JP3015876U - 碗形容器の真空成形金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空成形によって耐熱脚を備えた碗形容器を
製造するための碗形容器の真空成形金型を提供するもの
である。 【構成】 固定上型（１）の金型面（１１）の上端に貫
通孔（１３）を穿設し、該貫通孔（１３）には下端に金
型面を有する中央金型杆（３）を摺動可能に配設し、中
央金型杆（３）の上端には中央金型杆（３）を上下移動
させる駆動機構に連結させる伝動部（３２）を設け、中
央金型杆（３）の金型面には環状切欠溝（３４）を形成
したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は碗形容器の真空成形金型に関し、特に真空成形方法で製造する耐熱脚 を有する碗形容器の金型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の碗形容器の真空成形金型は図１で示すように固定上型１′と可動 下型２′とから成り、固定上型１′はその底面に凹状金型面１１′を有し、その 金型面１１′には真空室４′に連通する真空送管１２′を設けてあり、可動下型 ２′は固定上型１′の金型面１１′と互いに対応する凸状体２１′を有し、凸状 体２１′を上方向に移動させ、被加工材の発泡体５′を金型面１１′中に押圧さ せると共に真空室４′により真空送管１２′に沿って被加工材の発泡体５′を真 空吸引し、更に発泡体５′を金型面１１′の内面に密接に張り付け、図２で示す ような完成品の碗形容器５１′を瞬間的に形成する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来技術の真空成形法による碗形容器の金型はその吸引力の大きさの 関係で、碗形容器５１′の底部には僅かに外側に突出した環状平底脚５５１′が 形成できるだけで、環状平底脚５５１′は容器５１′に加熱液体を注入すると、 常に底部からの伝熱により熱くなり、手で環状平底脚５５１′を持てなくなる欠 点があり、また手にやけどを生じるおそれがある。この欠点は現在の真空成形で は克服できない問題である。

【０００４】 本考案の目的は真空成形によって耐熱脚を備えた碗形容器を製造するための碗 形容器の真空成形金型を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による碗形容器の真空成形金型は固定上型の金型面の上端に貫通孔を穿 設し、該貫通孔には金型面を有する中央金型杆を摺動可能に配設し、中央金型杆 の上端面には中央金型杆の上下移動を行う駆動機構に連結した伝動部を設け、中 央金型杆の金型面には耐熱脚を押し出し成形する切欠溝を形成したものである。

【０００６】 次に本考案の実施例を添付図面について詳細に説明する。

【０００７】

【実施例】

図３に示した本考案の碗形容器の真空成形金型は固定上型１と、可動下型２と から構成されている。

【０００８】 固定上型１はその底面に凹状金型面１１を有し、その金型面１１には真空室４ に連通する真空送管１２を設けている。

【０００９】 可動下型２は固定上型１の金型面１１と相対応する凸状体２１を有し、凸状体 ２１を上方向に移動させ、被加工材の発泡体５を金型面１１に押圧させる（可動 下型は従来技術のものであり、本考案の要旨とは無関係なので、ここではその詳 細を省略する）。

【００１０】 固定上型１の金型面１１の上端には貫通孔１３を開設し、貫通孔１３には中央 金型杆３を摺動可能に配設し、中央金型杆３には複数の真空送管３３を備えたヘ ッド部３１を備え、中央金型杆３はその外壁を貫通孔１３にぴったり密接させて 貫通孔１３中に摺動可能とし、真空送管３３を介して真空室４と金型面１１とを 連通させてある。

【００１１】 中央金型杆３はその上端面に伝動部３２を備えると共にその下端面には環状切 欠溝３４を形成し、伝動部３２は中央金型杆３のヘッド部３１が上下方向に摺動 できるように駆動機構に連結されており、環状切欠溝３４は碗形容器の外側底部 に環状の耐熱脚を形成する作用をなす。

【００１２】 次に本考案の真空成形金型の動作特徴を説明する。図４、図５及び図６に示す ように、先ず加熱した被加工材の発泡体５（ポリプロピレン樹脂の積層体）を可 動下型２の上方に配置した後、可動下型２の凸状体２１を被加工材の発泡体５を 介して固定上型１の金型面１１中に突入させて押圧し、発泡体５は軟化状態で硬 化しておらず、故に容易に発泡体５を金型面１１中に延伸且つ拡張することがで き、可動下型２の凸状体２１を固定上型の金型面１１に嵌合させた後に、真空室 ４が真空送管１２，３３に沿って真空吸引することにより、更に発泡体５を完全 に金型面１１の内面に密接に張り付け、瞬間的に金型面１１と相対応する完成品 の碗形容器５１を形成する。この時、中央金型杆３は伝動部３２が駆動を受けて 下方に移動し、中央金型杆の底部の切欠溝３４と貫通孔１３の壁部とにより形成 されたリング状溝の間隙に相対応する耐熱脚５１１を押し出し成形し、その動作 が完了した後に可動下型２を下方に移動させ、真空室４も真空送管１２，３３に 沿って排気させ、成形した発泡体５を可動下型２と共に降下させた後に碗形容器 ５１を取り出し、而して中央金型杆３も上方向に移動させて原位置に復帰させ、 １つの作業サイクルを完成させる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は上述した構成であるから、被加工材の発泡体５は切断工程を必要とす るだけで、碗形容器の完成品５１を発泡体５から分離することができ、碗形容器 の底部には安定性の良い環状の耐熱脚５１１を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術の真空成形金型の縦断面図である。

【図２】従来技術の真空成形金型で形成した碗形容器の
縦断面図である。

【図３】本考案の真空成形金型の縦断面図である。

【図４】本考案の可動下型を固定上型に型入れさせる動
作を示す縦断面図である。

【図５】被加工材の発泡体が真空室の真空吸引作用を受
けて固定上型に固定された状態を示す縦断面図である。

【図６】本考案の中央金型杆を下方に移動させて耐熱脚
を押し出し成形した状態を示す縦断面図である。

【図７】本考案の可動下型を下方に移動させて碗形容器
を離脱させる状態を示す縦断面図である。

【図８】本考案の真空成形金型により形成した耐熱脚を
有する碗形容器の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 固定上型 １１ 金型面 １２ 真空送管 １３ 貫通孔 ２ 可動下型 ２１ 凸状体 ３ 中央金型杆 ３１ ヘッド部 ３２ 伝動部 ３３ 真空送管 ３４ 切欠溝 ４ 真空室 ５ 被加工材の発泡体 ５１ 完成品の碗形容器 ５１１ 耐熱脚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面に凹状の金型面を有すると共にその
   金型面には真空室に連通する真空送管を設けた固定上型
   と、固定上型の金型面と相対応する凸状体を有しかつ上
   方向に向かって移動して被加工材の発泡体を金型面内に
   押圧させる可動下型とから構成し、固定上型の金型面の
   頂端には貫通孔を開設し、貫通孔には中央金型杆を摺動
   可能に配設し、中央金型杆には複数の真空送管を有する
   ヘッド部を備え、該真空送管を介して真空室と金型面を
   連通し、中央金型杆の上端面にはそのヘッド部を上下移
   動させる駆動機構に連結した伝動部を設け、中央金型杆
   の金型面には中央金型杆の上下移動によって金型面中で
   軟化状態の被加工材の発泡体に耐熱脚を押し出し成形す
   る環状切欠溝を形成した碗形容器の真空成形金型。