JP3012449B2 - 音響信号の識別方法および装置 - Google Patents

音響信号の識別方法および装置

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JP3012449B2
JP3012449B2 JP980594A JP980594A JP3012449B2 JP 3012449 B2 JP3012449 B2 JP 3012449B2 JP 980594 A JP980594 A JP 980594A JP 980594 A JP980594 A JP 980594A JP 3012449 B2 JP3012449 B2 JP 3012449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音響識別方法と装置に係
り、特に暗騒音の変動が大きく、また異常データが存在
しない条件で対象音源設備の監視機能の高度化に好適な
音響診断による監視ができる音響信号の識別方法と装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の音響診断装置は図23に示すよう
にマイクロフォン1、増幅器2、フィルタ3、フーリエ
変換器20および音のパワー比較器21より構成されて
いた。ここで、フィルタ3は周波数帯域を限定した方が
異常が検出し易い場合に設け、また、フーリエ変換器2
0はマイクロフォン1により取り込んだ音響信号をフー
リエ変換して周波数分析を行うために設けられる。パワ
ー比較器21は音のパワーを予め設定したしきい値と比
較するためのものである。図23の装置においては、音
のパワー比較器21において、図24(a)に示すよう
に、回転機などの対象音源設備からの音響が主体となる
場合には、その回転周期に同期した周波数帯域毎に、対
象音源設備の回転機の起動、負荷条件などのうちで最も
音のパワーの大きい値の1.5倍程度の音のパワー値を
しきい値として周波数帯域毎に設定する。このしきい値
の例を図24に点線で示す。
【0003】また、回転機が主体でなく、配管内の流動
音、ボイラの燃焼音などが混在する場合の音響診断装置
も図24(b)に示すように、通常の正常運転条件の中
で最も音のパワー値が大きくなるスペクトルに対して、
点線で示すようなしきい値を設定し、このしきい値を超
えたら警報を発する方式になっている。前記した二つの
ようなしきい値の設定法であると、その後運転条件の変
更や他の外乱である、いわゆる暗騒音の増大があれば、
誤警報を発し、これを回避するためには、さらにしきい
値を上げざるを得ない。このため異常状態の早期発見の
点で困難なシステムとなっている。
【0004】次に、従来のその他の検出方法とその構成
例を図25〜図28に示す。上記図23と図24の構成
と異なる点は、音のパワー比較を行うのではなく、音響
を図26と図27に示すように周波数帯域毎の、例えば
平均の音のパワー値を求め、この値を音響学習・認識器
22に入力して、図28に示すようなニュートラルネッ
トワークにより異常検出をするものであ。この場合は音
響データとしては、正常状態と異常状態での音響データ
に基づいており、ニュートラルネットワークにより正常
あるいは異常の教師信号y(y=0:正常、y=1:異
常)に与えて、学習させておく方法である。従って、予
め対象音源設備の異常状態が全て明らかで、その状態で
の音響データが存在し、かつ暗騒音の変動がないような
理想的な音場での音響診断システムであれば実用に供す
るかもしれないが、実際のプラントにおいて、まず異常
な現象を生じさせて異常音のデータを採取することは不
可能であり、まして全ての想定される異常状態での音響
データの採取は困難である。また外乱音である暗騒音の
変動は、対象音源設備や機器とは無関係に発生するた
め、乏しい一部の異常データに基づきニュートラルネッ
トワークにより学習できたとしても、その汎化能力の課
題のため、音響による診断装置の機能としては、実用的
レベルには達していないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、正常
時の対象音源設備、機器、周辺の暗騒音の変動に対応し
た判断機能という点について配慮がされておらず、誤警
報が多く、これを低減するためにしきい値を上げるため
検知感度が鈍くなる問題があった。また、ニュートラル
ネットに音響データをそのまま入力する手法では、例え
異常なデータがあっても汎化能力が乏しく、誤警報の発
生あるいは検知感度の点で問題があった。 本発明の
目的は、対象音源設備、機器の正常な動作音と異常音と
を誤動作なく識別できる音響信号の識別方法および装置
を提供することである。また、本発明の目的は、いわば
対象音源設備、機器、周辺の未知の暗騒音の変動の中に
埋もれた小さな異常音を感知し、運転員に注意を早期に
促す機能を備えた音響信号の識別方法および装置を実用
化することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、空中を伝播する音
響を把えるマイクロフォンの出力信号を主成分分析して
行う音響信号の識別方法において、マイクロフォンの出
力信号の特徴量を主成分分析して得られる第1成分〜第
n成分の主成分得点をn成分系の主成分座標上でマッピ
ングし、その主成分得点の座標上の位置を第一位置と
し、前記第一位置が前記主成分座標系マップにおける予
め記憶している通常運転時の対象音源の複数の音響出力
信号サンプルによる主成分得点群が形成する座標上の主
成分データベース領域内にあるかどうかを判断し、該主
成分データベース領域内に前記第一位置がある場合は、
マイクロフォン出力信号は一応正常であると判断して前
記第一位置と予め記憶している前記主成分データベース
領域の重心位置との間の座標上の距離に基づき算出され
る正常の確信度を定量的に求め、前記第一位置が前記デ
ータベース領域内にない場合は、前記マイクロフォンの
出力信号のケプストラム分析値のなかの大局的なパワー
スペクトルのみから得られたデータを主成分分析して得
られる第1成分〜第n成分の主成分得点をn成分系の主
成分座標系でマッピングして、大局的ケプストラム主成
分得点の座標上の位置を第二位置とし、前記第二位置と
