JP3015091U - バインダー等の背部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バインダー等の背部を、外方に膨出する断面
略半円形に湾曲形成することにより、持ち運びに際して
手で持ち易くする。 【構成】 表表紙部２と背部３と裏表紙部４とを一連に
連接して表カバー部材１を形成すると共に、前記背部３
に断面略半円形状の合成樹脂板などからなる芯材６を重
合して固定し、該芯材６により背部３を外方に膨出する
断面略半円形状に湾曲した構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、背部の断面を略半円形状に形成して手で抱え易く、しかも構造が簡 単で、製作の容易なバインダー等の背部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のバインダー等では、背部を補強する必要性から、平板状の金属 板又は木板を添設固定しているものが多く、また、中には例えば５ｃｍ位の広幅 のものが有る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のバインダー等では、木板や金属板等で形成し た別部材を背部の内面又は外面に接着したり鳩目などにより取付けるようにして おり、構造が複雑であることから、製作が煩雑となっていた。また、背部は平坦 面となり、しかも両側縁が角張るので使用時に手で抱えて持ち運ぶときに、手に 馴染みにくいものであった。 特に前記背部が広幅のものでは、手で抱えて持ち運ぶときに極めて持ちにくい ものであり、数冊重ねて抱えるとずれを起こして不安定な状態となり、忽ち摺り 落としてしまうといった課題が有った。 それ故に本考案の目的は、このような従来のバインダー等の課題を解決するべ くなされたもので、手に馴んで持ち易いバインダー等の背部構造を提供するもの である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のバインダー等の背部構造は、表表紙部と背部と裏表紙部とを一連に連 接して表カバー部材を形成すると共に、前記背部に断面略半円形状の合成樹脂板 などからなる芯材を重合して固定し、該芯材により背部を外方に膨出する断面略 半円形状に湾曲させた構成よりなる。

【０００５】

【作用】

このように構成される本考案のバインダー等の背部構造は、表カバー部材が一 枚板状に形成されていて、しかもその背部を外方へ膨出する断面略半円形に湾曲 させることにより、持ち抱える際に極めて手に馴染み易く、安定して持ち運ぶこ とができ、数冊重ねて抱えてもずれを起こしたりすることがない。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案のバインダー等の背部構造の一実施例を図面と共に説明する。図 １及び図２はバインダーＡの実施例であり、１は段ボール芯に紙または布貼りし た表カバー部材であり、この表カバー部材１は表表紙部２と背部３と裏表紙部４ とが一枚板状に形成されており、表表紙部２と背部３及び背部３と裏表紙部４と の境界に夫々溝５，５を設けて開閉し易くしている。

【０００７】 ６は、前記背部３の断面形状に合致する断面略半円形に形成した細長状の芯材 であり、この芯材６は塩化ビニル樹脂等の軽い合成樹脂板で一体に成形されてい る。尚、軽量・堅牢であれば他の材質のものでも良い。 この芯材６を背部３の内側に外方に膨出するようにして重合させ、その内側に バインダー金具７を配置重合させ、背部３と芯材６とバインダー金具７の三者を 鳩目金具８で一体に固定させる。なお、この鳩目金具８は所定間隔置きに複数使 用される。また、前記芯材６の内側面にはバインダー金具７との間に裏カバー皮 １０が介装され、その両端縁は各表表紙部２と裏表紙部４の基端部に貼着され、 芯材６を隠して見栄えを良くしている。

【０００８】 このように構成されたバインダーＡは芯材６が外部に露出せず、表カバー部材 １の表面が紙，軟質のビニールシートまたは布貼りされていて手触りがよく、し かも、背部３が外部に膨出する断面半円形に湾曲して形成されているため、図３ の使用状態図に示すように手によく馴染んで、持ち運ぶ際に手に抱えた状態で安 定感がよく、何らの違和感もなくて安全に持ち運ぶことができる。

【０００９】 図４及び図５に示したものは、ポリプロピレン樹脂シート等を表カバー部材１ としたファイルＢであり、この表カバー部材１も前述のものと同様に表表紙部２ と背部３と裏表紙部４とが一枚板状に連接して形成される。そして、この背部３ をすっぽり覆うように表表紙部２から裏表紙部４に跨がるカバー皮９でその端縁 を被着する。また、背部３とカバー皮９の間には前記芯材６が外方に膨出するよ うにして内装される。

【００１０】 このように構成されるファイルＢは、図１乃至図３に示したバインダーＡのよ うに鳩目金具８を使う必要は全くないので、さらに簡単に製作でき、鳩目金具８ を使わずさらにカバー皮９が被着されていることで、断面半円形に湾曲形成され ている背部３の感触が一層滑らかとなり、手に抱えた際には、掌の全体によくフ ィットして持ち易い。 尚、本実施例においては、バインダーＡ，ファイルＢについて説明したが、他 に、例えば背部の厚い手帳，アルバムなどの他に収納を目的としたキャリングケ ースにも使用できること勿論である。

【００１１】

【考案の効果】

以上に述べたように本考案のバインダー等の背部構造は、裏カバー部材の全体 が一枚板状に形成され、しかも、その背部が外方に膨出して手に馴染み易い断面 略半円形に湾曲して形成されているから、持ち運びに際して手に抱えるのが容易 で、しかも安定よく持ち運ぶことができる。 そして、構造が簡単であることから、製作も容易で、低コストにて提供するこ とができる。 さらに、背部が断面略半円形をなすことで、形がすっきりとしてソフトな感じ をもたらし、しかも見栄えもよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】バインダーの斜視図。

【図２】同上横断面図。

【図３】同上使用状態を示す側面図。

【図４】他の実施例を示すファイルの斜視図。

【図５】同上横断面図。

【符号の説明】

１ 表カバー部材 ２ 表表紙部 ３ 背部 ４ 裏表紙部 ６ 芯材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表表紙部と背部と裏表紙部とを一連に連
   接して表カバー部材を形成すると共に、前記背部に断面
   略半円形状の合成樹脂板などからなる芯材を重合して固
   定し、該芯材により背部を外方に膨出する断面略半円形
   状に湾曲させたことを特徴とするバインダー等の背部構
   造。