JP3014219U - 白煙発生防止機能付きの直交流式冷却塔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾式熱交換器であるフイン付きの密閉型熱交
換器には全く散布水が散布され無い構造とし、このフイ
ンと冷却塔に取り込まれた空気との接触面積を拡大し、
乾き空気の発生量を増大させ、かつにフインの腐蝕を防
止する。 【構成】 湿式熱交換器Ｃの上部には散水装置の一種で
ある散水槽Ｄが配置されている。この散水槽Ｄの上方に
乾式熱交換器Ｂが配置されている。この乾式熱交換器Ｂ
はフイン付きの密閉型熱交換器であり、湿式熱交換器Ｃ
はフインを有さない密閉型熱交換器である。この散水槽
Ｄに下部水槽Ｅから散布水を戻す供給ポンプＰが下部水
槽Ｅ内に配置してあり、このポンプＰから散水槽Ｄに散
布水を送る立上り管Ｆが冷却塔Ａ内に配管されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は湿式熱交換器と乾式熱交換器が階層的に配列され、前記湿式熱交換 器を通過した湿り空気と乾式熱交換器を通過した乾き空気を混合する混合室が同 一の排気口の一次側に形成してある白煙発生防止機能を有する直交流式冷却塔に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の冷却塔としては特開平２−５００８３号公報に記載されており所期の 白煙防止効果を奏している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の公開公報に記載されたものでは、前記湿式熱交換器の空気取入口と、乾 式熱交換器の空気取入口が同一の冷却塔外気取入口に対面し、前記湿式熱交換器 の空気通路と、乾式熱交換器の空気通路が交互平行とし、隣接する熱交換器の機 種を異にして、交互にこれら熱交換器が数段にわたり階層的に装填されているた め、充分加温された乾き空気の発生量が得られない場合が見受けられる。

【０００４】 また前記乾式熱交換器は水平方向に空気を流す空気通路と、この空気通路間に 形成され循環冷却水を下方に流す循環冷却水流下通路とを有し、これら２つの通 路が合成樹脂製の隔壁板で仕切られており、前記循環冷却水流下通路上流側には 外部に開口した循環冷却水供給部が形成されており、前記液体流下通路の下流側 にも外部に開口した吐出部が設けてあり、この液体流下通路の幅の大部分は、流 下液緩速部都してある場合には、乾式熱交換器の構造が特殊なものとなり、コス トを上げる原因となっている。

【０００５】 この考案は、構造が簡単な乾式熱交換器を設け、冬期、中間期における白煙の 発生を的確に防止するようにした直交式冷却塔を市場に提供することを目的とす る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本件の特定考案は合成樹脂製湿式熱交換器と合成 樹脂製乾式熱交換器を充填し、前記湿式熱交換器を通貨した湿り空気と乾式熱交 換器を通貨した乾き空気の混合空気を大気に排気する排気口に送風機が設けてあ る白煙発生防止機能を有する直交流式冷却塔において、 前記湿式熱交換器はフィンを有さない密閉式熱交換器としてあり、乾式熱交換 器はフィン付きの密閉型熱交換器としてあり、これら２種の密閉式熱交換器は上 下に区画された状態で装填されており、湿式熱交換器のみに散布水を散布する散 水装置が配置されていることを特徴とする白煙発生防止機能付きの直交流式冷却 塔としてある。

【０００７】 前記課題を解決するために、この直交流式冷却塔における前記湿式熱交換器の 上部に前記散水装置として散水槽が配置され、この上方に前記乾式熱交換器が配 備されていることを特徴としてある。

【０００８】 前記課題を解決するために、この直交流式冷却塔における前記乾式熱交換器の 上段に前記湿式熱交換器が非透水性仕切体を介して配備され、この湿式熱交換器 の上方に前記散水装置として散水槽が配置されていることを特徴としてある。

【０００９】 前記課題を解決するために、この直交流式冷却塔における前記散水槽へ散布水 を供給する供給ポンプが下部水槽内に配置され、この供給ポンプと散水槽を連通 する立上り管がこの冷却塔内に位置することを特徴としてある。

【００１０】 前記課題を解決するために、この直交流式冷却塔における前記散水槽へ散布水 を供給する供給ポンプは、下部水槽の外側に配置され、この供給ポンプと散水槽 を連通する連通管は冷却塔外に位置することを特徴としてある。

【００１１】 前記課題を解決するために、この直交流式冷却塔における前記非透水性仕切体 は中間槽と、この中間槽から下部水槽へ散布水を案内する案内管とからなること を特徴としてある。