予め記憶している前記主成分データベース領域の重心位
置との間の座標上の距離に基づき算出される異常の確信
度を定量的に求めて、マイクロフォンの出力信号の特徴
点の相違を定量的に評価する音響信号の識別方法であ
る。
【0007】前記主成分得点をマッピングする主成分座
標系は、音源である設備の運転条件やその他の暗騒音の
変動に対して、最も相違の大きい2つの主成分を座標軸
とする2次元平面あるいは最も相違の大きい3つの主成
分成分を座標軸とする3次元空間とすることがより簡単
に音響識別処理が行えるので望ましい。また、正常また
は異常の確信度を定量的に求めるに際しては、対象音源
側の運転状態(中間負荷運転、起動中、定常運転中、停
止中など)などのプラント情報も算入して行うことが望
ましい。前記プラント情報の算入により予め記憶してい
る通常運転時の音響の主成分得点および主成分データベ
ース領域の大きさが決められる。また、正常または異常
の確信度を定量的に算出するには、前記第一位置また
は第二位置と主成分データベース領域の重心位置との間
の座標上の距離の大小に基づきファジイ推論により算出
する方法、前記第一位置または第二位置と主成分デー
タベース領域の重心位置との間の座標上の距離と主成分
データベース領域を仮想円とみなした半径との比を評価
基準とする方法、または主成分データベース領域内の
通常運転時の主成分得点のサンプル数が多い場合は、該
領域内の主成分得点は重心位置を中心とした正規分布と
見なして、前記第一位置または第二位置の前記正規分布
中での偏差値を評価基準とする方法等がある。なお、前
記のファジィ推論による正常または異常の確信度の定
量法は、対象音源側の運転状態などのプラント情報によ
り求められる予め記憶している通常運転時の音響の主成
分データベース領域の大小を基に、ファジィ推論の前件
部のメンバーシップ関数を決め、正常または異常の確信
度を決めるための後件部のメンバーシップ関数をシング
ルトーンとする方法を用いることができる。
【0008】また、本発明の上記目的は次の構成によっ
て達成できる。すなわち、空中を伝播する音響を把える
マイクロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析する音
響信号の識別装置において、マイクロフォンの出力信号
の特徴量を主成分分析して第1成分〜第n成分の主成分
得点を算出し、かつ、得られたn個の主成分得点をn成
分系の主成分座標系でマッピングし、その主成分得点の
座標上の位置である第一位置を求める主成分分析器と、
通常運転時の対象音源の複数の音響出力信号サンプルに
よる主成分得点群が形成する座標上の領域を予め記憶し
ている主成分データベース記憶装置と、前記第一位置が
前記主成分座標系マップにおける前記記憶装置の主成分
データベース領域内にあるかどうかを比較する主成分比
較器と、マイクロフォンの出力信号をケプストラム分析
して大局的なパワースペクトラムと小局的なパワースペ
クトラムとに分離するケプストラム分析器と、該ケプス
トラム分析器で分離されたパワースペクトラムの中の大
局的なパワースペクトルのみを分別するケプストラム分
別器と、該ケプストラム分別器で分別された大局的パワ
ースペクトラムのデータを主成分分析して得られる第1
成分〜第n成分の主成分得点を主成分座標系でマッピン
グして、大局的ケプストラム主成分得点の座標上の位置
である第二位置を求める大局的ケプストラム主成分分析
器と、前記主成分比較器により第一位置が主成分データ
ベースの前記領域内にあると判断された場合は、マイク
ロフォン出力信号は一応正常であると判断し、また、前
記主成分比較器により第一位置が前記主成分データベー
ス領域内にないと判断された場合は一応異常と判断する
正常異常判断器と、該正常異常判断器が一応正常と判断
した場合は前記第一位置と前記主成分データベース領域
の重心位置との間の座標上の距離に基づきマイクロフォ
ン出力信号の正常の確信度を定量的に算出し、また、前
記正常異常判断器が一応異常と判断した場合は前記大局
的ケプストラム主成分分析器で求めた前記第二位置と前
記主成分データベース領域の重心位置との間の座標上の
距離に基づきマイクロフォン出力信号の異常の確信度を
定量的に算出する正常または異常確信度算出器とを設け
た音響信号の識別装置である。上記正常または異常確信
度算出器は、前記音響信号の識別方法の項で述べた〜
の方法を実行できる手段を用いる。
【0009】また、本発明の上記目的は次の構成から達
成される。すなわち、空中を伝播する音響を把えるマイ
クロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析して行う音
響信号の識別方法において、マイクロフォンの出力信号
の特徴量を主成分分析して第1成分〜第n成分の主成分
の得点を求め、さらに、マイクロフォンの出力信号のケ
プストラム分析値の中の大局的なパワースペクトルのみ
から得られたデータを主成分分析して第1成分〜第m成
分のケプストラム主成分得点を求め、前記両方の主成分
得点を自己想起型ニューラルネットの入力データとし
て、対象とする音源からの音響の特徴点を、その確率分
布に応じて自己学習し、自己想起型ニューラルネットの
出力である自己学習結果の確率分布と、前記手順により
予め求めている過去の履歴としての音響の正常時におけ
る確率分布との相違の比較により音響の正常度合または
異常度合を識別する音響信号の識別方法である。
【0010】また、本発明の上記目的は次の構成によっ
て達成される。すなわち、空中を伝播する音響を把える
マイクロフォンの出力信号のの特徴量を主成分分析して
行う音響信号の識別装置において、マイクロフォンの出
力信号の特徴量を主成分分析して第1成分〜第n成分の
主成分得点を求める主成分分析手段と、マイクロフォン
の出力信号の中からの取り出された出力信号をケプスト
ラム分析して第1成分〜第m成分のケプストラム主成分
得点を求める大局ケプストラム分析手段と、前記主成分
分析手段で得られたn個の主成分得点と前記大局ケプス
トラム分析手段で得られたm個のケプストラム主成分得
点を入力データとして、前記出力信号の特徴を、その確
率分布に応じて想起型ニューラルネットにより自己学習
することが可能な確率分布発生器と、該確率分布発生器
