JP3016586U - ボール供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】球技の練習のためのボール出しを自動的で正確
な位置への送り出しが行なえると共に、ボールへ与える
回転変化や送出速度変化により様々なボール飛道を得る
ことができるボール供給装置を提供する。 【構成】機体１へ、支持体２を調整手段７により傾斜角
度を調整自在に取り付けて、この支持体２にボールｂの
一個を保持させる繰出部３を設け、この繰出部３の下方
に一対の回転体４を、ボールｂを所定圧で挟持し得る間
隔で水平方向へ互いに逆回転するように対設すると共
に、これら回転体４へ駆動手段５を連係させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、球技等の練習において用いるボール供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、球技、例えば、サッカー等の練習において、プレーヤーへ実戦状態に模 したボール出しを行なう場合は、指導者が自らボールを蹴って希望するグランド 場所や位置，高さへ送り出していた。

【０００３】 しかし、繰り返し行なう練習にあっては、次第にボールの送り出しが不正確と なって十分な練習ができないことが多く、また、人手による場合は、実戦により 近い練習を行なうためには、ボールに対して様々な回転変化を与え、カーブやシ ュート，ドロップ等の飛道変化を常に与えることが困難である。

【０００４】 更には、指導者はプレーヤーのより近く、あるいは、グランドが見渡せる位置 においてプレーヤーを指導する必要があるが、自らがボール出しを行なうことが 多いため、一般的にはこれらの場所とは不適格な位置において、前記したボール 出しを行なっているため、指導者の意図通りの練習や指導が行なえない。 等の様々な問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記した問題点を解決するためになされたもので、機体へ支持体を調 整手段により傾斜角度を調整自在に取り付けて、該支持体にボールの一個を保持 させる繰出部を設け、この繰出部の下方に一対の回転体を、ボールを所定圧で挟 持し得る間隔で水平方向へ互いに逆回転するように対設すると共に、これら回転 体へ駆動手段を連係させることにより、球技の練習のためのボール出しを自動的 で正確な位置への送り出しが行なえると共に、ボールへ与える回転変化により様 々なボール飛道を得ることができるボール供給装置を提供することを目的として いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記した目的を達成するための本考案の手段は、 機体と、該機体へ調整手段により傾斜角度を調整自在に取り付けた支持体と、 該支持体に設けてボールの一個を保持させる繰出部と、この繰出部の下方に対設 させてボールを所定圧で挟持し得る間隔により取り付け、水平方向へ互いに逆回 転する一対の回転体と、これら回転体へ連係させた駆動手段と、 を備えさせたボール供給装置の構成にある。

【０００７】 また、駆動手段へ個別に設けて、回転体の回転速度を変換する調速手段を備え る。

【０００８】 更に、機体と、この機体へ調整手段により傾斜角度を調整自在に取り付けた支 持体と、該支持体に設けて作動部材によりボール一個の保持と開放とを行なう繰 出部と、この繰出部の下方に対設させてボールを所定圧で挟持し得る間隔により 取り付け、水平方向へ互いに逆回転する一対の回転体と、これら回転体へ連係さ せた駆動手段と、作動スイッチに連係させて前記繰出部の作動部材を操作させる 制御手段と、 を備えさせたボール供給装置の構成にある。

【０００９】 更にまた、一対の回転体における送出側の下部に設けて、回転体により送り出 されたボールの下側部に抵抗を与える当接体を備える。

【００１０】

【作用】

前記のように構成される本考案は以下に述べる作用を奏する。

【００１１】 一対の回転体を駆動手段により回転させて、支持体の繰出部へボールを送り込 むと、ボールはこの繰出部の下側から落下して回転手段の間に送り込まれる。

【００１２】 すると、ボールは一対の回転体の回転力によりその間へ引き込まれて、内側か ら外側へ向かって送出され、所定の飛道により飛び出す。

【００１３】 このとき、機体に取り付けた支持体を調整手段により所定角度に設定しておけ ば、ボールを高く上げたり、地上低く這わせたりする希望のボール出しが行なわ れる。

【００１４】 また、一対の回転体に連係させた調速手段により、一対の回転体の回転速度を 同調変化させることによりボールの飛行速度を速遅させたり、一対の回転体の一 方または両方を操作してそれぞれの回転速度を変換させることにより、送出され るボールに対してカーブやシュート等のボール飛道を与えることができ、その回 転速度差によりボールの曲がり具合も任意に変えられる。

【００１５】 更に、一対の回転体に当接体を対応させることにより、一対の回転体により送 出されたボールの下側に接触して所定の抵抗を与え、該ボールに縦方向の回転力 を付与し、ボール落下前にドロップカーブを与えることができる。

【００１６】 そして、繰出部にボールの保持とその開放とを与える作動部材を設けて、この 作動部材に作動スイッチを連係させることにより、該作動スイッチの入力により 制御手段を介して所定時間後にボールが送出される。

