを突出させると共にロープを取付けた滑車を吊
   下し、かつ第１梯子と第２梯子の両支柱間に枢着連結金
   具を取付け、梯子体の下部には、第２梯子の支柱より第
   １梯子の支柱間に係合状に延設したガイド鈎を取付け、
   かつガイド鈎の下部には把手により上下可動するロック
   ピンを備えたロック機構を第１梯子の支柱に取付け、第
   ２梯子を第１梯子の上部にスライドして２連梯子とする
   際は、前記梯子体の下部のロック機構の把手を引いてロ
   ックピンの先端をガイド鈎の下部にロックした後、梯子
   上部の第１梯子の固定横軸の回動横軸に吊下した滑車
   と、一端を滑車に他端を第２梯子の下部横桟に張設した
   ロープを引いて第１梯子の上部に第２梯子を連設して２
   連梯子とし、ロープを反対方向に引けば第２梯子は下降
   して第１梯子の内側に重合し、梯子体を脚立とする際
   は、前記第１梯子の下部のロック機構の把手を押せばロ
   ックピンの先端がガイド鈎より離間してロックが解除さ
   れて第２梯子が横方向にフリーとなり、かつ上部枢着連
   結金具の枢動を介して梯子体が三角状に開脚するように
   設けたことを特徴とする脚立兼用２連梯子。