JP3018293U - 真柱用吊り治具 - Google Patents

真柱用吊り治具

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JP3018293U
JP3018293U JP1995004700U JP470095U JP3018293U JP 3018293 U JP3018293 U JP 3018293U JP 1995004700 U JP1995004700 U JP 1995004700U JP 470095 U JP470095 U JP 470095U JP 3018293 U JP3018293 U JP 3018293U
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true
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均 佐々木
壮彦 北中
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】横になっている真柱を吊り込む際に治具及び治
具と真柱との接合部分に負荷される荷重を小さくするこ
とを目的としている。 【構成】治具は、真柱1に接合される接合部材2と、揚
重機に接続されるヤットコ4と、接合部材2とヤットコ
4とを連結する連結部材3とからなる。上記連結部材3
は、上記接合部材2に連結する接合側部材5と、ヤット
コ4に連結可能な吊り側部材6とから構成される。接合
側部材5は、上記吊り側部材6を挟んで対向する一対の
対向板8からなる。一対の対向板8及び吊り側部材6に
は、同軸に貫通孔8a,6aが開設されていて、吊り側
部材6の一対の貫通孔6a間にスリーブ10が固定さ
れ、そのスリーブ10と上記一対の対向板8とがピン1
1によって回転可能に連結されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、プレキャスト鉄筋コンクリート構造の真柱の一端部に一時的に接合 させて、当該真柱を吊り上げる際に使用される真柱用吊り治具に関するものであ る。
【0002】
【従来の技術】
プレキャスト鉄筋コンクリート構造の真柱を吊り上げるための従来の治具は、 例えば、図7に示すように、真柱1の一端面(上端部となる側の面)にボルトに よって剛接合される板状の接合部材31と、その接合部材31の中心から垂直に 立設し、上記接合部材31を真柱1に取り付けた際に当該真柱1の軸と同軸に設 定される棒体32と、その棒体32の先端に連結し、当該棒体32の先端部から 4方向へ放射状に延びる4個の張出部33aを備えた吊り部材33と、から構成 されている。上記吊り部材33の中央には、揚重機であるクレーンのワイヤ19 先端部を掛止可能な掛止部33bが設けられている。
【0003】 そして、横になっている真柱1の一端面(上端部となる側の面)に対して、接 合部材31をボルト接合した後に、吊り部材33の掛止部33bにクレーンのワ イヤ19先端部を掛止させ、そのワイヤ19を上方に移動させることで、本治具 を介して、真柱1を吊り上げ当該真柱1を起こしていた。 さらに、吊り上げた真柱1を掘削した穴等に挿入して当該真柱1を建てた後に 、4個の張出部33aを介して当該真柱1の建入れ調整を行っていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記真柱1は例えば18ton と重いので、上記図7に示す状態 のように、上記治具によって横になっている真柱1を吊り上げるとき、上記接合 部材31と真柱1との接合部分に対して棒体32の長さに応じた大きな曲げモー メントが負荷される。このため、当該接合部材31が曲がったり真柱1から外れ たりして真柱1の一部が破損する恐れがあった。また、上記棒体32にも大きな 曲げ応力が負荷されるので、その曲げ応力に抵抗可能なだけの剛性が要求される 。
