JP3010550B2 - 粘着フィルムで全面が覆われた面状発熱体 - Google Patents

粘着フィルムで全面が覆われた面状発熱体

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JP3010550B2 JP9044912A JP4491297A JP3010550B2 JP 3010550 B2 JP3010550 B2 JP 3010550B2 JP 9044912 A JP9044912 A JP 9044912A JP 4491297 A JP4491297 A JP 4491297A JP 3010550 B2 JP3010550 B2 JP 3010550B2
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状発熱体、特に湿
気の多い浴室等の場所に設置する鏡の防曇や床暖房等に
効果的に使用でき、しかも薄く且つフレキシブルに構成
できるとともに、使用する導電体の抵抗値および寸法を
変えることによって、その使用電圧を4ボルト程度の低
電圧から100ボルト迄の広範囲に亙って選ぶことがで
きる構成の粘着フィルムで全面が覆われた面状発熱体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】浴室や洗面脱衣場等のような湿気の多い
場所に設置されている鏡は、室内湿度の上昇や外気との
温度差が広がるに従って鏡面が曇ってしまい、適切な使
用が出来なくなることはしばしば経験することである。
【0003】本願発明者は、浴室等のように多湿で水が
かかる虞がある過酷な条件の下においても、安定して作
動し且つ安全に使用することができる面状発熱体を既に
提案している。
【0004】以下、この面状発熱体の構成について説明
する。
【0005】図4は面状発熱体の平面的な構成を示す平
面図、図5は面状発熱体の内部の構成を示す断面図、図
6は端子カバー付近の構成を示す拡大断面図である。
【0006】この面状発熱体は、図6に示したように基
板1,発熱層を有する導電性フィルム2,多層の絶縁フ
ィルム3および多層複合フィルム4を積層することによ
って構成されている。5は電源用の電線、6は端子カバ
ーである。
【0007】基板1は耐熱性および可撓性を有する透明
又は不透明の合成樹脂フィルム若しくは合成樹脂シート
を用いて構成されている。ここで用いられる合成樹脂と
しては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン等があ
る。
【0008】基板1の上面に積層される導電性フィルム
2は、ポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルム製の
基層21の表面に、スパッタリング等の手段により電気
抵抗の低い金属の層を付着形成した発熱層22を一体化
した構造となっている。この導電性フィルム2は基層2
1の裏面に形成された粘着層23によって基板1の上面
に接着している。
【0009】ここで、導電性フィルム2の周辺寸法は、
基板1の周辺寸法よりも短い又は同一の寸法に選ばれて
いる。この導電性フィルム2の周辺寸法や発熱層22の
単位面積あたりの抵抗値(表面抵抗値)を適宜選ぶこと
によって広範囲(4V〜100V)の使用電圧に対応し
た発熱体を構成することができる。
【0010】24は発熱層22の両端部に形成された電
極であり、発熱層22上に塗布密着させた導電ペイント
等によって構成されている(図4参照)。
【0011】この2つの電極24には、導電テープ等か
らなる導電帯51の一端がそれぞれ電気的に接続されて
いる。2つの導電帯51の他端は、基板1に対して導電
性フィルム2とは反対側に位置する電源用の電線5にそ
れぞれ電気的に接続されている。
【0012】6は基板1上に取付けた端子カバーであ
り、図6に示したようにその内側に防水性および防湿性
に優れたブチルゴムからなる充填剤61が充填され、ま
たその内側には、導電帯51と電源用電線5との接続部
を固定し、且つ絶縁性を高めるためにエポキシ樹脂等の
シール剤62が充填されている。
【0013】多層の絶縁フィルム3は、外皮であり絶縁
性を有する多層複合フィルム4が万一破損した場合でも
発熱層22を構成している金属層の電気絶縁性および基
板1の強度等を確保するためのもの、即ち、外皮が万一
破損した場合にも安全性を確保するためのもので、強度
および電気絶縁性に優れた、例えばポリエチレン,ポリ