からの出力である確率分布と、前記各機器により予め求
めている過去の履歴としての音響の正常時における確率
分布との相違の大小により音響の正常度合または異常度
合を識別する音響データ認識器とを設けた音響信号の識
別装置である。
【0011】上記発明の主成分選択手段は、マイクロフ
ォンの出力信号の特徴量を主成分分析して主成分得点を
算出する主成分分析器と、該主成分分析器で得られた主
成分得点の中の主要な第1成分〜第n成分の得点を選択
する主成分選択器とからなり、大局ケプストラム分析手
段は、マイクロフォンの出力信号の中からの取り出され
た出力信号をケプストラム分析して主成分得点を大局的
なパワースペクトラムと小局的なパワースペクトラムと
に分離するケプストラム分析器と、該ケプストラム分析
器で分離されたパワースペクトラムの中の大局的なパワ
ースペクトルのみを分別するケプストラム分別器と、該
ケプストラム分別器で分別された大局的パワースペクト
ラムの中の主要な第1成分〜第m成分のケプストラム主
成分得点を求める大局ケプストラム選択器とからなる構
成としても良い。また、上記確率分布発生器として自己
想起型のボルツマンマシンを用いることが望ましい。な
お、本発明において、マイクロフォンの出力信号として
増幅後に着目する周波数帯域に絞り、該着目周波数帯域
の信号を用いることが、また、マイクロフォンの出力信
号の中のある有限時間幅のデータに着目することが処理
効率の点から望ましい。
【0012】
【作用】本発明は正常音を繰り返し入力し、まず音響デ
ータの特徴を統計的手法である主成分分析を行い、さら
に、特に暗騒音の変動は、スペクトル的には大局的に変
動していることに着目し、これはケプストラム分析によ
って得られる大局的スペクトルを主成分分析し、これら
二つの統計的手法による主成分分析結果とを総合的に判
断して、例えばファジィ推論等の方法で定量的に正常異
常の確信度を求めて音響信号の識別を行う。また、本発
明は上記のような入力音響スペクトルデータ全体を主成
分分析することにより得られる個々の周波数における平
均値、分散、固有ベクトル、主成分得点などと、該入力
騒音スペクトルデータをケプストラム分析することによ
り得られる該二つのスペクトルのデータに対して主成分
分析することにより得られる二組の平均値、分散、固有
ベクトル、主成分得点などを自己想起型ニューラルネッ
により学習させることにより、異常データがない場合
においても、種々の正常時のデータを対象音源設備、機
器の運用時に診断システムの中に取り込むことができ、
種々の入力騒音信号に対して正常か異常かの判断を行
う。
【0013】このように、異常時のデータはなくても、
音響データの特徴として主成分分析により得られる主成
分得点など、またケプストラム分析後の2種類のスペク
トル(大局的スペクトルと小局的スペクトル)に対して
主成分分析することにより主成分得点などを求めるとい
う2種類の特徴抽出を行い、その総合的判断は、例えば
ファジィ推論あるいは自己想起型ニューラルネットワー
による学習/認識手法を組み合わせることによるの
で、誤警報が大巾に低減し、暗騒音の変動の中に埋もれ
た小さな異常音を検出することが可能となる。ここで暗
騒音とは対象音源以外の音源からの発生する外乱音であ
り、ケプストラム分析によって大局的スペクトルのみを
抽出し、その主成分分析による主成分座標系におけるマ
ッピングにより、対象設備からの音響に混合している外
乱である暗騒音の影響の除去することが可能となる。
【0014】また、ケプストラム分析によって大局的ス
ペクトルのみを抽出し、その主成分分析による主成分座
標系におけるマッピングにより、対象音源設備、機器か
らの音響に混合している外乱である暗騒音の影響の除去
を可能として音響信号の識別ができる。さらに、本発明
の確率分布発生器において、対象設備の運転状態や暗騒
音の変化に応じて、通常運転時の音響発生の確率の分布
を自己学習する自己想起型のボルツマンマシンを設ける
と、対象設備の異常時の音響データがなくても、正常時
の種々の音響データのパターンとの相違を確率的に評価
できる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面とともに説明する。 実施例1 プラント現場の巡視点検員がパトロールする対象音源設
備や機器、配管付近で、図1に示すマイクロフォン1を
設置し、マイクロフォン1で対象音源設備や機器、配管
から出る音響を捕らえ、その微弱な電圧を増幅器2で増
幅させた後、その音響信号の処理を2つに分ける。1つ
はフィルタ3により着目すべき周波数帯域に絞り、主成
分分析器4でその音響の出力信号の特徴を多変量解析で
用いられる統計的手法による主成分分析を行い、主成分
得点を抽出する。ここで予め対象音源設備や機器、配管
付近での音響データを主成分分析した結果を基に、例え
ば、図2に示すような第1主成分F1と第2主成分F2
2次元座標のデータとして蓄積しておく。
【0016】なお、前記主成分分析によりサンプリング
された音響データについて何らかの相関関係のあるn種
の変量(x1,x2,…,xn)(n≧2)が測定された
N組のデータ(x,x,…,x)(λ=1,
2,…,N)が得られたとして、これらのN個のデータ
はn個の変量の一次結合 z=a11+a22+…+ann として表される。Σa2=1の条件のもので、zの分散
が最大の変動となるものをzの第一成分z1といい、こ
のときの係数をa1i(i=1,2,…,n)で表すと次
のようになる。 z1=a111+a122+…+a1nn また、z1とは無相関なzのうちでΣa2=1の条件を満
たす最大の分散のもつz2を第二主成分といい、次のよ
うに表すことができる。 z2=a211+a222+…+a2nn 以下、同様に全変動の大部分が説明できるまで主成分分
析を続ける。
【0017】本実施例では音響データの主成分分析にお
いて、主成分のうちの最も相違の大きい2つの主成分
(第一主成分と第二主成分)について主成分得点(前記
1とz2)を求めたが、全変動の大部分が説明できるま
で主成分分析を第n次まで続けることができる。図2に
示す例は対象音響機器1号機や対象音響機器2号機に対
応する2つの主成分ついての正常状態である通常運転時
の各機器付近の12個のサンプルの主成分得点をそれぞ