【0005】 このように、上記従来の治具では、その強度を確保するために、治具自体を大 型化したり、接合部材31を真柱1に接合するために使用するボルトが、多くな る。 本考案は、上記のような問題点に着目してなされたもので、横になっている真 柱を吊り込む際に治具及び治具と真柱との接合部分に負荷される荷重を小さくす ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の真柱用吊り治具は、真柱の上端面となる 端面に着脱可能に接合される接合部材と揚重機に接続される吊り部材との間を連 結する軸状連結部材を、上記接合部材に連結される接合側部材と、上記吊り部材 に連結される吊り側部材と、上記接合側部材の軸と直交する方向に上記吊り側部 材を相対回転可能に上記接合側部材と吊り側部材とを連結する回転機構と、から 構成したことを特徴としている。
【0007】 また、請求項2に記載した考案は、上記請求項1に記載された構成に対し、上 記接合部材を真柱に接合した際に上記接合側部材の軸を当該真柱の軸と平行な方 向に設定可能に当該連結部材を配設すると共に、上記回転機構による上記連結部 材の回動を、上記接合側部材の軸と吊り側部材の軸とを同軸とした状態で拘束可 能な拘束機構を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1に記載した考案においては、接合部材を真柱の端面に接合させて吊り 部材を揚重機で吊り上げた場合に、真柱の軸と上記吊り上げ方向とが相違しても 、回転機構の作用によって吊り側部材が接合側部材の軸線と直交する方向に回転 することで、吊り部材及び吊り側部材に曲げ応力が負荷されない。
【0009】 これはまた、回転機構の回転軸位置で吊り上げるのと同様となり、接合部材に 入力される曲げモーメントが軽減されることにもなる。 また、請求項2に記載した考案においては、真柱を垂直とした時点で拘束機構 で連結部材の回動を拘束することによって、吊り部材の軸が、真柱の軸と同軸等 の平行な軸に設定されると共に、当該吊り部材の変位を真柱へ確実に伝達可能と なる。この結果、上記のように回転機構を設けても、従来と同様に、吊り部材を 介して真柱の建入れ調整が可能となる。
【0010】
【実施例】
本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 まず構成を説明すると、図1に示すように、本実施例の治具は、真柱1に接合 される接合部材2と、一端部を上記接合部材2に連結する連結部材3と、連結部 材3の他端部に連結し吊り部材を構成するヤットコ4と、を備える。なお、図1 中、1aは、真柱の一部を構成する鉄筋(主筋)を示している。
【0011】 上記接合部材2は、接合部材2及び連結部材3を側方からみた図2及び図3や 接合部材2を真柱1側からみた平面図である図4に示すように、矩形の平板状の 部材から構成され、一方の面を真柱1の上端面となる端面に対して当接可能とな っていると共に、4個のボルト穴2aが開口している。 また、上記接合部材2の他方の面の中央部には、連結部材3が立設している。 この連結部材3は、上記接合部材2に連結する接合側部材5と、ヤットコ4に連 結可能な吊り側部材6とから構成されている。
【0012】 上記吊り側部材6は、本体が筒形状の鋼管パイプ等から構成され、その筒体の 一端側には、ヤットコ4側からみた平面図である図5に示すような、6角形状を した接合板7が固定されている。その接合板7には、上記ヤットコ4を同軸に接 合するための6個のボルト穴7aが開設されている。 また、その吊り側部材6の他端部側には、上記図2及び図3に示すように、接 合側部材5が連結している。この接合側部材5は、上記吊り側部材6の他端部を 挟んで対向する一対の対向板8からなり、その一対の対向板8は、一端部側が上 記接合部材2に固着されて、当該接合部材2から垂直に立設している。なお、上 記一対の対向板8間には補強板9が架設されている。
【0013】 また、上記一対の対向板8及び吊り側部材6には、同軸に貫通孔8a,6aが 開設されていて、吊り側部材6に開設した一対の貫通孔6a間には同軸にスリー ブ10が嵌挿され固定されている。また、上記スリーブ10と上記一対の対向板 8に開口した貫通孔8aが同軸に設定された状態で、その一対の貫通孔8a及び スリーブ10内にピン11が挿通されている。そのピン11は、その軸部先端が 潰されることで、上記一対の貫通孔8a及びスリーブ10から抜けることが防止 されている。これによって、上記ピン11を軸として、接合部材2の軸に直交す る方向に吊り側部材6は回転可能となり、このピン11、貫通孔6a,8a、及 びスリーブ10によって回転機構が構成されている。