【００１７】

【実施例】

次に本考案に関するボール供給装置の一実施例を図面に基づいて説明する。

【００１８】 図１〜図４においてＡは、サッカー等の球技練習に用いるボール供給装置で、 機体１と、支持体２と、繰出部３と、回転体４と、駆動手段５とにより基本的に 構成されるもので、球技であれば任意のものに採用できるが、ボールｂは比較的 大径で真球に近いものが適している。

【００１９】 そして、前記した機体１は、金属等の構造材により方形状に枠組みして、その 下側にグランドやコート上を移動および換向自在となるキャスター６を取り付け てある。

【００２０】 なお、図示してないが、この機体１を牽引式等の台車上に載置して、人手ある いは自走式により移動可能とすることができる。

【００２１】 前記した支持体２は、機体１へ調整手段７により傾斜角度を調整自在に取り付 けてあるもので、機体１の後部へ回動自在に横架させた取付杆８へ該支持体２の 後部下側を固着してある。

【００２２】 この調整手段７は、取付杆８の一側部に固定したウォームホイール９と、この ウォームホイール９へ噛合するウォーム１０と、該ウォーム１０の回転軸１１の 端部に取り付けたハンドル１２とによりなり、このハンドル１０を正逆に回転さ せることにより、支持体２が取付杆８を中心として所定角度で回動する。

【００２３】 なお、このウォームホイール９とウォーム１０との調整手段７は、その噛合に あって、外力では支持体２は妄動しないので安全であるが、ストッパー（図示せ ず）を付設することで支持体２の妄動防止が一層確実となる。

【００２４】 前記した繰出部３は、支持体２へ、ボールｂを移動可能に容入し得る大きさに 形成した枠体１３を取り付けてあり、この枠体１３の一側部に作動部材１４を付 設して、ボールｂ一個をその自重により落下させない保持と、繰り出すための開 放とを行なうようにしてある。

【００２５】 この作動部材１４は、枠体１３の前側部に穿設した横状のスリット１５へ出没 自在に取り付けたコイルスプリング状の受体１６を、その両端部を枠体１３に固 着してあって、この受体１６の中間部へ電磁ソレノイド等の操作部材１７を連係 させてある。

【００２６】 このコイルスプリング状の受体１６は、その弾性により電磁ソレノイド式の操 作部材１７の原点復帰を自動的に行なわせ、操作部材１７の切り状態のときは、 自らの復元力により繰出部３内に位置するようにしてあるもので、この繰出部３ へ縦方向へ連ねてボールｂを送ったとき、先のボールｂが落下した後の、次のボ ールｂの連続送りを防止する一定繰出の作用を行なう。

【００２７】 なお、枠体１３の後側部には、粗面加工を施した摩擦体１８を取り付けてある もので、ボールｂの外面へ当接して、受体１６とによりボールｂ保持を確実とさ せる。

【００２８】 したがって、操作部材１７の作動により受体１６をスリット１５内へ繰り出し たとき、この受体１６がボールｂの下部へ当接して自重落下を妨げ、受体１６を スリット１５外へ逃したとき、受体１６との係合が解除されたボールはその自重 により下部へ落下する。

【００２９】 前記した一対の回転体４は、繰出部３の下方に対設させてボールｂを所定圧で 挟持し得る間隔により取り付け、水平方向へ互いに逆回転するもので、支持体２ へ略垂直に取り付けた回転軸１９の下端部へ所定厚さを有する輪体２０を支持さ せ、その外周にはボールｂとの摩擦接触を良好とさせるゴム等の弾性体２１を設 けてある。

【００３０】 なお、この回転体４は自動車用の走行タイヤが利用できるもので、その径は任 意のものが選定できる。

【００３１】 前記した駆動手段５は、一対の回転体４，４へ連係させて所定の速度により回 転させるもので、該回転体４の回転軸１９の上端部へ、支持体２の上面へ取り付 けた歯車からなる換向部材２１を連結し、この換向部材２１の他方軸２２に取り 付けたプーリ２３へ、支持体２に設けたモータ２３のプーリ２４のベルト２５を 連係させてある。

【００３２】 該駆動手段５は、図１および図２に示すように、一対の回転体４，４それぞれ 個別に駆動されるように設けたり、図示してないが、互いに逆回転するように単 独の駆動手段５により連動させてもよい。

【００３３】 なお、この駆動手段５には、個別に回転体４，４の回転速度を変換する調速手 段２６，２６を設けてあるもので、図１〜図３に示すように、モータ台２７を支 持体２へ水平ガイド２８により進退自在に取り付けて、該モータ台２７をそのめ ねじ駒２９に螺合させた螺軸３０のハンドル３１により進退させることにより、 ベルト２５を介して無段変速機であるプーリ２４を操作することで、換向部材２ １への回転速度を任意に変換することができる。