れ●点や▲点で示すように二次元座標系でデータを蓄積
したものであり、このデータが図1の主成分データベー
ス記憶装置5内に正常時の音響データとして記憶されて
いる。これらの●点や▲点の値は表1と表2にそれぞれ
示すとおりである。
【0018】
【表1】
【表2】
【0019】そして、図2に示すように、対象音響機器
1号機の正常時(通常運転時)の二次元主成分得点が破
線で囲まれた●点の密な所定の領域とその座標上の重心
位置A1の座標(F1,F2) A1:(F1,F2)=(4.60,6.60) が求められ、また、対象音響機器2号機の正常時の二次
元主成分得点が破線で囲まれた▲点の密な所定の領域と
その座標上の重心位置A2の座標(F1,F2) A2:(F1,F2)=(−5.51,3.21) が決定され、これらのデータが図1の主成分データベー
ス記憶装置5内に正常時の音響データとして記憶されて
いる。
【0020】以下、対象音響機器1号機について、二次
元主成分得点により音響診断する場合について説明す
る。診断しようとする対象音響機器1号機の音響による
出力信号のパワースペクトルが図3に示す形であるとす
ると、各周波数におけるスペクトルの平均値、分散、固
有ベクトルから計算される前記第一主成分と第二主成分
の主成分得点は、図4に示す位置B1にプロットされ
る。本実施例では音響診断時の対象機器1号機の主成分
得点の座標(F1,F2)上の位置B1は B1:(F1,F2)=(1.41,1.80) であった。そして、前記位置B1が主成分データベース
記憶装置5内の破線領域内に存在するか否かについて主
成分比較器6で比較される。
【0021】このとき、位置B1が主成分データベース
記憶装置5内の破線領域内に存在すると、正常異常判断
器10が正常な音響が対象機器1号機から発せられてい
ると判断する。ただし、位置B1が主成分データベース
記憶装置5内の破線領域内にあったとしても、この音響
の中に小さな異常音が埋もれている可能性もあるが、正
常異常判断器10からの出力は主成分データベース記憶
装置5の重心位置A1と位置B1との距離に基づき、後
述のファジィ推論器12によりその正常度合の確信度が
算出される。また、対象音源がどれであるか機器を特定
すること、あるいは対象音源となる機器が起動中である
か、安定運転中であるか、停止中であるか、あるいはい
かなる負荷状態で運転されているかなどにより、音響出
力が異なる場合が多いので、これらの情報に応じた主成
分データベースを用い、あるいはこれらの情報に応じた
ファジィ推論をする必要があるので、主成分データベー
ス記憶装置5とファジィ推論器12には対象音源の設備
側のプラント情報が入力される。
【0022】位置B1が主成分データベース記憶装置5
内の破線領域外部に存在すると、正常異常判断器10は
異常な音響が対象機器1号機から発せられている可能性
があると判断し、図1の窓関数器7を経由してケプトス
ラム分析されるパワースペクトラムデータと比較され
て、その異常度合の確信度をファジィ推論器12により
算出する。すなわち、増幅器2で増幅された後に2つに
分けられた音響出力信号の他の1つは、時間的に連続し
た入力音の中からある時間幅のみの音を、窓関数器7に
より取り出され、ケプストラム分析器8により、大きな
変動成分と小さな変動成分とに分離される。大きな変動
成分のみを大局的スペクトルと称し、この暗騒音を主体
とした大局的スペクトルのみをケプストラム分別器9で
分別する。ケプストラム分別器9で分別された大局的ス
ペクトルは図5に示すパワースペクトラムの形を示し、
その2つの主成分の主成分得点は大局スベクトル主成分
分析器11により、図6に示す座標(F1,F2)上の位
置B2として求められる。本実施例では位置B2は B2:(F1,F2)=(3.19,3.92) であった。
【0023】このように、ケプストラム分析後の大局的
スペクトルを分別し、その主成分得点を計算した結果が
1−F2座標軸上で、位置B2の点にプロットされる。
すなわち、音響出力信号の主成分分析による主成分得点
を暗騒音による大きな変動分を補正するとF1−F2座標
系では、図7に示すように位置B1→位置B2となり、
1号機の主成分データベースの重心位置A1に近づいて
いることが分かる。こうして、ケプストラム分析によっ
て大局的スペクトルのみを抽出し、その主成分分析によ
るF1−F2座標系におけるマッピングにより、対象設備
(1号機)からの音響に混合している外乱である暗騒音
の影響の除去ができ、音響信号の識別ができる。そし
て、この座標点B2と重心位置A1との座標上の距離に
基づきファジィ推論器12によりその異常度合の確信度
が求められる。
【0024】本実施例のファジィ推論器12において
は、下記に示すファジィルールを設定している。図9
(a)に示すようにF1−F2座標上の正常な通常運転時
のサンプリングした音響出力信号の主成分データベース
の重心位置A1を中心とする円の半径rをベースに、位
置B2の点と重心位置A1との距離をdとしてd/rを
ファジィ変数とすると、 ルール1:d/rが非常に小さい(ss)ならば、正常 ルール2:d/rがやや小さい(s)ならば、ほぼ正常 ルール3:d/rがどちらかと言えば小さい(M1)な
らば、不明レベル1 ルール4:d/rがどちらかと言えば大きい(M2)な
らば、不明レベル2 ルール5:d/rがやや大きい(L)ならば、やや異常 ルール6:d/rが非常に大きい(LL)ならば、異常 これらのルールに対応するメンバーシップ関数を図8に
左側がルールの前件部、右側が後件部を示しており、後
件部は各々のルールに対してシングルトーンとすること
により、音響データの蓄積の際のメンバーシップ関数の
調整を容易にしている。このファジィ推論のMin−M
ax算出により正常あるいは異常の程度を後件部の重心
計算により確信度として定量的に判断結果が出力され
る。
【0025】本実施例の場合は図9(a)の主成分デー
タベースの重心位置A1を中心とする円の半径rと、位
置B2の点と重心位置A1との距離dはそれぞれ r=4.2 d=√{(4.60−3.19)2+(6.60−3.92)2} =3.0 であるので、d/rは d/r=0.71 となり、図9(b)に示すように、音響の異常の確信度
は (0.4×0.24+0.6×0.80)/(0.24+0.