【0014】 また、上記一対の対向板8の先端部には、上記吊り側部材6を挟んで対向する 、一対の拘束用の穴8bが開口している。各対向板8の内面には上記拘束用の穴 8bと同軸にナット12が固着している。そして、各ナット12には、上記穴8 bを介してネジ13がそれぞれ螺合し、その各ネジ13は、先端部を吊り側部材 6に向けている。また、吊り側部材6には掛止部材14が設けられている。その 掛止部材14には、上記ネジ13の先端部を挿入可能な凹部14aが形成されて いて、接合側部材5である一対の対向板8と吊り側部材6とを同軸に設定した場 合に、上記掛止部材14の凹部14aとネジ13の先端部とが対向し、そのネジ 13を吊り側部材6に向けて前進させることで、ネジ13の先端部が上記凹部1 4aに入り込んで、接合部材2に対する吊り側部材6の回動が拘束されるように なっている。そして、上記ネジ13、ナット12、及び掛止部材14によって拘 束機構が構成されている。
【0015】 また、上記吊り側部材3に連結するヤットコ4は、上記図1に示すように、吊 り側部材3と同軸に、上記接合板7に一端部をボルト接合する棒体16と、その 棒体16の他端部に連続して棒体16の軸と直交する方向へ放射状に延設される 4個の張出部17とから構成されている。このヤットコ4の中央部には、ワイヤ 19先端部のフックを引っかけるための掛止部18が設けられている。
【0016】 次に、上記構成の治具を使用した真柱1の建込みについて説明する。 まず、図1に示すように、軸を横に向けた真柱1の上端面となる一端面に接合 部材2をボルトを介して剛接合したのちに、連結部材3の接合板7にヤットコ4 の棒体16を同軸にボルトによって剛接合する。これによって、治具が真柱1に 取り付けられる。なお、上記取付けの際に、接合側部材5に対する吊り側部材6 の回転可能な方向が上下方向を向くようにする。
【0017】 次に、ヤットコ4の掛止部18に揚重機であるクレーンのワイヤ19先端部の フックを引っかける。 この状態で、クレーンを操作してワイヤ19を吊り上げると、図1中一点鎖線 で示す位置まで、ワイヤ19の引き上げに抵抗することなく、ヤットコ4及び吊 り側部材6は、ピン11を軸として旋回しながら上方に移動する。
【0018】 さらに、真柱1を吊り上げると、真柱1は起きてくるが、接合部材2とヤット コ4とは回転機構によってピン接合された状態であるため、ヤットコ4及び吊り 側部材6の軸は、揚重機による吊り方向と同軸を向くように回転されて、ヤット コ4の棒体16及び吊り側部材6に曲げ応力が発生しない。 また、接合部材2と真柱1との接合部に入力される曲げモーメントは、上記ピ ン11と接合部材2間の距離に応じた値となるが、当該距離は短いために、真柱 1を吊り上げる際に接合部材2と真柱1との接合部分に入力される曲げモーメン トは大幅に低減される。
【0019】 この結果、上記吊り上げの際に、接合部材2が真柱1から外れるような大きな 荷重が、当該接合部材2と真柱1との間に負荷されることは回避されると共に、 ヤットコ4に曲げ応力が入力されない。 従って、従来のように、真柱1の吊り上げの際に当該真柱1の一部が破損する 恐れが大幅に低減すると共に、ヤットコ4の強度を小さく設定できるので、当該 ヤットコ4を軽量化することが可能となる。
【0020】 さらに、上記のように吊り上げた真柱1は、図6に示すように、地面に掘削し た掘削孔20に挿入する。 続いて、上記接合側部材5と吊り側部材6とを同軸にした状態で、拘束用のネ ジ13を締め付け、そのネジ13の先端を掛止部18の凹部14aに挿入するこ とで、接合側部材5に対する吊り側部材6、つまりヤットコ4の回動を拘束する 。これによって、ヤットコ4と真柱1とが一体的となる。
【0021】 そして、ヤットコ4の各張出部17をそれぞれ下側からジャッキ21等で支持 させた後に、その各ジャッキ21による昇降等によって、ヤットコ4を介して真 柱1の垂直度を調整して建入れを行う。 このように、連結部材3の途中をピン構造としても、拘束機構によって再び、 ヤットコ4は真柱1に一体的に連結されて、真柱1から突出する鉄筋1aよりも 上方にあるヤットコ4によって真柱1の建入れ調整が可能となる。
