JP3017059U - 発電用水車の電動制圧機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動制圧機を小出力の電動機で駆動可能と
し、弁体が開いている時に電源が停止しても安全に閉鎖
できるものとする。 【構成】 電動制圧機の弁体をスリ−ブ形とし、弁体と
一端を結合された弁軸の他端にダッシュポットを連設し
て、ダッシュポットのピストンの上下をバイパス管路で
結び、バイパス管路に絞り弁と逆止弁を並列に接続し、
弁軸の中間部と弁開閉レバ−をピンで掛合し、弁開閉レ
バ−には弁胴とピンで掛合した支点を設け、その一端を
リンクを介して電動機から減速装置を経て駆動されるア
ンチセルフロックねじの先端に掛合し、開閉レバ−の他
端に重錘を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は発電用水車の電動制圧機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電動制圧機の弁体は、弁体の前後面に受ける圧力に差があるアンバラン ス形か、又はスリ−ブ形の弁体を用いているが、アンバランス形のものは弁体を 駆動するのにスリ−ブ形のものより大出力の電動機を使用し、スリ−ブ形のもの はアンバランス形のものより小出力の電動機を使用している。アンバランス形、 スリ−ブ形のいずれも電動機により減速装置を介してセルフロックねじ、又はア ンチセルフロックねじを回転させることにより弁体を開閉しているが、電動制圧 機でスリ−ブ形の弁体を有し、アンチセルフロックねじと開閉速度調節可能なダ ッシュポットと重錘を組み合わせて使用しているものはない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の電動制圧機のうち、弁体がアンバランス形のものは弁体の前面には水圧 管路の正圧を受け、後面には無圧又は吸い出し管の負圧を受けるために前後面に 加わる圧力差が大きいために弁体を駆動するのに大きな力を必要とするので大出 力の電動機を使用しなければならないが、スリ−ブ形の弁体のものは駆動電動機 は小出力のものですむ。制圧機の機能は、水車・発電機が負荷遮断などにより負 荷が急減する時に、ガイドベ−ンは急閉鎖して回転上昇を防止するが、これに伴 って誘起される水圧管路の水圧急上昇を抑制する為に制圧機は急速に開口して水 圧管路の水を放流して水圧上昇を防止しすることであるが、水圧管路の水圧が安 定すれば、無駄な放流を停止する為、水圧上昇を誘起しないような適当な速度で 閉鎖せねばならない。ここで、制圧機が動作して弁体が開いている時に電源が停 止した場合に、どのような状況が起こるかを考えてみるに、アンバランス形の弁 体でアンチセルフロックねじを使用している場合には弁体前後面の圧力差で弁体 が急閉鎖して水圧管路に水圧急上昇を起こす危険があり、セルフロックねじを使 用している場合には弁体は開いたままで水圧管路の水を無駄に放流し続けるとい う問題点がある。又、スリ−ブ形の弁体でアンチセルフロックねじを使用してい る場合には弁体を保持する力を失うので弁体の位置が固定できずに不安定になり 、セルフロックねじを使用している場合にはねじのセルフロック作用によって弁 体は開いたままで、アンバランス形と同じく水を無駄に放流し続けるという問題 点がある。本考案はこれらの問題を合理的な組み合わせによって解決し、駆動電 動機が小出力で、電源停止時にも安全に自己閉鎖できる電動制圧機を供給するこ とを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の電動制圧機においては、弁体をスリ− ブ形とし、弁体と一端を結合された弁軸の他端にダッシュポットを連設して、ダ ッシュポットのピストンの上下をバイパス管路で結び、バイパス管路に絞り弁と 逆止弁を並列に接続し、弁軸の中間部と弁開閉レバ−をピンで掛合し、弁開閉レ バ−には弁胴とピンで掛合した支点を設け、その一端をリンクを介して電動機か ら減速装置を経て駆動されるアンチセルフロックねじの先端に掛合し、開閉レバ −の他端に重錘を取り付けるものである。