80)=0.55 で求められる。こうして、異常時のデータはなくても、
音響データの特徴として主成分分析による主成分得点を
求め、またケプストラム分析後、2種類のスペクトル
(大局的スペクトルと小局的スペクトル)に対して主成
分分析することにより主成分得点を求めるという2種類
の特徴抽出を行い、その総合的判断に、例えばファジィ
推論による認識手法を組み合わせて、誤警報が大巾に低
減し、さらに、暗騒音の変動の中に埋もれた小さな異常
音を検出することも可能となった。
【0026】また、ケプストラム分析によって大局的ス
ペクトルのみを抽出し、その主成分分析による主成分座
標系におけるマッピングにより、対象設備からの音響に
混合している外乱である暗騒音の影響の除去を可能とし
て音響信号の識別ができる。さらに、対象音源設備、機
器側のプラント情報を主成分データベース記憶装置5お
よびファジィ推論器12に入力して、プラント情報に対
応した主成分データベースと前記2種類の主成分分析に
より主成分得点を行うことで正常または異常の確信度の
高い音響識別ができる。
【0027】実施例2 本実施例は図10に示すような構成により対象音響の出
力信号の主成分分析とケプストラム分別による大局スペ
クトルの主成分分析の結果の得られるそれぞれ第1次か
らn次までと、第1次からm次までの主成分得点を確率
分布発生器16に入力して自己想起型ニューラルネット
により入力されるこれらの主成分得点のパターンの頻度
が大きいものほど、音響診断時に当該自己想起型ニュー
ラルネットの出力のパターンの発生頻度が対応して大と
なるように自己学習するものである。図10ではマイク
ロフォン1で対象音源設備や機器、配管から出る音響を
捕らえ、その微弱な電圧を増幅器2で増幅させた後、図
1の場合と同様に音響出力信号の処理を2つに分ける。
その1つは主成分分析器4で、その音響の出力信号の特
徴を多変量解析で用いられる統計的手法による主成分分
析を行い、主成分得点を求め、その中の主要な第1次か
らn次までの主成分得点値を主成分選択器15で選択
し、選択された主成分得点を確率分布発生器16に入力
して、自己想起型ニューラルネットにより自己学習させ
る。
【0028】増幅器2で増幅させた出力信号の他の一つ
は窓関数器7を経由してケプストラム分析器8に入り、
ここで、大局的スペクトルと小局的スペクトルとに分離
される。暗騒音を主体とした大局的スペクトルのみをケ
プストラム分別器9で分別し、ケプストラム分別器9で
分別された大局的スペクトルは大局ケプストラム選択器
17において、大局的パワースペクトラムの中の第1次
からm次までの主要なケプストラム主成分得点値を選択
し、選択された主成分得点を確率分布発生器16に入力
して、自己想起型ニューラルネットにより自己学習させ
る。そして、確率分布発生器16からの出力である確率
分布と、確率分布発生器16に記憶されている前記各機
器により予め求めている過去の履歴としての音響の正常
時(通常運転時)における確率分布のデータとの相違の
大小により音響の正常または異常を音響データ認識器1
8により識別する。このように確率分布発生器16(ボ
ルツマンマシンがその一例)は対象音響の確率分布と、
予め求めている過去の履歴としての音響の正常時におけ
る確率分布の両方を出力して、音響データ認識器18
は、両方の確率分布のデータとの相違の大小により正常
異常の認識をする。
【0029】図10では、図1と同様に主成分分析とケ
プストラム分別による大局スペクトルの主成分分析の結
果の各々第1次からn次までと、第1次からm次までの
主成分得点を図11に示すように、確率分布発生器16
の自己想起型ニューラルネットに入力されるこれらの主
成分得点のパターンの頻度が大きいものほど、音響診断
時に確率分布発生器16の図12に示す自己想起型ニュ
ーラルネットの出力のパターンの発生頻度が対応して大
となるように自己学習するものである。したがって、プ
ラント巡視員と同じように通常、聴き慣れた正常時の音
は、暗騒音の変動の大小も含めて異常を感じない。本実
施例の確率分布発生器16を用いるシステムでは、この
自己学習する機能を自動的に取り込むことを可能として
いる。図11のように自己学習を繰り返すことにより、
診断時に図12に示す確率分布発生器16の自己想起型
ニューラルネットの出力のパターンをみることで、通常
時の音響の特徴との相違を判定するものである。
【0030】具体的に表3に示す主成分分析の寄与率が
通常運転中の頻度が高い場合、対象音全体としては第5
次まで累積寄与率が80%となっている。
【表3】
【0031】第1次主成分得点から第5次主成分得点と
大局ケプストラム分析後のスペクトルの主成分得点であ
る第1次主成分得点から第3次主成分得点までを図13
に示す自己想起型ニューラルネットに合計8個の主成分
得点を入力する。以上の入力パターンを頻度多く入力さ
れた自己想起型ニューラルネットは診断時には、確率分
布発生器16として図14に示す0、1のパターンを出
力する。
【0032】次に暗騒音の変動大のときの主成分分析/
因子寄与率および主成分得点を表4に示し、図15に示
すように入力しておけば、これも図14と似たパターン
を図16に示すように出力する。
【表4】
【0033】ところが、頻度の少ない異常な音の場合
は、表5に示す主成分得点の相違から、図17に示す入
力パターンに対して、図18の出力パターンが得られ
た。
【表5】 以上の図14、16、18の出力パターンは、各々入力
された音響スペクトルとしては、図19の通常運転時
(頻度大)、図20の暗騒音の変動大(比較的頻度大)
および図21の異常時の音響スペクトルの形である。こ
れらの相違を比較したスペクトル形状を図22に示す。
【0034】また、確率分布発生器16から得られた出
力パターンを表6に示す。
【表6】
【0035】図10の音響データ認識機18では、表6
に示すような出力パターン間の距離として、各々のニュ