エステル,ポリプロピレン等の合成樹脂によって構成さ
れる合成樹脂フィルムによって構成されている。この絶
縁フィルム3の周辺寸法は、基板1の周辺寸法と同じと
なっている。
【0014】面状発熱体の外皮は、有機物質と無機物質
とを層状に重ねた耐熱性に優れ且つ透水性,透湿性,ガ
ス透過性の無い多層複合フィルム4によって構成されて
おり、この面状発熱体においては図7に示したように表
面側からポリエステル41,アルミニウム42,ナイロ
ン43,ポリプロピレン44からなる多層複合フィルム
4が用いられている。
【0015】なお、多層複合フィルム4の周辺寸法は基
板1の周辺寸法よりも大きくしてあり、この周辺部をヒ
ートシールしてヒートシール部4’を形成する。この場
合には、表面側の多層複合フィルムのポリプロピレン層
と裏面側の多層複合フィルムのポリプロピレン層とを接
触させて熱で融着させることによってヒートシール部
4’を形成する。この多層複合フィルム4の構成は、図
7に示した構成に限られるものではなく、耐熱性に優れ
且つ透水性,透湿性,ガス透過性の無いヒートシールが
出来る多層複合フィルムであればどのような多層複合フ
ィルムであってもよい。
【0016】この面状発熱体を鏡等の対象物に取付ける
場合には、図8に示したように面状発熱体と対象物Oと
の間に両面粘着フィルムFを介在させて両者を接着させ
る。
【0017】以上説明した面状発熱体は、耐熱性に優れ
且つ透水性,透湿性,ガス透過性の無い多層複合フィル
ム4によって外皮が形成されているために、浴室等の過
酷な条件の下でも、長期間に亙って安定且つ安全に使用
することが出来る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このような面状発熱体
が浴室に設置されている場合、その浴室でカビ取り液等
の薬品剤が使用されると、その薬品剤が多層複合フィル
ム4の端部に露出している金属層に接触して当金属層が
腐蝕してしまうという虞があった。
【0019】このため従来は、面状発熱体の取付に際し
ては、図8に示したように面状発熱体の周辺、即ち多層
複合フィルムの端縁部をウレタン系などのシール材Sに
よって保護していた。しかしながら、面状発熱体の取付
時において、シール材Sによる保護が完全でない場合に
は、多層複合フィルムの金属層は腐蝕してしまう。そこ
で、従来は面状発熱体の取付に際して細心の注意を払う
必要があり、又シール材Sを塗布する手間がかかった。
【0020】本発明の目的は、耐熱性,耐水性および耐
湿性に加えて耐薬品性があって、容易に設置場所に取付
けることができる面状発熱体を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明はあらかじめ定められた周辺寸法の合成樹
脂製シート若しくはフィルムからなる基板1と所定の抵
抗値を有し電源用の電線5に接続される導電性フィルム
2とを一体化させ面状に形成した発熱体の表面側とその
裏面側とを、前記基板1の周辺寸法よりもその周辺寸法
が長い耐熱性に優れ且つ透水性,透湿性,ガス透過性の
無い多層複合フィルム4により一体的に被覆し、当該被
覆した多層複合フィルム4の周辺部をヒートシールし、
さらに前記発熱体の表面側に、前記多層複合フィルム4
の周辺寸法よりもその周辺寸法が長い防水性,防湿性,
耐熱性,耐薬品性に優れ且つ金属非腐蝕性の両面粘着フ
ィルムを貼着し、前記発熱体の裏面側に、前記両面粘着
フィルムと同一寸法で且つ同一特性を有する片面粘着フ
ィルムを貼着し、当該片面粘着フィルムおよび前記両面
粘着フィルムの周辺部の互いの対向する面を密着接合し
た構成を具備したことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0023】図1は本発明の一実施形態に係る面状発熱
体の平面的な構成を示す平面図であり、図2(a)はそ
の内部構成を示す断面図、図2(b)は端部の内部構成
を示す拡大断面図である。
【0024】図1および図2において、図4および図5
と同一符号のものは同一のものを示している。
【0025】ここで7は、導電性フィルム2が積層され
ている基板1の表面側に設けられた両面粘着フィルムで
ある。
【0026】この両面粘着フィルム7は、ポリエステル
等の合成樹脂フィルム製の基層71の両面に、耐熱性,
耐水性,耐湿性および耐薬品性に優れ且つ金属非腐蝕性
を有する粘着層72,73が形成されているものであ
る。本実施形態においては、この粘着層72,73を構
成する上述した特性を有する粘着材としてアクリル系の