【００１２】

【作用】

特定考案の作用を次に説明する。 冷凍機などの負荷部から供給されてきた循環冷却水を前記乾式熱交換器及び湿 式熱交換器に通し、循環使用する。 この乾式熱交換器中を通る循環冷却水は、加温状態にあり、この熱交換器のフ イン間を通り排気口に向け流れる外気流を間接的に加温し、乾き空気とする。一 方、前記湿式熱交換器上に散布された散布水により、この湿式熱交換器内を流れ る循環冷却水を間接的に冷却し、前記湿式熱交換器の裸管の間を通り排気口に向 け流れる外気流と直接接触し気化の潜熱作用により前記散布水は所定温度に冷却 され、外気流は湿り空気となる。 この乾き空気と湿り空気は併行して排気口に向け上昇してゆき、この排気口の 送風機で混合され、過飽和とならずに外部に排気され、白煙は発生しない。

【００１３】 請求項２記載の考案においては、請求項１記載の考案の作用に加えて、冷却塔 内の散水槽から下方の前記湿式熱交換器の上部に散布水を散布され、この散水槽 上方に位置する乾式熱交換器を通る外気流が乾き空気となる。

【００１４】 請求項３記載の考案においては、請求項１記載の考案の作用に加えて上部の散 水槽から前記湿式熱交換器上に散布された散布水は外気流を湿り空気に交換した 後、非透水性仕切体で仕切られた前記乾式熱交換器上を通らずに下部水槽に流下 収集され、上部の散水槽に再び戻され使用される。

【００１５】 請求項４記載の考案においては、請求項２及び３記載の考案の作用に加えて、 下部水槽内に収集された散布水はこの下部水槽内の前記供給ポンプの作動により 、前記冷却塔内の立上り管を通して前記散水槽内へ戻され、再使用される。

【００１６】 請求項５記載の考案においては、請求項２及び３記載の考案の作用に加えて、 下部水槽の外側、即ち地上に設置された供給ポンプの作動により、前記冷却塔外 に位置する連通管を通して前記散水槽に戻される再使用される。

【００１７】 請求項６記載の考案においては、請求項３記載の考案の作用に加えて、湿式熱 交換器上を流下し加温された散布水は一度前記中間槽に集められた後、前記案内 管を通り、乾式空気と間接接触しこの乾式空気を若干加温しながら下部水槽内へ 落下していき、再使用される。

【００１８】

【実施例】

実施例１ この実施例は請求項１、２及び４記載の考案の代表的な実施例である。 図１において、Ａは直交流式冷却塔であり、合成樹脂製乾式熱交換器Ｂと合成 樹脂製湿式熱交換器Ｃがこの冷却塔Ａの本体内に上下に階層的に配置されている 。 前記湿式熱交換器Ｃの上部には散水装置の一種である散水槽Ｄが配置されて いる。 この散水槽Ｄの上方に前記乾式熱交換器Ｂが配置されている。 前記乾式熱交換器Ｂはフイン付きの密閉型熱交換器であり、前記湿式熱交換器 Ｃはフインを有さない密閉型熱交換器である。 前記散水槽Ｄに下部水槽Ｅから散布水を戻す供給ポンプ（循環ポンプ）Ｐが下 部水槽Ｅ内に配置してあり、このポンプＰから前記散水槽Ｄに散布水を送る立上 り管Ｆが冷却塔Ａ内に配管されている。 なお、このポンプＰを請求項５記載の考案の如く、前記下部水槽Ｅの外側に配 置する場合もある（図４参照）。

【００１９】 実施例２ この実施例は請求項３及び請求項５、６記載の考案の代表的な実施例を示す。 実施例１と異なり、前記湿式熱交換器Ｃが前記乾式熱交換器Ｂの上段に、非透 水性仕切体Ｇを介して配置され、この湿式熱交換器Ｃの上部に散水装置の一種で ある散水槽Ｄが配置されている。この仕切体Ｇは、湿式熱交換器Ｃから流下して くる散布水を受ける中間槽Ｈと、この中間槽Ｈから下部水槽Ｄに散布水を案内す るパイプＩとからなり、これらパイプＩは、乾き空気が前記乾式熱交換器Ｂから 吐出する吐出口寄りに垂下している（図２参照）。 前記散水槽Ｄに下部水槽Ｅから散布水を戻す供給ポンプＰが、下部水槽Ｅの外 側に配置され、この供給ポンプＰと散水槽Ｅは冷却塔Ａ外側にある連通管Ｆで連 通されている。

【００２０】 なお、この仕切体Ｇを、図５に示すとおり、仕切用受皿Ｇ１とし、この仕切用 受皿Ｇ１に滞留した散布水全てを下部水槽Ｅに流下案内する下向き傾斜樋Ｇ２を この仕切用受皿Ｇ１の内縁に一体に設ける場合もある。この際この樋Ｇ２を流れ る散布水は乾き空気と間接的に接触する。 各実施例は対応する請求項記載の考案の作用をなす。