ーロ出力値の差の総和、いわゆるハミング距離(表6参
照)の大小により当該入力音響の正常あるいは異常ある
いは不明度を定量的に認識し、判断結果を運転員に知ら
せる。本実施例では確率分布発生器16の出力は通常運
転時と暗騒音時とではハミング距離に大きな相違はない
が、通常運転時と異常時とではハミング距離に大きな相
違があり、誤判断なく、異常時の対応ができることが分
かる。なお、このハミング距離をファジィ変数として、
図8に示すメンバーシップ関数を用いて定量化すること
もできる。また、本実施例では確率分布発生器16の自
己想起型ニューラルネットとしてボルツマンマシンを採
用したが、これに限定されることはない。以上のよう
に、従来技術では、図22に示すような点線で示す高い
暗騒音では正常と判断し、かつ異常時の変化分(図22
中のハッチング部分)を検出することは困難であった
が、本発明によれば、このような場合も検出が可能にな
った。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、従来、暗騒音の変動や
対応機器、配管系からの音響変動に対して、埋もれてい
る小さな異常音を、正常時の大きな音響パワーにおいて
誤判断を発生せずに、かつ、入力音に対する正常(ある
いは異常)の度合を確信度として定量的に運転員へ知ら
せることができる。また、異常な音響データがなくても
診断アルゴリズムを自動的にブラッシュアップできる点
は、実用上大きな効果と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の装置の構成図である。
【図2】 本発明の実施例1の正常時の診断対象の1号
機と2号機の第1成分と第2成分の主成分得点の2次元
座標上の分布図である。
【図3】 本発明の実施例1の1号機の音響のパワース
ペクトラムの図である。
【図4】 図3の主成分分析による第1成分と第2成分
の主成分得点の2次元座標上の位置を示す図である。
【図5】 本発明の実施例1の1号機の音響のケプスト
ラム分析後の大局的パワースペクトラムの図である。
【図6】 図5のケプストラム分析による第1成分と第
2成分の主成分得点の2次元座標上の位置を示す図であ
る。
【図7】 本発明の実施例1の主成分分析による第1成
分と第2成分の主成分得点の2次元座標上の位置とケプ
ストラム分析による大局的のパワースペクトラム第1成
分と第2成分の主成分得点の2次元座標上の位置を正常
時の診断対象の1号機の第1成分と第2成分の主成分得
点群の2次元座標の分布図上に示した図である。
【図8】 本発明の実施例1のファジィ推論ルールに対
応するルンバーシップ関数を示す図である。
【図9】 本発明の実施例1のファジィ推論の手順を示
す図である。
【図10】 本発明の実施例2の装置の構成図である。
【図11】 本発明の実施例2の自己想起型ニューラル
ネットを用いた確率分布器の入力の説明図である。
【図12】 本発明の実施例2の自己想起型ニューラル
ネットを用いた確率分布器の出力の説明図である。
【図13】 本発明の実施例2の通常運転時の自己想起
型ニューラルネットを用いた確率分布器の入力の説明図
である。
【図14】 本発明の実施例2の通常運転時の自己想起
型ニューラルネットを用いた確率分布器の出力の説明図
である。
【図15】 本発明の実施例2の暗騒音変化時の自己想
起型ニューラルネットを用いた確率分布器の入力の説明
図である。
【図16】 本発明の実施例2の暗騒音変化時の自己想
起型ニューラルネットを用いた確率分布器の出力の説明
図である。
【図17】 本発明の実施例2の異常時の自己想起型ニ
ューラルネットを用いた確率分布器の入力の説明図であ
る。
【図18】 本発明の実施例2の異常時の自己想起型ニ
ューラルネットを用いた確率分布器の出力の説明図であ
る。
【図19】 本発明の実施例2の通常運転時の音響スペ
クトルの図である。
【図20】 本発明の実施例2の暗騒音変化時の音響ス
ペクトルの図である。
【図21】 本発明の実施例2の異常時の音響スペクト
ルの図である。
【図22】 図19〜図21の相違を比較した図であ
る。
【図23】 従来技術の音響の音響診断装置の構成図で
ある。
【図24】 図23の装置を用いて行う回転機等または
プラント暗騒音等の音響のスペクトルの図である。
【図25】 従来技術の音響の音響診断装置の構成図で
ある。
【図26】 図25の装置を用いて行う音響のスペクト
ルの図である。
【図27】 図25の装置を用いて行う音響の周波数帯
域毎のスペクトル平均値を表す図である。
【図28】 図25の装置を用いて行う音響出力のニュ
ーラルネットワークの図である。
【符号の説明】
1…マイクロフォン、2…増幅器、3…フィルタ、4…
主成分分析器、5…主成分データベース記憶装置、6…
主成分比較器、7…窓関数器、8…ケプストラム分析
器、9…ケプストラム分別機、11…大局スペクトル主
成分分析器、12…ファジィ推論器、15…主成分選択
器、16…確率分布発生器、17…大局ケプストラム選
択器、18…音響データ認識器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G06F 15/18 560 G06F 15/18 560G G10L 15/02 G10L 3/00 541 15/08 539 15/16 9/16 301A // G10L 101:04 (56)参考文献 特開 平4−205163(JP,A) 特開 平6−167385(JP,A) 特開 平5−81595(JP,A) 特開 平2−162495(JP,A) 特開 昭63−244197(JP,A) 特開 昭61−34461(JP,A) 特開 平2−272637(JP,A) 特開 平2−272636(JP,A) 特開 平1−238696(JP,A) 特開 平3−156584(JP,A) 特開 昭62−74188(JP,A) 特開 平6−167385(JP,A) 特開 平5−303393(JP,A) 特開 平5−297893(JP,A) 特開 平5−303394(JP,A) 特公 平4−50600(JP,B2) 広島電機大学・広島自動車工業短期大 学研究報告 第26巻 1993「コンプレッ サーにおける騒音のスペクトル分析」 p.35−42 菊池「入門ニューロコンピュータ」 (平2−1−20)オーム社 p.53−59 火力原子力発電 Vol.47,No. 10,October 1996,「特集 発 電所の運転・保守支援システム ▲II ▼.