粘着材が使用されている。
【0027】また、8は電源用の電線5がある裏面側に
設けられた片面粘着フィルムである。この片面粘着フィ
ルム8の基層81と粘着層82とは、両面粘着フィルム
7の基層71と粘着層72,73と同じ材料によって構
成されている。
【0028】両面粘着フィルム7および片面粘着フィル
ム8は、同じ周辺寸法であり、その周辺寸法は多層複合
フィルム4の周辺寸法よりも長い値に選ばれている(図
1参照)。
【0029】従って、両面粘着フィルム7の周辺部と片
面粘着フィルム8の周辺部とを密着接合させることがで
きる(図2参照)。
【0030】以上のように構成された本実施形態におい
ては、多層複合フィルム4の端縁部が両面粘着フィルム
7の粘着層72および片面粘着フィルム8の粘着層82
の接合部によって保護されるため、多層複合フィルム4
の端部に露出している金属層が薬品と反応する虞がな
い。
【0031】さらに、本実施形態の表面側の表層は両面
粘着フィルム7の粘着層73となっているために、本実
施形態は容易に設置場所に取付けることが出来る。
【0032】なお、本実施形態で用いた両面粘着フィル
ム7と片面粘着フィルム8を、多層の絶縁フィルム3や
多層複合フィルム4を有しない図3に示したような面状
発熱体に配設すれば、その面状発熱体の耐熱性,耐水
性,耐湿性および耐薬品性を容易に向上させることがで
きる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐熱性,耐水性および耐湿性に加えて耐薬品性があっ
て、容易に設置場所に取付けることができる面状発熱体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示した実施形態の断面図である。
【図3】図1に示した実施形態に使用される粘着フィル
ムの説明図である。
【図4】従来の面状発熱体の構成を示す平面図である。
【図5】従来の面状発熱体の構成を示す断面図である
【図6】従来の面状発熱体の要部の拡大断面図である。
【図7】従来の面状発熱体の外皮の構成図である。
【図8】従来の面状発熱体を使用する場合の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 導電性フィルム 3 絶縁フィルム 4 多層複合フィルム 4’ ヒートシール部 5 電線 6 端子カバー 7 両面粘着フィルム 8 片面粘着フィルム 22 発熱層 71,81 基層 72,73,82 粘着層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ定められた周辺寸法の合成樹脂
    製シート若しくはフィルムからなる基板1と所定の抵抗
    値を有し電源用の電線5に接続される導電性フィルム2
    とを一体化させ面状に形成した発熱体の表面側とその裏
    面側とを、前記基板1の周辺寸法よりもその周辺寸法が
    長い耐熱性に優れ且つ透水性,透湿性,ガス透過性の無
    い多層複合フィルム4により一体的に被覆し、当該被覆
    した多層複合フィルム4の周辺部をヒートシールし、さ
    らに前記発熱体の表面側に、前記多層複合フィルム4の
    周辺寸法よりもその周辺寸法が長い防水性,防湿性,耐
    熱性,耐薬品性に優れ且つ金属非腐蝕性の両面粘着フィ
    ルムを貼付し、前記発熱体の裏面側に、前記両面粘着フ
    ィルムと同一寸法で且つ同一特性を有する片面粘着フィ
    ルムを貼付し、当該片面粘着フィルムおよび前記両面粘
    着フィルムの周辺部の互いの対向する面を密着接合した
    構成を具備したことを特徴とする粘着フィルムで全面が
    覆われた面状発熱体。
  2. 【請求項2】 前記多層複合フィルム4の内側には、前
    記基板1の周辺寸法と同一の周辺寸法を有する絶縁フィ
    ルム3がさらに配設されていることを特徴とする請求項
    1に記載の粘着フィルムで全面が覆われた面状発熱体。
  3. 【請求項3】 前記両面粘着フィルムおよび前記片面粘
    着フィルムの粘着層は、防水性,防湿性,耐熱性,耐薬
    品性に優れ且つ金属非腐蝕性を有するアクリル系の粘着
    剤によって構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の粘着フィルムで全面が覆われた面状発熱
    体。
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