【0022】 さらに、ベントナイトを掘削孔20に注入する等して真柱1を固定した後、ボ ルトを緩めて接合部材2、つまり治具を真柱1から取り外す。 なお、上記実施例では、連結部材3の吊り側部材6とヤットコ4の棒体16と が別体となっているが、両部材6,16を一体に成形し、両部材6,16によっ て吊り側部材を構成させてもよい。
【0023】 また、上記実施例では、連結部材3と接合部材2とは一体となっているが、ボ ルト等によって着脱可能に構成して、別体としてもよい。 また、上記実施例では、回転機構としてピン構造を採用しているが、玉継手構 造や自在継手構造等、他の回転を許容する継手構造で回転機構で構成してもよい 。
【0024】 また、上記実施例では、拘束機構として、一対のネジ13によって吊り側部材 6を挟み込むことで回動を阻止する構造であるが、拘束機構はこれに限定される ものではなく、例えば、一対の対向板8及び筒体に対して同軸に設定可能なピン 穴を設け、そのピン穴にピンを挿入することで上記回動を拘束するようにしても よい。
【0025】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の真柱用吊り治具では、真柱を吊り上げる際 に、接合部材、連結部材及び吊り部材に入力される荷重が従来よりも大幅に減少 するので、上記接合部材、連結部材及び吊り部材を軽量化や小型化することがで きるという効果がある。
【0026】 さらに、上記真柱の吊り上げの際に、上記のように接合部材と真柱との間に発 生する曲げモーメントが大幅に減少することによって、真柱の破損を大幅に低減 できるという効果がある。さらに、接合部材を真柱に接合するためのボルトの数 を減少可能となる結果、上記接合部材と真柱との接合及び取外し作業が容易にな るという効果がある。
【0027】 また、回転機構を設けることで、吊り部材の軸方向の変位を接合部材及び真柱 へ伝達できなくなるが、請求項2に記載した考案を採用することで、拘束機構に よって、真柱と吊り部材とを同軸等,軸を平行とした状態で拘束することにが可 能となる。これにより、吊り部材と真柱とが、従来と同様に一体的となって、吊 り部材の変位が確実に真柱側に伝達可能となる。この結果、上記のような真柱を 吊り上げる際の効果を保持しつつ、従来と同様に、吊り部材を介して真柱の建入 れ調整が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る実施例の真柱用吊り治具を示す側
面図である。
【図2】本考案に係る実施例の接合部材及び連結部材を
示す側面図である。
【図3】本考案に係る実施例の接合部材及び連結部材を
示す上方からみた断面図である。
【図4】本考案に係る実施例の接合部材を示す図であ
る。
【図5】本考案に係る実施例の接続板を示す図である。
【図6】本考案に係る実施例の真柱を建入れしている状
態を示す図である。
【図7】従来の真柱用吊り治具を示す側面図である。
【符号の説明】
1 真柱 2 接合部材 3 連結部材 4 ヤットコ(吊り部材) 5 接合側部材 6 吊り側部材 11 ピン 13 ネジ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真柱の上端面となる端面に着脱可能に接
    合される接合部材と揚重機に接続される吊り部材との間
    を連結する軸状連結部材を、上記接合部材に連結される
    接合側部材と、上記吊り部材に連結される吊り側部材
    と、上記接合側部材の軸と直交する方向に上記吊り側部
    材を相対回転可能に上記接合側部材と吊り側部材とを連
    結する回転機構と、から構成したことを特徴とする真柱
    用吊り治具。
  2. 【請求項2】 上記接合部材を真柱に接合した際に上記
    接合側部材の軸を当該真柱の軸と平行な方向に設定可能
    に当該連結部材を配設すると共に、上記回転機構による
    上記連結部材の回動を、上記接合側部材の軸と吊り側部
    材の軸とを同軸とした状態で拘束可能な拘束機構を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載された真柱用吊り治
    具。
JP1995004700U 1995-05-18 1995-05-18 真柱用吊り治具 Expired - Lifetime JP3018293U (ja)

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