監視支援システム 1.ボイラ監視 支援システム」p.16−36 火力原子力発電 Vol.46,No. 1,January 1995,「能代火力 発電所1号記における最新の制御技術」 p.47−58 日本機械学会第71期全国大会講演論文 集 Vol.D(1993年10月)「現場異 常監視システム」p.477−479 IEE Conference Pu blication No.369,Ac oustic Sensing and Imaging,29−30 March 1993,”Acoustic Diag nostics in Process Plant:Application of Pattern Recogn ition Techniques”, p.189−194 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 15/10 G06F 15/18 520 G06F 15/18 560 G10L 15/02 G10L 15/08 G10L 15/16 G10L 101:04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空中を伝播する音響を把えるマイクロフ
    ォンの出力信号を主成分分析して行う音響信号の識別方
    法において、 マイクロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析して得
    られる第1成分〜第n成分の主成分得点をn成分系の主
    成分座標上でマッピングし、その主成分得点の座標上の
    位置を第一位置とし、 前記第一位置が前記主成分座標系マップにおける予め記
    憶している通常運転時の対象音源の複数の音響出力信号
    サンプルによる主成分得点群が形成する座標上の主成分
    データベース領域内にあるかどうかを判断し、 該主成分データベース領域内に前記第一位置がある場合
    は、マイクロフォン出力信号は一応正常であると判断し
    て前記第一位置と予め記憶している前記主成分データベ
    ース領域の重心位置との間の座標上の距離に基づき算出
    される正常の確信度を定量的に求め、 前記第一位置が前記データベース領域内にない場合は、
    前記マイクロフォンの出力信号のケプストラム分析値の
    なかの大局的なパワースペクトルのみから得られたデー
    タを主成分分析して得られる第1成分〜第n成分の主成
    分得点をn成分系の主成分座標系でマッピングして、大
    局的ケプストラム主成分得点の座標上の位置を第二位置
    とし、 前記第二位置と予め記憶している前記主成分データベー
    ス領域の重心位置との間の座標上の距離に基づき算出さ
    れる異常の確信度を定量的に求めて、 マイクロフォンの出力信号の特徴点の相違を定量的に評
    価することを特徴とする音響信号の識別方法。
  2. 【請求項2】 マイクロフォンの出力信号の特徴量を主
    成分分析して得られる第1成分〜第n成分の主成分得点
    をマッピングする主成分座標系は、音源である設備の運
    転条件やその他の暗騒音の変動に対して、最も相違の大
    きい2つの主成分を座標軸とする2次元平面あるいは最
    も相違の大きい3つの主成分成分を座標軸とする3次元
    空間であることを特徴とする請求項1記載の音響信号の
    識別方法。
  3. 【請求項3】 正常または異常の確信度を定量的に求め
    るに際しては、対象音源側の運転状態などのプラント情
    報も算入することを特徴とする請求項1記載の音響信号
    の識別方法。
  4. 【請求項4】 予め記憶している通常運転時の音響の主
    成分得点および主成分データベース領域の大きさは対象
    音源側の運転状態などのプラント情報に基づき求められ
    ることを特徴とする請求項1記載の音響信号の識別方
    法。
  5. 【請求項5】 正常の確信度は第一位置と主成分データ
    ベース領域の重心位置との間の座標上の距離の大小に基
    づきファジイ推論により算出され、または異常の確信度
    は第二位置と前記重心位置との間の座標上の距離の大小
    に基づきファジイ推論により算出することを特徴とする
    請求項1記載の音響信号の識別方法。
  6. 【請求項6】 ファジィ推論は、対象音源側の運転状態
    などのプラント情報により求められる予め記憶している
    通常運転時の音響の主成分データベース領域の大小を基
    に、ファジィ推論の前件部のメンバーシップ関数を決
    め、正常または異常の確信度を決めるための後件部のメ
    ンバーシップ関数をシングルトーンとすることを特徴と
    する請求項5記載の音響信号の識別方法。
  7. 【請求項7】 空中を伝播する音響を把えるマイクロフ
    ォンの出力信号の特徴量を主成分分析する音響信号の識
    別装置において、 マイクロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析して第
    1成分〜第n成分の主成分得点を算出し、かつ、得られ
    たn個の主成分得点をn成分系の主成分座標系でマッピ
    ングし、その主成分得点の座標上の位置である第一位置
    を求める主成分分析器と、 通常運転時の対象音源の複数の音響出力信号サンプルに