【０００５】

【作用】

スリ−ブ形の弁体は、円筒形の弁体の内外面に水圧を受けるが、これらの水圧 は円筒の半径方向に働く力となって、内外面の全周でそれぞれ平衡しているので 、弁体を開閉方向に動かす力は発生しない。又、ダッシュポットのピストンには バイパス管路を設けて、これに逆止弁と絞り弁を並列に備えていて、電動機の力 で弁体を開く時には逆止弁が開く方向になっていて絞り弁の抵抗を減じ、弁体が 閉じる時には逆止弁が閉じるが重錘の重力が閉方向に働く。これらによって弁体 を開閉するのに必要な力はアンバランス形の弁体に比べて小さく、従ってこれを 駆動する電動機も小出力のものとなる。又、電源停止時には、重錘の重力によっ てアンチセルフロックねじをナット側から回転させて弁体を閉じることができ、 閉じる速度は絞り弁の開度により調節できるので適当な時間で閉鎖することがで きる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例について説明すると、図１において、弁胴４の水の入り口 側は入口管路１１に接続されて水圧管路に通じている。出口側は出口管路１２に フランジ接続されて吸い出し管又は放水管に通じている。弁体１が下方に移動し て閉鎖する部分にはシ−ト２が嵌入されている。弁体１は図示のようにスリ−ブ 形をしていて弁体止ナット２０によって弁軸３の下端に接合され、弁軸３の上端 にはダッシュポット７が連接されている。ダッシュポット７はピストン１７を有 し、ピストン１７の上側と下側を結ぶバイパス管路があり、これには絞り弁１８ と逆止弁１９とが並列に取り付けられている。絞り弁１８は開度を調節すること ができ逆止弁１９は弁体１が上昇して開く時には開き、弁体１が下降して閉じる 時には閉じる方向となっている。

【０００７】 弁軸３の中間部はピン６によって弁開閉レバ−５に掛合され、弁開閉レバ−５ は弁胴４に固設された支点ピン８を支点としている。弁開閉レバ−５の一端は、 電動機１３を動力源とし減速装置１４及びアンチセルフロックナット１６を介し て駆動されるアンチセルフロックねじ１５の先端と掛合され、弁開閉レバ−の他 端には重錘１０が取り付けられている。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は、以上述べたように構成されているので、スリ−ブ形の弁体の採用に より弁体駆動用の電動機が小出力となる利点があり、更に弁開閉レバ−とアンチ セルフロックねじと重錘及び弁軸に連設したダッシュポットの組み合わせにより 、電源停止時にも弁体を適当な速さで閉鎖するから、水圧管路の水圧急上昇を防 止するから安全面でも著しい効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】電動制圧機の断面図である。

【符号の説明】

１ 弁体 ２ シ−ト ３ 弁軸 ４ 弁胴 ５ 弁開閉レバ− ６ ピン ７ ダッシュポット ８ 支点ピン ９ リンク機構 １０ 重錘 １１ 入口管路 １２ 出口管路 １３ 電動機 １４ 減速装置 １５ アンチセルフロックねじ １６ アンチセルフロックナット １７ ピストン １８ 絞り弁 １９ 逆止弁 ２０ 弁体止ナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリ−ブ形の弁体を有し、弁体と一端を
   接合された弁軸の他端にダッシュポットを連接してダシ
   ュポットのピストンの上下をバイパス管路で結び、バイ
   パス管路に絞り弁と逆止弁を並列に接続し、弁軸の中間
   部は弁開閉レバ−とピンで掛合され、弁開閉レバ−は弁
   胴に固設されたピンを支点として、その一端はリンク機
   構を介して電動機から減速装置を経て駆動されるアンチ
   セルフロックねじの先端と掛合し、弁開閉レバ−の他端
   に重錘を取り付けた発電用水車の電動制圧機。