【００２１】

【考案の効果】

この特定考案である請求項１記載の考案においては、乾式熱交換器であるフイ ン付きの密閉型熱交換器には全く散布水が散布されず、多数枚のフインと冷却塔 に取り込まれた空気との接触面積が拡大し、負荷部から送られてくる加温状態の 循環冷却水がこの密閉型熱交換器内を循環中この空気を間接的に加温して、乾き 空気にすることができる。 更に、このフインには散布水が全く散布されないため、フインが腐蝕したり、 散布水中に混入するスケールなどの異物で目詰まりすることを未然に防止できる 。 このようにして発生した乾き空気と、前記フインを有さない密閉型熱交換器で 間接的に加温された湿り空気とを前記排気口で送風機により混合し、過飽和空気 とならずに外気に排気でき、中間期、冬期における白煙の発生を防止できる。 この結果、この直交流式冷却塔を空調用としてインテリジェント化、大規模地 域冷暖房、あるいは半導体工場等、建築設備に使用した場合においても、冬期、 中間期の運転時に冷却塔から排出される高温多湿空気による白煙現象を適切に防 止できる。 従って、空港、鉄道、高速道路等の交通期間における視野の妨害、あるいは都 市環境の美観を損なうということは、年間を通じて冷却塔を運転しても白煙発生 の防止により、解消できる。

【００２２】 請求項２記載の考案においては、請求項１記載の考案の効果に加えて、下段の 前記湿式熱交換器と上段の前記乾式熱交換器との間に前記散水槽が配置されてい ることにより、冷却塔本体外部で殊に排気口周囲に前記散水槽が存在しないため 、この排気口周囲の保守、修理が容易にできる。

【００２３】 請求項３記載の考案においては、請求項１記載の考案の効果に加えて、上段の 湿式熱交換器と下段の乾式熱交換器の間に前記非透水性仕切体を配置することに より、上段の湿式熱交換器上に散布された散布水が下段の乾式熱交換器に散布さ れるのを未然に防止できる。

【００２４】 請求項４記載の考案においては、請求項２及び３記載の考案の効果に加えて、 下部水槽内に配置した供給ポンプを水中ポンプとして、冷却塔外側に配管を露出 することなく、冷却塔内の立上り管を通して、散水槽へ散布水を戻し、再使用で きる。

【００２５】 請求項５記載の考案においては、請求項２及び３記載の考案に加えて、冷却塔 内の排気口下方の部屋を湿り空気と乾き空気の上昇路として最大限利用できる。

【００２６】 請求項６記載の考案においては、請求項３記載の考案の効果に加えて、湿式熱 交換器から流下してくる加湿状態の散布水を一度中間槽で受け、その後案内管を 経て下部水槽に落下収集でき、乾き空気と直接接触することを回避できる。 実施例２においては、この案内管Ｉを乾き空気が乾式熱交換器から吐出する吐 出口寄りに垂下してあるため、乾き空気を更に間接的に加温できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の概略正面図である。

【図２】実施例２の概略正面図である。

【図３】循環冷却水の配管系を示す概略図である。

【図４】実施例１の変形例を示す概略正面図である。

【図５】実施例２の変形例を示す概略図である。

【符号の説明】

Ｂ 乾式熱交換器 Ｃ 湿式熱交換器

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂製湿式熱交換器と合成樹脂製乾式
   熱交換器を充填し、前記湿式熱交換器を通過した湿り空
   気と乾式熱交換器を通過した乾き空気の混合空気を大気
   に排気する排気口に送風機が設けてある白煙発生防止機
   能を有する直交流式冷却塔において、 前記湿式熱交換器はフィンを有さない密閉式熱交換器と
   してあり、乾式熱交換器はフィン付きの密閉型熱交換器
   としてあり、これら２種の密閉式熱交換器は上下に区画
   された状態で装填されており、湿式熱交換器のみに散布
   水を散布する散水装置が配置されていることを特徴とす
   る白煙発生防止機能付きの直交流式冷却塔。
2. 【請求項２】前記湿式熱交換器の上部に前記散水装置と
   して散水槽が配置され、この上方に前記乾式熱交換器が
   配備されていることを特徴とする請求項１記載の白煙発
   生防止機能付きの直交流式冷却塔。
3. 【請求項３】前記乾式熱交換器の上段に前記湿式熱交換
   器が、非透水性仕切体を介して配備され、この湿式熱交
   換器の上方に前記散水装置として散水槽が配置されてい
   ることを特徴とする請求項１記載の白煙発生防止機能付
   きの直交流式冷却塔。
4. 【請求項４】前記散水槽へ散布水を供給する供給ポンプ
   が下部水槽内に配置され、この供給ポンプと散水槽を連
   通する立上り管がこの冷却塔内に位置することを特徴と
   する請求項２又は３記載の白煙発生防止機能付きの直交
   流式冷却塔。
5. 【請求項５】前記散水槽へ散布水を供給する供給ポンプ
   は、下部水槽の外側に配置され、この供給ポンプと散水
   槽を連通する連通管は冷却塔外に位置することを特徴と
   する請求項２又は３記載の白煙発生防止機能付きの直交
   流式冷却塔。
6. 【請求項６】前記非透水性仕切体は中間槽と、この中間
   槽から下部水槽へ散布水を案内する案内管とからなるこ
   とを特徴とする請求項３記載の白煙発生防止機能付きの
   直交流式冷却塔。