    よる主成分得点群が形成する座標上の領域を予め記憶し
    ている主成分データベース記憶装置と、 前記第一位置が前記主成分座標系マップにおける前記記
    憶装置の主成分データベース領域内にあるかどうかを比
    較する主成分比較器と、 マイクロフォンの出力信号をケプストラム分析して大局
    的なパワースペクトラムと小局的なパワースペクトラム
    とに分離するケプストラム分析器と、 該ケプストラム分析器で分離されたパワースペクトラム
    の中の大局的なパワースペクトルのみを分別するケプス
    トラム分別器と、 該ケプストラム分別器で分別された大局的パワースペク
    トラムのデータを主成分分析して得られる第1成分〜第
    n成分の主成分得点を主成分座標系でマッピングして、
    大局的ケプストラム主成分得点の座標上の位置である第
    二位置を求める大局的ケプストラム主成分分析器と、 前記主成分比較器により第一位置が主成分データベース
    の前記領域内にあると判断された場合は、マイクロフォ
    ン出力信号は一応正常であると判断し、また、前記主成
    分比較器により第一位置が前記主成分データベース領域
    内にないと判断された場合は一応異常と判断する正常異
    常判断器と、 該正常異常判断器が一応正常と判断した場合は前記第一
    位置と前記主成分データベース領域の重心位置との間の
    座標上の距離に基づきマイクロフォン出力信号の正常の
    確信度を定量的に算出し、また、前記正常異常判断器が
    一応異常と判断した場合は前記大局的ケプストラム主成
    分分析器で求めた前記第二位置と前記主成分データベー
    ス領域の重心位置との間の座標上の距離に基づきマイク
    ロフォン出力信号の異常の確信度を定量的に算出する正
    常または異常確信度算出器と、を設けたことを特徴とす
    る音響信号の識別装置。
  8. 【請求項8】 正常または異常確信度算出器は、正常ま
    たは異常の確信度の算出を第一位置または第二位置と重
    心位置との間の座標上の距離の大小に基づきファジイ推
    論により算出するファジイ推論器であることを特徴とす
    る請求項7記載の音響信号の識別装置。
  9. 【請求項9】 空中を伝播する音響を把えるマイクロフ
    ォンの出力信号の特徴量を主成分分析して行う音響信号
    の識別方法において、 マイクロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析して第
    1成分〜第n成分の主成分の得点を求め、 さらに、マイクロフォンの出力信号のケプストラム分析
    値の中の大局的なパワースペクトルのみから得られたデ
    ータを主成分分析して第1成分〜第m成分のケプストラ
    ム主成分得点を求め、 前記両方の主成分得点を自己想起型ニューラルネットの
    入力データとして、対象とする音源からの音響の特徴点
    を、その確率分布に応じて自己学習し、 自己想起型ニューラルネットの出力である自己学習結果
    の確率分布と、前記手順により予め求めている過去の履
    歴としての音響の正常時における確率分布との相違の比
    較により音響の正常度合または異常度合を識別すること
    を特徴とする音響信号の識別方法。
  10. 【請求項10】 空中を伝播する音響を把えるマイクロ
    フォンの出力信号のの特徴量を主成分分析して行う音響
    信号の識別装置において、 マイクロフォンの出力信号の特徴量を主成分分析して第
    1成分〜第n成分の主成分得点を求める主成分分析手段
    と、 マイクロフォンの出力信号の中からの取り出された出力
    信号をケプストラム分析して第1成分〜第m成分のケプ
    ストラム主成分得点を求める大局ケプストラム分析手段
    と、 前記主成分分析手段で得られたn個の主成分得点と前記
    大局ケプストラム分析手段で得られたm個のケプストラ
    ム主成分得点を入力データとして、前記出力信号の特徴
    を、その確率分布に応じて想起型ニューラルネットによ
    り自己学習することが可能な確率分布発生器と、 該確率分布発生器からの出力である確率分布と、前記各
    機器により予め求めている過去の履歴としての音響の正
    常時における確率分布との相違の大小により音響の正常
    度合または異常度合を識別する音響データ認識器とを設
    けることを特徴とする音響信号の識別装置。
  11. 【請求項11】 主成分選択手段は、マイクロフォンの
    出力信号の特徴量を主成分分析して主成分得点を算出す
    る主成分分析器と、該主成分分析器で得られた主成分得
    点の中の主要な第1成分〜第n成分の得点を選択する主
    成分選択器とからなり、 大局ケプストラム分析手段は、マイクロフォンの出力信
    号の中からの取り出された出力信号をケプストラム分析
    して主成分得点を大局的なパワースペクトラムと小局的
    なパワースペクトラムとに分離するケプストラム分析器
    と、該ケプストラム分析器で分離されたパワースペクト
    ラムの中の大局的なパワースペクトルのみを分別するケ
    プストラム分別器と、該ケプストラム分別器で分別され
    た大局的パワースペクトラムの中の主要な第1成分〜第
    m成分のケプストラム主成分得点を求める大局ケプスト
    ラム選択器とからなることを特徴とする請求項10記載
    の音響信号の識別装置。
  12. 【請求項12】 確率分布発生器として自己想起型のボ
    ルツマンマシンを用いることを特徴とする請求項10ま
    たは11記載の音響信号の識別装置。
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