【００３４】 また、図示してないが、単独の駆動手段５で一対の回転体４，４を連動駆動さ せた場合には、例えば、前記した換向部材２１へ個別に取り付けてもよい。

【００３５】 図２において３２は、駆動手段５をへの給電と切電を行なうスイッチで、機体 １または支持体２の適所に設ける。

【００３６】 また、図３において３３は制御手段で、該制御手段３３へ所定の遠隔操作がし 得る長さにより接続させた作動スイッチ３４を操作すると、この入電により第一 タイマー３５が起動すると共に、機体１または支持体２の適所に設けた第一表示 ランプ３６が点灯し、一定の遅延後第二タイマー３７が起動すると共に、同様に 取り付けられた第二表示ランプ３８が点灯して、一定の遅延後前記した繰出部３ における操作部材１７に作動信号が与えられ、ボールｂを支承している受体１６ がスリット１５から枠体１３の外方へ逃げて、ボールｂ支持を解消させるので、 ボールｂの自重落下により回転体４の間へ送り込まれる。

【００３７】 なお、この第一および第二タイマー３５，３７の時間設定は任意に行なえるも ので、練習形態等の変化により自由な調整が行なえる。

【００３８】 図１〜図３において３９は当接体で、一対の回転体４，４における送出側の下 部において取付杆８に設けて、回転体４により送り出されたボールｂの下側部に 抵抗を与えるもので、ゴム板や合成樹脂等の摩擦抵抗を発生しやすく、可撓性を 有する部材を用いて、取付部材４０により所定の回動（当接位置の調整）が得ら れるように取り付けられていて、ボールｂの中心より下側の送出し前部に当接さ せる。

【００３９】 これにより、ボールｂには強い順回転が与えられて、その着地直前において縦 方向への強い飛道変化（ドロップカーブ）が与えられるもので、ボールｂの送出 位置へ対応させたり、退避させたりさせる。

【００４０】 なお、支持体２に取り付けた繰出部３には、図４に示すように、ボールｂをス トックさせるレール状の送込部材４１と、この送込部材４１を支持するスタンド ４２からなる送出手段４３を連結することで、一定量のボールを連続に装置Ａへ 送り込むことができる。

【００４１】 図１において４５は、装置Ａを外被したカバーで、回転部等を覆って人等の罹 災を防止する。

【００４２】 前記のように構成される本考案の装置Ａは、一対の回転体４，４をそれぞれに 連係させた駆動手段５，５により回転させて、送出手段４３から支持体２の繰出 部３へボールｂを送り込むと、ボールｂはこの繰出部３内に挿入されるが、操作 手段１７に給電されない状態では、その受体１６がスリット１５から枠体１５内 へ臨んでいるため、ボールｂはこの受体１６と摩擦体１８とにより繰出部３に納 まっている。

【００４３】 そして、作動スイッチ３４を操作すると、制御手段３３における第一タイマー ３５が起動し、また、第一表示ランプ３６が点灯するので、練習者は、装置Ａか らボールｂが飛び出されることが確認されて運動の準備をする。

【００４４】 更に、一定の遅延後（１〜２秒後）、このタイマー３５により第二タイマー３ ７が起動し、第二表示ランプ３８が点灯するので、練習者は、まさにボールｂが 飛び出すことを確認する。

【００４５】 そして、一定の遅延後（１〜２秒後）、このタイマー３７により操作部材１７ が起動して、受体１６を繰出部３における枠体１３内から引き出すので、ボール ｂはその支持力を失なって、該枠体１３の下側から落下し、一対の回転手段４， ４の間に送り込まれる。

【００４６】 すると、ボールｂは、一対の回転体４，４の回転力によりその間へ引き込まれ て挟まり、装置Ａの内側から外側へ向かって送り出され、所定の飛道により飛び 出す。

【００４７】 このとき、機体１に取り付けた支持体２を調整手段７により所定角度に設定し ておけば、支持体２に取り付けられている一対の回転体４，４の取付角度が変化 して、この角度に相応してボールｂを高くや中様に上げたり、あるいは、地上低 く這わせたりする希望のボール出しが行なわれる。

【００４８】 また、一対の回転体４，４に連係させた調速手段５，５の両方を操作して、該 一対の回転体４，４の回転速度を同調変化させると、ボールｂの飛行速度が速く なったり遅くなったりさせることで、ボール飛道の強弱が得られる。

【００４９】 更に、調速手段５，５の一方、例えば、右側を操作して該右側の回転体４の回 転速度を速くすれば、両回転体４，４に挟まって送り出されるボールｂは、その 回転差によりカーブやシュート等の湾曲したボール飛道を与えることができるも ので、調速手段５の他方を操作したり、その調整度合いによる回転速度差により ボールの曲がり方向や具合も任意に変えられる。

【００５０】 また、一対の回転体４，４に対応させた当接体３９により、送出されたボール ｂの下側前部が接触して所定の抵抗が与えられるので、このボールｂには縦方向 の順回転力が付与されるため、送出されたボールｂには、その落下前にドロップ カーブ（ドライブ回転）を与えることができる。

【００５１】 そして、一個のボールｂが送り出された後は、作動スイッチ３４を操作するま では繰出部３の受体１６は作動しない。

【００５２】 しかし、制御手段３３へ連続ボール出しをあらかじめ入力しておけば、その入 力したボール個数が一定時間の間隔で連続的に送り出される。

【００５３】 このように、ボールｂの送り出す角度や回転体４の速度、あるいは、その速度 差調整、当接体のボールｂへの対応、更には、制御手段３３における各タイマー ３５，３７の時間の所定設定により、球技における様々な実戦的な状態の練習を 再現することができる。

【００５４】

【考案の効果】

前述したように本考案のボール供給装置は、回転体を支承する支持体の傾斜角 度を任意に調整することができ、また、ボールの送り出しを連続かつ自動的に行 なえて、ボールの飛道は常に一定させることができるので、意図した通りの球技 練習ができて実戦に近い、現実的な練習が可能となり、繰り返し行なう練習にあ っても、常に、ボールの送り出しが一定の正確となるから効率的な練習を行なう ことができる。

【００５５】 また、一対の回転体へ個別の調速手段を連係させることにより、送り出される ボールに対して様々な回転変化を与えることができるので、カーブやシュート， ドロップ等の飛道変化を自由に付けることができるから、人手によるボールの蹴 り出しに比べ希望するボール飛道が得られてより実戦的な練習ができると共に、 調速手段の調整を徐々に変化させることにより、段階的な向上練習を行なうこと ができる。

【００５６】 更に、指導者が直接ボール出しに関わらなくてもよいので、プレーヤーのより 近く、あるいは、グランドが見渡せる位置においてプレーヤーを指導することで 指導者の意図通りの練習や指導を行なうことができる。 等の格別な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に関するボール供給装置の一実施例を示
す正面図である。

【図２】図１における縦断側面図である。

【図３】図１における平面図である。

【図４】図１における装置にボールの送出手段を連結し
た状態の側面図である。

【符号の説明】

ｂ ボール １ 機体 ２ 支持体 ３ 繰出部 ４ 回転体 ５ 駆動手段 ７ 調整手段 １４ 作動部材 ２６ 調速手段 ３３ 制御手段 ３４ 起動スイッチ ３９ 当接体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体と、この機体へ調整手段により傾斜
   角度を調整自在に取り付けた支持体と、該支持体に設け
   てボールの一個を保持させる繰出部と、この繰出部の下
   方に対設させてボールを所定圧で挟持し得る間隔により
   取り付け、水平方向へ互いに逆回転する一対の回転体
   と、これら回転体へ連係させた駆動手段とを備えさせた
   ことを特徴とするボール供給装置。
2. 【請求項２】 機体と、この機体へ調整手段により傾斜
   角度を調整自在に取り付けた支持体と、該支持体に設け
   てボールの一個を保持させる繰出部と、この繰出部の下
   方に対設させてボールを所定圧で挟持し得る間隔により
   取り付け、水平方向へ互いに逆回転する一対の回転体
   と、これら回転体へ連係させた駆動手段と、駆動手段へ
   個別に設けて回転体の回転速度を変換する調速手段とを
   備えさせたことを特徴とするボール供給装置。
3. 【請求項３】 機体と、この機体へ調整手段により傾斜
   角度を調整自在に取り付けた支持体と、該支持体に設け
   て作動部材によりボール一個の保持と開放とを行なう繰
   出部と、この繰出部の下方に対設させてボールを所定圧
   で挟持し得る間隔により取り付け、水平方向へ互いに逆
   回転する一対の回転体と、これら回転体へ連係させた駆
   動手段と、作動スイッチに連係させて前記繰出部の作動
   部材を操作させる制御手段を備えさせたことを特徴とす
   るボール供給装置。
4. 【請求項４】 機体と、この機体へ調整手段により傾斜
   角度を調整自在に取り付けた支持体と、該支持体に設け
   てボールの一個を保持させる繰出部と、この繰出部の下
   方に対設させてボールを所定圧で挟持し得る間隔により
   取り付け、水平方向へ互いに逆回転する一対の回転体
   と、これら回転体へ連係させた駆動手段と、前記一対の
   回転体における送出側の下部に設けて、回転体により送
   り出されたボールの下側部に抵抗を与える当接体とを備
   えさせたことを特徴とするボール供給装置。